2017年11月02日

【佐藤龍一デビュー45周年、その軌跡】だと?

間近になってしまいましたが、11/4 (土)に大森「風に吹かれて」でワンマンライブやります。1972年のデビューから45年間の4枚のアルバムから30曲、3時間、3部構成のライブ。サポートには久しぶりにギターのミックンとカホンのともさんが入ります。

【佐藤龍一デビュー45周年、その軌跡】
~なけなしのジョニーのくせにゴージャスな人生でどうも申し訳ありませんでした~
大森 風に吹かれて(03-3763-6555)
出演: 佐藤龍一 feat.佐々木貢(g) , 磯部ともひろ(per)
open: 18:00 start: 19:00 ¥3,000+オーダー
大田区大森北1-34-16 第二みずほビル2F

11/4 予約フォーム
予約特典:MIOTRON RECORDS 特製ピック

20171104佐藤龍一デビュー45周年、その軌跡-3 440


ライブを前に、俺のデビューからの45年間の活動を MIOTRON RECORDS のスタッフ(ス)がまとめてくれました。長文ですがぜひとも御覧下さい。当ブログからの引用も多々あります。45年間の俺と音楽との付き合いの総集編になってます。こちらも3部構成。

佐藤龍一デビュー45年の軌跡   –デビュー〜失踪

佐藤龍一デビュー45年の軌跡   –失われた30年

佐藤龍一デビュー45年の軌跡   -シンガーソングライターとしての再起

歴史?
進行中なう。

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2017年08月15日

視えない背中

新曲です。
「視えない背中」1017.8.5
Words & Music by Ryuichi Sato
________________

親父の大きな背中
その背中によじ登り
肩車の上から
世界を見下ろした

親父は優しくて
怒るととても怖くて
自分と世界の境界に
親父は立っていた

思春期がやってきて
俺は日増しに生意気になって
引力を振り切るロケットのように
家を出た

親の期待に背き
ギターを弾いて町から町へ
親父が俺に干渉したことは
ただの一度もなかった

親父の大きな背中
そのひび割れた手のひら
転んで受け止められたのは
一度や二度じゃない

おふくろが亡くなった時には
さすがに堪えたようだった
戻ってこいよのひと言で
親父のもとへ

小さくなった親父の背中
戦争を経て傷だらけの背中
やせ細ってゆくその背中
親父は94まで生きた

呼吸器をつけて息をするだけの
親父の手を握り
ありがとう ありがとう
看取った冬の朝       

今はない親父の背中
律儀な大正の男
その寡黙な優しさ
働く男の背中

親父の背中
視えない背中


父と俺 昭和28年

(父と俺。昭和28年頃)


【ライブ・スケジュール】

8/19(土)
千葉 ピンクペイズリー(043-377-7294)
<LEGACY OF LOVE TOUR in 千葉>
open18:00 start19:00 ¥3,000+オーダー
千葉市中央区栄町23-1(JR千葉駅から徒歩5分)

8/20(日)
亀有 KID BOX(03-3606-6068)
佐藤龍一ワンマン
open:18:30 start:19:00 ¥3,500(2D付)
葛飾区亀有5-32-16(常磐線亀有駅北口スキップ2分)

8/26(土)
札幌 BOSTON CLUB(011-512-4939)
<LEGACY OF LOVE TOUR in 札幌>
open18:00 start18:30 ¥3,000+D
札幌市中央区南5条西3丁目1大松ビル6F
(豊水すすきの駅徒歩4分)

8/27(日)
札幌 LOG(011-737-5388)
<log30th記念ツーマンライブ>
佐藤龍一・長津宏文
open18:00 start19:00 ¥2,500+1D
札幌市北区北14条西3丁目ゼウスビル地下

9/8(金)
ライブカフェ CHESS(03-5697-6770)
佐藤龍一マンスリーライブ
open19:30 start20:00 ¥2,500(1D付)
足立区綾瀬4-1-11(常磐線/千代田線綾瀬駅西口2分)

9/17(日)
横浜馬車道 パラダイスカフェ(045-228-1668)
佐藤龍一 Presents 【Juke Joint chapter2】
出演:佐藤龍一・アミアイリ・MOGAMI
open 15:00 start 16:00 前/¥3,000 当/¥3,500
横浜市中区住吉町6-72 シャンローゼ関内B1
(みなとみらい線馬車道駅3番出口徒歩3分)

9/22(金)ライブなかむらや(090-6501-1035)
出演:佐藤龍一・生田敬太郎
open19:00 start19:30 ¥2,000(+オーダー)
千葉県館山市北条685 カラオケブリス2F

9/23(土)木更津 ハッピーハッピー(090-2415-1310)
出演:佐藤龍一・生田敬太郎
open18:30 start19:00 前売り¥3,000 当日¥3,500(+オーダー)
千葉県木更津市太田1-4-1

9/29(金)東中野 じみへん(090-9242-6183)
佐藤龍一ワンマン
open19:00 start19:30 ¥2,000+オーダー
東京都中野区東中野1-46-11 HIKOTAビル 1F
(総武線各駅停車東中野東口徒歩3分)

10/7(土)
春日部 和音(080-3341-6908)
ゲスト:佐藤龍一
start: 17:00 (出番は21:00頃)\2,000+1D
埼玉県春日部市中央1−14−21
(春日部駅西口徒歩1分、イトーヨーカ堂近く焼肉しずる3階)

10/13(金)
ライブカフェ CHESS(03-5697-6770)
佐藤龍一マンスリーライブ
open19:30 start20:00 ¥2,500(1D付)
足立区綾瀬4-1-11(常磐線/千代田線綾瀬駅西口2分)

10/21(土)
土浦 サケクラすのっぶ(029-824-0903)
<LEGACY OF LOVE TOUR in 土浦>
佐藤龍一ワンマン
open:18:30 start:19:00 ¥2,500(1D付)
茨城県土浦市川口1-1-28(常磐線土浦駅西口徒歩10分)

10/28(土)
国分寺 giee(042-326-0770)
佐藤龍一・生田敬太郎・シバ
open19:00 start19:30 ¥2,500+drink
東京都国分寺市本町2-3-9 三幸ビルB1

