2007年10月

2007年10月29日

Terry Bozzio solo drum tour 07:ライブ・レポ

Terry Bozzio solo drum tour 07 
Jazz Rock Super Drummer Series III STB 139-2007.10.29
terry bozzioterry bozzio








予想していただいた通り
2007年04月より半年経過の2007年10月には
どうやら 
我ら熟年JAZZ初心者リスナーコンビは
プログレに片足は確実に突っ込み
恐ろしいことに・・・ 
あのザッパにとうとう嵌りはじめております!

◆予想どおり!
誰かBigなヒト聞きにきてるよね・・・きっと
と道々はなしていたのだけど・・・。

神保 彰(ds) さんも二階席にお出ででした。

◆想像を裏切る・・・ポジオにびっくり!
昨晩 サッパ学校 門下生ときく
テリー・ポジオのドラム・ソロライブに初参加してきた。
ドラムだけで約2時間
さらにこの要塞ドラムセットの画像をみただけで
terry bozzio何かしら連想する・・・
漠然とした感じがあるのだけれど
(マシンの如く暴れまくるのかと・・・・)
実際 生で遭遇したリアルな
テリー・ポジオのドラム・ソロライブは
想像とはまるで正反対のライブだった!




追記・・・・
・・・・・バスドラ-10個
・・・・・シンバル-52枚
(+メタルパーカッション4枚重ね、ドラ、
足で踏むミニドラ、スポークスハット、タンバリン)
・・・・・タム類-25個
・・・・・スネア-2個



◆なぜか人間臭い
先にも書いたのだが
大きく予想を裏切る・・・についてだけれど
古い人間でひっぱるところが古すぎだけど
テーリー・ポジオのドラムセットの画像を見ると
調合金合体ロボみたいじゃ・・ないですか。
なにもここまで数そろえなくたって
一人の人間が全て使いきるのかいなぁ・・・と
いらぬ興味が先走るのでありますが・・・

昨晩 初めて遭遇した
このドラム・セットは
ドレミファソ・・・と
音階を鳴らすトム(中太鼓)やドラ(?)で

terry bozzioリズムを叩くだけではない音階も生む
楽器群の
必然性の追求で構築された形なんだということ
私レベルでも よぉ〜く判りました。




テリー・ポジオのファンの方に
お叱りをうけるかもしれないけれど
私にはこの要塞ドラムセットが
数曲演奏を聞いたあとには
terry bozzioonemanbandの拡大版
という印象に変わり
マシーン的な印象から
なんだかものすごく人間臭い
ドラムセットに思えてきたから不思議!


◆芸人と芸術家
グレードの高低を云うのではないのであしからず。
先に誤解のないようにお断りをしておいて・・・。
大道芸のonemanband
引合いに出してしまったので
ここでもう一度項目をたてたのだけれど
ドラム・ソロライブに参加した
私とウチの伸ちゃんが受止めた印象を伝えるならば
テリー・ポジオのドラム・ソロライブは
芸術の領域で・・・
張詰めた空間の中で
オーディエンスも集中力を研ぎ澄ませて望む
あのキース・ジャレット・ソロコンサートに匹敵するような
そして
神聖・・・こんな言葉をも使いたくなるライブだった。

◆max よりmin
昨晩 我ながら呆れてしまったことがあった
「人間(慣れ)は 恐ろしい」ということだ!

どういうことかというと・・・。

雷鳴に打たれたようなドラムを叩きまくるシーンや
5連符7連符、2拍5連、2拍7連...11連符 
などドラムの技は
ウワサ通り 
「スゲェ〜!!
   もぉ・・・息を呑むほどスンゲェ〜よ!」
でしたが・・・・
恐ろしいのは自分の耳の(慣れ)でした!
テリー・ポジオのソロのみ2時間
同時進行に比較するものが無く
凄い技の連打にどっぷり浸っているうちに
凄い技と始めに感じたアレコレが
段々に普通になってくるのです・・・。
(こんな戯けたことを発言するのは私くらいですか??)

