2010年08月
2010年08月31日
八木隆幸トリオの新作『Illumination』発売記念ライブ/レポ




◆八木隆幸トリオの新作『Illumination』発売記念ライブの印象は・・・
「専門書のような」って感じかな?!
堅苦しいとか・・・高尚とか・・・
難しいとかいう意味あいではでは全く無く
八木隆幸トリオのライブで演奏される楽曲は
最近ジャズを聴き始めたような私には
名前もきいたことのないような楽曲名や
先人のピアニストの名前が次々でてきて
大方がとにかくお初に聴く楽曲だったわけ。
けれど
八木隆幸トリオのライブを聴いて
ライブで購入した八木隆幸トリオ新作『Illumination』 を
翌日さっそく聴きながら
本家本元の演奏をyoutubeなどで探して聴いたり
手持ちのアルバムをあれこれひっくり返して
その曲を見つけ出し
聴いて・・・また八木隆幸さんのアルバムを聴く・・・を繰返す。
そして
「・・・あぁこの曲は、こんな感じが面白いのか!」とか
「なるほど・・・
この楽曲はコンナ風にも聴こえてくるんだなぁ・・」とか
このプレヤーはこんなところが凄いのだ・・・などと
私なりの聴き方のアイディアを
そのへんのハウツー本を眺めるより
八木隆幸トリオの特にピアノから教えてもらう・・・
だから、専門書のようなというわけなんだけど!
◆昨晩2ndステージで演奏された楽曲で唯一知っていた曲は
♪The Peacocks (Jimmy Rowles)と
アンコールで演奏した♪Caravan(Duke Ellington)2曲だった。
◆♪The Peacocks
The Peacocks はジャズピアニストJimmy Rowlesの曲
この曲のテーマは、たぶん多くの人が一度聴いただけでも
すっかり印象に焼きつく独特のフレーズが流れ
タイトルどうり孔雀が優雅に羽を広げ悠々とした様子と
熱風に包まれたようなアジアンチックな風を感じてしまう・・・って
(もしかしたら私だけかも・・・ですが)
昨日の八木隆幸トリオでは2ndステージ中盤に
♪The Peacocks を演奏しました。
本日、本家のこのアルバムのThe Peacocks を聞いて

Peacocks/Jimmy Rowles&Stan Getz
改めてこの♪The Peacocksの濃厚に焼きついた
熱風に包まれるように感じたあの印象は
このアルバムのStan Getz のサックスと
Jimmy Rowlesのピアノ低音部の印象によるものだと気が付きました。
八木隆幸トリオの♪The Peacocks は
熱風が吹くようなあの感じはありませんでしたが
ピアノの高音部とドラムのシンバルから孔雀の煌びやかさ
ベースの低音が孔雀の優雅さとエキゾチックな感じを醸しているようでした。
youtubeでみつけたBill Evans Trio featuring Stan Getz - The Peacocks
↓これは昨晩の八木隆幸トリオの感じと似てるように感じます。
http://www.youtube.com/watch?v=cPDjojyKCBg
◆♪Salute To Bach ♪Cool Walk by Oscar Peterson
昨晩も演奏され、アルバムにも収録されている楽曲
Oscar Peterson- Cool Walk
http://www.youtube.com/watch?v=y34I-NfHkVg
Salute to Bach - Oscar Peterson Trio.
http://www.youtube.com/watch?v=RPPQLzwCosI
昨晩のライブで八木隆幸さんの手元はよく観ることのできない
ステージに向かって右側奥の席からの観戦だったのだけど
八木さんの上半身はピアノ高音域側にあって
聴こえる音も右手から奏でる巧みに転がるような音が良く聴こえた
それに比べ左手側の低音はあまり主張しなように弾いてるのかなぁ・・・などと
思っていたのだけれど
本家オスカー・ピーターソンの動画をみると、なるほど
こういう曲なんだ・・・と納得した。
しかし・・・・改めてオスカー・ピーターソンという人は
八木さんの5倍以上の巨漢をもってして
転がるように奏でる右手から生れる音たちは
なんとコロコロと軽やかなんだろうと感心してしまった!
あっ・・・・八木隆幸さんの右手から生れる音たちも
自由に軽やかだったです!
◆♪Butter Cup by Bud Powell
昨晩はライブで演奏されたかどうか・・・・覚えていませんが
アルバムに収録されてある楽曲です。
このバター・カップというタイトルから
すぐに
映画『Round Midnight 』に登場する
http://www.youtube.com/watch?v=mJEYjLQp43g&feature=related
バター・カップという名の黒人女性が浮かび
いつだったかこのButter Cup という人につて
私は興味があって、あれこれ探したことがありました。
↑映画『Round Midnight 』でButter Cup役を演じたSandra Reaves
バターカップについて
バド・パウエルは軍隊時代妻が美人の白人だったので上官に苛められたり、後の妻は愛称「バター・カップ」という黒人女性で、彼女がバド・パウエルのマネージャーを務めていた頃は、ギャラはバド・パウエル本人には渡らなかったという逸話もあるそうです。
♪Butter Cup は

