◆大分以前の当メルマガで“顧客償却の法則”について説明したことがある。少しは
経済環境に明るさが見えてきたといっても,中小企業にとってはまだまだその気にな
れるほど市場が動いていない。こんな時こそ私が唱えるこの法則を再度思い返しても
らいたい。

◆社長を始めとして一生懸命営業開拓をして新規顧客をつかんだ。“このお客のために
は精一杯フォローして,当社の営業の柱になってもらおう”なんてことを始めのうち
は思う。やがてこちらの誠意が実って多額の受注をくれるようになった。

◆やがて時が過ぎると,なんとなくマンネリ化してくる。以前は社長がトップセール
スと称して毎週先方の経営陣にも担当者にも顔を出していた。しかし“いつまでもそ
うはできない,社員にも責任を持たせて教育しなければ・・・”と思って,1年前か
ら担当者に任せることにした。“自分自身は時々行って様子を見てみよう”と思った。

◆やがて,アッと気が付いたときには受注が半分に落ちていた。さらにこの低下傾
向は続きそうである。担当者を呼んで理由をただしてみた。彼は“すいません。でも
私じゃお客さんは担当者しか会ってくれないんです・・・”

◆これまでのサービスを続けていたのでは受注は以前の8割になる。これが顧客償
却の法則である。つまり以前のように社長が接していても,そのままでは受注は落ち
るということ。まして部下にまかせっきりではせっかく築いた関係もつるべ落としの
ように降下してしまう。新規顧客の開拓は重要だがそのためにはさまざまな仕掛けや
投資が不可欠だ。こんな厳しいご時世に既存客を大事にしないようではいくら新規開
拓しても全体の売上げ増にならない。
◆営業の柱となる顧客については,社長自身がトップセールスを続けること。その上
に担当者をサブにした細かいサービスを追加し,絶えず先方の経営陣に対して提案を
し続けること。これを忘れてはわが社の経営を左右することになる。
今までと同じでは顧客はわが社をどんどんと忘却していくのだ。私、吉岡憲章はそんな場面を幾度か見ている