11/4 (土)
大森 風に吹かれて(03-3763-6555)
佐藤龍一 デビュー45周年&リスタート10周年「龍 Comes Alive!」
出演: 佐藤龍一 feat.佐々木貢(g)
open: 18:30 start: 19:00 ¥3,000+オーダー
大田区大森北1-34-16 第二みずほビル2F

11/10(金)
綾瀬 ライブカフェ CHESS(03-5697-6770)
佐藤龍一マンスリーライブ
open19:30 start20:00 ¥2,500(1D付)
足立区綾瀬4-1-11(常磐線/千代田線綾瀬駅西口2分)

11/25(土)
習志野 ワルツ(0474-72-4041)
加奈崎芳太郎・佐藤龍一
詳細未定
習志野市泉町2-1-33(京成線京成大久保徒歩10分)

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2017年07月31日

銃弾・紋白蝶・海

去年の夏、季刊ココア共和国の依頼で書いた詩の原稿を転載します。2016年夏、俺はこのように生きていました。
___________________________

銃弾・紋白蝶・海
佐藤龍一

午前5時。キッチンへと歩く。自分の足音のパタパタ。スリッパがボロだ。ベランダに出る。カラスのカァカァ。雀のちゅんちゅん。正体不明の都市ノイズ、コーコー。修行中のブッポーソーが合いの手を入れる。涼しい風。煙草を一服。「お前まだ煙草なんか吸ってるのか」と言っていた歯医者の村山は癌で一足先に死んだ。南無はちまんトラヤーヤー。

6時。ジッジッ。ジィーッ。早起き蝉の発声練習。7月。仕事しなくちゃと思いながらだらだらと過ぎてゆく夏。紙飛行機のように言葉を畳んで自己を正当化する。自分の靴ひもを引っ張って空を飛ぶ夢を見ているうちにもうお爺さんだ。早起きの父が新聞をテーブルに広げる。おはようございません。もうしわけあります。きをつけ。やすめ。

7時。大脳後頭葉、側頭連合野のあたりで逆回転映画の上映がはじまる。海馬小学校の運動会だ。次は父兄参加の玉入れ競争です。カステラ一番、電話は二番、あれなんて曲だったかな、教えて goo、そうだ、天国と地獄。オッフェンバックというよりは文明堂の天国と地獄の黙示録カステラ大佐の心変りと夏模様。

障害物競走は得意だ。障害って言葉は差別だと火の手があがり、今じゃ「山あり谷あり競争」っていうんだぜ。比喩としての人生。鶴田浩二の苦い笑いを笑う。空から「クスコの郵便馬車」鳴り響き、位置について用意ぽとん、確定申告の網を潜り、所得平均台を渡り、男と女のハードルをまたぎ、辿り着いたらいつも雨降り、カラスカーカー、ドライブマイカー。全体止まれ、前へならえ、なおれ。起立、礼、着メロ。こけろメロス。

12時。膀胱に導かれて起床。放尿。放尿し続けて60余年。別に上達はしていない。夢の中で愛した女は複数の人格を持っている。愛っていったいなんなの。答えはCMの後で。暗転。

14時。揺れている観葉植物。揺れている洗濯物のシーツ。陽がさせば騒ぎ出す蝉オートマチックのマシンガン、ミンミンミンミン皆殺し。

人間は生きるチクワである。子宮は空洞である。分子は入れ替わり、私はすっかり別の人なのに私のふりをし続けて60余年、あらやだ。人生が15日間の大相撲なら毎日が千秋楽。土俵際で気絶。

17時。ベランダで深呼吸。ポツポツと雨。降り続けて45億年。別に上達はしない。濡れた路面を走る車のタイヤのシャーシャー。匿名の鳥の鳴き声シバッシバッ。新橋品川有楽鳥、咳声喉に御茶ノ水、粋なカラスが夕暮れに、打ってみました句読点。マーマーと赤ん坊の声。老人の咳払い。百年の誤読。

19時。見る。見ているわたしを見ているわたしは誰なのかという問いには答えずに見る。そして聞く。わたしは耳だ。わたしはコオロギだ。わたしは張りだす熱帯性高気圧だ。わたしは過ぎ去ってゆく新聞配達のオートバイだ。わたしは降り注ぐ雨音のショパンだ。わたしはあなただ。わしはあなだ、たわしだ、わなだ、したのあなだ、とかなんとかいいながら空へ墜落。

22時。自分の後頭部が見える。背中を丸めてスマホを操作する男が見える。あたりは金色に光輝いている。濃度100%の沈黙。時が振り子を止める。こいつはだれだ、猿だ、サルバドールだりだ。溶解。

23時半。夜半に鳴く蝉、恥ジジジ、沁みミミミ。シーンと不在音が高まる。思考を見張れば思考は登場をためらう。誰もいないステージにスポットがあたり、夜が、夜だけが横たわっている。水面を見上げる不眠症の人魚。

5時。残骸の残骸による残骸のための舞踏会。目隠しをした楽団がアコーディオンを弾く。踊り出す路上のテロリスト。猟師が銃を取る。狼が目を覚ます。

13時。よく寝た。夢を見た気がするが、夢は俺を置いてどこかに行ってしまった。ジリジリと懇願するような蝉の声。涼しい。夏が来る前に夏が終わる。

16時。初夏の電車は寒い。ここは共和国。ことば共和国。電車のアナウンスが詩であるならば、全ての路線は開かれた迷路だ。時間という嘘と移動という迷宮が私という不明を上書きする。お待たせしテンションプリーズ。夕方。この駅には出口がない。いやこれは駅ではない。形而上学的なイソギンチャクだ。

19時半。本日のライブが開演する。見られるものとしてステージに立ち、見るものとして客と対峙する。ものを考えたら負けだ。ブルースが錯乱する。時の彼方から認知症がゆっくりと近づいてくる。現在、現在、永遠の現在。ここより遠く我が陣地なく、今より他に時はない。

