風の動物病院のブログ

沖縄県豊見城市の動物病院のブログです。病気の情報、日々の診察、日々の生活、そしてちょっとした遊び心の写真を載せていきます!もちろん色々な相談があればできる範囲で考えを述べさせてもらいます。

台風一過の晴天とはならなかったけれど、無事台風は通過。
内地の方はこれから気をつけてください。
昨日は暴風雨、で、休診日。
いいんだか、悪いんだか・・・・
少し複雑な休診日の台風なのでした。

さて、こんな台風、暴風雨の中で耐え忍ぶ子たちがいます。
そしてその数はもはやわからない。
この中で中で亡くなってしまう事もきっとあるはず。
でも保護してもらえた子も少なからずいると思うんだよね。
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この子もその運のいい子。
しばらくは健康状態なんかを経過観察しなくてはいけないけれど、一応健康状態は悪くなさそう。
そして少し落ち着いたら保護主さんが里親さんを探してくれるみたい。

元気に外に出せ!と喚いております(笑)










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沖縄のとある団体さんが事業としての猫の保護を始めました。
まあ、当たり前っちゃあ当たり前だよね。
今の日本の保護活動ってボランティアという名のもとに過酷な状況に置かれているわけです。
それでもなんとかしようと頑張りはするのだけれど、時に気力、時に体力、時に精神力、そして時に財政力が尽きて辞めてしまうということを繰り返しているわけです。
そしてそれどころか保護団体に保護を求め、費用を請求すると罵倒されたりとかね。
寄付金を募っておいてまだ金を取るのか!とかさ。
いやいや、寄付金だけで賄えないから大変なんだし、そもそも保護って保護したい、しないといけないと思った人が保護するべきだし、時間も費用もその人が背負うべきものなわけです。
それを保護活動をしている方々に対して丸投げはもちろん保護ではないのに、自分は保護したつもりになっていたりとか、保護活動をしているから保護して金も体力も精神力も時間も全て使えという人たちが一部ではあるけれどいるわけです。
自分が見つけて保護が必要と思ったのであれば自信が金も体力ても精神力も時間も使うべきなんだけどね。
ただ、そのノウハウが一般の人にはないからあくまでもお手伝いという形で手を差し伸べているのが保護活動を行なっている人たちだと思うんだよね、本来は。
でも逆を言えばさ、自分達でボランティアなんて名乗っていたりするからそう思われてしまうんじゃないかと実はずっと思ってたんだよね。
ボランティアって無償でしょ?となれば一般の人からお金を取るなんてことしないよね?という考えに至ってしまうんじゃないかと。
名前とかはどうでもよくて保護にはきちんとお金が発生するということを最初から前提としておけばそんなことにはならないんだろうなとも漠然と思っていました。
沖縄には数々の団体や個人が保護活動をしているけれど、多くはやっぱりボランティアという名のもとに活動していていて、寄付金も募っているけれど、時には私財を投げ打ってという部分も多くあるわけです。
それだと絶対にどこかで行き詰まると思うんだよね。
となれば特に保護依頼に関しては最初からきちんと費用を請求するということは必要だと思うわけです。
それでより多くの子たちが救われる一つの手段だと思う。
無限にと言えるほど保護猫はいるし、そしてそれは氷山の一角で、保護されずにいる猫たちもたくさんいるわけです。
それを一部の人たちの募金だけでは無理がある。
時には高額な治療が必要になることもあって、それまでコツコツと集めた募金が一気になくなるなんてことは珍しくない。
まあ、色々な側面があって、こんなブログでは一つに記事にまとめることができないくらい色々なことがある保護活動ではあるけれど、きちんと依頼は有償で行うということが沖縄でも始まったし、当たり前になってもいいんじゃないかなと。
元々は大阪で始まった事業の沖縄版ということらしいけれど、実情を知らない内地の人が沖縄で金儲けのために行う、というのではなく、沖縄で活動しているかたが、その大阪のやり方を輸入(?)してきちんと沖縄の実情に合ったものとして事業化していくみたいなので、ひっそりと応援だけはしようかなと。



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そしてそういった子たちがきちんとした家族として迎え入れられて欲しいなという願いも込めて






 















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昨日の記事でしっかりケアをしているにもかかわらず、歯石(歯垢)がついてショックを受けていた飼い主さんのお話を書きました。

あとは時々聞かれるのが猫の歯磨き。
いやぁ、猫の歯磨きは基本的に厳しい。
おそらくウチの子たちも無理だろうなぁ・・・・
だからと言ってオーラルケアをしないでいいというわけではなく、歯磨きができないならそれ以外で、ということになるわけです。

私が一番多用しているのが、やっぱりデンタルジェル。


何度か記事に載せてるやつね。

で、今日は新作(笑)


この子は異常にこのジェルが大好き。
チューブを見ただけで飛んでくる(笑)

もちろん猫によってどの製品が好きか嫌いかというのはあると思うんだよね。
なのでその子に合ったものを使ってあげてもいいのかなとは思うけれど、嗜好性と品質と効果とのバランスももちろん大事。

舐めてくれればいいし、舐めてくれない子は塗りつけることも必要だったりはするけれど。
あとは飲み水に入れるタイプとか色々あるので、何もしないよりは何か一つだけでも、という気持ちでケアをしていただけるといいかなと思うのです。



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色々な情報が溢れる中、いかに動物たちに手をかけてあげられるかという意識も高まりつつあります。
ある意味、一つも目標が達成されたかなという部分もあると思います。
もちろんそのために飼い主さんから獣医療に求められるハードルも高くなっているわけですが、それをクリアするために多くの獣医師が日々努力しているんじゃないかと思っています(自画自賛)。

そしてもう一つは飼い主さんが自身に求めることも実はハードルが上がっているようにも思えます。
こちらかしたら随分立派な飼い主さんであっても、自分はまだまだなんじゃないか、十分にケアしてあげられていないんじゃないかという声も聞いたりするんですよね。
時には自分はダメ飼い主なんじゃないかということまで。
いやいや、あなたがダメ飼い主なら私はもっとダメ飼い主です・・・(汗)というくらい。

いい面であり、悪い面でもあるかも。
そこまで追い込まなくてもと思う部分もあるけれど、これは性格にもよるよね。

ということでとある飼い主さん。
オーラルケアを相当頑張っておられるし、この年齢にしては口腔状態は悪くない。
でもこの飼い主さんは悪くないでは悔しかったらしく、一度きちんとスケーリングをして、もう一度頑張りたいとのことでスケーリング処置を行いました。

処置前
犬歯はかなり綺麗だよね。
やっぱり歯磨きで難しいのは奥歯(臼歯)なんだろうね。
まあ、これが1歳未満なら将来思いやられる口腔環境かもしれないけど、中年齢でこれなら十分合格点だと思うのだけれど、この飼い主さんの中ではダメだって。
ということできちんと綺麗にして、これが最初で最後のスケーリングになるようにとのこと。
結構、ショックを受けてらしたけどね(汗)。




処置後
で、まあ、時間をかけてきちんと処置をして。
もちろん歯石だけを取ればいいてものじゃない。
きちんと歯周ポケットもチェックして(十分合格点だった)。
ポリッシングも時間をかけてと。









とまあ、少し極端な例ではあったけれど、意識が高まっているのいいこと。
でもあまり追い込まないのも大事なこと。
もちろん性格にもよるのだけれど、追い込み過ぎて、もうダメだ・・・・なんてなっちゃったら本末転倒。
末長く動物たちと過ごすためには時には手を抜くこと、多少のことは合格と捉えることも大事なこともある(性格によるけどね)。
この飼い主さんは今までの付き合いを考えるとそうはならない性格だと思うけれど、その意識が全員に当てはまるとはもちろん私も思ってはいない。
自分に合ったやり方ではいいと思うけれど、でも時には自分に厳しくすることも必要だし、時には甘くなることも必要かなと。
もちろん意識が低すぎるのは困りものだけどね。


なが〜くなが〜く動物と付き合うにはどうすればいいのか、それを意識することが大事なのかなと。






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ミャンマーミャンマー ヤンゴン

1日の時間が足りない、短いと思ってしまうのはなんでだろうなと思うのだけれど、その理由はわからない。
次にやらなければいけないことまであと1時間あるのか、もう1時間しかないのかという心の持ちようだとも思うけれど、「やらなくてはいけない」事ってその2時間前も3時間前も何かしらの準備が必要であったり、必要じゃなくても何か全く別のことをしていると気になって仕方がないという性分もあるんだろうなと。


例えば昼ごはんを少し食べに行っても、もうすぐ午後の診療だと思ってしまえば3時がもう5時と同じ感覚になっちゃう。
2時間も実は無駄というか、自由な時間を不自由な時間として捉えてしまっているんだよね。
「次」をもう少し軽く考えられるといいんだけど。

ということで途上国の旅ってその辺りが緩い。
緩いから慌てなくてもいい。
どうせ時間なんてあってないようなものだからという気分にはさせてくれるから一つ一つの行動が余裕もあれば適当さもあって、「まだこんな時間か」と思えてしまうから不思議なのです。
いや、逆にもうこんな時間かと思ってしまう日常が不思議なのかもしれないけどね。

