2011年12月
2011年12月23日
大林 武司 piano/NIPPON SOUL-KAMOME 2011.12.21.


NIPPON SOUL-KAMOME 2011.12.21.
境野 慎一郎 bass
大林 武司 piano
寺久保 エレナ saxophone
則武 諒郎 drums
KAMOME 2011.12.21.
3.11.の大震災後にウチの伸ちゃんと私が何かささやかにできることを行動したことは、現実を自分の目で見て感じたいと福島に行ったこと。
そして、福島で営業しているお店のライブ観戦をしようと選んだのが、福島市のJAZZスポットMINGUSでの寺久保エレナ・カルテット。そこで初めて聞いた大林武司さん(p)。 いいピアノだった!
http://twitpic.com/5yr6fh


さて、2011年12月21日NIPPON SOUL-KAMOMEについは・・・・
私たちは、今年(特に11月に入ってから)凄い演奏を重ねて聞いたので、ただのリスナーの私の耳は、自分自身の等身大をおおきく越えてたいへん意地悪な耳になっていて、小さな感動の種をひろうことがとても難しくなっていた。けれどこのNIPPON SOULのライブ演奏中に、ふっと11月の野々市Big Appleのワークショップで指導していたリニー・ロスネスさん(piano) の明解な言葉「寛容」が、フィードバックして、ひとつひとつの演奏シーンで、リスナーの私にも大きく響く「何か」とは、音の中に広々としたマインドを感じた時だったということがすごくストンと腑に落ちた!
「寛容」とは
JAZZ演奏に関わらず、日常のなんでもないシーンにでも当てはめて感じられる、とても大切なテーマだと深くおもった。いい仕事を積み上げるには、個人の絶え間ない努力の賜物ではあるけれど、自分を活かすには、自分以外の人・物・環境全てのつながりの中で、ナチュラルに自分を貫き、さらに惜しみなく自分の今出せる力をどれだけ発揮できるか・・・だと。さらにこの発揮というところに「寛容」があるかないかは、大きな違いがあって、また寛容さをどれだけ体得しているかが、音・人・物に影響しているんだなぁ・・と。
「話し上手は聞き上手」なんてコミュニケーションの知恵もあるけれど、演奏シーンの中でも、リスナーにも響く演奏っていうのは、きっと個人の魅力や個性をアピールする力よりも、演奏者ひとりひとりがどれだけ共演者に対して、真摯に聞き耳をたてて、今、この瞬間に、何を提供すればいいかを選択し提供する仕事を見た&聞いた、瞬間を共有した・・・ってことなんだなぁ〜と。そんなことを思い出しながら聞いたNIPPON SOULのライブでのピアニスト大林 武司さんには、「寛容」があった!実にナチュラルに存在しつつ、ひとつひとの演奏曲の音の中に、ピアノで貢献していたことが、すごく素敵に感じました!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
下記・・・↓大林武司さんwebsiteにてCD収録曲を聴くことができるのでぜひ!
http://takeshimusic.com/biography/?lng=jp
2011年12月19日
衝撃そして感動のジャズサウンド

