ライブ

2013年09月13日

ケンドリック・スコット・オラクル in Cotton Club

KENDRICK SCOTT ORACLE
in Cotton Club 2013.9.11.

KENDRICK SCOTT ORACLE


MEMBER
Kendrick Scott/ケンドリック・スコット (ds)
John Ellis/ジョン・エリス(ts,bcl)
Mike Moreno/マイク・モレノ (g)
Taylor Eigsti/テイラー・アイグスティ (p)
Joe Sanders/ジョー・サンダース (b)
私たち五十路のリスナーにとっても、ケンドリック・スコットの音は、新しい感覚の刺激とともに、私たち自身の音を聴く履歴で貯めてきた記憶を呼び覚ましてくれる、どこか同じ世界を共有させてくれるような、引き出しの豊さや、音の多様性を感じた!

またオラクルのメンバーそれぞれが自立して紡ぎだす音の世界を確実に持っていて、それぞれがナチュラルな佇まいで、進行する音に取立てて自己主張などぜずに、それぞれが自発的に自分の提供できる場面を見付け、自分の音を提供している・・・といった風なメンバー同士の自由でクリエイティブな関係が、ステージからなにかしら伝わってきた。

私たち世代によくある「全体がひとつになって」とか「補いあって」的な関係ではなく、もっと鷹揚な関係で繋がっているオラクルのメンバーの関係がとても羨ましく思えました!

Kendrick Scott/ケンドリック・スコット (ds)
Kendrick Scott



John Ellis/ジョン・エリス(ts,bcl)
John EllisJohn Ellis


Mike Moreno/マイク・モレノ (g)
Mike Moreno&Joe SandersMike Moreno&Joe Sanders


Joe Sanders/ジョー・サンダース (b)
Joe Sanders


ケンドリック・スコットKendrick Scott 『Conviction』【インタビュー】 抜粋
Conviction


◆僕が音楽でいちばん大事にしているのは空間。それこそ、こういった空間をバンドのメンバーと一緒に生み出していきたいんだ。勿論、技術的に優れたドラムを叩くっていうのは素晴らしいことなんだけど、別にそれが無くてもいいときがあるんだよ。実際、アルバムの最後に入っている「メモリー・オブ・エンシャントメント」では、僕はドラムを叩いてないからね。そういう“スペース”を作ることによって逆に発見もある。自分自身のことだったり、他の人たちと自分との関係性だったり。空間では色々なことを考えて学ぶことができるんだ。僕がオラクルを通してやっていきたいのは、まさにそういうことなんだよね。

◆「ジャズはもう死んだ」なんて言葉をよく耳にすることがあるんだけど、本当に腹が立つよね。それをジャズと呼ぶのか呼ばないのかって色々議論はあると思うんだけど、正直そんなことはどうでもよくて。ジャンル分けの言葉って、物事を理解する謎解きのために存在するわけであって、結局そこにあるのは人と音だけだからね。むしろ20年、30年後に振り返ったとき、今って音楽的に最も生産的な時代だったって言われるような気がするんだ。本当にたくさんの音楽が、ガチガチにカテゴライズされることなく日々作られている。

◆本来僕はかなり内向的な性格で、あまり積極的に外に出たりするタイプの人間じゃないんだけど、それでもニューヨークにはあちこちにインスピレーションの源になるものが落ちているから、暇があればMET STORE(メトロポリタン美術館内にあるミュージアム・ショップ)やMOMA(ニューヨーク近代美術館)に行ったりって。一歩外に踏み出した瞬間からそれこそ何か特別な感覚を味わえるんだ。自分にとって最高の場所だよ。

◆10年前にニューヨークに来た頃ってかなり仕事で忙しかったんだ。それはすごく恵まれていることなんだけど。で、その当時は「コミュニティに属する」っていう感覚があまりなかったんだよね。でも、今は色々な人と関わり合いを持つようになって、様々な感覚を共有できるようになった。つまりコミュニティに属するようになったんだよね。(・・略・・)例えば、15人のドラマーが同じ部屋にいても、そこで蹴落としあったり、憎しみあったりしてもいいものは生まれないわけで。クリエイティヴにやりたい場合っていうのは、やっぱり切磋琢磨する気持ちみたいなものを大事にするんじゃないかなって。パリのモンパルナスにいたピカソやマティスだってそうだったはずだよ。そこに初めて、アーティストとして、人としての成長があると思うんだ。