でも途上国で唯一時間というか決めているのが、帰国前日にはきちんと首都(もしくは空港がある地域)に戻っていること。
帰国便に合わせてその日に地方から戻ってくるというのはある意味自殺行為に等しいのです(笑)。
時間が遅れるなんてことは当たり前だし、それが陸路(バス)だといつエンジントラブルやタイヤトラブルに見舞われるかわからんという。
ならば流石に最低限前日にはついておいて帰国当日はゆっくり空港に向かうのが唯一の私の決まり事だったわけです。
が、その帰国便というか出国便が夜だったりするとその日1日をどう過ごすかなんてことで四苦八苦することも。
時には宿はすでに引き払ってたりするから宿でダラダラなんてできないこともあるし。
まあ時には出発まで使っていいよと言ってくれる宿もあったりもするんだけどね。

で、とある時のミャンマー。
時間もあるし、半日どうしようかななんて思って、どうせなら列車に乗ってみようと(笑)
ヤンゴン市内にはヤンゴン市内を一周する環状線みたいなのがあって、サクラトレインなんて呼ばれる列車があって、それに乗ってヤンゴン市内を一周、車窓からの眺めを楽しみながら時間を潰してみようと思って乗った列車がこれ。
ヤンゴン駅で列車に乗り込み、走った方が早いんじゃないの?と思うくらいの速度でヤンゴン市内を一周する。
地元の人と話しながら、車窓を眺めながら、カメラを構えながらという時間の潰し方。
もちろん出国便のギリギリまでというところまでは時間を潰す勇気はないけれど、ヤンゴン市内ならタクシーやらなんやらで空港に数時間遅れで到着なんてことはないと踏んでの話だけどね。

で、もちろん予定通り出国。

ただ、この列車に乗り込んだヤンゴン駅で次の日に爆破テロがあったのはまた別のお話(笑)





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さて、昨日の前置きが長かったわけですが・・・・
離島の方々はやはり動物病院がないという事態に遭遇するわけです。
もちろん診断がつくこともあるのかもしれないけれど、いずれにせよ、一度は動物病院で診察をしなくては始まらないことがほとんど。
それで諦める方も中にはいるのですが、それでも離島から遥々当院に来てくださる方も少なくない。
離島で動物を飼うということにはそう言った実情があることも知っておかなくてはいけないし、なんとしても病院のあるところまで行く必要があることがあるということも知っておかなくてはいけないと思うんですよね。

そして今回の方は以前より何かあれば連絡いただき、奄美群島のとある島から来てくださる。
そして今回はあまり状態としてはよくなさそうだったので急遽来院してもらうことに。

そして検査を進めていくと・・・・
pyoエコー
連絡をいただいた時点である程度は察しがついていたのだけど、やはり子宮蓄膿症。

離島にいると動物病院がない=適切な時期に避妊手術を受けられないことがあるんだよね。
避妊手術自体はお気楽な手術ではないけれど、緊急の手術でもないから気楽に日程を決めてもらって大丈夫。
でも離島の人たちはその日程を決めるにもいろいろな障壁があって、そのままズルズルいっちゃうとこういうことが起こってしまう。


起こってしまえば兎にも角にも病院に来てもらう以外はないわけです。
そしてこの子の飼い主さんは兎にも角にも来院してもらえた。
そしてすぐに診断がついてすぐに手術となったわけです。

pyo開腹
で、開腹。
膿でバンバンに膨れ上がった子宮。
血管も怒張して、一部は色も悪い。

これが離島だからと躊躇していればどうなったかは・・・・









pyo摘出
もちろん手術は成功。






 









成功はしたけれど、もちろん数日の入院が必要。
でも面会にも来れないのが離島の現実。
そして退院はできるけれど、その後の通院もできないので、全ての治療が終わる(抜糸)まで入院ということも起こりうる。
まあ、今の便利な世の中は入院中の様子の写真や動画を送れるので、それで安心してもらうことができたりもするんだけどね。
でもやっぱり会いたいだろうけれど、離島でももちろん仕事、生活があるわけで、我々に託してもらって帰らざるを得ないわけです。


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多くの人たちと違って気軽にすぐに、いつでも動物病院にということができないのが離島の現実でもあるし、それを知った上での離島での動物たちとの生活になるわけです。































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以前にも書いたけれど、離島に住んでいるといろいろなことが大変なこともある。
基本的には◯◯が無い!ということに尽きるんだけど、そのために物資、人の移動ということが必要になってくる。
とは言ってもその移動がそんなに簡単じゃない場合もあるんだよね。
日本という国で言えば沖縄も離島ということにはなるのだろうけれど、幸い現在の沖縄本島はそれなりになんでもあって、住んでいても離島という感覚はほとんどないかな。
ネットで何かを買うときに送料がアホみたいな料金で表示されることは多いけどね(笑)。

最初に沖縄に住み始めた時は週刊誌なんかが1週間遅れだったことに驚いた。
(今は二日遅れ)
他にも色々不便なこともあったけれど、時代が進めば今は不便と感じることはあんまりないなと。

でもそれは本島だけであって、それ以外の離島も一部かなり発展はしたけれど、やはり離島ならではということはまだまだ少なくないと思うんだよね。

これから台風シーズンもやってくる。
ということは内地から来る物資が届かないということもある。
でも今は拠点が沖縄本島にあって、ということもあるし、昔ほど物資が無くなるということもないと思うんだよね。
でもなぜかスーパーで異常に買いだめが起こって棚に何もないなんてニュースやったりするけど、ちょっと不思議。
昔を知っているからその物資のないことに対する警戒からそうなるのか?
昔を知らないから台風というものそのものに対する警戒なのか?
昔を知っていれば逆に今は困らないのにな、なんて思ったり。
まあ、そこは楽天的な性格が幸いしているような気がする(笑)

離島でも過ごしたことがあるけれど、離島では島の人の物資がなくなるから観光客を那覇に追い返すということも昔は当たり前にあった。
追い返すって言い方悪いけど、あと二日滞在予定の人であってもその前に那覇に帰っていただくわけです。
でないと島の備蓄能力では島の人たちの物資が足りなくなる。
時には物資どころか水すらも無くなったりとかね。
そう言ったことが以前はあったし、今でも以前ほどではなくてもゼロにはならないわけです。
需要と供給の関係からすれば、やはり在庫を抱えるという概念からも離島にその備蓄を観光客の分まで見越して大量に備蓄しておくなんて無理があるもんね。

島にはサン◯ーのような大きなスーパーがない、大きな病院がないとかっていうのは実は当たり前だったりもする。
石垣や宮古、久米島なんかはかなり発展はしたけれど、それ以外の離島はやっぱりいろいろなものがなかったりするわけです。
高校がないとかね。

そしてもう一つ。
動物病院もなかったりするわけです。
沖縄本島も昔はなかったらしいし、その後もぽつりぽつりとできてきて、今やかなりの数の動物病院が沖縄本島にはある。
でも離島には石垣、宮古くらい。
ちょっと特殊な例として久米島があるけれど、特定の病院の話になるので割愛(笑)。
なので多くの離島の方は船、もしくは飛行機を使って本島まで具合の悪い動物たちを連れてくる、ということになってしまうわけです。

そして今回は沖縄ではないけれど、奄美群島というのが沖縄の北の方にあって、地理的には鹿児島なのだけれど、文化などは沖縄に近かったり、沖縄との交流の中で沖縄と奄美で親戚がいたりとなんとなく沖縄寄りだったりする部分もある。
県が違うというのはある意味行政の都合だからね。

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まあ、こうやって見ても沖縄の方に近いのはよくわかる。

なので実は当院の飼い主さんの中にも奄美諸島の方もいらっしゃるのです。

そして先日、奄美諸島のとある方から連絡があって、ワンちゃんの調子が悪いという連絡があった。
話を聞いているとあまりいい状態じゃなさそう。

なのでここから先は連れてきてもらわないとどうしようもない。
とにかくフェリーを手配してもらって沖縄本島まで来てもらうことに。

そして診察の結果は・・・・
前置きが長すぎるので結果は明日の記事で(汗)


















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昨日の続きというか少し補足。
通常、組織(臓器)というのは細胞診に使う太さの針で刺しても大出血したり、壊れたりなんてことは実はない。
だから通常は気をつけはするけれど、きちんと刺せば大丈夫(ということになっている)。
でも、それは通常の組織(臓器)であって、刺したいのは実は通常の組織(臓器)とは違っているわけです。
なんらかの疾患が存在し、そこに向けて針を進めるわけだからやっぱり慎重に行わないといけないのは事実。
だからと言って刺さなければ何もわからず(はちょっと言い過ぎかもしれないけど)、治療方針も立てられなかったりということも起こりうるので、針を刺して細胞診を行うということは有用なことも非常に多いのも事実。
その境目はどこかと言われれば正直わからないというのが本当のところ。
特に外科をやっていると肉眼像でとんでもないことになっている臓器に多く出くわす。
実際に針を刺さなくてよかったということも実はあるのです。

消化管裂開(消化器型リンパ腫)
かなり昔の写真。
消化管腫瘍があって、通過障害もあって。
どこまで取り切れるか、根治は難しくとも通過障害だけでも解除して、残りの時間を生きて行ってくれないかという思いで開腹した子の写真です。
お腹の中から外に出して・・・
とやっているとパカッと割れた。
消化管が割れるなんてことは通常あり得ない。
でも腫瘍化して、通常組織が癌組織や繊維組織に置き換わって、固く、そして脆くなっていることって実は結構あるんだよね。
おそらくこの写真の子も針を刺すと下手するとパカッと割れてそのまま腹膜炎を起こして死亡ということにもなっていた可能性もあったのかなと。

