期待の若手映画監督たちが横浜黄金町に集結します!
★未来の批評キャンペーン実施中! 詳細はこちらまで

加藤直輝

2日目! 加藤直輝監督! ゲスト藤井仁子氏!

さて、肌寒い日曜日でしたが良い天気。

本日「未来の巨匠たち」2日目!

加藤直輝監督の魅力的なノイズを存分に堪能した1日でした。

そして映画研究者である藤井仁子氏とのトークはこんな感じ。

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(左:加藤監督、右:藤井氏)

立教大学時代の処女作から、現在制作中の『アブラクサスの祭』まで、加藤監督を丸ごとわかってしまう(?)素晴らしいトークショウでした。

IMG_0007a空手黒帯であることが判明した加藤監督。

しかも……、なんとサプライズもありました!

『渚にて』という、東京藝大時代の作品が急遽参考上映されたのです!

今日来場いただいたお客様にとっては、まさにスペシャルな1日となったはずです。

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鋭い質問でトークを引っ張る藤井氏。


現在準備中の『アブラクサスの祭』は、監督いわく「これまでとは違った、とてもポップな作品」とのこと。

『A Bao A Qu』以後の、新たな加藤監督が見られるはずだと、藤井氏も非常に期待している様子でした。

公式HPはこちら。
http://www.aburakusasu.com/

公式ブログでは制作状況が随時読めます。

公開が本当に楽しみですね!

なにはともあれ、加藤監督、そして藤井氏に感謝を。
ありがとうございました!

そして来場いただいたお客様にも感謝を。
ありがとうございました!

明日もまた、サプライズがあるかも!?ですよ。

未来の批評キャンペーン|加藤直輝

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(*写真は、加藤直輝『A Bao A Qu』より)

本日の加藤直輝特集を直前にして、ふいに援護射撃が!!

「未来の批評キャンペーン」にご投稿いただきました。

ツイッター上では、瀬田映画に興奮した方々のツイートが次から次へとあらわれ、私たちスタッフもその反響に驚いておりました。

本日もよろしくお願いします。

そして、キャンペーンへの投稿もあわせてよろしくお願いします。

http://blog.livedoor.jp/mirai_kyosho/archives/51393279.html


若手監督が一堂に会する、またとない機会。

ぜひ、一緒に盛り上げてまいりましょう!

* * *

加藤直輝『A Bao A Qu』

『A Bao A Qu』は、重力の暴力性を次のように叙事的に顕在化してみせる。

屋上から投げ落とされた「白いもの」は、どこに落ちてゆくのかわからないまま、宙づりにされた状態でシーンが転換する。その宙づりにされたものの行方は、最後まで分からない。その一方で、まったく唐突に「黒いもの」が落ちてきて、ベビーカーを押しつぶす。はたして、どこから落ちてきたのか。子供を押しつぶされた母親は、目の当たりにした出来事に泣き崩れるばかりである。なぜ、こんなことがおこったのか。なぜ、私ではなく私の愛する人が……。

不可避の運命を受け入れるしかない、血縁に苛まれたギリシャ悲劇を想起することもできるだろう。しかし、子供を殺された母親にとっては、血縁すら因果となりえない。「なぜ」と問うこと自体が、虚しい。このフィルムのいたるところで、ものの因果関係は瓦解し、歪曲している。ものごとの行く先も来る先もともに不明なまま、人も出来事も唐突にあらわれて、消える。

ここに生起する特異なものとは、あるべきものの欠如がもたらす悲劇性、ものごとの関係性を剥奪しようとする暴力性、そして他との関係を失ったものたちがそれでもなお重力をもってそこにあるという驚きである。ベビーカーがつぶされた瞬間、それらは一挙に押し寄せてくる。

(森山聡平)

* * *


加藤直輝監督の映画は、本日1月24日に上映いたします。

しつこいようですが、もう一度、スケジュールのご確認を!

1月24日(日)加藤直輝
14h00 『a perfect pain』『FRAGMENTS Tokyo murder case』
15h50 『Nice View』『りんごの皮がむけるまで』
17h40 『A Bao A Qu』
19h20 トーク 加藤直輝×藤井仁子(映画研究者)

チケット料金
1回・当日券 800円
1日券 1500円
3日券 3000円
フリーパス 6000円
※トークショーには同日の入場券または半券でご参加いただけます

プログラム詳細はこちら
http://www.mirai-kyosho.kitanaka-school.net/program/index.html

作品紹介はこちら
http://www.mirai-kyosho.kitanaka-school.net/films/kato.html

加藤直輝
1980 年東京生まれ。立教大学フランス文学科卒業。在学時は映画研究会に所属。2007年、東京藝術大学大学院映像研究科(映画専攻・監督領域1期生)を修了。修了制作作品『A Bao A Qu』が第12回釜山国際映画祭コンペ部門にノミネートされるほか、ドイツやオーストラリアなど世界各国の映画祭で上映。現在、新作『アブラクサスの祭』を準備中。玄侑宗久原作の初映画化、スネオヘアー初主演でも話題になっている。

加藤直輝『FRAGMENTS Tokyo murder case』|槻館南菜子

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(*写真は、加藤直輝『FRAGMENTS Tokyo murder case』より)


槻館南菜子さんより、加藤直輝監督の映画についてご寄稿をいただきました。
 
加藤監督の映画は、1月24 (日)に上映いたしますが、19時20分より、藤井仁子さんと加藤監督との対談もございます。
 
藤井仁子さん主催の「Theatre Oblique」では、藤井さんが加藤作品を論じたテキストが多数掲載されております。
 
こちらもあわせて、お読みください。
 
in a lonely place——加藤直輝 人でなしの契約書(『a perfect pain』と『funeral dinner』について )
http://www16.ocn.ne.jp/~oblique/texts/JinshiFUJII/inalonelyplace1.htm
 