◆太古への誘い
帰り道にふと印象が蘇るのは
細心に研ぎ澄まされた小さな音でした!
トム(中太鼓)を叩く小さな音
ドラを擦るようにして鳴らす微かな音
鈴のようなパーカッションに振れるほのかな音
心臓の鼓動のように
一定のリズムで踏み続けたバスドラやハイハット
そして・・・・
ヨーロッパやアメリカとは違う
バリ島の神に捧げる儀式をしているような・・・
日本の神楽のような
原始を連想するような音だった・・・。

太鼓とは
もしかしたら太古への誘いの鼓動かも
・・・と思ったりもした。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◆テリー・ポジオのドラム・ソロで演奏された曲
★Miles Davis - Spanish Key - Antibes Jazz 1969

http://www.youtube.com/watch?v=DuUIIgjuP9Y
正真正銘ドラム・ソロのみで演奏した。
Miles Davisの動画から伝わる緊張感とスリル
しかし
テリー・ポジオのドラム・ソロで演奏された同曲が始まると
何故か私もウチの伸ちゃんも
Spanish Keyの4ビードに体が反応
妙にリラックスしてくるんだよねぇ
・・・不思議だった。
ワカル〜〜?!


★Terry Bozzio: The black Page . Franck Zappa

http://www.youtube.com/watch?v=AQt2inyxNNg

★Zappa Plays Zappa - The Black Page (Drums: Terry Bozzio)

http://www.youtube.com/watch?v=GDwRJK8bpb4

::::::::::::追記::::::::::::::::

Terry Bozzio solo drum tour 07 の翌日
私は
朝から♪キースのケルンコンサートのみ
一日中 流していました。
何故かそれ以外の音は聞く気分ではなかったです。
akemin

2007年10月16日

THE Q U A R T E T:ライブレポート

◆大ホールに立つ
マイルスが生前ステージ立った
あのカーネギーホールの収容人数は2,804席
この度のTHE Q U A R T E T は
東京国際フォーラム座席数5,012席
世界でも有数の大規模なホールに立ち
Legend Now in Jazz!! Miles Davisに捧ぐ
とタイトルをつけ
昨晩演奏を行った。
THE Q U A R T E TTHE Q U A R T E T


客入りはみごとに9割は達していただろう。
私とウチの伸ちゃんは最後尾 
下手側端っこという席である。
あのホールのステージに上がって
客席を見渡すことはとうてい経験できないので
仮にロンさんの画像をすえてこんなふうに画像を作ってみた。

THE Q U A R T E T





ほぼ満席の会場から歓声があがったなら
拍手喝采が巻き起こったなら
プレヤーの心拍数はどんなだろうか・・・?
マイルスはこのステージに立ってみたかっただろうか?
・最後尾席だったけれど、音環境はとても良いホールだったと感心した。


◆スピリチュアルを信じますか?
マイルスは「マイルス・デイビス自叙伝」の中で
こんなことを語っている。

『オレは神を人に押しつけたり、押しつけられるのも嫌いだ。だが、スピリチュアルであることと霊の存在は信じている。死んでしまった知り合いのミュージシャンも生死にかかわらず、マックス・ローチ、ソニー・ロリンズ、ジョン・コルトレーン、バードやデイズも、ジャック・デジョネット、フィリー・ジョー・ジョーンズといった偉大なミュージシャンと一緒に演奏すると、みんなが自分の一部になる。』


マイルス自身に名前を挙げられた偉大なドラマー
ジャック・デジョネットのドラムからステージは始まった・・・。

デジョネットのドラムは・・・チン、コン、カーンと
ドラム・セットのまん中へんにある
シンバルの中央付近を叩く(?)音を多用して
どこかアフリカの呪術か厳かな儀式のような雰囲気がつたわった
私の頭の中は すぐに別世界への連想が開始してしまうので
たぶん・・・私ひとりの思い込み
または ウチの伸ちゃん曰く
「あなたすぐかってなストリーつくるから・・・」と
嫌なトーンで言われてしまうけれど
私には マイルスを呼ぶ儀式のようにも思えた・・・。
最初の曲は
マイルスが あのカーネギーホールで演奏した
♪So what からはじまった。