もちろん多くの場合が大丈夫ではあるのだけれど、そう言ったリスクも包括して検査を進めていかないといけないし、検査でわかることがその後の治療や予後、過ごし方などいろいろなことを決定していける重要な情報になるわけです。


「わからなくていい」のか「わかった方がいい」のか。
もちろん医学的には後者ではあるのだけれど、その決定権はもちろん飼い主さんにある。
そこをどうするかをしっかり決めていかないといけないのです。




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獣医領域において何かを見つけた時になんなのかわからないということは実は少なくないと思っています。
もちろんさらにそこでどこまで検査を進めるか、ということになるのですが、進めるべきものと、進めてもという部分も実はある。
そこの線引きはかなり難しいとは思うけれど。
そのものがなんなのかが分かればもちろん治療方針が立つこともあるけれど、その一方で単なる予後判定(あとどれだけ生きることができるか)という指標にしかならないことももちろんあって、もどかしいことも往々にしてある。
ただ、飼い主さんとしてはそのものがなんなのかを知った方が納得いきやすいことも多いのかなとも思う。
だからできるだけ動物への負担が大きくなりすぎないレベルでできるだけその正体を明かす=検査をすることになることが多いかな。

もちろん検査と言っても検査によっては検査自体がリスクということもあるから難しい。

さて、とある猫ちゃん。
お腹の中に腫瘍があるかもということで他の病院で診察されたらしい。
ただ、その正体を知るためには開腹しないとわからないという話だったらしい。
もちろんそう言ったことは少なくないし、私もそういう説明をせざるを得ないことも実はあるんだよね。

で、その病院やお知り合いの紹介で当院でのセカンドオピニオンということになったのです。

ということでまずはどこに、というのが大事になってくるのでエコー検査をしてみると・・・
腹腔内腫瘍(消化器型リンパ腫)
こういった画像検査って検査機器の画像の良し悪し=機械の性能が本当に大事だったりする。
なんとなく塊に見えるのか、その塊の構造まできっちり見えるのかというのは実は大きい。
そして画像検査機器の画質の向上は年々上がっているわけです。
デジカメやスマホのカメラ機能の画質の向上もどんどん上がっているのでその辺りは皆さんもお分かりいただけるんじゃないかなと。




で、当院のエコーは数年前に買い替えた。
その時の画質の良さにびっくりしたけどね(笑)
おそらく最新ならさらに綺麗に見えるのかもしれないけれど、今の機器もかなり画質はいいのです。
ということでそのお腹に塊、というものを見てみると、その構造から消化管にできた塊ということまでは実はここでわかったのです。
ということはその正体はほぼ二択になっちゃう。
その二択をさらに絞ることができるかどうかはここで細胞診をするかしないかということになるわけです。
お腹の中の塊をエコーを介しながら針を刺す、というのは結構度胸がいるかもしれないけれど、そして刺しちゃいけないことも実はあるのだけれど、今回は針を刺して細胞診をしてみることに。

細胞診(消化器型リンパ腫)
お腹の中で大出血なんてことにもなりかねないリスクを考えると結構ビビることもあるけどね。
それでも刺さないとはっきりしないまま、ということになっちゃう。

ということで針を刺して細胞診をしてみると・・・
リンパ腫でした。



いわゆる猫の消化器型リンパ腫で、実は予後はかなり悪いことが多い。
しかも実はこの猫ちゃんはすでに相当体重減少も進んでいて、その病状の進行は重度と思えるんだよね。
それがセカンドオピニオンの辛いところ・・・・

予後がかなり悪い消化器型リンパ腫であるということ、病状がかなり進行してしまっていることを説明し、抗がん剤治療も間に合うかどうか、どれだけ効果が得られるかどうか、ということを説明し、飼い主さんはせっかく正体がわかって、可能性が限りなく低くても抗がん剤治療を行いたいとのことでした。
すぐにその予定を立てて、予約を取ったのですが・・・・

抗がん剤治療当時は来院されませんでした。
亡くなったのかな・・・・?
ということでこの子と会ったのはこの一度きり。
でも正体がわかったことで少しは飼い主さんの救いにはなったのかな?
そうであって欲しいんだけどね。




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夜間救急をやっていると色々な電話がかかってくる。
多くの場合は電話での意思疎通ができて、来院してもらって、診療、治療となるのだけれど、時によく状況が飲み込めないこともある。
それは飼い主さんがパニックになっていたり、うまく説明ができなかったりと致し方のないことがほとんどではあるんだけどね。

そして中には実は的を得ていたなんてことも実はある。
そう、私がうまく飲み込めていないというか・・・・・・

とあるわんちゃん。
電話では爪楊枝が口の中に刺さっている!とのこと。
どんな言葉だったか忘れたんだけど、詳細な部分はね。
でも爪楊枝が口の中に刺さるか?
それはどこ?
なんて色々なことを考えながら、よく状況を把握できないまま診察。


口腔内の枝
あ、こういうことね・・・・
これをうまく電話で伝えようとしても難しいよね。
それにしても確かに横に刺さっているようにも見えるし。

ということで安全に取り除くために鎮静剤を使って、少し眠ってもらいながら・・・・







口腔内の枝
出てきたのはこれ。
爪楊枝でも割り箸でもなく、枝。
枝を咥えて、齧るの好きなわんちゃんって結構多いよね。
多くは問題にならないことが多いんだけど、まさかこんなふうにすっぽりハマるとは・・・

状況を見ると確かに飼い主さんの電話口でおっしゃってたことは当たってたんだよね。
それを私が理解しきれていなかったわけです。




電話で確実に伝えること、受け取ることの難しさってあるよね・・・・
反省・・・・





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もはや感染症というのは人類にとってものすごく身近になったのは間違いないと思う。
元々身近にあるものではあったけれど、このコロナ禍でその意識という部分で身近になったという意味でね。
でも喉元過ぎれば・・・・なんてことになりかねないけどね。

定期によると
感染症とは病原体(=病気を引き起こす小さな生物)が体に侵入して、症状が出る病気のこと。
病原体は大きさや構造によって細菌、ウイルス、真菌、寄生虫などに分類されます。

とある。
もちろん我々獣医師にとっても感染症というのは厄介であることは間違いないし、感染症で命を落とすことも珍しいことではないのです。

が・・・・・
時に不謹慎に思うことも実は正直あって、それが寄生虫だったりするんだよね。
生き物という観点で見れば寄生虫ってかなり面白かったりもするわけです。
中には厄介な寄生虫もたくさんいるし、それで命を落とすこともあるのだけれど、もちろん駆除できる寄生虫も多くいるわけです。
そしてそれを見つけた時は実は楽しかったりもするし、ほぼ確実に駆除できるとなると気分的には楽だったりもするし、楽しかったりもするわけです。

さて、とある保護猫ちゃん。
保護猫ちゃんはまあ、色々な寄生虫感染症を持っていることが多い。
もちろん危険なものもあれば、楽に駆除できるものもある。
飼い猫であればきちんと予防できるものは駆除よりも予防が大事だけどね。

ミミダニ
そしてこの子はミミダニがいたわけです。
動画を撮らなかったのは失敗(笑)。

生物屋からすると見てて楽しいんだけどね。
でも一般の人からするとおぞましいのかも。

猫ちゃんにとっては・・・
痒くて痒くて堪らない。

誰得かといえば誰も得しないんだけど、ちょっと不謹慎に密かに楽しんでいる悪趣味な獣医師もいるんだよね・・・・








もちろん駆除をして、保護された方もきちんとお世話をしながら里親を探すとのこと。
よかったね〜〜〜、猫ちゃん!






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最近の飼い主さんはよく勉強されていると思う。
もちろんそれだけ情報が溢れているというのがいい意味でも悪い意味でも情報収集しやすいという背景があるというのも大きな要因だと思う。
なのでそれを元に色々質問してくださるのはいいことだと思うんだよね。
ただ、やっぱりネットに関して言えば、一部だけを切り取っていたり、書き手の書く目的に沿っている(当たり前だけど)わけで、本当に知りたい部分がなかったり、プラスアルファがなかったりするのも仕方がないけれど実情だったりするわけです。

例えば猫の嘔吐。
猫は犬や人間に比べると嘔吐をしやすい動物ではある。
特に毛玉となるとどうしてもグルーミングをする上で被毛を飲み込んじゃうということは起こりうるし、それで腸閉塞を起こさないためにも吐き出すのはある意味理にかなっているわけです。

だからと思うんだけど、「猫は吐く動物」ということがある意味浸透しているというか、常識的に捉えられていたりするわけです。
もちろん嘔吐にも悪い嘔吐と悪くない嘔吐があるわけで、その見極めは難しかったりするわけです。
病的な嘔吐(疾患が原因)なのか、生理的な嘔吐(毛玉の吐き出し)なのかを見分ける術はなくて、結局臨床症状や検査なんかに頼ることになるんだけどね。

だから猫の嘔吐が時に「猫は吐く動物」とたかを括っていると実は大きな病気を見逃す、というのは少なからずある話でもあるわけです。
体重減少とか頻度とかそんなのをまずは見ていかないといけないんだけど。