Bud in Paris/Bud Powellこのアルバムに収録されているようです。
Kenny Clarke:Drums
Pierre Michelot :Bass
Bud Powell :Piano
Barney Wilen :Sax (Tenor)
聴いて見たいな・・・!
八木隆幸さんのアルバムに収録されている♪Butter Cupは
陽気でノリ良いグイグイupするような楽しい1曲でした!
◆♪Turquoise Twice by Cedar Walton

CEDAR ! /シダー・ウォルトン
Junior Cook:Sax (Tenor)
Kenny Dorham: Trumpet
Mark Gardner Liner Notes
Billy Higgins :Drums
Leroy Vinnegar :Bass
Cedar Walton :Piano
シダー・ウォルトンは
村上春樹の『意味がなければスイングはない』 を読んで
一度は来日ライブで聴いてみたいと思っているピアニストですが
私はいまだに、アルバムも持っていないし
ほとんど演奏もきいたことがありません!
唯一 映画『Round Midnight 』にもシダー・ウォルトンは登場していて
後半のライブシーンで演奏しているのを見たくらいです。
◆♪Turquoise Twice by Cedar Waltonは、
昨晩のライブでは2nd前半に演奏されました。
八木隆幸トリオの♪ターコイズ・トワイスは
曲タイトルにあるターコイズ(とかターコイズブルーとか)という響きから連想する
哀愁おびたメロディでピアノが歌いつつ
八木さんのピアノはどこか男っぽい悠々とした感じで進めていました。
金子さんのベースと高橋さんのドラムのゴリゴリ感が
また一段とピアノを引き立ててイイ感じでした!
◆♪Little Niles by Randy Weston
Randy Weston - Little Niles
http://www.youtube.com/watch?v=ovk5OSa8PrU
昨晩、ライブでも♪Little Nilesは前半に演奏しました。
八木さんは「ジャズワルツのリトル・ナイルスというこの曲は
ランディ・ウエストンが息子に捧げた曲だそうですが、
ナイルっていうのはもしかしたナイル川のことかも・・・。」といって
この曲を紹介していました。

LITTLE NILES/PIANO A-LA-MODE/Randy Weston
今日、本家ランディ・ウエストンの
このアルバムジャケットを眺めながら
youtube動画を聴きながら
もしかしたら
ランディ・ウエストンが息子さんをこのジャケットのように
おんぶ&抱っこしながらナイル川を歩いた時の感じが
この何とも言えないドッテッテみたいな土臭い感じの
3拍子なのかなぁ・・・
とも思ったりしました!
八木隆幸トリオの♪Little Nilesは
本家Randy Westonにくらべ
独特のなんともいえない土臭さのような感じはありませんでしたが
行ったことも見たこともないナイルの
エキゾチックな雰囲気は想像できそうな感じがしてきました。
◆八木隆幸トリオのアルバムタイトルにもなっている
♪Illumination by Walter Davisは
アルバムにも収録され昨晩も演奏されました。
八木さんは「ブラジリアン風」と紹介していましたが
私にはブラジリアン風・・・というのが馴染みがないので
これはもう少しアルバムを聴いて温めてみたいと思います。
八木隆幸トリオの♪Little Niles
01. Scorpio Rising
02. Turquoise Twice
03. Salute To Bach
04. Illumination
05. Butter Cup
06. The Piacocks
07. Cool Walk
08. So In Love
09. Groove Yard
10. With A Song In My Heart
11. Little Niles
12. Out Of The Past
◆おまけ
ライナーノーツによると八木隆幸さんはブルックリンで数ヶ月暮らしながら
実力派ピアニストの元でピアノの修行をしたそうですが
その中に 歌伴の神様ノーマン・シモンズ氏の名前もありました!
2004年10月10日
TokyoTUC in SCOTT HAMILTON meets
NORMAN SIMMONS で観戦した時の
ノーマン・シモンズ氏の沁みるピアノを今思い出しました!
akemin