◆高尚すぎて肉薄はされなかったが
    ・・・現場では凄いことが起こっていた

東京国際フォーラムで演奏された
マイルス縁の四人のプレヤーが演奏する音の中に
マイルス黄金期のグルーブ感を連想できるか・・・と
まぁ・・生意気にも気負いも少々
期待も膨らませ耳を澄ませていたわけだが・・・
残念ながら私などには体感するには高尚すぎた感は否めない。
しかし
際立って凄いと感じたのは
同じコード進行を四人が違うリズムを活用して進行する
↑このことを伝えるべく専門用語がわからないから
伝えられないのだけれど・・・。
とにかくこのシーンが現場で起こっている時は
聞き耳を立て 
最長の距離から目を皿にして集中していたのです!!
稚拙な観察結果では・・・
どうも本日の演奏の大半の「リズム」を決めていたのは
ロン・カーター氏だったように私はおもったのだけれど・・・?

◆格調高いステージだった・・・・
今年 名古屋と東京ブルーノートで
ジム・ホールとロン・カーターのDUOを聴いて
ロン・カーターのグルーブ感に
圧巻された記憶も遠くないのに

不覚にもというか、気がつくとだな・・・正確には
二曲目とその後数回 スッ〜と眠りに落ちてしまった。
何故か敬愛するロンさんのリードが際立つと
スーッと眠りに落ちてしまった私
すまぬ・・・ロンさん。

◆拍手にもニュアンスはあるようだ!
演奏終了後
会場から拍手が起こった。
たぶん座席数5,012席の大半が拍手したのだから
それはすごい拍手だろう・・・。

確かに拍手は大きかった!
四人のビッグ・ネームのJAZZミュージシャンに対して
敬意を表す拍手だったと思う。
しかし、私は今年県民ホールで
キース・ジャレット・トリオに参加した時
私自身も拍手しながら
多くの観客とともに発信した拍手に込めた温度が
THE Q U A R T E Tに参加した
観客からの拍手には感じられなかった。
言葉にならない拍手に込められた温度を・・・。

◆今回は成熟していない私が至りませんで
・・・というわけかなぁ?
いろんなスケールのJAZZがあるといことを知った
まぁ・・・こんな収め方で型をつけるか?!
しかしJAZZ史に残る顔合わせのQ U A R T E T
この公演の意義について
何か落としどころをと
マイルスに求めようと
また、いつもながら困ったときの
この著書にゆだねてみた・・・。

