atonomatsuri
(*写真は、瀬田なつき『あとのまつり』より)

今日は、いつになく問い合わせをいただき、事務局が慌ただしい雰囲気になってきています。

またまた、投稿をいただきました。

瀬田なつき監督の『あとのまつり』について。

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瀬田なつき『あとのまつり』

昨年「桃まつりpresents Kiss!」シリーズの1本として上映された『あとのまつり』が再び上映されるとのこと、とても嬉しく思い、投稿させていただきます。

『あとのまつり』は、真面目に出鱈目を見せる映画、だと思います。ファンタジーやおとぎ話というよりも出鱈目と言いたい。「出鱈目」という言葉の語源は、さいころを振って出た目のままにする、というものだそうですが、『あとのまつり』という映画にはどこか即興的な側面が不意打ちで現れて、その不意打ちによって時間が前に進んでいるような、そんな不思議な感覚を覚えるのです。本当に即興で撮られているシーンがあるかどうかはわからないけれど、この先少女がどこに行って何をするのかわからない、けれど、その小鹿のような身軽な足取りに着いていきたくなるような、そんなシーンが随所に散りばめられています。

私はこの映画を見た時に、ジャック・リヴェットの『セリーヌとジュリーは舟でゆく』(1974年)という映画を思い出しました。『セリーヌとジュリー』は本当に即興の積み重ねでできているし、女優たちがリヴェットと一緒に台詞を考えていったそうだし、何しろ3時間以上もある映画だから、20分もない『あとのまつり』と比較することは無理があるかもしれません。でも、ひとり(『セリーヌとジュリー』はふたり)の女の子が世界を変える、あるいは、物語は終わりから始まる、という出鱈目であると同時に真実でもあるテーマを共有しているのではないでしょうか。

もっとこんな映画、「はじめまして」と言いたくなる映画に出会いたいものです。

(白水冬実・大学生)

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瀬田なつき『あとのまつり』は、1月23日(土)15時50より、上映いたします。
その他の上映作品は、『とどまるか なくなるか』(2002年)、『港の話』(2006年)、『むずめごころ』(2007年)、『彼方からの手紙』(2007年)です。
また、瀬田監督の選ぶ「この1本」は、クレール・ドゥニ『ネネットとボニ』(19時10分より上映)です
http://www.mirai-kyosho.kitanaka-school.net/program/index.html

瀬田なつき(せた・なつき)
1979 年大阪生まれ。2005年、横浜国立大学大学院を修了。在学中より、映画美学校フィクション科コースに通う。2008年、東京藝術大学大学院映像研究科 (映画専攻・監督領域2期生)を修了。井口奈己『人のセックスを笑うな』(2007年)では、メイキングを担当した(※瀬田監督と井口監督の対談は、1月 23日(土)17時50分より


『あとのまつり』
その街では忘れてしまうことが日常と なっていた。だから13歳のノリコたちは、忘れられることも忘れることも恐れないように、挨拶は「はじめまして」にしている。ある日、彼女は友達のトモオ とふたりで、自分たちのことを書いた手紙を風船に託す。遠くの誰かに、ふたりがこの世界にいたことを知ってもらうために。だがやがてノリコたちにも忘却が 訪れる……。
監督・脚本・編集:瀬田なつき
撮影:佐々木靖之
出演:中山絵梨奈、福田佑亮、太賀
2009年/HD/19分

http://www.mirai-kyosho.kitanaka-school.net/films/seta.html