斬る——加藤直輝『FRAGMENTS Tokyo Murder Case』『Nice View』
http://www16.ocn.ne.jp/~oblique/texts/JinshiFUJII/fragments_niceview.htm

犬はいない——加藤直輝『りんごの皮がむけるまで』
http://www16.ocn.ne.jp/~oblique/texts/JinshiFUJII/ringo.htm
 
また、同ウェブサイトでは、加藤監督の書いたテキストや、『A Bao A Qu』に寄せられた中村秀之さんによる「特別寄稿」も掲載されています。
 
巧妙さについて――『エレファント』×『誰も知らない』|加藤直輝
http://www16.ocn.ne.jp/~oblique/texts/NaokiKATO/elephant_nobody1.htm
 
放心する獣たちの遭遇——『A Bao A Qu』の冒険|中村秀之

http://www16.ocn.ne.jp/~oblique/texts/NAKAMURA/ABaoAQu1.htm


* * *
 
加藤直輝『FRAGMENTS Tokyo murder case』
 
AM8:00起床、AM10:40学校、PM2:45、PM4:10、PM8:00……。
 
『FRAGMENTS Tokyo murder case』 は、ある女子大生の過ごすありふれた日常、そしてその先にある悲劇にぴったりと寄り添っていく。この作品において出来事は予期せぬものとして生起するとい うより、その結末に向かう過程の中で私たちがただそれを見届けているという感覚の方が近いのかもしれない。すべては起こるべくして起こる。公園でのあの惨劇すらもそう思わせてしまうような不穏さをこの映画は纏っているのだ。
 
電車に揺られながら変わっていく風景をぼんやりと眺める横顔。改札を抜け、足早に大学へ向かう横顔。携帯電話で話しながら声を躍らせる横顔。まるで何も聞こ えていないかのように広場をすり抜け、彼氏との待ち合わせ場所に向かう横顔。彼女はただひたすら時間という点を結ぶ通過を繰り返す。この16分間、私たちは不安の中、何度も身震いするような感覚を覚えることになる。なぜなら、彼女以上に私たちは多くのものを目撃してしまうからだ。彼女が遭遇しな かった、見落とした瞬間に出会うこと。見えること、聞こえることの恐怖。眼前に広がるスクリーンには、多くの予兆が満ちている。私たちは『a perfect pain』から『A Bao A Qu』に到る加藤直輝の作品に、目を凝らし、耳を澄ませてみる必要がありそうだ。
 
槻館南菜子(つきだて・ななこ)

1982年生まれ。横浜国立大学環境情報学府博士後期課程在籍。

* * * 
 
加藤直輝『FRAGMENTS Tokyo murder case』は、1月24日(日)14時より、上映いたします。
http://www.mirai-kyosho.kitanaka-school.net/program/index.html


加藤直輝
1980 年東京生まれ。立教大学フランス文学科卒業。在学時は映画研究会に所属。2007年、東京藝術大学大学院映像研究科(映画専攻・監督領域1期生) を修了。修了制作作品『A Bao A Qu』が第12回釜山国際映画祭コンペ部門にノミネートされるほか、ドイツやオーストラリアなど世界各国の映画祭で上映。現在、新作『アブラクサスの祭』 を準備中。玄侑宗久原作の初映画化、スネオヘアー初主演でも話題になっている。



『FRAGMENTS Tokyo murder case』
ある女子大生の、いつもと変わらぬ平凡な1日に少しずつ不穏な空気が忍び寄る……。映像と音響のみで際立った緊張度を生み出すサスペンス作品。
監督・脚本・撮影・編集:加藤直輝
撮影:杉原憲明
出演:鈴木智恵、坂ノ下博樹、小津俊之
2005年/DV/16分
 http://www.mirai-kyosho.kitanaka-school.net/films/kato.html

未来の批評キャンペーン|加藤直輝

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(*写真は、加藤直輝『A Bao A Qu』より)

瀬田なつき監督についてご応募いただいた和田清人さんから、加藤直輝監督についてもレビューのご応募をいただきました。

本当にありがとうございます。

みなさまもふるってご応募ください。


* * *

加藤直輝の映画について

『FRAGMENTS Tokyo murder case』のよく晴れた公園で起こる惨劇と、『A Bao A Qu』の雨降りの公園でのモノローグ。加藤直輝は、それぞれの映画において最も重要なシーンを移動撮影の長回しで見せている。そのカメラワークが美しければ美しいほど、映画は不穏な空気をまといはじめる。恋愛も殺人も、すべてが突然やってくる加藤の映画は、冷酷で、凶暴だ。おそらく彼自身、金属バットやナイフの代わりにカメラを手にとった凶暴な人間に違いない。『Nice View』と『A Bao A Qu』で主人公が持ち歩いているカメラは、風景や人物を記録するためではなく、抹殺するために登場しているように見える。

(和田清人)

* * *

加藤直輝監督の映画は、1月24日に上映いたします。
http://www.mirai-kyosho.kitanaka-school.net/program/index.html


加藤直輝
1980年東京生まれ。立教大学フランス文学科卒業。在学時は映画研究会に所属。2007年、東京藝術大学大学院映像研究科(映画専攻・監督領域1期生) を修了。修了制作作品『A Bao A Qu』が第12回釜山国際映画祭コンペ部門にノミネートされるほか、ドイツやオーストラリアなど世界各国の映画祭で上映。現在、新作『アブラクサスの祭』 を準備中。玄侑宗久原作の初映画化、スネオヘアー初主演でも話題になっている。

上映作品に関しては、こちらをご参照ください。
http://www.mirai-kyosho.kitanaka-school.net/films/kato.html
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