◆そもそも「Conviction=信念(コンヴィクション)」という言葉自体、僕にとってはささやかなる希望でもあって。それこそ日常生活の中でごく当たり前のこと、ありがたみを感じないような作業や仕事っていっぱいあるよね? でも実はそこに道があるというか、みんなそれぞれにチャンスが与えられている。こういうインタビューにしたってそう。インタビューをやってもらえているんだっていう感謝の気持ちを持った上で、それに対してどれだけ自分は精一杯のことができるかっていうね。だから、どれひとつとっても当たり前の物事なんかないんだよ。それは言わば贈り物、ささやかなる希望なんだってことを、アルバムを通して理解してもらえたらいいね。

上記:nterviewed by KUNI / Presented by:ユニバーサル ミュージックより転記掲載させていただきました。
http://www.hmv.co.jp/news/article/1304080046/



miruko1 at 17:31|PermalinkComments(0)

2013年09月04日

ENRICO PIERANUNZI TRIO エンリコ・ピエラヌンツィ・トリオ

エンリコ・ピエラヌンツィ・トリオ
イタリアから、欧州最高峰のジャズ・ピアニストが待望の初登場!
Cotton Club 2013. 9.2.mon [2nd.show]
Enrico Pieranunzi (p), Larry Grenadier (b), Jeff Ballard (ds)


◆Enrico Pieranunzi (エンリコ・ ピエラヌンツィ)さんは、
映画『ニュー・シネマ・パラダイス』のあの情感溢れるsoundtrackでピアノを弾いたピアニストです!!
昨晩のコットンクラブのエンリコ・ピエラヌンツィ・トリオのピアニストのエンリコ ピエラヌンツィも繊細で深い音色のピアノでした。そしてこのトリオはインテリジェンス溢れるサウンドでした。


Enrico PieranunziEnrico Pieranunzi












またベースのラリー・グレナディアさんとドラムの ジェフ・バラードさんの演奏が、私が聞きなれたJAZZとは違ったテイストで、とても好きになりました!大人のハイセンスな、それはそれはオシャレな音でした!そしてこのお二人のOfficial Siteをのぞいて見ると、どんな風にオシャレなセンスか少し伝わると思います!お二人の音楽と通じるセンス溢れるOfficial Siteです!
●ベースのラリー・グレナディア
http://larrygrenadier.com/
●ドラムの ジェフ・バラード
http://www.jeffballard.com/


Enrico Pieranunzi


◆Larry Grenadier (b)ラリー・グレナディアさんは、
見た目のオシャレもかなりこだわる方とお見受けしましたが、機材へのこだわりは並大抵ではないのだなと思いました!

通常ではベースにピックアップ・マイクを設置して演奏するのを観ていますが、
昨晩のコットンクラブでの演奏の時のラリー・グレナディアさんの場合は、ベース f 字孔あたりの表板面にピッタリと水平に固定したマイクを装着していました。マイクを水平に固定するための、マイクスタンドのような機材や、それらの機材をベースに装着するための万力のような、クリップやら、私は楽器のことはまるでわからないのですが、今までのライブ観戦で、初めて観たベースのマイク設置だったので、興味深かったのです。

今日、あのマイクについて調べたら・・・たぶんあれは「真空管マイク」というモノらしいです。

想像ですが、ラリーグレナディアさんは、かなりの機材設置にこだわりのある方なんでしょうね・・・。ピックアップ設置ではなく、真空管マイクにこだわる・・・ということはたぶん、生音(アナログ的)に近い音を体現することにこだわっていらっしゃるのだろうと思いました。昨晩、耳にしたベースの音は、音量的にもほどほどで、客席から耳を傾けて聴き耳をたてて聴きとるような、
クリアーというよりは、ボクボクした音のような、
なんとも人間臭いベースのように感じました。
私はとても好きなベースでした!


Larry Grenadier




◆Jeff Ballard (ds)ジェフ・バラード
ドラムを聴いて、リズムとかグルーブ感とかスリルとか、様々なドラマーから楽しさを体感させてもらっていますが、今回のジェフ・バラードさんのドラミングで一番に体感したことは、音色です!
ドラムのステック、ブラシのさばきによって様々な音色が生まれること。そしてジェフ・バラードさんのスティックやブラシの使い方も、ことに左手の動きを興味深く見せていただきました。

ステックって先の細いネギの頭みたいなところだけを使うのではないんですね!ジェフさんのお陰で、ステックの頭から途中&手元の部分まで何箇所も名前も付いていることを知りましたし、それぞれの部分をつかって、色んな音色を音を生みだすことができるってことを眼と耳で体感しました!
それから、写真を撮ったのに肝心なところが上手く写っていなかったけれど、マレットの先の丸い部分が、まるで綿の花のようなふわふわな感じのマレットを使っていました。あの綿帽子のようなマレットも初めて見ました!そのマレットを使った音は、想像通り、極上のやさしい音色でした!


