ラスト、コーション
本当にすごい映画です・・・余韻が残る。。。
そう、18禁なんですが。。

舞台は1942年、日本軍占領下の上海・香港、
ほのかな恋心から抗日運動に身を投じる女、
そして日本の傀儡政府に関わる組織のリーダーの男の暗殺任務を命ぜられる。。。

当時の抗日主義に没頭する活動家とは凄まじい・・・
国家や政治・思想など生活の中で身をもって感じ、相当な軋轢があるからこそなのだろう、
今の日本に生きる私には理解できないが。
淡い恋心から抗日活動に引きずりこまれていく女学生ワン・チアチー、
4年もの間マイ夫人として、偽り、企み、探り、怯え、身も心も己の‘意’とは程遠く、
翻弄され続け哀しく、苦しい日々を生きる。
チアチーは本当に不幸だったのか・・・

大きな関心を呼んでいる過激な性描写シーン・・・
正直、ここまでやるかと驚いたが、全部で3〜4シーンあり
その描き方が全て違う、テーマを持たせた表現方法とでもいったところか。
ここまで演じる役者も、演じさせる監督も凄すぎる・・・。
「信じられるものは何も無い」と言い切る男イー〜
裏組織のリーダーとして常に‘裏切り’‘死’と背中合わせで
心休まる時など無い、そんな男との行為の中で
次第に本能や生を感じながら、身も心も侵食されていく。。
この描写があるからこそ、チアチーの心情をより生々しく感じるのだ。

イーを演じるトニー・レオン〜常に冷静・冷酷ですきが無い。
後半、宝石店のシーンあたりからの淡い雰囲気、一変して苦悩の表現などはさすがだ。
チアチー=マイ婦人を演じるタン・ウェイ〜
少女のような清純さから妖艶なマイ婦人まで美しさはもちろん、
振舞い・仕草・目線・表情と無名な女優さんとは思えないくらい。
宝石店でのマイ婦人の選択、あの一言・・・
彼女にとってはどう選んでも地獄、ただイーへの愛、執着、生きて欲しいという想いからとっさに出た答えなのだろう。

最後、捕らえられた同志たちが怯え絶望感に打ちひしがれる中、
かつて恋心を抱いたクァンを穏やかな表情で見つめるチアチーがとても切なかった。