◆私的特別企画「マイルスさんが語る」
マイルス・デイビス自叙伝」より引用させていただきました。

「多くの人々がオレに、音楽はこれからどうなっていくだろうと聞いてくる。どんどん短いフレーズに向っていると、オレは思う。音楽をしっかり聴けば、耳がある人間ならだれだって、それは明らかなことだ。
〜略〜
音楽ってヤツは、常に変化していく。
〜略〜
どうしようもないミュージシャンは、今日の音楽を聴き取ることができない。もちろん演奏もできない。オレだって同じようなものだった。高音域で音楽が捉えられるようになるまでは、中音域から低音域でしか演奏できなかった。トニー・ウィリアムス、ハービー・ハンコック、ロン・カーター、ウエイン・ショーターの四人がバンドに入るまではそうだった。オレは、四人のおかげで、音楽の違った捉え方ができるようになった。だから彼らには感謝している。 
〜略〜
 人々はオレのところに来て、<マイ・ファニー・バレンタイン>みたいな古い曲を演奏してくれと頼む気持ちは、よくわかる。だがオレは、古いヤツが聴きたかったらレコードを聴いてくれと答える。オレ自身は、もうそこにいないし、彼らのためじゃなく、自分に一番いいように生きなきゃならないからだ。
〜略〜
 プロデューサーのジョージ・ウエインは一度、オレにハービー、ロン、ウエイン、トニーを一緒に集めてツアーをしたがっていた。オレは、連中がサイドマンとして演奏するにはあまりにも問題が多すぎて、とても無理だと言った。ツアーは大儲けになったかもしれないが、それがどうしたというんだ?音楽は、ただの金儲けじゃない。音楽の、特にオレ達が演奏する音楽の本質はフィーリングだ。
〜略〜
 オレが演奏をやめた時、(1975-80年)、多くの連中が「マイルスがやめた。オレ達はどうしたらいいんだ?」と言うのを耳にした。
〜略〜
多くのミュージシャンが、オレに方向性を求めていた。オレが偵察役として、多くの人に先駆者と考えられるのは、別に重荷とは感じない。オレだけがその荷を負っていると感じたことはないし、すべての任を負っているわけでもないからだ。トレーンやオーネットのように他のミュージシャンもいたし、オレのバンドでさえ、たとえばフィリー・ジョーとトレーンがいたようい、オレだけだったことはない。
 フィリー・ジョーは速さを決めてポール・チェンバースに演奏させ、レッド・ガーランドはいつもどんなバラッドを演奏するかオレに伝え、決してその逆じゃなかった。トレーンは座って何も言わなかったが、ものすごい演奏をした。音楽に関して語るという意味では、彼もバードのように楽器を通してのみ話していた。
 ハービー、トニー、ロン、ウェインがいたバンドでは、トニーが基本を決めて、オレたちはそれに従っていた。トニーが引っ張る状況では、テンポが遅れたことなんて一度もなく、むしろどんどん早くなって、リズム的要素が強調されるくらいだった。キース・ジャレットとジャック・デジョネットがいたバンドでは、キースとジャックが、サウンドはどんな方向で、どんな演奏をするか、基本とリズムを決めて、すべて進めていた。彼らが音楽を変化させ、その後は自然に何かへと発展していった。他の連中はキースとジャックみたいな連中を揃えていなかったから、誰もオレ達のような演奏はできなかった。オレが構成した他のバンドでも、常に同じようなことが言える。
 効果的に機能し合える連中を組み合わせ、理解し、さらにそれ以上のことを引き出す能力というのは、オレの生まれながらに授かったものだ。」 



◆THE Q U A R T E T が演奏した曲をyoutubeで検索してみた。

◆Seven Steps To Heaven
Miles Davis - trumpet, George Coleman - tenor sax, Herbie Hancock - piano, Ron Carter - bass, Tony Williams - drums.
Recorded 14th May 1963 in New York

http://www.youtube.com/watch?v=szL5qV6WmuI

◆A Herbie Hancock Tribute; Maiden Voyage

http://www.youtube.com/watch?v=Ny4pfPT19PY

◆Miles Davis "Footprints"

http://www.youtube.com/watch?v=nrxZLOCa_io

◆Miles Davis - All Blues (2nd solo)

http://www.youtube.com/watch?v=RKyiFDLp5xk

◆Miles davis et John Coltrane - So what

http://www.youtube.com/watch?v=P4TbrgIdm0E

:::::追記:::::::

高尚とかハイレヴェルとか・・まぁ うまい言葉がみつからず
書いたわけですが・・・・
崇高なものに遭遇した場合にも 
たぶん脳みそで判るというてのものではなく
私などは・・・理論はまるでなく感じで大つかみのヒトなので
何かしら感じることは在りますよ・・・判らなくても。

ただし 私に限っての感じるセンンサーに反応する要素は
聴覚と視覚と第六感のどれかが欠けると・・やはり
感じる容量が限りなく狭くなってくるんだな・・・と
私 本日は思っています。

THE Q U A R T E T のプレイヤーに
会場を選択することができたなら
座席数5,012席 を選んだかどうかは判りませんもんね!
しかし・・・9割を埋め尽くした14日
その後の同会場は満席sold out です。
これは揺ぎ無い事実です。

好む好まざるにかかわらず
私も一度はソノ現場に立ち会いたいと思ったわけです。
ただし
S席かぶりつき以外
1階席の真ん中へんであっても
視力のよろしくない私にはステージは
遠い現場となるだろうな・・・と
ならば 最後尾席で高みの見物を思ったのでした。

リアルに共感できなかったとしても
ペンディングします・・・。
何かあの日に生まれたたった一回きりの音の中に
必ず時間を経て光だす記録が見つかると思います。
私は実に楽天家ですから・・・。

akemin




miruko1 at 16:57|PermalinkComments(0)Ron Carter | ライブ