とは言っても確かに「猫は吐く動物」であることも事実だけど、それを鵜呑みにして放置しちゃダメ、というのはお分かりいただけると思います。

そして猫(もちろん犬も)のことを思っているからこそ、心配して情報を収集されるわけだけども・・・


とある飼い主さんと話をしていて、「猫は吐く」ということも話に出てくるわけども、その飼い主さんは深刻な顔をされて「うちの子、全く吐かないんですけど・・・」とかなりご心配されていました。
もちろん生理的に吐く(特に毛玉)ことが多い生き物ではあるけれど、そして毛玉を吐かずに最終的に腸閉塞になるのは困るけれど、でも日常生活で吐かないのはそれはそれでいいことなんだよね。
猫は吐く動物とそれを鵜呑みにしてしまうと、そして大事にされるが故の心配からすると、吐かないのも病気じゃないかとご心配されたわけです。

もちろん吐かないことは基本的にはいいことだと説明させてもらって。

ネット情報って教科書とか論文じゃないからどうしても切り取られていたり、その前後や背景がわからなかったりするんだよね。
だから心配して聞いてもらえるというのはこちらとしてもありがたいわけです。

そして吐かないけど大丈夫?とまで心配してくれる飼い主さんの元にいるこの猫ちゃんは幸せ者ですよね。

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これはうちのネコ。
もちろん時々吐いてます。
でも吐いているけど大丈夫とはわからないのは同じ。

それを見極めていくことは難しいけれど、でも心配と安心を繰り返していくのが猫との生活の宿命かもね。
















 

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とうとう梅雨入り。
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昨晩から雷、そして風雨と結構ひどかったですね・・・・
そしてそれは一部の子達のストレスになりうる。
そう、消化器症状や神経症状が悪化することも。
自然のものだからどうにもならないけれど、気持ちを落ち着かせてもらうことも大事。
でもどうすればいいの?ってなるよね。
人間ならホットミルクとか紅茶とか。
お風呂とか色々あるけれど動物にはなかなかそういうわけにはいかないのが悩みどころ。
即効性があるわけじゃないけれど、そういったサプリなんかはあるので試してみるのはありかも。
(動物病院用もありますよ笑)

早く来て欲しい夏に辿り着く前の試練です・・・・








昨日に引き続き、ちょっと本質からズレてない?なんて思うこと。
しかも猫について。
ネットニュース(?)、コラム(?)かなんかで、猫を外に出してはいけない理由なんてものを見つけた(別に探しているわけじゃないけど笑)。

で、その理由がまずは人獣共通感染症。
動物由来感染症のことが書いてあった。
SFTSなんかを例に挙げていて、猫から人間に感染するのを防ぐため。
うん、確かにそれはあってると思う。

もう一つが生態系に及ぼす影響。
猫の狩猟能力は非常に高くて、色々な野生動物を狩猟してしまう。
その結果、生態系を破壊してしまう可能性があるから。
とのこと。
絶対的に間違っているとは言わないけれど、多くの飼い猫はそこまで狩猟能力が高いと思えない部分もあるし、でももしそうだったとしてもそれは猫だけでそれだけ影響力がどれだけあるのかというデータが示されてなかったりもするけど、百歩譲ろう。

で、外に出してはいけない理由がこの二つ。
うん・・・・
きっと本質の捉え方が我々とは違うんだよね。
外に出してはいけないと言うことは前提は飼い猫ということになる。
そしてそれは「飼い」猫を外に出してはいけない理由だと思うんだよね。
ということは・・・
猫そのもののことは言及されていないんだよね。

我々が思う猫を外に出してはいけない理由って、もちろん感染症もあるし、そしてそれは人獣共通感染症のこともあるし、猫に対する感染症のこともある。
事故もそうだし、喧嘩もそう。
沖縄であればハブのこともある。
猫のことが心配だからこそ外に出すべきではないと我々は思うんだよね。
そこが本質が違うというか、ズレの問題なんだよね。


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人間や生態系に影響を与えることも事実の一つではあるのだけれど、飼い猫として猫のことを心配しているわけじゃないとことがちょっと違うんだよなぁと思った事例なのです。



猫が長生きするようになった大きな要因の一つが完全室内飼いだと思うんですよね。
人間のことも環境のこともそうだけど、猫ちゃん自体のことも考えてあげないと、と思うんだよね。




それはそうなんだけど、ちょっと違わない?ってことってよくあると思うんですけど、どうですか?
先日、とある沖縄本が紹介されているのを見て、ふと思ったこと。
とある県内の自治体も関わってできた本らしいんだけど。
簡単に言えば海、環境を守りましょうなんてことなんだけど、そしてそれはそうなんだけどと。
海洋ゴミとか温暖化とかそんなことを書いているらしく、で、海や環境をということ。
そんな話は至る所で聞くんだけど、でもね、でもね、リゾート開発のことって絶対に触れないよね。
なんで?
沖縄は観光が基幹産業になっていて、観光資源である海をきれいにってことなんだけど、そもそも海って観光のためにあるのかということ自体がもう環境とはかけ離れている気がする。
偉そうなことを言うと海は別に人間のためにあるわけじゃないしね。
県内の企業もそうだし、自治体もやっぱり観光業には言及できないのかなと。
それともリゾート開発では海の環境は破壊されないと本気で思っているのかと。

なんてことをふと思ったとある日でした。

IMG_0905
で、そんな本質がちょっとズレているんじゃない?って思うことって実は多々あると思うんだよね。
明日はそんなちょっとズレている猫に対する認識も読んじゃったのでそれもついでに書こうかなと。

















 

さて、昨日の続きです。
慢性腎臓病の早期発見という触れ込みで数年前に大ブームとなったSDMA。
何度も書いているけれど、それだけで早期発見につながると断言してはいけないと個人的には思っているわけです。
このブログのコメントにも質問はよく来るし、セカンドオピニオンでもよく聞かれるのがSDMAの検査で慢性腎臓病と診断されたというもの。
確かに検査会社が言うようにクレアチニンのように筋肉量の低下による過小評価は起こりにくいかもしれないけれど、SDMAが腎臓だけを表すものではないというのは実はBUNやクレアチニンと同じ。
何か(炎症とか)の影響は受けるのは紛れもない事実。
だからSDMAの基準値が0〜14μg/dlで、それを超えたら即慢性腎臓病なんてことは言えない。
昨日も書いたけれど、やっぱり総合的に診断しなくちゃいけないわけです。

さて、当院には看板犬、看板猫がいることは皆さんご存知ですよね???(笑)
彼らは年に2回の健康診断を受けていて、その動向と推移を見ているわけです。

さて、とある子の血液検査の推移です。
ろく
赤のグラフがクレアチニン
青のグラフがBUN
そして新たに導入したSDMAが緑です。

グラフの目盛り幅が小さいのですが、BUN、クレアチニンを見ると特に今の所は慢性腎臓病を疑うかと言われればそれほど疑わない。
特にクレアチニンは全く上昇傾向にないからね。
でも緑のグラフを見てください。



最初に測定したSDMAの測定値が16μg/dlと基準値をオーバーしています。
(基準値は0〜14μg/dl)
もうすぐ7歳の猫。
早ければ慢性腎臓病が出てきてもおかしくはない年齢に突入しようとしています。
この結果でこの子が慢性腎臓病と言えるのか否か。
私はこの時点では結論を下してはいません。
16μg/dlかあ くらいの感覚。
そして2ヶ月後に再検査をすることに。

実は最初の検査はデモ機。
実際にメーカーさんがその使い勝手などを知ってもらうために無料で貸し出ししてくれる制度があって、(たった)1週間(だけ)貸し出してくれました(笑)
それが2月。
で、実際に導入を決めて、納品されたのが4月。
2ヶ月あけて再検査をすると・・・・
ろく2
最初のグラフの切り取りだけど。
16μg/dlから7μg/dlに下がっています。
これで慢性腎臓病って言えるかといえば言えないと言うのが実情。
こんなもんですよ、検査って。

人間でも健康診断で再検査ってよくあることですよね。
一時的なグレーゾーンというのはよくあることで、それを持って病気と決めつけてしまうのが問題なわけです。


SDMAってこういう検査なのです。
一時的に基準値超えなんてことは実はよくあることで、こうやって傾向や推移を見ることが大事な検査なのは他の項目と実は変わりないのです。
2月の結果で早期発見だ!なんて言っているのは数値に踊らされている、と思うんですよね。
ある程度継続的に測定して、基準値オーバーが持続するのか、もしくは上昇傾向にあればそれは早期発見と言っていいとは思う。
ただし、尿比重やUPC、BUNやクレアチニン、リンなども総合的に見る必要があるのは絶対です。

ということでうちの子が上手くSDMAという検査を説明できる結果を出してくれました(笑)。
どんな検査も一発で早期発見なんてことはないのです。
検査は継続的に続けて、その推移を見ることで初めて早期発見ができるというのがほとんどなのです。
なのでうちの子たちは継続的に検査を受けているわけです。
春と秋の年2回で。
そしてその時に怪しいというものがあれば再検査ということになるわけです。
そしてその再検査を含めて再評価を行うわけです。