東日本大震災復興支援チャリティーイベント
Joe La Babera Quartet
Joe La Babera -drums
Don Thompson -piano
Pat La Barbera saxophone
Tom Warrington -bass
2011.12.17 (Sat)
横浜港北公会堂
主催/大倉山ジャズクラブ
後援/港北区役所、港北区商店街連合会
協力/ファイブスターズレコード
衝撃そして感動のジャズサウンド
これは12月17日に行ったジョー・ラ・バーベラ カルテットのフライヤーの冒頭に印刷されてあったキャッチコピー。12月16日の午後に、翌日の17日のライブ前売りチケットはコンビニでは買えなくなってしまって、会場となる横浜港北公会堂併設の港北区役所3階の売店まで買いに行った帰り道、フライヤーのキャッチコピーを何度も眺めながらウチの伸ちゃんに私はこんなことを言った。
・・・・・
確かに、ジョー・ラ・バーベラさんのカルテットなんだから、
きっと感動はするだろうけど、
「衝撃」って・・・・ちょっとオーバーじゃない?!
演奏予定曲を見ると
コン・アルマ ワルツ・フォー・デビー クリスマスは我が家で シャレード 他 ・・・って書いてあって、
この曲から衝撃って????ちょっと連想できないなぁ!
それに公会堂での演奏は、どことなくよそよそしかったりして
ライブハウスで体感する熱気には少々温度差があったりしてね・・・。
・・・・・
これは、私の発言
・・・・・
じゃぁ〜あなた、主催者に電話でもして
衝撃ってなんですか?!
ちょっとオーバーじゃないですかって言えばいいじゃん!
・・・・・
これが、ウチの伸ちゃんの反応
まぁ・・・私共夫婦の間では、心根が素直でなく腐れ根性の夫婦なので、ライブ前日にこんなことを茶のみ話していたわけです。
さて、翌日17日に横浜港北公会堂に入ると、会場にはたぶんJAZZファンというふうでもないごく普通のお客さんやお子さんも入場されてどなたも静かに開演を待っている様子。開演時間になると主催の大倉山ジャズクラブの方と通訳の方が出てみえて、ジョー・ラ・バーベラ カルテットのメンバー紹介をして、演奏が始まった。アットホームな空気は感じたけど、予想通り、ライブハウスとはちょっと温度差があるかもなぁ・・・。
一曲目が♪Softly, As In A Morning Sunrise
あれれ・・・なんかすごくいい感じ!
何って、公会堂ってこんなに音ヌケがいいの?!
すごくクリアな音なんだよね!
2曲目か3曲目の♪Charade
私は完全に「衝撃そして感動のジャズサウンド」をキャッチコピー通りに体感してしまいました!何がどうして・・・なんて説明できません!すごくいいんです!今だかつて私はシャレードを聞いて感動したことはありませんが、ジョー・ラ・バーベラ カルテットの♪Charadeは衝撃的です!
演奏が次々と展開する度に会場の拍手も熱気が増し、大きくなって、声援もあがるようになって、1部の演奏はあっという間に終了。
休憩時間に一番にウチの伸ちゃんに言いました。
「昨日の腐れの私の発言は撤回します!
♪Charade で完璧に衝撃を受け感動してます!」・・・・と。
2部に入り2曲目に演奏されたのが、♪Walz For Debby
最初の4小節くらいのピアノの聴きなれたあのメロディで泣きそうなってしまった私!ワルツ・フォー・デビーがこんなに美しい曲だったなんて・・・!恐るべしピアニストのドン・トンプソン氏。ジョー・ラ・バーベラ カルテット!
そしてジョー・ラ・バーベラさんのドラマチックなスネヤドラムのソロから始まった
♪The Little Drummer Boy
クリスマスソングでは定番の誰もがしっている♪小さな少年鼓手 鼓舞するドラムに煽られ、誰もが心の底から感情が湧上り、会場の人たちと(私はクリスチャンでもないのに)今年一年をなんとか過せたことの感謝のような、なんともいえないあたたかい気持ちの一体感を味わいました!
帰り道、ウチの伸ちゃんと今年一番のライブだったね!
横浜港北公会堂のお客さんの拍手、あたたかだったね!
JAZZはライブハウスじゃなきゃなんて固定観念は捨てようね・・・!
いいものはどこでも最高だね!
そんな会話をしつつ家路にむかいました!
akemin
・・・・・・・・・・・・・・・
オイラにもチョット、書かせて・・・・
皆様 どーも 伸ちゃんです。
イヤ〜 衝撃 でした。
ジョー・ラ・バーベラさんて上品なイメージがあったので
衝撃 はチョット表現が違わない?って思っていたのですが
凄かったです。衝撃でした!!!!!
さすが、ビル・エバンス トリオの最後のドラマーであり
ビル・エバンスに「今までで最高のトリオ」と言わせた理由が
ど素人のオイラにも判った気がします。
とにかく素晴らしい!!アップテンポもスローも
アカデミックでドラマチックでエキサイティングで・・
なんて言えば良いんだろう・・・・
きっと、コレが芸術なんだな〜って強く感じました。
♪Walz For Debbyで泣きそうに
なったのはオイラだけではないでしょう・・・
ビル・エバンスがこのステージにいるような
錯覚におちいりました。
ジョー・ラ・バーベラさん以外の三人も
素晴らしい演奏で、本年一番のライブ&コンサートでした。
お客さんを見渡すと「ジャズファン」という感じの人は
殆ど見当たりませんでしたが、みんな食い入るように
演奏を見つめていました。そして、ステージ上の演奏に
取り込まれていました。
そして、拍手も・・・・心から感動したという拍手でした。
普段、ジャズを聴いてない人達にも衝撃と感動を与えたことは
間違いないと思います。
区役所の公会堂で、こんな素晴らしい演奏を聴けて
横浜市民に生まれて良かった〜!!!!
このカルテットを招聘してくれた方、
このコンサートを主催してくれた方に感謝致します。
伸ちゃんでした。
2011年12月05日
リニー・ロスネスQuartet + Special Guest井上智in tokyoTUCのライブレポ
JAZZライブの最大の楽しみは、「一回性」という時間に居合わせた喜びだと思う!そして、演奏者と客席と、または客席のリスナー同士など、双方向に行きかうエネルギーの波を体感しあえた実感。そして演奏者にもリスナーにもある、それぞれが、今、ここに存在する動機というような、一人一人のパーソナリティを改めて知る・・・そんな時間を共有できたことへの喜びを味わえるのだと思う。
◆固定メンバー?!
JAZZにはあまり馴染みのない友人を誘って、このライブに参加したのだが、今回のライブの参加メンバーは「固定メンバー」ではないということがピンとこなかったようだ。
JAZZの世界では、他のジャンル(POPSやROCK等)のバンドのように固定メンバーのみの活動はあまりしない傾向にあるらしい。理由はわからないけれど・・・・。だから、ライブに行く時に誰のリーダーライブか?サポートは誰か?などがまたそのライブに足を運ぶ動機にもなるのだけれど。「固定メンバー」ではない、そのライブやツアーのために結成されたメンバーということが、JAZZに馴染みのない人には、あまりピンとこなかったようだ。けれど数年前の私自身もそうだったなぁ〜と・・・ライブ観戦初期の頃の私自身をも思い出したりもした。
だから・・・・JAZZライブは、「固定メンバー」でない事も含めて、そのライブでしか生まれない何かに出会える貴重な「一回性」の楽しみがあるのだと思う!
◆ライブで聞いた初めて知る曲