2時。夏休みの宿題。この世の中で幻想でないものを見つけなさい。

銃弾。紋白蝶。海。
_____________________________

<主宰の詩人秋亜綺羅による紹介>
佐藤龍一はライブを中心に活躍している、シンガーソングライターです。作曲家・ギタリストとして、歌人の福島泰樹や、吉原幸子、谷川俊太郎など多くの詩人たちとコラボレートしています。わたしとの出会いは40年ほど以前。わたしが企画する朗読会の、音楽担当をしてくれました。数年前にツイッターで、再会?したのでした。

季刊ココア共和国 vol.20
いがらしみきお・佐藤龍一・佐々木英明・藤本玲未・宇佐美孝二・秋亜綺羅

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2017年07月24日

山田勳生氏による「LEGACY OF LOVE」レビュー

映画音楽作家で、プロデューサー/アレンジャー/ギタリストの山田勲生氏がアルバム「LEGACY OF LOVE」の詳細なレビューを書いてくれた。山田氏は35年前のバンド仲間で、同じ映像関係の音楽の同業者でもあった。もう何十年も会っていないが、よく聴き込んでくれ、音楽制作に関わる人間ならではの視点もあり、興味深く読ませていただいた。感謝感激雨あられ、である。
_________________________

佐藤龍一 / LEGACY OF LOVE レビュー (山田勳生)

2017年もそろそろ春の気配を感じ始めた頃、アルバムは山中湖にある拙宅に届いた。

さぁて、世にも稀なるひとりの音楽家、存在、大人物の作品を聞くのは私にとっては かなりスペシャルなことなのである。何故かと言えばそれは彼、佐藤龍一氏があまりにユニークで滅多にお目にかかることがない冒険心に溢れる気質と深い洞察力を併せ持つ音楽家であることは勿論なのだが、理由はそれだけではない。 個人的なことになるが、私にとっては仕事の範疇だけではなく、何かにつけて今までの人生で「ご縁」があるように感じる一人だからだ。

思えば時を遡ること36年ほど、1981年か82年だったか・・私が ある音楽学校の講師をしていた頃のこと。インドの長旅から帰国して間もないパワーギンギンの佐藤龍一氏が中心になって始まったバンド「SHY」(のちに「オイルマッサージ」に変名)に参加したのがエキサイティングなお付き合いの初めだったように記憶する。我々は数年ほど都内某所の有名ライブハウスで爆音を響かせた後、バンドは自然消滅してしまったが そのバンドの終焉に関しては何故かあまり記憶にない。

そして数年後、次に会ったときには彼は映像業界用に様々なサウンドトラックを作っていた。丁度バブル期の前 1986年初頭のことだ。何を隠そう私も映像業界に作曲家として殴り込みをかけていた頃だったのでまさに何かがシンクロ。二人ともタイプの違う楽曲を数百曲と書きためていて、本当によく仕事をしていた時期。宅録の走りとも言える。当時、映像業界に音楽を作曲することに専従している音楽家などほとんどいなかったと記憶している。そしてその業界の先輩として佐藤龍一氏は、いくつかの映像制作会社を紹介してくれたり、私の制作した楽曲を彼自身が当用してくれたりと色々とお世話になった。音楽的にもおそらく全く被らない作風の二人ではあるが時を経ても彼のことは意識から離れることはなかった。その影響力の秘密はあとでゆっくり語るとして。

その後、彼はゲーム音楽の制作や音楽講師として活動するようになり、私は企業CMやら映画音楽の作曲などを中心に活動するようになった経緯もあり、なかなか会うことすら少なくなっていった。それでも、今の今も私にとっての大先輩、龍大兄なのである!!久々の新作に何が入っているのか、正座をして神妙な気分になっているところだ。

さて前置きが長くなったが、本題のアルバムに触れること数回。そして感じることとは・・・彼は今までの多種多様な経験と持ち前の豊富に湧き出すインスピレーション、そして持てるエナジーを見事に融合・昇華させることに成功したのではないか!?というものだった。音楽家としての円熟、年輪、いや風格というブレない空気を聞くことになった。

例えば最初の曲・・・まず耳に飛び込んでくるアコースティックギターの良質なサウンドはどうだ。その耳に心地よい倍音や周波数バランスは、冒頭からこの作品の迷いの無さと完成度を予見させてくれるモノだ。腕を上げましたな大兄!!こちらも瞳孔が開く。冒頭「なけなしのジョニーのくせに」と「愛っていったいなんなの」はジャマイカのビートがとても心地よい、最初のジャブを喰らうには実に良い案配・采配なのだ。それらを存分に楽しんだ後、3曲目あたりからは大昔から続いているだろう彼のフォークシンガーとしてのスタイルが始まる。オッ、出たな!である。

彼の歌詞を感じるに、やはり私小説っちゅうか、何か何処か心象風景を想起させてくれる語りが多い。たとえそれがフィクションだろうがノンフィクションだろうが、そこはきっと演じ手にとってはどうでも良いところ。つまりちょっと大袈裟な言い方をすると、彼は事実を淡々と歌うことに全く興味は無く、常に歌より真実を感じとれるように 何かしら「Something」を織り込む作業をやっているのではないかと思うのだ。経験という年輪は深い洞察に変容するとでもいえるのか。彼の歌に旨味があるのも、また聞く者をいつのまにか惹き付ける魅力も、きっとそんな彼の歌詞へのこだわりに秘密があるのではないかと思うがどうだろう?