ということで健康診断を含めた検査というのは継続していただけるのが本当の検査、本当の健康診断となることを知っていただければと思います。




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人間の健康診断って、検査結果が出るまで結構かかるんだよね。
まあ、それでヤキモキする人もいると思います。
動物病院でその場で検査結果が出ることにびっくりされる方も結構いる。
それはおそらく人間の検査結果が後日ということが当たり前になっているからだと思う。
じゃあなんで動物病院は即日で出る検査が多いのかというと、動物が具合が悪いというのは結構進行しちゃっていることも多いというのも一つの理由かなと。
動物は隠しちゃうからね。
それで手遅れになっていた時代もあったと思うんだよね。
昔は人間の検査会社に外注で出していたりしたみたい。
それがいつの間にか検査機器を病院内に導入する病院が増え、いつの間にかそれが当たり前になっているのが動物病院の現状かなと。

それでも検査項目によってはよっては外注ということももちろんあって、病院の機械では測定できない項目というのは実際にある。
もちろん特殊な機器を入れればできるかもしれないけれど、あくまでも特殊なもの、となるとなかなかね。

でもできるだけ病院内で分かったほうがいいかなと思うこともしばしば。
なので当院もできるだけ(予算が許す範囲で)機器を導入しているわけです。

で、今年になって新たに入れた機械がこれ。
SDMA
実は色々測定できるんだけど、その色々のものは従来の機器で実は測れるんだよね・・・

すでに持っている機械で測れなかったのがSDMA。
これはシスタチンCと同様、外注検査に出さざるを得なかった。
そして内地に送らないといけなかったから結果が出るまでに数日かかる。
しかも沖縄という条件から検査に出せるのは週に3日。


なんかそれがまどろっこしくてね。
SDMAだけを測定する専用の機械はなくて、色々測定できる機械しかないんだよね。
しかもその色々はすでに持っている機械で測定できちゃうという非常に悩ましい事態に陥っていたわけです。
実は即決じゃなくて結構悩んだ・・・・
SDMAだけを測定するとかなりコスパは悪い。
だからと言ってすでに持っている機器を使わないのももっとコスパが悪い。
でも測定はしたいなぁとずっとは思っていたという、悩みに悩んでいたんだけど・・・・
買っちゃった(笑)

でも以前にも書いたけれどSDMAって一部で思われているほど精密な検査じゃない。
 その一部の記事はこち
   慢性腎臓病の診断・検査について書いてみた
   検査と診断と囚われの身
   慢性腎臓病と問い合わせ
   有用となるのか?SDMA 〜新しい腎臓病マーカー〜

古い記事もあるので少し現在とは違っている事も書いてあるけれど、でも基本的には変わらない。
SDMAだけで腎臓病を早期に発見できる!というのは言い過ぎと個人的には思っています。
どんな病気でもそうだけれど、一つの検査で確実性を持って断言できる病気ってほとんどないんだよね。
検査項目が多ければ多いほどその確実性が上がっていくことは確か。
だから尿比重も血液検査も画像検査も含めて総合的に判断していくしか今の所は獣医療では判断できないと思ってもらった方がいい。
SDMAの数値だけをもって慢性腎臓病だと言われる飼い主さんもそう言ってしまう獣医師も少なくないのが実情。
そしてそれが混乱を招いしてしまっているのが実情だと思うんだよね。

まあ、ただ、SDMAが20μg/dlを超えていると流石に腎臓疾患の疑いは強くなるけれど、それが慢性腎臓病なら尿比重も下がり始めている可能性は高いと個人的には思っているわけです。

あくまでもSDMAは慢性腎臓病の診断ツールの一つであって魔法の検査ではない。
総合的に判断する必要があるし、そのツールが増えることで診断精度が上がることは確か。
そしてその場でその結果を見ることができるわけです。
だからコスパは悪いけれど、導入したわけです。
なのでSDMAだけをもって診断してはいけないということはみなさんにも知っていただきたい。
この機械を導入したから早期発見できます!とまでは言い過ぎなのです。

そして総合的かつ、経時的に判断していくためのツールなのです。
長くその子たちと付き合っていく中で初めて早期発見に繋げていくためのツールの一つな訳です。

その辺りを具体的な症例を持って明日は書こうと思います。




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日本は南北に長いがために地域によって気候が云々とよく言われているけれど、世界地図をよく見てみると南北に長い(広い)国がほとんどで東西に長い(広い)国ってあんまないんだよね。
キルギスとかウズベキスタンとか、ネパール、ブータンとかくらいなんだよね。
ロシアも東西に長い(広い)けど、南北にも広いからやっぱり北部と南部で違ってくるし、それは中国だってそうなんだよね。

で、南北に長い(広い)ということはそれだけ気候に違いがあって、沖縄と北海道ではやっぱり全然違う。
ということは地域猫なんて全くその過酷さの質が違ったりするわけです。

ベトナム
ベトナム
ベトナムも猫が多い印象。
で、ベトナムのような東南アジアなんて熱帯のイメージがある人も多いかもしれないけれど、ベトナムも南北に長い国。
かつては北ベトナムと南ベトナムに分断されたし、ハノイとホーチミンでは気候も雰囲気も違う。
そしてさらにハノイから北へ向かうと北部山岳地帯。
そしてそこには少数民族の多様性を目の当たりにすることができる地域でもあるわけです。

そしてそれが目的でいざベトナム北部山岳地帯へ。
で、やっぱり北部+山岳地帯ということで寒いんだな、これが。
朝晩なんてめちゃくちゃ寒いのはこの写真の女性のニット帽を見てもわかると思います。
ちなみにこの写真に写っているのは3人ともベトナム人。

そしてその地域による気候もだし、文化も食べ物も、時には人も宗教も違ってくる。
なのでその国の色々な地域に行くことがその国を何度も訪れないといけない理由となっちゃうんですよね。





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さて、昨日の続きです。
とにかく皮膚欠損、脱落では何度も書いている通り、とにかく感染の除去。
感染のコントロールができなければ絶対に治らない。
感染があるのに創傷被覆剤を使う(いわゆる湿潤療法)なんてもってのほか。
悪化させるだけなのです。
なので皮膚欠損、脱落に関してはとにかく感染のコントロールが一番大事。
というかほぼそれだけで治ることも少なくないのはこのブログでも何症例も紹介してきたと思います。

そして昨日の記事の子は場合によっては人工肛門(ストーマ)の形成、尿道瘻の形成が必要になるかもしれないけれど、それも皮膚がなければ行えない。
腹部に形成することもできるけれど、できたら元の位置が一番いい。
なのでとにかく皮膚の感染のコントロール、そして皮膚の形成が行われるという治療を徹底的に行うのです。

で・・・・
下腹部皮膚欠損治癒過程
う〜〜〜んかなり良くなってきた。
これなら人工肛門も尿道瘻も必要ないんじゃないか?













下腹部皮膚欠損治癒
で、治癒(汗)。
あれだけ深刻に考えて、そして説明したのは何だったんだろうと言うくらい順調に皮膚が治癒してくれたのです。

最初の頃はとにかくどんな感じで手術して、その後の管理は云々と頭を悩ませながら手術計画をその日に向けてフル回転させてたんだけどね(笑)
でも手術せずに治るならそれに越したことはないわけです。

 

とまあ、色々な状況を想定しながら最悪の事態も想定していたのは杞憂に終わったのです。

大手術にならなくてよかったよかった。

それだけ皮膚の役割ってめちゃくちゃ大事なのです!




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皮膚ってなんでしょう?
肉眼で見える最大の臓器であることは間違いないのだけれど、改めて皮膚って何?と聞かれると何だろう?ともなるんじゃないでしょうか。
一番の役割と言うと体の内部を外部環境(刺激、病原体、有害物質など)から守るための鎧と思ってもらっていいと思います。
その鎧に綻びができているのがアトピーとかだったりするんですが、今日は別のお話。

鎧と言っても全てを鎧で覆うわけにはもちろんいかなくて、内部と外部を通す場所は鎧である皮膚があるともちろん困る。
口が皮膚で覆われていたら食事は取れないし、鼻の穴が覆われてしまえば呼吸ができない。
肛門が皮膚で覆われてしまば、もしくは尿道が皮膚で覆われて仕舞えば排泄物(老廃物)を外部に排出することができないわけです。
なので皮膚はその部分を避けて体を覆っているわけです。
そしてその内部と皮膚の境界はまた別の組織だったりするわけです。
例えば唾液は口腔粘膜には影響を与えないけれど、皮膚には刺激が強すぎる。
だから唇(口唇粘膜)を中間に備えることで皮膚が爛れるのを防いでいるんです。
それは肛門粘膜もそうだし、外陰部粘膜もそう。
もちろん皮膚がなければ内部組織は唾液や尿、便でとんでもないダメージを受けるのでやっぱり皮膚がちゃんと存在してその内部と外部を繋いでいる穴(孔)を維持しているのです。
その穴(孔)を存在させているのも皮膚の大きな役割な訳です。
と言うことはその穴(孔)の周りの皮膚が欠損すると・・・・
めちゃくちゃ大変なことが起きる。

さて、とある猫ちゃん。
お腹に怪我があるとのことで来院されました。
で、見てみると怪我とかそんな問題じゃないことが一目でわかる状態でした。
下腹部皮膚脱落
下腹部の皮膚がほとんど欠損していて怪我とかそんな状態じゃない。
そして下腹部には大事な部分が二箇所。













下腹部皮膚脱落
そう、外陰部(尿道)と肛門。
この二つはもちろん動物にとっては必須な臓器。
これをきちんと支えているのが皮膚な訳です。
かろうじて肛門周りの皮膚と外陰部周りの皮膚は残っているけれど、この皮膚だっていつ欠損してもおかしくない状態。