Koto Song -作曲/Dave Brubeck 和声音階を使ったデイヴ・ブルーベックの『Jazz Impressions of Japan』ザ・デイヴ・ブルーベック・カルテットに収録されている曲。野々市の大ホールでこのメンバーが演奏した時に、私は一番に魅了された曲だった。東京TUCでもこの曲が演奏された。1stステージで5曲目から登場したギターの井上智さんを加えてこの♪Koto Songが演奏された。JAZZで聴く日本の風景・・・のような曲で、ピアノ、ベース、クラリネット、ドラムそして井上智さんのギターのハーモニーが染み入る、日本文化独特の調和の「和」を改めて素敵だと感じられる演奏だった!ちなみに♪Koto Songを琴ソングと邦題がつけられていたのを検索して知ったのだけど、これは「琴(筝)曲」とした方がイメージが広がるなぁ・・・と私は思う。
◆二つのワルツ
このライブで演奏された二つのワルツは、
♪Jitterbug Waltz-作曲 /Thomas 'Fats' Waller ♪Waltz New-作曲/Jim Hall

♪Jitterbug Waltzは、ジャズピアニスト・オルガン奏者・歌手・作曲家・作詞家のちょっと太っちょの表情をみているだけでも、こちらも笑いが浮かんでしまうような、コメディアン風の風貌のファッツ・ウォーラーの代表曲で、Jitterbug(ジターバッグ)とはダンスのステップのジルバ(1940年頃にアメリカ駐留軍のGIによって広められ、その軽快でリズミックな踊り)のことらしい。
Anat Cohenさんのクラリネットが軽快にそして優雅に、時、激しく、大らかに、伸びやかに緩急自在に演奏して、まるで目の前で一組の男女が両手を取り合いながら手を広げたり閉じたりしながらクルクル回転しているような姿が見えるようだった!