4曲目からは、私も大好きなサウンドとなる。80年代中期までのファンクムーブメントやその頃のストーンズを感じさせる響きだ。ここでひとつアルバムのアレンジメントの話になるが、今回のハモンドオルガンのパートの音色選択とプレーは絶妙だ。まず良いプログラムを選択できることは実はかなりの経験値と直感とセンスを要する仕事である。このアルバム全体を通してのハモンドのサウンドは貢献度も高く実にすばらしいと感じた。そしてこの曲のストラトキャスターによるギターソロは実にねちっこくオッサン臭いのだが、これは何も今に始まったことではなく、すでに若い頃からこういうギターソロも弾く人物であったことを付け加え紹介する(笑)

「夜の秘密になりなさい」では、もう誰しもがヤラレる名人龍一氏のハーモニカから始まる。しかも場末のフランスを想起させる空気感は本当に見事なアレンジメントで、特にアコーディオン系の音色とフレーズには舌を巻くほどの旨さがあり、実に楽しめる楽曲となった。一言でメランコリックだとか何とかだと評するようなマネはよそう。それほど繊細な曲だ。

次の「青空ファンク」は彼がニューヨーク時代に会得したものだろう。こういう彼のアレンジメントを聞くといつも思うことがある。それは彼独自のアレンジメントの緻密さに関してだ。とにかくどんな些細な音であれフレーズであれ、ほとんど全てと言って良いと思うが、彼の脳のフィルターと記憶の棚を通した音だと感心させられる。何事にもどんな楽器にもまず納得できる意味を求めているようにさえ感じる。アンサンブルパートでは彼の頭の中で計算されたものが完璧に鳴っているのだ。但しギターソロとヴォーカル以外はである。ギターソロは逆にアドリブの偶発性を求めて、永遠の不良少年しちゃってる風体に聞こえるのは私だけか?でも その対比が実に愉快だ。

ゆえに彼の作編曲スタイルは、実にクッキリとしかも比較的ドライに存在する楽器が多い。真横にザっと入れ替え引き替えでお品が並ぶといった具合だ。 オチャメとでもいうべきユーモラスな印象もある。ちょっと万華鏡チックな聞こえ方でもある。私はどちらかというと、それぞれの楽器の倍音が溶けるように混じり合い別の倍音を生んだりするような、音像の中にパースペクティブを強く意識した手法を良く用いるのだが(グニャグニャとも言える)、彼の手法は真逆だ。あくまでビートものはソリッドでタイトに作るのが心地よい。作風こそ違え、20世紀アメリカの作曲家:ヴァンダイクパークスは、このような緻密な手法を駆使しておもちゃ箱をひっくり返したサウンドを演出したことが記憶の隅から浮上してきた。

今回のアルバムでは、きっとベースと仕上げを担当した安井歩氏の存在も大きいのだろうと感じた。ベースラインそのものは、おそらくほとんど全て佐藤本人が生みだした旋律なのは想像がつくところ。しかしベースプレイが生演奏である箇所では アルバム全体の骨格、スケール感や質感に少なからず貢献するところだからだ。そして「Sacrifice Of The Moon」は、まるで佐藤龍一の細胞のなかに住み着く「誰か」が彼に演奏させているような「俯瞰」というか観る位置の次元が異なる表現だと感じた。ギターも力強く王道プログレスタイルを踏襲することによって実にブルースなしかも計画的・確信犯的な空間演出に成功したと思う。こういうの好きだなぁ。

次の「還らざる河」は、いつもライブで一人で弾き語る彼の姿が見えるようだ。そう、ライブを観たくなる曲なんだろうなぁ。まず良い歌ありきで「音楽」はすべて成立しているということを証明するような一曲だ。「百億年の夢」「愛の歌は終わらない」「天使が空から降ってきた」、これら素晴らしい3曲に関しては敢えて何も言うことはない。静かに聴いていたい。このアルバム中、最も深く感じ入る3曲。優しく感情を揺さぶってくれる・・・泣けるじゃないか!!このまま眠れると幸せだなぁ。

ちょっと偉そうで失礼な事を言ってしまうのかもしれないが、このアルバムを総じて、前述の「彼は今までの多種多様な経験と持ち前のインスピレーション、そして持てるエナジーを見事に融合させることに成功したのではないか!」がもしもそうであるのなら、佐藤龍一という音楽家は、あまりにも膨大な時間と手間と気合いを必要としたであろうこのアルバムを完成させたことによって、実は全く新しいステージに立ったのではないのかと想像するところだ。このアルバムを聴けて良かった。すでに私のなかでは次の作品が待ちどおしく楽しみで仕方ない。ロケンローが必要ならひたすら待ってるよ。そして、きっと新たな船出が始まってるんだよね、龍大兄。
(プロデューサー・作曲家・ギタリスト:山田勳生)


BC最終稿420



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2017年04月08日

亡くなったプロデューサー佐久間正英氏の言葉

亡くなったプロデューサー佐久間正英氏のツイッター投稿から

僕は決して違法ダウンロードを推進したり薦める立場では無いけれど、違法ダウンロードが多い音楽は、みなに好かれ社会で生きている音楽と言えるでしょう。誰にも相手されない音楽の方が圧倒的に多いのだから。

数多くダウンロードされることは結果音楽家にとっての絶対的な評価となります。それは必ず音楽家自身に返ってきます。誰かがそれを守ろうなどとせずとも。 音楽家の権利を守る為と言えば聞こえはいいけれど、そんなことで権利など守れない。音楽家の権利を守れるのはその音楽だけです。

同様にレコード会社や制作者の権利を守れるのはその仕事っぷりだけです。音楽にかける情熱と真摯な姿勢とそれをビジネスとすることの基本である”音楽に精通し”ビジネスに精通”することです。少なくともダウンロードを取り締まることでは無い。守ってもらう姿勢になったら既に負けです。

音楽を売りたいなら音楽を通常の商品・製品同様にちゃんと企画し開発し投資し営業し、そういう攻めの姿勢しか無いと思うのです。すでに手遅れかも知れないけれど、もし夢を抱くならその道しか無いでしょう。それか諦めるかどちらかしか道は無いのです。(佐久間正英)

ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ

2013年晩秋。佐久間正英さんがまだ末期がんで闘病中だった頃に書いたブログエントリー。佐久間さんの言葉と思い出、共通の友人だった茂木由多加についても触れている。

古い友人よ。もう会うこともないかもしれないが、同じ空の下、僕らはまだ生きている。

残された日々と地下2階からの眺望

佐久間正英氏本人による、死を目前にしたブログエントリー。
in between last days

【佐久間正英追悼】
僕らの最後の日々はどこに向かうんだろう



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師匠

俺のことを師匠と呼ぶ自称「弟子」が10人ぐらいいる。別に嬉しくはない(…嬉しくはないんだからネッ)それに、そんなことした覚えがない。でも尊敬する/されるってのはいいことだ。リスペクトは、黒人社会では命の次に大切なことだ。音楽においては先人達の仕事が道を作ってきた。