しかも皮膚が温存されるには血流の存在が不可欠。
こんな半島状になっていれば周りからの血流はもちろんない。

あるとしたら尻尾の方からの血流。
これが何とか皮膚を維持してくれないとこの時点で残っている皮膚ももちろん生存できない。
すなわち欠損して直腸、尿道、膣が剥き出しになってしまう。
もちろんそんなことが起これば周りの組織が便や尿で腐ってしまう。

そうなると人工肛門や尿道瘻のオペが必要になるわけです。
まあ、とんでもなく大きな手術になること間違い無いわけです。
 人工肛門の手術に関する記事はこちら→事故、肛門管破裂、皮膚脱落、そして直腸ストーマ
 尿道瘻の手術に関する記事はこちら→繰り返すのなら・・・ ~尿道結石と会陰尿道瘻~

でもいずれの手術も皮膚がないことには始まらない。
まずは皮膚の治癒を進めながら、肛門と外陰部の皮膚が脱落した時点で皮膚形成術を使って人工肛門と会陰尿道瘻をすることになるかも、とお話をして。

この広範囲の皮膚欠損、そして感染、まずはこれを全力で治療を行わないといけないわけです。





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GWも終わり、皆さんはどう過ごされましたでしょうか。
まあ、ニュースを見ても人人人のニュースばかり。
それだけ抑圧されたコロナ期間だったんだろうなと思う一方、やっぱりみんなが同じ時期に休みを取ることにはデメリットしか感じない私です。
ということでGW中も通常診療でした(笑)
とは言っても日曜祝祭日はいつも通り午前のみの診療。
木曜日ももちろん休診ではあるけれど、特別どこかで休診とはしていませんでした。
ということは・・・・
やはり他の病院が休みということで急遽こられた方も多く、かなりの混雑具合でした。
それはそれでいいんだけど、動物病院って基本的に自由業だと思うんだよね。
それを世間に合わせて休みにする必要ってあるのかなと個人的には思うんだよね。
他で独自に休めばいいじゃんと。

わざわざみんなが休みで混雑しまくりの時に休まなくても他で休みをとれば当院に集中することもないし(もちろん来て欲しくないわけでもないし、来ていただければもちろん診療はするんだけどね)。
分散すればいいのにと常々思うんだよね。
たまたま分散して休みを取った時に自分ところの患者さんが具合が悪くなることはある程度仕方のないことだし、それも全て対応するのは不可能。
たまたまなら仕方のないことだとは思うんだけど、それを分散すれば特定の病院に殺到するなんてことはないんだろうなと思うわけですよ。
もちろん色々な事情はあるだろうけれど、もうGWとかシルバーウィークとか関係なしに好きな時に休みが取れるような世の中にした方が楽だと思うんだよね。
それは病院だけじゃなくて、一般の人も。
普通ならすぐに行けるところも何時間もかかったり、ゆっくりできなかったりとかさ。
移動だけで終わっちゃうなんて休みが勿体無い。
現地で多くの時間を費やした方が有意義だと思うんだよね。

なので当院はある意味わざとそんな時期に休まないわけです。
そしてみんながあくせく働いている時に休んで勝手に優越感に浸るという悪趣味な休みの取り方をするのです(笑)。


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今日はオマケの話。
世の中には色々調べる人もいて、でもそれがエビデンスへの第一歩になるので我々としては非常にありがたい実験というのは実はたくさんある。
先日書いたのは猫の水飲み。
これもよく調べたよなぁなんて思ったんだけど、今回も同じような話。

マイクロバブルヘッドが売られているんだけどさまざまな製品があるわけです。
で、各社頑張って売ろうとはしているわけです。
じゃあどんな会社のヘッドでも同じか、それとも性能に違いはあるのかというのは気になりません?
絶対に各社、各製品でその性能は違うはずですよね。
それは家電とかでも同じことが言えるわけです。

動物用のマイクロバブルシャワーヘッドも売られ始めたけれど、やっぱり人間用に売られているものの方が性能はいいはずなんだよね。
そこはちゃんと調べていないから申し訳ないのだけれど。

でも人の製品を動物に使うとどうなるか、というのを調べた人がいる。
製品名とそのデータを詳細にはここではかけないのだけれど、多くの人が知っている先駆けの2製品。
これを使って動物でマイクロバブルシャワーヘッドでどれだけ皮膚が綺麗になるかというのをおこなった実験があるのです。
そしてその有名な2製品を調べたところ、やっぱり性能に差がありました。
動物の皮膚のシャワー前の皮膚の角質や色々なものを検出して、そして2製品をそれぞれ使った後の皮膚の古い角質やらなんやらがどれだけ洗い流されたか、という実験でした。

そしてその結果を踏まえて当院ではとある製品を導入したのです(もう去年の話だけど汗)。
シャワーヘッド
それがこっち。
詳しい製品名は申し訳ないですが出せません(汗)。

が、そのデータを見る限りはこちらの方が優勢。
ということで導入した次第です。

もちろん医療用でもなければ、普通の人用のシャワーヘッド。
一般の人ももちろん買えます!

実は私も個人的にも自宅のシャワーヘッドをこれに交換しました(笑)。

なので安全性とかは問題なし。

どれだけの効果があるかは絶対的なものではないけれど、やっぱりシャワーの流れであったり、汚れ落ちはいいんじゃないかと思うわけです。




自宅でシャンプーしている方は自宅のシャワーヘッドを交換してみるのは大アリかもです。



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さて、マイクロバブルのシャワーの話を昨日は書きました。
で、なぜマイクロバブルを当院では使っているかというと、昨日も書いたけれどシャンプーの目的は「有害な物質の除去」というスキンケアの基本的な考え方に基づいているわけです。
じゃあその有害な物質とは?となるんだけど、普段の医療の部分で言えば余分な皮脂、古い角質、皮膚からの余計な分泌物など。
消毒が目的ではないのです。
そもそも膿皮症って何?という部分は考えてほしいところ。
皮膚に細菌感染が起こっているのだけれど、なぜ細菌感染が起こるの?
それを消毒で細菌を殺して解決する問題なんだろうか?

細菌が増えるのは増える理由があるからであって、本来皮膚に細菌感染なんて起こらないわけです。
(というかそれが皮膚のバリア機能であり、感染を防ぐことが皮膚の大きな役割のはず)
そこに細菌感染が起こるということはその原因というものがあるのに、その原因には触れずに細菌を殺す消毒薬=薬用シャンプーを使うって結局はイタチごっこだよね?
その時は感染という症状は消えるかもしれないけれど、繰り返すってことは細菌を殺すだけじゃ意味がないんじゃないか?と思ってほしいわけです。

例えば公園に鳩がいっぱい来て、糞被害がなんてのはよく聞く話。
それって鳩を殺せば解決するの?って話です。
鳩が寄り付く理由があるはずで、鳩を殺しても根本解決なんてしないわけですよ。
というのがスキンケアに基づく皮膚治療ということになるわけです。

じゃあなぜ細菌が増えるのか。
細菌が増殖するには二つの条件が必要。
それは水分と栄養分。
この二つが必要なわけなのです。
そしてその栄養分というのが先ほど書いた余分な皮脂や古い角質、分泌物など。
これらが出ないようにするのが治療でもあるわけです。
そしてそれと同時にこの細菌の餌である余分な皮脂や古い角質、分泌物などをきっちり取り除こうというのが治療の一環としてのシャンプーな訳です。

マイクロバブル
そしてそのシャンプーと当院が組み合わせているのがマイクロバブル。

これでできるだけ余分なものを洗い流すというのが大きな目的。

そしてその余分なものは皮膚にもダメージを与えるし、細菌の栄養源にもなる。
これをしっかり洗い流すことが基本になるのです。
細菌を殺す消毒シャンプー(薬用シャンプー)は一時凌ぎであって、根本解決にはならないし、過去にも書いているけれど、皮膚にダメージを蓄積していくので長い目で見れば薬用シャンプーは使うべきではないはずなのです。

だからこそ、皮膚のケアをしていく上でそういった余分な成分をしっかり洗い流すという行為が非常に大事なわけです。

そして明日はそのマイクロバブルシャワーヘッドの話をおまけで少しだけ。



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ちょっと久しぶりにスキンケアの話。
シャンプーが皮膚疾患の子には必要ということは多くの獣医師の共通認識だとは思う。
ただ、圧倒的に違うのがそのシャンプーの種類。
何度も書いているけれど、獣医療で多く使われているのが薬用シャンプーなるもの。
これは成分を見れば一目瞭然なんだけど、言い換えれば消毒シャンプー。
消毒剤が入っているだけなんだよね。

ここがスキンケアを重要視する病院との違い。
シャンプーの目的って消毒なの?というのがスキンケアの考え方の一つ。
どこかのメーカーの言い分として、「有害なものを除去して」というのが本来のスキンケアの大事な考え方。
有害なものって?となるんだけど、端的に言えば、皮脂や古い角質、皮膚からのその他の分泌物など。
何度も書いているけれど、人間のアトピーを含めた医療レベルのスキンケアに皮膚の消毒なんてどこにも書いていないんだよね。
でももちろんシャワーとかは書いてあるけど、それはやっぱり余分な物質を除去するというのが大きな目的なんだよね。