Jeff Ballard (ds)




◆Larry Grenadier (b), Jeff Ballard (ds)参加の動画紹介


このBrad Mehldau & Peter Bernstein のLive動画のリズム隊の二人が今回初めて聴いたベースのラリーグレナディアとドラムのジェフ・バラードです!
私はブラット・メルドーさんは聞いたことがないのですが、我が家の愛聴版CDにピーター・バーンスタインさんは結構あって、好みのギタリストだし、ぜひぜひ次回このメンバーでの来日ライブがあったら聞きに行きたいの思っています!!


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◆伸ちゃんのライブレポも掲載します!!
ウチの奥さんがPM9:00からのライヴを観るために、
PM6:00から順番待ちしてくれて最前列をゲット!!
最高の良い席でした。

演奏は、やはりイタリアのピアニストということで、
僕の先入観かもしれないが、アメリカの
ピアニストとは、なんとなく違うような気がした。
とても繊細な演奏で聞き手の僕にも、
かなりの集中力が必要であった。
なので、ライヴ後は疲れた。

アート・ブレイキー&ジャズメッセンジャーズ系の
ライヴを「イェーィ!!」と言いながら、飲んだり食べたり
手拍子したりしながら聴くのは当たり前の光景だとおもうが、
エンリコ・ピエラヌンツィのライヴは、そうは出来そうもない。
かなり緊張感のあるライヴであった。
そして僕はこういうテイストのジャズも大好物である。

ベーシスト、ドラマー共に凄いテクニシャンで仰天した。
(なんたって最前列ですから、息まできこえちゃう)
この二人、
FLYという超テクニカルトリオでも活動しているそうだ。

一晩明けて、昨日の演奏の凄さが、より鮮明になってきた。
昨日は、かなり聴くことに集中していたようで
今日は旅行から帰ってきた翌日の疲れにも似た
心地良い疲労感を感じている。

次の来日はいつかな?
早くも次の来日を楽しみにしている僕であります。
Enrico Pieranunzi

miruko1 at 17:44|PermalinkComments(0)

2012年10月20日

Same Tree Different Fruit-ABBA October 14 - Oita: Brick-Block

2012年10月14日に観戦したライブはSame Tree Different Fruit-ABBA
スウェーデンのアンデッシュ・ヴィーク(ピアノ)、スヴァンテ・ヘンリソン(ベース)と
スティーヴ・ガッド(ドラム)のトリオ。

1


来日初日が大分市のライブハウスBrick-Block
会場の広さや雰囲気は東京TUCと同じくらいの小ぶりのライブハウス。会場の作りは中二階があってSTB 139のような作りのライブハウスだった。

ライブハウスBrick-Blockでのライブは前売りの段階でsold-outになったので、
全席自由だからすこしでも良い席をゲットとばかり開演40分前に到着すると、すでに入場待ちの人が5〜60人は並んでいた。

私たちは、中二階の右側に席を取った。ここが予想以上に良い席で、ピアノの指先もすっかり見えるし、ベースの足元まで見えて、なによりスティーブ・ガッドのほぼ全身を真上からすっかり見られる!
さらに1階席の観客の様子も見渡せる!
もしろん音も正面上側で筒抜けに良く聞こえる!
最高に楽しめるラッキーな席だった!

212224


今回のSame Tree Different Fruit-ABBAとは
abba2

日本でも70年代に一世風靡したポップスのABBAだが、
ABBA結成40周年を記念しABBAのヒット曲をジャズでカバーするというもの。製作されたアルバムはスウェーデン人のアンデッシュ・ヴィーク(ピアノ)、スヴァンテ・ヘンリソン(ベース)に、おなじみのスティーヴ・ガッド(ドラム)のトリオに、ゲストとしてデヴィッド・サンボーン(アルト・サックス)とロベン・フォード(ギター)が加わっている。今回の日本ツアーはピアノ・トリオとして10月14日から17日と中休み無で大分-大阪−名古屋-東京と演奏して、現在は韓国へ移動している。

今回の演奏曲はすべてABBAソングということもあって、JAZZファンでなくても、ABBAの曲に馴染みのある人も多く集まったように思う。それが証拠に、曲のイントロを聞いただけで、何の曲か分かるし、会場は曲にノリ、身体をゆすってリズムをとっている人が多くいた。その一人が私!