俺に師匠がいるかといえば、いたけど2003年に亡くなってしまった。茂木由多加という作曲家/キーボードプレーヤーだ。彼は一時、四人囃子に在籍していた。故佐久間正英さんは彼を天才と呼んだ。歳は俺のひとつ上。知り合ったのは1975年で、一緒にアルバムを作った。

「SCANDAL」というタイトルのそのアルバムは発売されることはなかったが、それ以来俺はあらゆる面で彼から影響を受け、俺たちはもっとも深く付き合った親友だった。彼のアシスタントをしてたこともある。茂木由多加はもうこの世にいない。彼の仕事はCM音楽で、あまり残っていない。

「音楽においてもっとも大切なとこはなんだろう」と聞いたことがある。「海のように広い心、とか、ユーモアとかね」と彼は答えた。彼は天才だったが、深く傷ついていたように思う。若くして死んだ。彼は若いままだ。

尊敬するミュージジャンはたくさんいる。心の師匠と言えるかもしれないが、師匠とは違う。彼らは俺を知らないからだ(笑)

音楽こそはレガシーだ。俺たちはそれとは気づかずに、先人達の遺産をいただいているのだ。


4/8(土)蔵前 スローライフ(03-5829-4332)
佐藤龍一「LEGACY OF LOVE」発売記念ライブ
open18:30 start19:00
¥2,500(1D付)O.A.あり
台東区蔵前4-3-3蔵前協同ビルB1

4/9(日)相模大野 アコパ(070-5070-7079)
佐藤龍一「LEGACY OF LOVE」発売記念ライブ
17:30open 18:00start
OA4組、出番は20:10〜
¥2,000+オーダー
相模大野5-27-4 和興ビル2F

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2017年04月07日

百億年の夢

今回のアルバムの中では「百億年の夢」に反応している人が一番多いようだ。

この曲はオルゴールで始まるが、アレンジは(気がついた人いると思うけど)ジョン・レノンへのオマージュになっている。

「百億年の夢」の百億という数字は、より正確には182億年なんだ。宇宙が誕生してから今までに約182億年経ってるそうだ。それで俺たちが今ここにいる。ここに辿り着くまで、それだけ長い時間がかかっているんだ。俺たちの生はただの偶然の結果だろうか。

俺たちは酸素と緑に溢れた多様な生態系を持つ星に生まれてきた。そのような星が他にもあると信じる人もいる。その確率はバラバラの時計の部品を空中に放り投げて「偶然に」組み合わさって時計になって落ちてくるぐらいの確率だそうだ。そんなことがあるのだろうか?何かの力が働いたと考える人もいる。

愛する人よ そしてまだ見ぬ人よ
どうか生き延びておくれ
人生ってやつがたとえどうしようもないものだったとしても

愛する人よ そしてまだ見ぬ人よ
どうか生き延びておくれ
宇宙はあなたという命に辿り着くのに 百億年かけたのだから

まだ見ぬ夢がある
小さな光がある
何にもなくても生きてていいんだ
そのままで
(百億年の夢)

今も死にたいと思っている人がいる。自殺してゆく人はあとをたたない。その人たちに対して何もできないかもしれないが、見ないふりをすることもできない。前作では「迷子のデスティニー」や「生まれてこなかったものたちへ」という歌がその答えだった。今回のアルバムも後半はそのテーマに入っていく。



【スケジュール】

4/7(金)レインボータウンFM(79.2MHz)「Richymanのエンタメ倶楽部」ゲスト出演
17:00〜17:30 生放送。
リスラジ(スマホアプリ)
サイマルラジオ(PC)
Ustream(スタジオの様子を中継、音楽以外)

4/8(土)蔵前 スローライフ(03-5829-4332)
佐藤龍一「LEGACY OF LOVE」発売記念ライブ
open18:30 start19:00
¥2,500(1D付)O.A.あり
台東区蔵前4-3-3蔵前協同ビルB1

4/9(日)相模大野 アコパ(070-5070-7079)
佐藤龍一「LEGACY OF LOVE」発売記念ライブ
17:30open 18:00start
OA4組、出番は20:10〜
¥2,000+オーダー
相模大野5-27-4 和興ビル2F

4/14(金)綾瀬チェス★
20時〜¥2,500 1D付

4/15(土)南林間ラ・スタンザ★
19時〜¥2,000+1D

4/18(火) 池袋鈴ん小屋
19時〜前¥2,000+1D 出演5組

4/22(土)勝田台ひみつきち★
20時〜¥3,000 1Dおつまみ付

4/23(日)新宿ゴールデンエッグ
10周年 出演多数 出番はトリ 22時〜

4/30(日)亀有KIDBOX★
19時〜¥2,000+2D

5/3(水) 新宿ゴールデンエッグ★
13時半〜¥2,000 1D付 出演5組

5/8(月)横浜パラダイスカフェ★
w/生田敬太郎・滝ともはる
19時半〜¥3500 飲食別
(★=レコ発)

CDアルバム「LEGACY OF LOVE」(MIOTRON RECORDS)
12曲入¥2,500(税・送料サービス/特典付き)
【ご購入方法】
以下のアカウントのいずれかにダイレクトメッセージをお送りください
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2017年04月06日

MIOTRON RECORDS にかける思い

実は今回のアルバムをどういう形で売るか長い間考えていた。選択肢は、JASRACと楽曲ごとの著作権信託契約を結ぶか、自分がJASRACの正会員になるか(その資格はある)、もしくは音楽出版社と著作権譲渡契約を結ぶか、既成のレコード会社から出すか(いくつか話はあった)、流通請負会社を通して全国流通させるか、Amazonに出すか、iTuneなどのデータ配信はどうするか、といった問題である。

結論はそれらの一切を通さず自分で直接販売することだった。ライブでの直接販売と、twitter、facebookを媒介とした直接通販だ。前作の売上もほとんどは直接販売によるもので、既に完売に近い。