ということはシャンプーの目的は消毒ではないと個人的には思っているわけです。

そしてそれもシャンプーだけじゃなくて、プラスアルファも使おうということ。




それがこのシャワーというかシャワーヘッド。
マイクロバブルを使えるシャワーヘッドです。
これでシャンプーもそうだけどマイクロバブルの力も使って余分な皮脂や古い角質なんかをきっちり落としてあげる。
この時は飼い主さんと一緒に体験してもらって、自宅でのシャンプーのやり方を覚えてもらいました。
もちろんシャワーヘッドは普通のシャワーになると思うけどね。

スキンケア
ということで薬も必要だし、でもスキンケアも大事。
そしてそのスキンケアの大事なものの一つがシャンプーでもあるわけだけど、シャワーヘッドも実は強力な味方にもなるのです。

なのでどうしても自宅ではうまくできない、もしくは治療初期の段階でまずは皮膚の状態改善をしなくてはいけない子はお預かりをしてきっちりシャンプーを院内でしていくことになります。



あくまでも治療の一環なので単なるトリミングサロン感覚でのシャンプーはお受けしてませんが、きちんとしたシャンプーが大事だということは知っておいてもらえるといいかな。
過去にも色々書いてるので、見てもらえるといいかなと思います。




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病気というのは当然ながら検査によって確定する(ことがほとんど)訳です。
じゃあどんな検査をするのかというのはその時によって違う。
万能な検査ってないからね。

その時に我々が参考にすることとして、動物種、品種、性別、年齢など、個人情報ではないけれど、そう言ったバックグラウンドをまずは知って、そこから病気を絞り込んだり、検査を決定したりする訳です。

ダックスの成犬が足を挙げていると言ってもまず骨折というのは考えづらいよね。
未避妊のメスで食べムラが出てきたら妊娠は疑うし、若齢の子の何かシコリみたいなのがあっても悪性腫瘍(癌)の可能性はやっぱり低いかもしれない。
もちろんそう言ったものに当てはまらないからと言って完全否定をすることはないけれど、検査の優先順位は変わってくるのです。

が、やっぱりそれでも例外というか、先天的な疾患というのは若年齢から出てくる訳です。
犬で心臓が悪いと言われれば僧帽弁閉鎖不全症が典型定期だけれど、心臓の先天性疾患で動脈管開存症とか、肺動脈狭窄症とか、書けばいっぱいあるけれど。
猫で高齢で嘔吐と食欲不振が続けばやっぱり慢性腎臓病なんて上位に上がってくるけれど、若い猫ちゃんではやっぱり鑑別疾患としては下位に来てしまう。
じゃあ若齢の猫で腎臓病はありえないのかといえばそんなことはない。

というそう言った悪い言い方をすれば先入観を持って我々は診察するのだけれど、その先入観が時には全く役に立たないこともやっぱり生き物である以上あるのです。

とある猫ちゃん。
嘔吐と食欲不振で来院。
もちろんここまで書けばこの子は若い。
2歳で嘔吐と食欲不振と言われれば膵炎とか、肝リピとか、場合によっては消化管異物とか、もちろん他にも色々あるけれど慢性腎臓病は正直上位にはこない。
検査してもわからず、とりあえず対処療法ですぐに良くなることも少なくない、というよりも結構多い。

なのでこの子もまずは対処療法を兼ねた診断的治療。
(もちろん一通りの身体検査はしてるし、問診もしているんだけどね)
とあるお薬で嘔吐が止まり、食欲が出ればOK、出なければ次の検査に進むという手法は実はよくあること。
これを診断的治療というのだけれど、詳しいことはどこか過去記事にあるはず(探してください汗)。

そしてこの子は全く嘔吐も食欲不振も次の日になっても変わらず、即検査となった訳です。
血液検査では重度の尿毒症
年齢的に慢性腎臓病を発症する年齢ではない。
急性腎障害も考える(ブドウとかユリの接種、接触)訳だけれど、これは問診次第。
でも血液検査では腎臓であることは間違い無いんだよね。
となると次は画像検査となる訳です。
尿管結石とかももちろん考えないといけないし。

多発性腎嚢胞
これがこの子の腎臓のエコー像。
内部構造が結構壊れているし、黒い部分が通常の子よりも大きかったり、いろんな場所で見られる。











正常エコー01
これが健康なこの腎臓のエコー像。
上記の写真と比べてみるとある程度は綺麗に構造が観察されるのはわかってもらえるでしょうか????


 








まあ、色々な角度でエコーを見て、そして年齢、そして猫種(この子はとある純血種)から多発性腎嚢胞と診断した訳です。
もちろん治せる病気ではないし、遺伝性疾患であることも言われている。
突然発症したわけでは無いけれど、徐々に徐々に進行し、そしてこの時に至るわけです。
症状が出ないとわからなかったりするんだよね。
そして皆さんもご存知かもしれませんが、腎臓は腎機能の75%以上を失って初めて血液検査(BUN、Cre)が上昇してくるわけです。
となると手段としては若いうちに何度か腎臓のエコーを見ておかないと気づかない、ということにもなりかねない。
もしくは好発猫種においては早期に遺伝子検査とかね。

治療は慢性腎臓病に準ずるんだけど、病気としては全く別物。
だから若いから腎臓は無い、というのは間違いなのです。
でも当初の鑑別疾患としては下位には来ちゃうんだよね。

そこが難しいところ。

そしてこの子は今の所状態は落ち着いて、しっかりご飯も食べてはくれている。
でも若くして発症、これから長く病気と付き合っていかなくてはいけないけれど、治療も検査もきちんと受けてくれているので、頑張ってくれるんじゃないかと。

本人、飼い主さん、そして病院と3者で頑張っていくしかないのです。



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いつの間にやら世の中はGW(笑)
とは言っても沖縄は梅雨の足音が聞こえてきた感じがします。
今日は少し涼しいけれど、でもこの時期から気をつけないといけないことも実は増えていく。
一つは熱中症。
今日は涼しくても湿度がグッと上がってくるこれからの時期は熱中症も増えてくる。
お出かけをして、動物を車の中に置きっぱなしというのは本当にまずいの結構人間でも言われているけれど、でもついつい、というのは毎年耳にするし、実際に病院に駆け込んでくるというのも実際にある話。

もちろん車の中だけではなくて、熱が篭るというのは我々人間が思っている以上にそういったシチュエーションは多いのです。

そしてもう一つ。
春先から増えてくるけれど、冬の間寒くてあまり散歩やお出かけに行かなかった、行けなかった子たちがGWに一緒にお出かけして、はしゃぎまくる。
その結果、冬の間に散歩に出かけなかった結果、肉球が薄くなり、はしゃいで肉球の皮がめくれてしまうというのも多発するんだよね。

肉球
まあ、うちの子は大型犬なのがコツゴツしてるけどね(笑)

そして梅雨が明けたら今度は肉球の火傷が増えてくる。

色々と注意が必要な時期到来なのです。

















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昨日は股関節症の早期発見のための一つの検査を紹介しました。
もちろんどんな病気でも一つの検査で全てがわかる訳ではないのはこのブログを読み続けている方はお分かりだと思います。
なので有用な検査ではあるけれど、万能ではないことも事実っちゃあ事実。
でも結構精度は高いと思っているんだけどね。

じゃあ、早期に発見できたらどうするの?
何ができるの?
なんてことになるよね。
放っておくなら早期に発見なんでしなくていい訳だから。

整形外科領域において、できることって実はたくさんある。
人間なんかはもちろんそうだしね。
じゃあ何をすべきかという問いは実は難しいんだけど、「できるだけたくさんのことをやった方がいい」のです。
が、それを全てできるかというと人間にも生活はあるし、人間みたいに犬や猫が自分で時間を見つけてなんてこともできなくて、人間の補助というか強力も必要なので、全てができるということはまずない。
その中でできることを飼い主さんが見つけて選んでいくしかないんだよね、実は。

ただ、絶対に必須なものも実はある。
それが体重管理。
肥満はもちろん整形外科の天敵。
こればかりはきちんとやっていかないと関節の破壊、進行はどんどん早くなっちゃう。
なので関節が悪い訳だから関節に対する「悪い負荷」は取り除かなきゃダメ。
その典型が肥満なのです。
なので体重管理は必須として、他に何ができるかをいくつか挙げて行こうかなと。

サプリ・・・当院では一番多く選ばれている選択肢かなと。
      あんまりサプリとかって信じない方なんだけど、当院で紹介しているのは流石に全国規模で人気があるというか処方量が多いもので、確かにいいと思う製品は確かにある。
これだと飲ませるだけだから時間的に人間の負担は少ないと思う。

関節軟骨保護剤・・・これは注射になっちゃう。
        月一の注射でサプリと併用している方が圧倒的に多いかな、当院ではだけど。

この二つは病院から提案できる典型的なもの。

鎮痛剤・・・これは急性疼痛の時に基本的に使う。
痛みを抑えないと今から書くようなこともできなくなるからね。
どの薬剤を使うかはその時の状況によって、変わるかな。
短期で使う薬もあれば、ある程度長期で使うものまで、そのこの痛みや病態によって種類は変わります。

鎮痛剤は病院での処方が必要だし、獣医師の診断が必要。

また分子標的薬での鎮痛という薬が出た(猫)出る(犬)。
ただし、この効果や副作用は私の中でまだまとまっていないので紹介は今の所しない。
人間では米国ではFDAが承認せず、日本でも販売断念したタイプの薬だけど、その内容をまだ個人的に精査していないのでダメともいいとも言えないのが現状。