♪Waltz New-作曲/Jim Hallは、ギターの井上智さんと、ピアノのRenee Rosnesさんがメインで演奏。このワルツを東京TUCで聞いた、たぶん多くの人はビル・エヴァンス&ジム・ホールの「undercurrent」を感じたのではと思う!優雅で透明感があって、内面に波打つ繊細なフィーリングがとても豊かな演奏だった!早速、家に帰ってから私は「undercurrent」の中で一番好きな♪Skating in Central Parkを聞きつつ、井上智さんとRenee Rosnesさんの♪Waltz Newを思い出していた!
◆何が飛び出すか?!「一節の挿入」
ライブでスタンダート曲の演奏を聴く大きな楽しみのひとつに、その時、その演奏の流れのどこかに、アドリブで挿入された別の曲の一節を、聞き拾うことができた時の喜びがある。これはJAZZ初心者の時には味わえなかった、少し大人になった私の嬉しさなのだけれど!


東京TUCの2ndで2曲目に演奏された♪Mr.Gentle & Mr.Cool-作曲/Duke Ellingtonで、ピアノのRenee Rosnesさんが「ジェントルでモテモテでカッコイイ、ピーター・ワシントンのような曲・・・エリントンのMr.Gentle & Mr.Coolを演奏します。」などと曲演奏前にMCを入れたものだから、シャイなベーシストのピーター・ワシントンさんは大いに恐縮するひとコマがあり、この曲が演奏された。しかしReneeさんの紹介通り、ガツンとした男っぽいベースを効かせるカッコイイ演奏で「なるほど!ピーターは、Mr.Gentle & Mr.Coolだわぁ!」と感心しながらこの曲を聞きいていた・・・・と、曲の合間にReneeさんが挿入した一節が♪Love for Sale!いやぁ〜!一瞬だったけれど、洒落が効いていて!ちょっと尖がっていて!私はこの瞬間の挿入を聞き拾ったことで、Renee Rosnesさんをもの凄く好きになった!!美人で凄腕のピアニストだけれど、男性ファン以上に女性ファンが多いのだろうなぁとも思った!とにかくエレガントだけど何か鋭いチクリとする凶器も秘めた、Cool Ladyだと思った!
◆今、一番必要としているリズム(音・技術)を提供できる状態を常に用意
これは、野々市のThe Arts of the Rhythm SectionでドラムのLewis Nashさんが話した言葉だが、プロの仕事って、実にこの点に尽きるのだなぁ・・・と感心する。自身の見せ場のシーン、サポートに徹するシーン、場面を展開させるキーになる瞬間、素人の私にはそれ以上には、演奏場面が浮かばないけれど、とにかく進行する音を産みだす瞬間に、いつも必要としているものを提供できるプロの技(経験)はスゴイ!

いろいろLewis Nashさんのドラムの素敵なシーンはライブで体感したけれど、「一番必要としているリズム(音・技術)を提供」を感じたシーンは、先に紹介した♪Waltz Newの時だった!この曲は♪Someday My Prince Will Come のコード進行でジム・ホールがアドリブ的にメロディーをつけた曲なのだそうだが、この演奏の途中にギターの井上智さんが、アドリブで♪Someday My Prince Will Comeを挿入するシーンがあった。「この時!」Lewis Nashさんのドラムは、ハイファットを♪トンテンカン♪トンテンカンと叩くリズムを刻んでいた!

「突然何をいっているか?」と思う方には、もう少し詳細を伝えたいのだけれど・・・・。実は11月21日の横浜モーションブルーで「JIMMY COBB QUARTET 」で「マイルス・デイビス・トリビュートの曲を聞いたばかりだった私には、Miles Davis『Someday My Prince Will Come』のアルバムに参加したジミー・コブが 横浜モーションブルーで♪Someday My Prince Will Comeを再現した、演奏を、ドラムを、聞いた記憶が新しいわけで、この曲の一番の印象深い音は、ハイファットを♪トンテンカン♪トンテンカンと叩くリズムだったわけなのだ!
http://p.tl/7LEJ (JIMMY COBB QUARTET -2011.11.21.の画像)
◆とにかくJAZZライブは楽しい!!
・・・・これに尽きる!
akemin
追記・・・・・・
Waltz New - Jim Hall with Satoshi Inoue from a Jazz Guitar Master Class.
Dave Brubeck - Koto Song - 1966
Miles Davis: Someday My Prince Will Come
◆固定メンバー?!
JAZZにはあまり馴染みのない友人を誘って、このライブに参加したのだが、今回のライブの参加メンバーは「固定メンバー」ではないということがピンとこなかったようだ。
JAZZの世界では、他のジャンル(POPSやROCK等)のバンドのように固定メンバーのみの活動はあまりしない傾向にあるらしい。理由はわからないけれど・・・・。だから、ライブに行く時に誰のリーダーライブか?サポートは誰か?などがまたそのライブに足を運ぶ動機にもなるのだけれど。「固定メンバー」ではない、そのライブやツアーのために結成されたメンバーということが、JAZZに馴染みのない人には、あまりピンとこなかったようだ。けれど数年前の私自身もそうだったなぁ〜と・・・ライブ観戦初期の頃の私自身をも思い出したりもした。
だから・・・・JAZZライブは、「固定メンバー」でない事も含めて、そのライブでしか生まれない何かに出会える貴重な「一回性」の楽しみがあるのだと思う!
◆ライブで聞いた初めて知る曲