アーチストが既成のレコード会社や管理団体を通さず、自分たちで制作して自分たちの手で売るというやり方はこれから拡大していくだろう。いくつもの流通・管理システムを経ることでアーチストの手元に渡る収益は驚くほど僅かになる。俺はそのシステムに反対するものではない。その外側で成功してみせるだけだ。

作った作品をどのように届けていくかというのもアーチストの表現の一部ではないかと思う。MIOTRON RECORDSは世界一小さなレコード会社だ。会社組織ですらない。制作から販売まで全てを自力で賄う最小ユニットだ。

「LEGACY OF LOVE」も、前作「LOST&FOUND」も、作詞・作曲・編曲・歌・演奏・録音・プロデュース・イラストまで自分自身でやった。前作はレーベルSoundFORTEから全国発売し、amazonなどの流通を通したが、今回は販売まで自力でやる。

流通に必要な事業者登録が受理されたのは父が亡くなった1月28日だった。バーコードも付いてる。配信に必要なコードも曲に埋め込んである。それらは将来への備えであって、当面は一切するつもりがない。俺が作った音楽は俺が直接届ける。その人達が俺の音楽を支えてくれる。産直野菜みたいなもんだ。うまいぞ。

「泳ぎ始めるんだ。石のように沈んでゆく前に。時代は変わってゆくのだから」(ボブ・ディラン)

佐藤龍一 MIOTRON RECORDS Facebook Note 3/5より転載

【スケジュール】

4/7(金)レインボータウンFM(79.2MHz)
「Richymanのエンタメ倶楽部」ゲスト出演
17:00〜17:30(生放送)
リスラジ(スマホアプリ)
サイマルラジオ(パソコン)
Ustream(スタジオの様子を中継)

4/8(土)蔵前 スローライフ(03-5829-4332)
【佐藤龍一アルバム「LEGACY OF LOVE」発売記念ライブ】
open18:30 start19:00 ¥2,500(1D付)O.A.あり
東京都台東区蔵前4-3-3蔵前協同ビルB1

4/9(日)
相模大野 アコパ(070-5070-7079)
【佐藤龍一アルバム「LEGACY OF LOVE」発売記念ライブ】
詳細未定
相模大野5-27-4 和興ビル2F

4/14(金)
綾瀬 ライブカフェCHESS(03-5697-6770)
【佐藤龍一アルバム「LEGACY OF LOVE」発売記念ライブ】
open19:30 start20:00 ¥2,500(1D付)
足立区綾瀬4-1-11(常磐線/千代田線綾瀬駅西口2分)

4/15(土)
南林間 ラ・スタンザ
佐藤龍一アルバム「LEGACY OF LOVE」発売記念
【弦楽茶屋vol.79】
出演:佐藤龍一・Monchika
open18:30 start19:00 ¥2,000+1D
神奈川県大和市南林間 1-10-17 1F

4/18(火) 鈴ん小屋
出演:竹内紀(from 山口)✕佐藤龍一✕阿部浩二✕ナガタマコト✕飯嶋光太郎
open18:30 / start19:00
前¥2000/当¥2500(D代別途)
東京都豊島区東池袋1-47-1庚申ビルB1F
予約:03-6382-7273


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2017年04月05日

アルバム「LEGACY OF LOVE」発売〜廻り舞台の裏表

このブログの読者にはまだお伝えしていなかったが、父の他界と期を同じくしてもうひとつ大きなイベントがあった。8年3ヶ月ぶりのアルバム「LEGACY OF LOVE」の発売である。

2008年11月にリリースした前作「LOST&FOUND」(soundFORTE)は、ほぼ完売した。実際にはまだ数十枚残っているが、新作とともに売れているので遅かれ早かれ完売することだろう。新作はさらに磨きあげたものになっている。今回も殆ど全ての作業を自分一人でやった。

アルバムジャケットに使った絵は、1990年頃にNYの老舗のジャズクラブ「VILLAGE GATE」でライブを聞きながら、紙ナプキンにボールペンで走り書きしたものだ。アルバムには12ページのブックレットをつけた。また予約特典としてMIOTRON RECORDSのロゴが入った缶バッチと3枚組の特製ポストカードも作った。

CDアルバム【LEGACY OF LOVE】(2017.3.20 発売)

LEGACY_H1_08_3-420


(Official Websiteより)8年4ヶ月ぶりのフル・オリジナル・アルバム登場。制作に1年2ヶ月を費やし、自ら立ち上げたレーベル「MIOTRON RECORDS」からリリース。前作と同じく作詞・作曲・編曲・歌・演奏・録音・イラストレーション・プロデュースなどを自身で手がけ、前作でミックスを担当した安井歩氏がベース、キーボードなどで全面的に参加。レゲ、ブルース、ファンクからアコースティックまで、緻密でダイナミックなサウンドを展開している。<LEGACY OF LOVE>(愛の遺産)とは、心の底に横たわる愛の記憶であり、我々の中に流れる音楽の源流であり、我々の生の有り様でもある。アルバムはまた、発売直前に亡くなった父親に捧げられたものでもある。

【収録曲】
01.なけなしのジョニーのくせに
02.愛っていったいなんなの
03.嫌いになりたい
04.その痛みにはわけがある
05.夜の秘密になりなさい
06.青空ファンク
07.骨
08.Sacrifice of the Moon(Instrumental)
09.還らざる河
10.百億年の夢
11.愛の歌は終わらない
12.天使が空から降ってきた

【ご購入方法】
●以下のアカウントのいずれかにダイレクトメッセージをお送りください
twitter 佐藤龍一
facebook 佐藤龍一
MIOTRON RECORDS(Facebook Page)
Twitter MIOTRON RECORDS

●送り先のご住所とお名前をおしらせください。折り返し振込先口座(銀行/ゆうちょ)をご連絡いたします。入金確認の上、即日ゆうメールで発送します。
●当面ネットでの通販とライブ会場での直接販売のみです。Amazonなどの流通や配信はありません