ここから先が飼い主さんが頑張って採用するかどうかの部分。

適度な散歩、運動・・・これは今まで通りの散歩で基本OKとはしてる。もちろん過剰なというか、ハードな運動は控えないといけないかも。

リハビリ的な運動・・・バランスボールや水中トレーニングなど。
  バランスボールはきちんとした指導の下で!
  水中トレーニングはバスタブを使ってライフジャケット着用でも結構効果アリ。

理学療法・・・鍼やレーザー
  これも採用している病院でのみ行ってください。

マッサージ・・・内容によっては飼い主さんが行ってもOK
   ただし、さらに上を目指すならきちんとした指導を受ける必要あり。

などなど本当にしてあげられることはかなり多いんだけど、それをどこまでできるかは飼い主さんの負担(時間、経済、その他の要因)次第な部分もあって、もちろん全てはできないし、飼い主さんによって多い少ないはあるのが実情。

ただ、他にできることは?と言われれば提案はできる。
サプリだけ出されて、ハイ終わりとなっている子も実は少なくないもんね。
そう言った場合は整形外科に力を入れている病院で相談してください。

とまあ、現状と将来的なもの含めて関節症というのは早めのケアが望ましい。

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いかに健康寿命を伸ばすかは運動にかかっていると言ってもいい。
何度か色々な場面で書いたけれど、運動すれば消化管が動く→健康寿命を伸ばすことだってある程度は証明されているし、運動しない→痛みが増す→うつ病という部分もある。
ということはやっぱり亡くなるその直前まで動けている、痛みが少ないというのは本当に大事なこと。




そう言った部分からも早めの発見、そしてケアって大事だと思うんです。




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現時点で言われていることの一つに犬も猫も中年齢以降の子はかなりの高確率で関節症(関節炎)があると言うこと。
まあ、人間でもそうですよね。
私も腰も肩もガタガタです(笑)。
そしてその多くは膝と股関節に集中しているのです。
と言うことは膝と股関節をまずはきちんと診てあげる、ケアしてあげるということが大事。
寝たきりというのは老後の、もしくは終末期のケアにとってもよろしくないので、できるだけ最後まで痛みなく(限りなく少なく)、過ごさせてあげられるのが理想っちゃあ理想。
あくまでも理想なのでなかなか難しい部分もあるけどね。

そのためにはやっぱり早期の関節症の発見というのは必須。
ということで我々がどうやってある程度ではあるけれど早期発見をしていくか、ということの一つを今日はご紹介。
そこで必須になってくるのは触診。
レントゲンではある程度病変が進んでこないと実は検出できない。
一番検出精度が高いのはやっぱり人間の感覚だったりもするわけです。
それがわかりやすいのが筋肉量の低下と言うのは実は以前に書いたことがあるのです(忘れました?)
  記事はこちら→重箱の隅 ~早期の発見と介入~
記事ではレントゲン写真になっているけれど、これはまずは獣医師の触診で見つけるのです。
でもこの筋肉量の低下はすでに慢性疼痛が結構長く続いているんだよね。

と言うことは実はこれでも早期発見ではない、と言うこと。

じゃあもっと早い発見はというと・・・・
股関節に限って言えば、やっぱり痛みを見つけてあげるということ。
筋肉量が低下する前にね。

そのうちの一つが今日の本題。
股関節進展
ワンちゃんは通常はこんなふうに後ろ足を地面と水平になるまで伸ばすことができる。

逆に言えば、伸ばせなければそれは「痛い」ということ。


この子の右足はちゃんと地面と水平にまで伸ばすことができているので、痛みは無いと判断できるわけです。




さて、この子の左足はどうかを動画で見てみましょうか。


どうでしょう?
左足は伸ばされるのかなり嫌がっているように見えませんか?
これは股関節を伸ばすのが「痛い」から。
ということはこの子は股関節症がある可能性が非常に高い。
でも左右の筋肉量がそれほど差がないということはそれなりに早期に発見ということになると思うんだよね。

ということで破行したり、レントゲン上で明らかにっていうのは実は発見としては遅いわけです。
そのために痛みを診るというのはかなり大事。
そして早期にケアを始めるというのもものすごく大事なわけです。

※注意
こういった検査はきちんと整形外科を理解した上で行える検査です。
飼い主さんの自己判断で伸ばしたりはしないでください!
あくまでも整形外科をきちんと診れる病院での獣医師の検査にて診てもらうようにしてください!






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本年度の狂犬病の予防接種が始まっています。
賛否は別にして、現在では犬を飼う上での飼い主さんの法律上の義務です。
義務を守らない集団が世間的にどう見られるか。
日本という国が現在寛容性を失っていると個人的には思っています。
そしてその寛容性のない状態で法律上の義務を果たさなかったらどうなるか。
非常に犬を飼いづらい世論が出来上がってもおかしくない。
しかもそれがほんの一部の飼い主だったとしても。

散歩をしていても多くの方が犬に対して好意的な反応をしてくださる。
でも中には犬を毛嫌いする人々もいる。
そして犬を飼っていない人たちからすると狂犬病の予防接種をしていないという事実はどう映るのか。
そしてそれが法律を無視した行動だということを知ったらどうなるか。

犬を飼っている人間が色眼鏡で見られる可能性が高いということ、そして犬を飼うということ自体が肩身の狭い思いをしなくてはいけなくなる可能性があるということも我々は認識しないといけない。

きちんと守るべきことは守り、堂々を犬を飼える世の中を続けられるよう、皆さんもご協力を。



渡嘉敷
そして今日は渡嘉敷島での狂犬病の集団接種の出張。
普段なかなか陽にあたれないことも多い昨今、かなり真っ赤になってしまった(笑)












集合注射、そしてもちろん病院とどちらでも接種は可能なので、きちんと打ちましょう。
本来の目的である防疫の観点からも、そして今日の記事で書いた世間からの冷ややかな目線、そして時には攻撃対象にならないように、しっかり犬を飼う上での義務はしっかり果たしましょう。

 





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さて、一昨日、昨日と保護猫の癌の子の話を書きました。

例えば昨日のリンパ腫。
リンパ腫のベースとなる抗がん剤治療は25週にわたって行うことになるし、再燃すればまた別のプロトコルを追加しなくてはいけないわけです。
一昨日の記事の子以上に手術をしてハイ終わりというわけにはいかない。

その費用、通院の時間、手間、などを考えるとかなりの負担になることは確かです。
以前にも書きましたが、癌治療というのは完治という言葉を基本は使いません。
寛解という言葉を使うのですが、それは一つで癌細胞が残っていると治ったことにはならないから。
でも細胞レベルで検知できる検査は今のところはないのです。
なので寛解、特に完全寛解という見た目、検査で癌が消失した状態であっても長期の観察、ケアが必要になってくる。
もちろん完全寛解を補償できる治療も今のところはないわけです。

それを全て保護主さんに押し付ける、強要できる人はどこにもいないのです。
もし批難する、押し付ける、強要する人がいれば、じゃあお前が引き受けろと言うしかない。

今はメディアでもSNSでも保護猫のことが美談のように取り上げていることも多いし、それが事実ではあるけれど、でも事実の一部でもあるわけです。
でもなかなかメディアで取り上げられない現状の一部には今回の子のように治療できない、緩和と看取りということになることもあるのもまた事実。

なかなかメディアやSNSでも取り上げられない現実は実際にあるわけです。
でもそれは誰が悪いとかそんなことじゃない。
まあ、あるとすれば遺棄する人間だけど、全ての子が遺棄された子とは限らないからね。

治療には短期的な治療もあれば長期的な治療もあるし、完治するものもあればしないものもある。
時には亡くなることもあるし、手の施しようがないこともある。
ただ、飼い猫(犬もだけど)と違うのが決定権を持つのが本当の飼い主さんではないということ。
ある意味見ず知らずの人が初診に連れてきてくれているということなのです。
それだけでも本当は凄いことです。
見ず知らずの、なんの関わりもない人が見たこともない猫を保護し、費用を負担するという前提のもとに病院に連れてきてくださる。
でもそれ以上の負担を強いることなんて誰にもできない。
そもそも猫の癌なんて我が子でも見つけるのが遅れることもしばしば。
それを見つけてもらえるなんて奇跡と言ってもいいのかもしれない。

中には保護したからには最善の治療をしろという言う輩もいるけれど、一般の人にそれはおかしな主張。
みんなそれぞれの生活があり、それを突然病気、特に今回のことで言えば癌治療を背負えと言うのは流石に無理がある。
それが飼い猫であれば(犬もだけど)、そう言った病気のことも考えて、覚悟して飼うということが必要だよと言えるのですが、見ず知らずの保護猫に金も時間も手間も全て背負える人ってそれほど多くなくても仕方のないことだと思う。

ただ、できるだけのことはしてあげたいと言うのは実は我々も保護した方も多くが共通することではある。
でもそのできることの上限が人によって違うのは仕方のないこと。
初診料や検査料を負担してくださっていることだけでも凄いこと。

その場だけではない治療になるのが癌治療。
それが保護猫に対して難しさせることの理由でもあるわけです。


癌性胸水(乳癌)

なんとか細胞レベルできちんと消せる方法があればいいと言うのは、もちろん人間レベルでも同じ長年の願いでもあるわけです。














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