Koto Song -作曲/Dave Brubeck 和声音階を使ったデイヴ・ブルーベックの『Jazz Impressions of Japan』ザ・デイヴ・ブルーベック・カルテットに収録されている曲。野々市の大ホールでこのメンバーが演奏した時に、私は一番に魅了された曲だった。東京TUCでもこの曲が演奏された。1stステージで5曲目から登場したギターの井上智さんを加えてこの♪Koto Songが演奏された。JAZZで聴く日本の風景・・・のような曲で、ピアノ、ベース、クラリネット、ドラムそして井上智さんのギターのハーモニーが染み入る、日本文化独特の調和の「和」を改めて素敵だと感じられる演奏だった!ちなみに♪Koto Songを琴ソングと邦題がつけられていたのを検索して知ったのだけど、これは「琴(筝)曲」とした方がイメージが広がるなぁ・・・と私は思う。
◆二つのワルツ
このライブで演奏された二つのワルツは、
♪Jitterbug Waltz-作曲 /Thomas 'Fats' Waller ♪Waltz New-作曲/Jim Hall

♪Jitterbug Waltzは、ジャズピアニスト・オルガン奏者・歌手・作曲家・作詞家のちょっと太っちょの表情をみているだけでも、こちらも笑いが浮かんでしまうような、コメディアン風の風貌のファッツ・ウォーラーの代表曲で、Jitterbug(ジターバッグ)とはダンスのステップのジルバ(1940年頃にアメリカ駐留軍のGIによって広められ、その軽快でリズミックな踊り)のことらしい。
Anat Cohenさんのクラリネットが軽快にそして優雅に、時、激しく、大らかに、伸びやかに緩急自在に演奏して、まるで目の前で一組の男女が両手を取り合いながら手を広げたり閉じたりしながらクルクル回転しているような姿が見えるようだった!

♪Waltz New-作曲/Jim Hallは、ギターの井上智さんと、ピアノのRenee Rosnesさんがメインで演奏。このワルツを東京TUCで聞いた、たぶん多くの人はビル・エヴァンス&ジム・ホールの「undercurrent」を感じたのではと思う!優雅で透明感があって、内面に波打つ繊細なフィーリングがとても豊かな演奏だった!早速、家に帰ってから私は「undercurrent」の中で一番好きな♪Skating in Central Parkを聞きつつ、井上智さんとRenee Rosnesさんの♪Waltz Newを思い出していた!
◆何が飛び出すか?!「一節の挿入」
ライブでスタンダート曲の演奏を聴く大きな楽しみのひとつに、その時、その演奏の流れのどこかに、アドリブで挿入された別の曲の一節を、聞き拾うことができた時の喜びがある。これはJAZZ初心者の時には味わえなかった、少し大人になった私の嬉しさなのだけれど!