BC最終稿420


それぞれの曲の歌詞や解説などはいずれここに書く。制作を始めたのは数年前だが、一昨年の11月から本格的な編曲作業にはいり、昨年7月には一度完成。そこから安井氏とともに各トラックを徹底的に磨き上げ、今年1月に最終ミックスを終えた。ドラム、ベース、キーボードのトラックの大半は安井氏が俺の打ち込んだフレーズに忠実に手弾きしてくれたもので、素晴らしいグルーブを生み出している。さらに編集、ミックスからマスタリングまで今回も安井氏には大変御世話になった。

ジャケットデザインはエレックレコードからデザイナーいちのへ氏を紹介していただき、自分のアイデアを具体的な形にしてもらった。ロゴのデザインもいちのへ氏の手になるもの。一部の写真は友人の正太郎氏が提供してくれた。ブックレットのスタッフクレジットのページに麦藁帽子とサングラスの写真があるが、その持ち主がCDの下に隠れているなど、ジャケットも音楽の一部と考えて制作した。

発売の形態として今回はレコード会社や流通を通さず、自らのレーベルMIOTRON RECORDSを立ち上げ、直接通販とライブでの手売りを中心に販売してゆくことにした。事業者登録をしてバーコードを取得するなど必要な手続きはしてあるのでAmazonやiTuneにも対応できるが、今はあえてしない。そのへんの事情については次回のエントリーで書く。

宣伝に関しては、たった一人の闘いにスタッフが加わり、MIOTRON RECORDSのOfficial Facebook PageTwitterInstagramなどの運営や、ホームページの共同管理、印刷物のデザインやライブ会場での販売などを手伝ってもらっている。

1月に発売をアナウンスすると、TwitterやFacebookのフォロワーやフレンドから次々と予約が入った。日本全国にいるまだ会ったことのない人たち。多くは俺のツイッターの書き込みをきっかけとしてファンになってくれた人たちだ。5万4千人のフォロワー、3500人のFBフレンド、彼らはどんな組織にも属さない俺の活動の生命線と言える。アルバムのクレジットには彼らへのSpecial Thanksを記した。

発売日の3月20日、前作と同様「風に吹かれて」で発売記念コンサートを開催。先輩生田敬太郎さんと盟友松本佳奈さんを迎え、アルバムからの曲を披露した。見に来てくれた親友のとみたいちろう君にステージにあがってもらい一緒にブルースを演奏したり、アンコールでは藤岡藤巻の藤岡君にも飛び入りしてもらった。コンサートは盛況で、ほとんどのお客さんがCDを購入してくれ、発売当日には売上が制作費を上回る(業界用語でリクープする)ことになった。3/25には、地元千葉県習志野のワルツで、再びゲストに生田敬太郎さんを迎えて2回目の発売記念コンサートがあり、中学の同級生などで賑わった。

発売して2週間、今でも毎日注文があり、発送を続けている。毎日リスナーの感想が聞こえてくる。アルバムは間違いなく素晴らしいものと確信しているが、それをまだ聴いたことのない人々へ届けるには時間がかかることだろう。長期の宅録作業を終え、これからは集中してライブをやるターンだ。まだ8回の発売記念コンサートがある。今までお世話になった店がうちでもやってくれと続々声をあげてくれたのは嬉しかった。

このアルバムをひっさげて、北海道から沖縄まで全国を歌って回りたいとは思うが、容易なことではない。世界はやがてその価値を発見することになるだろう。それまで挑戦は続く。

【今後のスケジュール】
4/7(金)「Richymanのエンタメ倶楽部」ゲスト出演
17:00〜17:30 生放送(レインボータウンFM 79.2MHz)
サイマルラジオ(パソコン)
Ustream(スタジオの様子を中継)※音楽以外生放送

4/8 (土)蔵前スローライフ(03-5829-4332)
【佐藤龍一アルバム「LEGACY OF LOVE」発売記念ライブ】
open18:30 start19:00 ¥2,500(1D付) O.A. 森川悠
東京都台東区蔵前4-3-3蔵前協同ビルB1

4/9(日)相模大野アコパ(070-5070-7079)
【佐藤龍一アルバム「LEGACY OF LOVE」発売記念】
フリーの交流会LIVE
open:17:30 start:18:00 ¥2000(オーダー別)
O.A.4組 出番は20:10〜
相模大野5-27-4 和興ビル2F

4/14(金)綾瀬ライブカフェCHESS(03-5697-6770)
【アルバム「LEGACY OF LOVE」発売記念ライブ】
open19:30 start20:00 ¥2,500(1D付)
足立区綾瀬4-1-11(常磐線/千代田線綾瀬駅西口2分)

4/15(土)南林間 La stanza(046-277-7322)
【弦楽茶屋vol.79】
佐藤龍一アルバム「LEGACY OF LOVE」発売記念
出演:佐藤龍一・Monchika
open18:30 start19:00 ¥2,000+1D(\500)
ご予約はこちらから
神奈川県大和市南林間 1-10-17 1F

4/18(火)池袋 鈴ん小屋
出演:竹内紀・佐藤龍一・阿部浩二・ナガタマコト・飯嶋光太郎
open:18:30 start:19:00 *出番は21:00〜 前¥2000/当¥2500(D代別途)
東京都豊島区東池袋1ー47ー1庚申ビルB1F tel.03-6382-7273

4/22(土)勝田台 ひみつきち(090-6144-3840)
【アルバム「LEGACY OF LOVE」発売記念ライブ】
open19:00 start20:00 ¥3,000(1D、おつまみ付)OA:金太
千葉県八千代市勝田台北1-3-1ヴェリテ勝田台1F
京成勝田台北口5分

4/23(日)
新宿 ゴールデンエッグ (03-3203-0405)
【10周年記念パーティ】
OPEN 13:00 START 13:30 2ドリンク¥1,000、チャージなし
出演多数(出番はトリ 22:00〜)
東京都新宿区歌舞伎町1-16-10

4/30(日)
亀有 KIDBOX(03-3606-6068)
【LEGACY OF LOVE CD発売記念ライブ】
open18:30 start19:00 ¥2,000+2D
東京都葛飾区亀有5-32-16

