2006年05月20日

「浮気」

 「島耕作」(雑誌「モーニング」1983年連載開始)が、まだ課長だったときに、彼の上司(50代男性)だったと思うが、妻の浮気に気づくシーンがあった。その時、その上司が脳裏で呟くことが、やけに記憶に残っている。
 「3ヶ月もセックスしてないなら、○○子が浮気するのも仕方ないか、、、」

 それから、その上司は取り乱すこともなく、その夫婦の危機に冷静に対処していく、、と言う展開だったと思う。その冷静さがなんとも言えなかった。

 私の奥様について語ることは、殆どないのだが、結婚10年目のころ、彼女にある事件が起きた。当時まだ、インターネットが珍しい時代に、新しい物好きな私の家には、すでにインフラがあって、当時、趨勢を誇っていたAと言うプロバイダーのお世話になっていた。家にパソコンは一台しかなく、私と彼女が共用していた。ちゃんとIDを分けて、メールもそれぞれ使っていて、互いにプライバシーを尊重してPasswordも別となっていて、私は彼女のPassは知らなかった。ただ、そのセキュリティ機能もサーバー上で閲覧する上で有効だったが、Localにダウンロードしたときは、誰からも丸見えになってしまう、、と言う穴があった。そんな穴のことなど、私も知らなかったが、ある日、意図せず、彼女のメールを読んでしまった。

 どうやら、ネット上に、たまたま出身高校のフォーラムが立っていて、そこで、初恋の男性に再会してしまったようだった。

 話しの上では、彼のことを知っていた。当時、二人は全校注目のカップルだったらしいが、進学する彼女と就職を選んだ彼は、それを機会に別れてしまったようだった。高校生の恋らしく、観念的で自虐的な恋だったようだ。

 メールは、日を追う事に盛り上がり、すでに「恋文」と言っていいものだった。それを読みながら、イケナイことをするときの、ドキドキしている自分がいた。また、当時は私も若く、当然、嫉妬心などもあったし、普段、奔放な私を諫めるがごとくしていたマジメな彼女が、世に言う「不倫」(しかもダブル不倫) に進んでいこうとしているのが、許せないでいた。

 しばらく、静観していると、二人とも会う算段を決めたようで、日時もハッキリ決まったようだった。会ったら、必ずセックスしそうな勢いだった。

 彼女が私に言う「○月○日に同窓会があるんだけど、言っても良い?」 私が用意していた答えは「あぁ、もちろんだよ。たまにはゆっくりしておいでよ」

 なぜ、そのように答えたのだろう。日々ウキウキして、やけに私に優しい、幸せそうな彼女がいた。自分の悪行の数々を振り返ってみても、浮気準備をとがめるようなことを言う権利なんかない、と一瞬思った。私が、一言でも問いつめたら、マジメな彼女は、すぐにすべて白状して私に詫びることは分かっている。自己嫌悪に陥り、自分を責めるタイプだ。そういう部分があまりにも脆いのは知っていた。

 私が考えなくてはならないのは、彼女が自分の人生を納得して生きられるかどうかだ。ここで、旦那面して止めることはできるだろうが、きっと一生彼女は、心の底で悔いを残し、ゆくゆく私を恨むようになるかも知れない。なぜなら、このチャンスは、二度とないからだ。

 会って話しだけで終わるかもしれないし、会ってすぐにホテルに行ってしまうかも知れない。いずれにしてもそれは、彼女が悔いのない選択をした結果だから、それを支持しよう。どのような選択をするかは、彼女の自由だ。(今は、違う考えをしている。しかし、根拠は違えど、やっぱり支持する、、)

 その前日の土曜日、「同窓会は、キャンセルになったって、、」と彼女がぽつりと言った。理由はそれらしいことを何か言ってたが、忘れてしまった。後から、分かったことだが、妻子持ちの彼の方からドタキャンしてきたようだった。「逢わない方がいい」と言うことらしい。