東京TUCの2ndで2曲目に演奏された♪Mr.Gentle & Mr.Cool-作曲/Duke Ellingtonで、ピアノのRenee Rosnesさんが「ジェントルでモテモテでカッコイイ、ピーター・ワシントンのような曲・・・エリントンのMr.Gentle & Mr.Coolを演奏します。」などと曲演奏前にMCを入れたものだから、シャイなベーシストのピーター・ワシントンさんは大いに恐縮するひとコマがあり、この曲が演奏された。しかしReneeさんの紹介通り、ガツンとした男っぽいベースを効かせるカッコイイ演奏で「なるほど!ピーターは、Mr.Gentle & Mr.Coolだわぁ!」と感心しながらこの曲を聞きいていた・・・・と、曲の合間にReneeさんが挿入した一節が♪Love for Sale!いやぁ〜!一瞬だったけれど、洒落が効いていて!ちょっと尖がっていて!私はこの瞬間の挿入を聞き拾ったことで、Renee Rosnesさんをもの凄く好きになった!!美人で凄腕のピアニストだけれど、男性ファン以上に女性ファンが多いのだろうなぁとも思った!とにかくエレガントだけど何か鋭いチクリとする凶器も秘めた、Cool Ladyだと思った!
◆今、一番必要としているリズム(音・技術)を提供できる状態を常に用意
これは、野々市のThe Arts of the Rhythm SectionでドラムのLewis Nashさんが話した言葉だが、プロの仕事って、実にこの点に尽きるのだなぁ・・・と感心する。自身の見せ場のシーン、サポートに徹するシーン、場面を展開させるキーになる瞬間、素人の私にはそれ以上には、演奏場面が浮かばないけれど、とにかく進行する音を産みだす瞬間に、いつも必要としているものを提供できるプロの技(経験)はスゴイ!

いろいろLewis Nashさんのドラムの素敵なシーンはライブで体感したけれど、「一番必要としているリズム(音・技術)を提供」を感じたシーンは、先に紹介した♪Waltz Newの時だった!この曲は♪Someday My Prince Will Come のコード進行でジム・ホールがアドリブ的にメロディーをつけた曲なのだそうだが、この演奏の途中にギターの井上智さんが、アドリブで♪Someday My Prince Will Comeを挿入するシーンがあった。「この時!」Lewis Nashさんのドラムは、ハイファットを♪トンテンカン♪トンテンカンと叩くリズムを刻んでいた!

「突然何をいっているか?」と思う方には、もう少し詳細を伝えたいのだけれど・・・・。実は11月21日の横浜モーションブルーで「JIMMY COBB QUARTET 」で「マイルス・デイビス・トリビュートの曲を聞いたばかりだった私には、Miles Davis『Someday My Prince Will Come』のアルバムに参加したジミー・コブが 横浜モーションブルーで♪Someday My Prince Will Comeを再現した、演奏を、ドラムを、聞いた記憶が新しいわけで、この曲の一番の印象深い音は、ハイファットを♪トンテンカン♪トンテンカンと叩くリズムだったわけなのだ!
http://p.tl/7LEJ (JIMMY COBB QUARTET -2011.11.21.の画像)
◆とにかくJAZZライブは楽しい!!
・・・・これに尽きる!
akemin
追記・・・・・・
Waltz New - Jim Hall with Satoshi Inoue from a Jazz Guitar Master Class.
Dave Brubeck - Koto Song - 1966
Miles Davis: Someday My Prince Will Come
2011年12月04日
BIG APPLE in Nonoichi 2011
BIG APPLE in Nonoichi 2011
JAZZ がつなぐ人と音のWA 〜NONOICHI SWING〜
Women in Jazz 野々市
毎年、11月に開催される石川県野々市市のJAZZワークショップに
今年は一人ピアニストの友人も誘って我ら夫婦と3人で横浜から見学参加した。
また、この2011年11月11日は、 野々市町が単独で市制移行し、野々市市と成った記念すべき年度。まずは、こころから「祝・野々市市!」をお伝えしたい!
さて、BIG APPLE in Nonoichiは1995年に第1回開催し今年で17回目を迎えるJAZZイヴェントだが、内容は本格的なJAZZを2日間、見て、聞いて、参加して、共感しあえる中身の濃い催しなのだ。
もちろんこのイヴェントに招かれるJAZZミュージシャンは、JAZZのアルバムを幾つも聞いている方なら、「こんなすごいミュージシャンが17年間毎年、野々市に来ていたのか!」と驚くほどの、世界のトップクラスの方々で、さらにその(憧れの)ミュージシャンの演奏はもちろん、色々な場面での素顔や、人となりまでが2日間のゆったりした時間の中で知り得ることができる。そしてこんな贅沢なイヴェントの参加費はランチ代より安い!ちょっとあり得ない!

◆BIG APPLE in Nonoichiの参加レポは、今回は特に感心したスタッフやこの催しに参加した野々市の市民の方々について書いてみようと思う!