NORMAN SIMMONS
miruko1 at 14:25|Permalink│Comments(0)
2010年08月02日
オマール・ソーサOmar Sosa Afro-Electric QUARTET/2010/ライブレポ

◆2010.8.1.(sun)初日モーション・ブルー・ヨコハマから ブルーノート東京
ブルーノート名古屋・・・そして
本日2010.8.8.(sun)サッポロシティジャズ2010が最終
オマール・ソーサ の札幌で盛り上がるかなぁ・・・!
さてオマール・ソーサのバンドメンバーは初日の横浜では
2ndライブ開始ぎりぎりまでモーションブルーのバルコニー越しで
横浜湾の海上に打ち上げられた花火観戦で
キャーキャー大賑わいだったそうだけれど
最終日の札幌ではカラッと気持ちよい札幌の気候と
自然豊かなロケーションを満喫しているだろうなぁ・・・!
今回の彼らのツアーは色んな点で楽しんだのではと思う!
◆私はオマール・ソーサ来日ライブは2006,2008年と観戦しているのだけど
この時のライブはアフリカ起源の民俗音楽的ボーカルが入り
民族楽器も多く使った↓のyoutubeで聞くようなサウンドだった
http://www.youtube.com/watch?v=gxpMQO4Y8I0&feature=related
今回の2010のOmar Sosa Afro-Electric QUARTETは
アフロ-エレクトリックという
フリージャズのようであり・・・
アフロリズムと電化サウンドがふんだんに盛込まれたサウンドだった!
どちらかというとこの↓動画みたいなサウンドのライブだった。
http://www.youtube.com/watch?v=g8hnp41-f6Q&feature=related
◆過去2回観戦したオマール・ソーサのライブの冒頭では
神に捧げるような儀式( ceremony )のような感じで登場から鳴り物や
日本の神道でいうところの祝詞のような唱を
歌いながら登場したのだけれど
今回は唱はなく ペーター・アプフェルバウムさんのジャラジャラと鳴る鈴のような楽器を神に捧げるような音出しでステージは始まった!
モーションブルーのスタッフに聞いた話だけれど
ステージ開始前にオマール・ソーサのバンドはいつも
楽屋でお祈りや神に捧げる儀式のようなことをやってから
ステージに上がるのだそうで・・・・とても興味あるなぁ!
楽屋の音が漏れ聞える モーションブルーのエレベータ前で
次回はこっそり 彼らの儀式( ceremony )の音を聞いてみたいなぁ・・・と思う!
◆いつもながら大変感心するのは・・・
オマール・ソーサはアスリートのような強靭な肉体をもつヒトなんだろうなぁ・・とつくづく感心してしまう!!
爆発的な瞬発力やキレの良さ、
エネルギー切れのない連続性の凄さ、タフな感じ
見た目にも汗を四方に飛ばしながら演奏する姿
そしてなによりもオマール・ソーサの爆発的なエネルギーと音は
空気を振動させてライブ参加する多くにリスナーに
理屈無く体感させるだろう・・・・。


◆オマール・ソーサの最新作『セレモニー』のレコーディング風景
http://www.youtube.com/watch?v=CAyX-qrpfH4&feature=related
◆最新作『セレモニー』より♪Luz En El Cielo (ルス・エン・エル・シエロ)
http://www.youtube.com/watch?v=ppMvxLLJEgU&feature=related
Omar Sosa/Ceremony
1. ジェガダ・コン・エレグバ
2. チャンゴ・エン・エスメラルダス
3. ダンソン・デ・トゥス・オホス
4. ジェマヤ・エン・アグア・ラルガ
5. ルス・エン・エル・シエロ
6. チャ・コン・マリンバ
7. ミ・トラディシオン
8. カランババ
9. モンクル
10. サリダ・コン・エレグバ
◆オマール・ソーサinモーションブルーのアルバム 2010
◆追記:初めて見た楽器! bamboo sax (xaphoon)


初めて見た楽器! bamboo sax (xaphoon)
この画像はペーター・アプフェルバウムさんが演奏したバンブーサックスではありませんが
この画像とほぼ同じ形のサックスを昨晩 使用していました。
どうやら1本の竹でできているこの楽器は造形的にも美しい楽器だと思います!
タイ産の竹で作られているとのことでした!
音もなかなか精密な音が出ていました!
誰かが吹いているyoutubeで聞いてみて!
Bamboo sax
http://www.youtube.com/watch?v=KqpLKDEvfw8&feature=related
akemin