5/3(水)
新宿 ゴールデンエッグ(03-3203-0405)
佐藤龍一アルバム「LEGACY OF LOVE」発売記念
【星屑コレクション vol.1】 
出演:佐藤龍一・MOGAMI・OKAJI&JUNKO・逢坂Rie・フォーク野郎
OPEN13:00 START 13:30 ¥2,000(1D付き)
東京都新宿区歌舞伎町1-16-10
佐藤龍一企画ライブイベントです

5/8(月)
横浜馬車道 パラダイス・カフェ(045-228-1668)
佐藤龍一アルバム「LEGACY OF LOVE」発売記念
【Juke Joint Chapter-1】
Open 18:30 Start 19:30 2ステージ休憩あり
MC : 3,500円 (税込・飲食代別)
出演者 佐藤龍一 (Vo,Gt) 生田敬太郎 (Vo,Gt) 滝ともはる (Vo,Gt)
神奈川県横浜市中区住吉町6-72 シャンローゼ関内B1(みなとみらい線馬車道)

5/12(金)
綾瀬 ライブカフェCHESS(03-5697-6770)
open19:30 start20:00 ¥2,500(1D付)
足立区綾瀬4-1-11(常磐線/千代田線綾瀬駅西口2分)

5/23(火)
相模大野アコパ(070-5070-7079)
【井上ともやすのお呼びつけライブ】
ゲスト:佐藤龍一
open19:00 start19:30 前売り&予約\2500 当日\3000
相模大野5-27-4 和興ビル2F

5/26(金)
東中野じみへん(090-9242-6183)
open19:00 start19:30 \2,000+オーダー
東京都中野区東中野1-46-11 HIKOTAビル 1F
ワンマンライブです

6/9(金)
綾瀬 ライブカフェCHESS(03-5697-6770)
佐藤龍一マンスリーライブ
open19:30 start20:00 ¥2,500(1D付)
足立区綾瀬4-1-11(常磐線/千代田線綾瀬駅西口2分)

6/24(土)
習志野ワルツ(0474-72-4041)
詳細後日
ワンマン・OAあり
習志野市泉町2-1-33(京成大久保徒歩10分)

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2017年04月02日

お父さん、愛しているよ。俺、がんばるよ。

当ブログの読者の皆様にはたいへん申し遅れましたが、去る1月28日早朝、我が人生の最大の恩人のひとりであるところの父上が亡くなりました。94歳の大往生でした。ツイッターやフェイスブック上では、逐次その容態や死去の顛末について書いていたのですが、ブログにまでは手が回らない状態でした。しかし、長年連れ添ってきた当ブログでそのことを述べずに、その先へ進むことは自分の気持ちがすっきりしないので、きょうここに記しておく次第です。

当ブログでも何度か父のことを取り上げました。父の日常の言動をしばしばネットに書き込むために、父のファンを自称する人たちも少なくありませんでした。

(2014年11月22日のブログから)
昼、雑煮を食いながら父に訊く。「昨日の老人会(長寿会)で何歌ったの?」「月の法善寺横丁」「おー、セリフあるんじゃなかったっけ」「やったよ。セリフも」「一曲だけ?」「もう一曲って言われたけど、やだよ」父は歌詞を全部暗記して歌う。俺にはそれができない(自作の曲なのに)

父と二人の暮らしは2009年12月から約7年続きました。同年6月に母が亡くなって、互いに一人暮らしになったので自分が実家に還ったのです。父と暮らすのは20代の時以来でした。買い物と料理を主に自分がやって、洗濯・食器洗い・掃除を父がやり、お互いに一切干渉しないというのが我々の共同生活のルールでありました。父の最後の7年間を共に過ごすことができて本当に幸せでした。

以下は父について書いたエントリーです。戦争に従軍した世代の生き残りとしてはめずらしく、最後まで明晰な人でした。「越え来し山」という370ページを超える自叙伝(自分史)を残しています。

2013.7.25
父の誕生日

2014.4.15.
佐倉城趾公園〜父の出征前の10日間と、越え来し山

2015.8.8.
「暴をもって暴に報いることなかれ」

ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ

父は昨年末から食欲不振と胸焼けを訴え、クリスマスも正月もほとんど食事をすることなく衰えていったため、1月3日の晩、説得して翌朝救急車で病院へ連れてゆきました。診断の結果は肺炎でした。4日に入院してから、腎不全、狭心症と容態が変わり、最後は意識不明のまま、肺炎による呼吸不全で28日の明け方、息を引き取りました。その間の記録はここにあります。長いですが、よかったら見てやってください。既に3万4千を越える方々が読んでくれています。

【本日の父上】(togetter)

父の死の翌日、29日は横浜で自分の主催する唄の市のライブがあり、30日は喪主として近所の葬儀場で通夜、31日午前中火葬、午後告別式、その後埋葬と急ぎ足で済ませました。父の希望に従って参列は家族と一部親族のみ、香典も献花もなしというミニマルな葬儀でした。父の希望で共に戦地を旅した巻き脚絆(ゲートル)を棺桶に入れました。

最後に、病院で姉が口述筆記した、父の辞世の言葉を紹介しておきます。
______________________

74年も前の思い出の詰まった巻き脚絆
あのころが 熱い熱い青春だった
この巻き脚絆を足に巻き
戦野を何キロ歩いただろうか
3000キロか 4000キロか
敵弾の飛び交う中
銃剣を握って突進した
遠い遠い 還らない青春

今再びこの巻き脚絆を取り出し
最後の旅に出ようと思う
この旅は とても楽しい旅になりそうだ

 痛む足に 糸もほつれし脚絆を巻き
 静待つ郷(さと)へ 白萩の道

平成29年1月18日 佐藤徳造
______________________

「静」は母の名、「さと」は佐藤をかけていると思われる。
「白萩の道」は母が生前出した歌集のタイトルだ。

父ほど寡黙で律儀で愛に溢れた人間を俺は知らない。
「広徳院護法忍道居士」というのが、父が自分でつけた生前戒名だ。

父は俺にたくさんのものを残してくれた。
こらえきれない感謝の気持ちが目から溢れ出る。

お父さん、愛しているよ。俺、がんばるよ。



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