ABBAといったら1976年「ダンシング・クイーン」全世界的ヒットした頃

私は17歳だった。ちなみにこの1976年ってどんな年だったか検索してみると・・・・
1月1日 - ヤマザキナビスコが「チップスター」を発売。
2月2日 - 黒柳徹子司会のトーク番組「徹子の部屋」(テレビ朝日系)放送開始。
2月6日 - アメリカで、ロッキード事件が発覚する。
3月1日 - 東京・後楽園球場に日本初の人工芝が登場。
5月6日 - 人気歌手、克美しげるが愛人を殺害した罪で逮捕される。
5月8日 - 植村直己が北極圏の単独犬ぞり走破に成功。
5月21日 - 日清食品が「日清焼そばU.F.O.」発売。
6月26日 - アントニオ猪木対モハメド・アリの異種格闘技戦が日本武道館で行われる。
7月17日 - モントリオールオリンピック開催。ルーマニアのナディア・コマネチ
7月27日 - ロッキード事件で田中角栄前首相逮捕。
8月9日 - 日清食品が「どん兵衛」を発売。
11月12日 - 東急ハンズが1号店となる藤沢店(2006年12月31日閉店)をオープン。
もっと社会的に重要な事件や事柄も多くあったのだけど、17歳の私が記憶にある事柄をピックアップしてみたわけだ。

またABBAの代表曲を網羅したミュージカル『マンマ・ミーア! 』はロンドンでの初演以来世界各地でロングラン公演を続けているそうで、私も劇団四季の四季版『マンマ・ミーア!』はすでに鑑賞済み。またまだ観ていないけれど、メリル・ストリープ主演で2008年には映画化(2009年1月日本公開)されていたそうだ。

さて、ライブ本編はどうだったかというと、

音楽と会場が一体になり盛り上がるライブだった!その要因は、会場に集まった多くの人の耳馴染み、記憶にあるABBAソングだったこと。さらに世界的にヒットしたABBAの曲が、どれも時代を越えて残るほどのいい曲だったということだなぁと。

ライブではどの会場でも、グランドピアノの蓋(大屋根)を狭い角度で閉じ、その上にピアノカバーを掛けていたので、珍しいな・・・と思ったのだけど、ふとABBAのベニー・アンダーソン(ピアノ)が小ぶりのアップライト・ピアノを弾いている演奏動画をみて、なるほどグランドピアノをできるだけアップライト・ピアノに近づける工夫だったのかと思った!
確かに、ABBAソング「Gimme! Gimme! Gimme! 」「VOULEZ-VOUS」のイントロのカリカリした硬質の音は、響かないアップライトピアノの音なんだな・・!

Svante Henryson / Anders Wihk / Steve Gadd /
abba1


スヴァンテ・ヘンリソン(ベース)は、
196cmの長身で、ピアノのアンデッシュ・ヴィークも長身、その二人に挟まれて、谷間のように小柄のスティーヴ・ガッド(ドラム)。三人並んだ写真をみて微笑ましい・・・というかどこか絵になりにくい3ショット。
しかし、アンデッシュ・ヴィーク(ピアノ)のMCによると「世界中を駆け回って演奏する、偉大なるドラマーのSteve Gaddと一緒に演奏できることは、とても光栄に感じている。とても嬉しく、楽しく、クリエーティブに触発される。そして最もうれしかったことは、Steve Gaddの優しく思いやりに溢れる人柄を身近に感じられたことです。」(・・・英語だったのでたぶんこのようなことを話したのだと思います)

そして、演奏中アンデッシュ・ヴィーク(ピアノ)もスヴァンテ・ヘンリソン(ベース)もガッド(ドラム)に対する敬意と、演奏することへの楽しさと嬉しさを全身に溢れさせていることが、会場にも大きく波及して、客席も喜びに溢れる空気を受けて、さらにサウンドに温かさや楽しさを感じていたように思う。

スティーヴ・ガッド(ドラム)は、共演者と客席の期待に応えるように、メリハリの効いたドラムワークはもの凄く熱く、迫力があり、目にも耳にも心にも直球で飛び込んでくる、カッコイイドラムだった!!