私たちはいわゆるJAZZ愛好のただのリスナーなので、ワークショップには見学参加ということで入場無料なのだ。けれど受付で「今年も参加ありがとうございます!」などと声を掛けていただき、入場するときから、なんだか暖かな気持ちになってきた!そしてビジターではなく、会場入りしたその瞬間から、メンバー気分になってしまった!
◆SWING man
野々市市の誕生を祝ってギタリスト井上智さんが作曲した「NONOICHI SWING」を27日のコンサートでお披露目するということで、野々市市 粟市長さんが指揮をする・・・らしい。それで、前日の会場で時々姿をお見かけしたところをパチリと撮影!右手に注目!


会場となった野々市文化会館フォルテは、この2日間はどの部屋でもJAZZの生音が流れていて、粟市長さんはどのシーンでもSWINGしつつ、翌日の本番に向かっていたようでした・・・!
これが大ホールでの本番です!カッコイイです!


◆Workshop&Clinicや大ホールのコンサートMC

(マイクをもった一番右側の方です!)
私はちなみに毎年この方の「軽やかでしゃれている」MCを聞くのが楽しみの一つになっている!長くなく短くもなく、適度に上げ下げがあって、実に愉快なのである!
◆クリニックの通訳のボキャブラリーには最大級の賞賛!
私は全く英語はわかりませんが、BIG APPLE in Nonoichiのワークショップでは、いたるところに英語の堪能なスタッフの方々がいて、ただただスゴイと感心してしまう!
特に毎年、ワークショップでの通訳に参加されているジャズシンガーの津荷裕子さんの通訳には、舌を巻くほど!講師(ミュージシャン)が話す貴重なコメントの体温を1度も下げずに、私たちの言語に翻訳する。スピードと語彙の豊富さに、このたびのリズムセクション クリニック講師:リニー・ロスネス、ピーター・ワシントン、ルイス・ナッシュでの津荷裕子さんの仕事ぶりに感動してしまった!
ちなみに、このワークショップで印象深いコメントの翻訳は!

リニー・ロスネスさん 「グルーヴ(groove)というイメージは、ずぅ〜と水平にどこまでも続いて(拡がって)いく感じで、四角ではなく丸(まぁるい)いイメージなんです。」
「何よりも、今、この場所でこのメンバーと演奏できるという私自身は恵まれていると感謝しています。だから演奏に対して寛容な心と、演奏することへの責任を果たそうと臨みます。」

ルイス・ナッシュさん
「初めの音を出す瞬間に、今、一番必要としているリズム(音・技術)を提供できる状態を常に用意している。」

ピーター・ワシントンさん
「ステージにあがったら自分がどんな状況の渦中にあっても、今、この瞬間の演奏の中で、競演者の音に集中している。たとえ目の前に別れた女房がいたとしても、元カノがいたとしても・・・・。」
◆「世界が身近に感じる」っと!
27日の大ホールでのコンサートは1階席にはほぼ700くらい収容できるそうだが、ほぼ満席と盛況だった。私たちは2階席の最前列正面の席取りの為に、開演前に早々と並んでいたところ、列で隣に居合わせた70代後半という、それでもその年齢には全く見えない若々しいご婦人に声を掛けられ、時間潰しができたのだが、そのご婦人が言うには「このコンサートに1996年の第2回から毎年参加してる」そうで、JAZZにはあまり馴染みがないけれど、ステージにあがる世界の演奏者の方を通して、世界を身近に感じているのだそうだ。町おこしイヴェントってこのような効用もあるんだなぁ〜と感心したしだい!
この度、初参加したイスラエル出身のクラリネット奏者アナット・コーエンさん&参加メンバーの演奏風景
◆アルバムもよかったら
JAZZ がつなぐ人と音のWA 〜NONOICHI SWING〜
Women in Jazz 野々市
毎年、11月に開催される石川県野々市市のJAZZワークショップに
今年は一人ピアニストの友人も誘って我ら夫婦と3人で横浜から見学参加した。
また、この2011年11月11日は、 野々市町が単独で市制移行し、野々市市と成った記念すべき年度。まずは、こころから「祝・野々市市!」をお伝えしたい!
さて、BIG APPLE in Nonoichiは1995年に第1回開催し今年で17回目を迎えるJAZZイヴェントだが、内容は本格的なJAZZを2日間、見て、聞いて、参加して、共感しあえる中身の濃い催しなのだ。
もちろんこのイヴェントに招かれるJAZZミュージシャンは、JAZZのアルバムを幾つも聞いている方なら、「こんなすごいミュージシャンが17年間毎年、野々市に来ていたのか!」と驚くほどの、世界のトップクラスの方々で、さらにその(憧れの)ミュージシャンの演奏はもちろん、色々な場面での素顔や、人となりまでが2日間のゆったりした時間の中で知り得ることができる。そしてこんな贅沢なイヴェントの参加費はランチ代より安い!ちょっとあり得ない!

