
「昔みたいに誘ってええんか?」
「うん、連れ出して…」
「日本酒って、大丈夫やったか?」
「日本酒は、大好き」
地下鉄の玉造駅で史絵と待ち合わせた。そして、上町に移転したばかりの居酒屋、『ながほり』へ。エントランスから入り口まではそれほど距離はないんだけど、蹲があったりする。店に入ると長いカウンター(12席)があって、奥にはテーブル席(8席)がある。予約していたメンソールは、カウンターの中程に案内された。で、トリビー…。メニューはA4サイズの紙に書かれていて2枚あった。
「私、タコ、大好き。タコが食べたい」と、はしゃいだ。「今日の造りは?」とメンソールが聞くと「盛り合わせにしましょう」と返されたので、そのまま盛り合わせに…。プラスお勧めの箱雲丹。『手羽先だ』と言うメニューがあって、気になったのでそれをオーダー。名前は忘れたけど、食べたことのない野菜の名前を見つけたので、それもオーダー。それ以外にも、店の人とあれこれ相談しながら何品かオーダーした。
「メンソール、私ね。ビールが飲めるようになったの」と、史絵が言う。あら~、ビールあかんかったんか…、と思いながら、必死で話題を変える。
「史絵って、前より可愛いくなってるし、きっと幸せなんだな」
「そう?。うれしいわ」
「メンソールは、史絵が大好きやし、大好きな史絵と、こんな素敵な店で食事ができて、ものすごく幸せや」
「ふふっ、メンソールって相変わらずプレイボーイね。イタリア人なんかな?」
「それはイタリア人に失礼やと思うで…」
蓮根は、ほぼそのまま焼いたもの。メンソールは残っていた雲丹を乗せて食べてみた。「メンソール、それ、贅沢な食べ方やね」と、史絵が言い、「軽く醤油をつけた雲丹を乗せると、不思議な味がする」とも言った。
水なすは、浅漬けとかで食べることが多いので、今回初体験の煮浸しはちょっと不思議な味わいだった。食感はそのままなんだけど、ダシの味が仄かに広がる感じ。手羽先も、普通の手羽先に見えるんだけど、焼き具合が絶妙というか、なぜか旨い。もちろん素材はよい物が使われている。
「私ね、メンソールのエスコートががとってもきもちいいの」
「メンソールが好きというわけとはちゃうのやな」
「メンソールはね、下心のないプレイボーイかな。私にとっては…。本気で口説いてるとは思えないの」
う~ん、不思議だ…。
その後、つくねと、モツサラダをオーダーした。このつくねがめっちゃ旨いこと…。日本酒は6~7種類くらいなんだけど、店主の好みが揃えられてる。今回はやらなかったけど、どの酒も燗に応じてくれる。
「あ、それからね。眼鏡をかけてる男の人に萌えるの。前に会ったときは眼鏡かけてなかったでしょ。今日は、眼鏡だから、ちょっと萌えてるの」
「萌えてるんやったら、そのまま惚れたらええんとちゃうの?」
「それはだめ。プレイボーイは恋愛対象にならないわ」
それから、店を出たメンソールは、史絵を駅まで送っていく。実は、後半、どういう流れからか深刻な話になって、人気のない夜道で、献肘と頂肘を披露したりした。人気のない夜道でキスができなかったのが残念なような気もするが…。
さて、『ながほり』と言えば最強の居酒屋という称号がふさわしいんじゃないかとも思ったりしてます。定義が明確ではないんですけど居酒屋であって割烹じゃないような気はします。なぜそう感じるのかは判らんのですけど…。アテはおなじみの居酒屋メニューから高級素材まで幅広い。値段にして450円くらいから5,000円くらいまで。メディアに露出したばかりなので、予約は必須。全席禁煙。で、一回転では店が維持できないとかで、二時間程度で次の客に席を譲ってほしいとのこと。メンソールも、電話予約したときに確認された。あと、ものすごく気持ちがいいのが、客を名前で呼ぶことかな。「料理上がったで。3番カウンターや」というのはよく聞くんだけど「料理上がったで。メンソールさんとこな」と、客を番号で呼んだりしない。考えてみれば当たり前のことのような気がするんだけど、すごいと思うな。
(店 名) ながほり
(ジャンル) 居酒屋
(所 在 地) 大阪市中央区上町1-3-9
(電 話) 06-6768-0515
(営業時間) 17:00-23:00
(定 休 日) 日祝