 夕暮れのキッチンに佇む彼女の、肩が落ちた後ろ姿が侘びしかった。

 「同窓会なんか、またあるさ。来週末は、たまには旅行しよっか」と声をかけた。彼女のほろ苦い物語の最終章だった。(そういう落ちなら、最初から盛り上げるな、、と彼に対してちょっと怒っていた自分に驚いた)

参考:Midnight Talk
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mira69 at 15:00│-Cmt-(8)-TB-(0)"結婚の自由" 

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この記事へのコメント

1. ☆--- ひまわり   2006年05月21日 00:45
相手が嫌で別れた恋愛でなければ、何かのきっかけがあれば、年月が経っても、再び、燃え上がることもあると思います。

人は、生涯を通して、恋愛をしていくんでしょうね…。

人を好きになる気持ちは、結婚していてもそうでなくても関係がない…。相手への後ろめたさはあるかもしれないけど、後悔だけはしたくない。だから、私も多分、静観していると思います。
2. ☆---    2006年05月21日 01:00
☆---ひまわりさま

誰にでも、侵食されたくない部分があったりするもので、特に10代のころの(観念的で自虐的な)恋愛は、当事者以外に触れて欲しくない、そんな部分だと思います。(10代でなくても、そうなのでしょうが、大人になると、もう少し頭を使うので、、)

自分に絶対的な自信があるならば、「私のところに戻ってくるから、今は遊ばせてあげる」と思えるような、、。帰ってこないときは、純粋に相手側に魅力があった、、ってことなのでしょうね。

当事者以外の家族がいた場合は、問題は複雑になるのでしょうが、人と人がいっしょにいるかどうかは、責任ではなく、できれば、好き嫌いで考えたい、、、。

責任だけでいっしょにいる夫婦を見せつけられて育ったお子様たちは、結婚に楽しみを見いだせるのだろうか、、そんな疑問を抱かずにはいられません。夫婦でいることが、それぞれの「悔いのない人生の保証」を意味するなら、結婚ほど楽しいことはないのにね。
3. ☆--- ひまわり   2006年05月21日 23:04
Shinobuさま

私の両親を見ていて思うのは…。
私にとってはある意味、反面教師になっているということです。

子供の頃から、感じていたのは、決して仲が良くなかった。そして、数年前に起こったある出来事で、今は、愛情でいる訳でなく、私や祖母の為に母は離婚せずにいるという事実があります。
増して、仕事柄、色んな夫婦を見てきました…。
確かに、『結婚』に夢はありません。でも、楽しみは持っています。(笑)
話が反れるかもしれませんが、例え、結婚することが出来なくても、人生を共に出来るパートナーは欲しい。それが、私にとっての悔いのない保証かもしれません。(笑)
4. ☆---    2006年05月22日 00:00
☆---ひまわりさま

>例え、結婚することが出来なくても、人生を共に出来るパートナーは欲しい。それが、私にとっての悔いのない保証かもしれません。

確かに、結婚は目的じゃないよね。
5. ☆--- でらいと   2006年05月22日 20:44
はじめまして。
これは、ちょっといい話ですよね。

思い出と淡い恋心を持った妻を、危険を省みず見送ってしまう夫。

結局、その恋心が成就せずに落ち込んでいる妻に気づかないふりをして、
「旅行にでもいこうか?」
なんて、並の男じゃ言えませんよ。(笑)
6. ☆---    2006年05月22日 21:00
☆---でらいとさま

>思い出と淡い恋心を持った妻を、危険を省みず見送ってしまう夫。

私と一緒にいる人は、あくまでも自由意志でいて欲しいのでね。
7. ☆--- エリ   2006年05月23日 16:02
こんにちは。
愛する相手とは、苦しい時、病んでいる時に側にいてあげられる関係でいたいです。愛する人が、ただ一人なら良いんですケド。。
8. ☆---    2006年05月23日 18:00
☆---エリさま

身体1つでは、足りませんね。

愛情を受けた人は、また別の人に受けた愛情を注ぎ、、。
その別の人は、また別の人に、、その別の人は、さらに、、。

引いてみると、バランスが取れているんだろうと思います。

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