◆BIG APPLE in Nonoichiの参加レポは、今回は特に感心したスタッフやこの催しに参加した野々市の市民の方々について書いてみようと思う!

私たちはいわゆるJAZZ愛好のただのリスナーなので、ワークショップには見学参加ということで入場無料なのだ。けれど受付で「今年も参加ありがとうございます!」などと声を掛けていただき、入場するときから、なんだか暖かな気持ちになってきた!そしてビジターではなく、会場入りしたその瞬間から、メンバー気分になってしまった!
◆SWING man
野々市市の誕生を祝ってギタリスト井上智さんが作曲した「NONOICHI SWING」を27日のコンサートでお披露目するということで、野々市市 粟市長さんが指揮をする・・・らしい。それで、前日の会場で時々姿をお見かけしたところをパチリと撮影!右手に注目!


会場となった野々市文化会館フォルテは、この2日間はどの部屋でもJAZZの生音が流れていて、粟市長さんはどのシーンでもSWINGしつつ、翌日の本番に向かっていたようでした・・・!
これが大ホールでの本番です!カッコイイです!


◆Workshop&Clinicや大ホールのコンサートMC

(マイクをもった一番右側の方です!)
私はちなみに毎年この方の「軽やかでしゃれている」MCを聞くのが楽しみの一つになっている!長くなく短くもなく、適度に上げ下げがあって、実に愉快なのである!
◆クリニックの通訳のボキャブラリーには最大級の賞賛!
私は全く英語はわかりませんが、BIG APPLE in Nonoichiのワークショップでは、いたるところに英語の堪能なスタッフの方々がいて、ただただスゴイと感心してしまう!
特に毎年、ワークショップでの通訳に参加されているジャズシンガーの津荷裕子さんの通訳には、舌を巻くほど!講師(ミュージシャン)が話す貴重なコメントの体温を1度も下げずに、私たちの言語に翻訳する。スピードと語彙の豊富さに、このたびのリズムセクション クリニック講師:リニー・ロスネス、ピーター・ワシントン、ルイス・ナッシュでの津荷裕子さんの仕事ぶりに感動してしまった!
ちなみに、このワークショップで印象深いコメントの翻訳は!

リニー・ロスネスさん 「グルーヴ(groove)というイメージは、ずぅ〜と水平にどこまでも続いて(拡がって)いく感じで、四角ではなく丸(まぁるい)いイメージなんです。」
「何よりも、今、この場所でこのメンバーと演奏できるという私自身は恵まれていると感謝しています。だから演奏に対して寛容な心と、演奏することへの責任を果たそうと臨みます。」

ルイス・ナッシュさん
「初めの音を出す瞬間に、今、一番必要としているリズム(音・技術)を提供できる状態を常に用意している。」

ピーター・ワシントンさん
「ステージにあがったら自分がどんな状況の渦中にあっても、今、この瞬間の演奏の中で、競演者の音に集中している。たとえ目の前に別れた女房がいたとしても、元カノがいたとしても・・・・。」
◆「世界が身近に感じる」っと!
27日の大ホールでのコンサートは1階席にはほぼ700くらい収容できるそうだが、ほぼ満席と盛況だった。私たちは2階席の最前列正面の席取りの為に、開演前に早々と並んでいたところ、列で隣に居合わせた70代後半という、それでもその年齢には全く見えない若々しいご婦人に声を掛けられ、時間潰しができたのだが、そのご婦人が言うには「このコンサートに1996年の第2回から毎年参加してる」そうで、JAZZにはあまり馴染みがないけれど、ステージにあがる世界の演奏者の方を通して、世界を身近に感じているのだそうだ。町おこしイヴェントってこのような効用もあるんだなぁ〜と感心したしだい!
この度、初参加したイスラエル出身のクラリネット奏者アナット・コーエンさん&参加メンバーの演奏風景
◆アルバムもよかったら