アンデッシュ・ヴィーク(ピアノ)は、
画像でみるより生でみるほうが数段ナイスガイで、007シリーズにでも登場してくるような映画俳優のようだった!日本語も時々入れてのMCは、実に軽妙で、面白く、上手だった!
本編のピアノは、アンデッシュ・ヴィーク(ピアノ)さんのオリジナル曲を演奏していないので、どんな個性のピアニストかは本当のところよく分からなかったのだけれど、なんといってもこのツアーはABBAソングだけを演奏するわけで、客席の誰もがABBAを体感しながら、新しいABBAソングを楽しむために一番肝心なのがメロディーで、それを担当するのがこのトリオではピアノ。つまり今回の演奏の屋台骨を支えるのがアンデッシュ・ヴィーク(ピアノ)さんだったのだと改めて感じ、多くの観客が狙い通りABBAソングを楽しめたことへの賞賛として、私はピアノに拍手を贈りたいと思う!!

anders


スヴァンテ・ヘンリソン(ベース)は、
クラシックではオスロ・フィルハーモニー管弦楽団の首席コントラバス奏者で、ヘヴィ・メタルのベースもやるし、ジャズもやる幅広い活動をしているそうだ!今回のツアーでは、ジャズではなかなか登場しないチェロを演奏し、弦楽器の美しい音色を会場に響かせた。

henrysson



スティーヴ・ガッド(ドラム)のことを
魚屋のおじさんみたいといったら、彼に敬意を払うファンに怒られそうそうだけど、ホテルからライブ会場に到着した時の姿は、何でもない生成りのジャンバーを引っ掛けて、ペタペタと歩く小柄のスティーヴ・ガッドにゴム長靴でも履かせて、タオルでハチマキでもしていたら、完全に市場にいる魚屋のおじさん風。しかしこの人がステージに上がり、ドラムを叩きはじめると、強さと柔らかさを併せ持つしなやかな左右の腕と、メリハリを生みだすリズムの塊の全身の動きは、超人というか、獲物を仕留める時のベンガルトラのようにさえ見えた!

gadd2


このライブを終えて数日・・・ウチの伸ちゃんと何度同じ言葉を連発したことか・・・・。
「やっぱ、ガッドはスゲー!!」

2019





miruko1 at 17:21|PermalinkComments(0)

2012年08月02日

グラント・スチュワートQuartet ライブレポ/TOKYO TUC 2012.7.29.sun

Grant Stewart Quartet
TOKYO TUC 2012.7.29.sun
グラント・ スチュワート (Grant Stewart /ts)
デビッド・ヘイゼルタイン (David Hazeltine /pf)
デズロン・ダグラス (Dezron Douglas /b)
フィル・スチュワート (Philip Stewart /ds)

今回観戦したGrant Stewart Quartetは、 「たぶんあなたの好みのど真ん中だと思うよ!」とウチの伸ちゃんの誘いでライブに行くことになった。
Grant Stewart Quartet




◆今回のカルテットのピアニスト、デビッド・ヘイゼルタインだけはベーシストのジョージ・ムラーツ繋がりで幾つかのアルバムを聞いていて耳に馴染みがあったので、ここらへんを寄りどころに聞き耳をたてようと出掛けていった。
David Hazeltine



◆ライブ会場は東京TUCで2set観戦で、開演時間より一息つける程度の余裕を持って到着した時に、開口一番東京TUCのしんちゃん(マスター)が「今日は凄い迫力ですよ!」と気合の入った言葉に迎えられた!

東京TUCは、行く度に客席の配置が少しずつ変えられていて、今回のGrant Stewart Quartet用に設えた客席は、ペア客や数人の連れ合いがゆったりと並んで座れるように設えてあるように感じられた。私たちは音響ミキサー卓の隣に作られた少し床上げされた3人掛けの最後尾席を確保した。だから今回は全体を遠目で眺めながら音を楽しもうと思った。

◆演奏された曲の幾つかは ジャズシーンをリードしたテナーの巨人の曲より

Amsterdam after dark 
アムステルダム・アフター・ダーク by George Coleman

St.Thomas セント・トーマス by Sonny Rollins

Cheese Cake チーズ・ケイク  by Dexter Gordon

銀幕を彩ったスタンダードから
トニー・ベネットが主演で歌った1966年の『The OSCAR』より
Maybe September メイビー・セプテンバー

1965年のアメリカ映画 『The Sandpiper いそしぎ』 より
Shadow of Your Smile シャドー・オブ・ユア・スマイル

ピアニスト デビッド・ヘイゼルタインのソロ演奏からピアノトリオへ展開した
1939年のミュージカル映画『オズの魔法使』より 
Over The Rainbow

そしてアンコールで演奏した華やかでパワー溢れる演奏は会場を沸き立たせた
Just One of Those Things

などなど・・・大人テイストの選曲も嗜好を凝らせた内容で、いろいろな好みを満足させる内容だったように思う!


◆伸ちゃんの予想的中!私のストライクゾーンの、ど真ん中のテナーだった!
グラント・スチュワートのテナーは、鉄球がゴロンと転がるような重量感のあるテナーで、とても大人テイストな寄り道なくまっすぐ突き進む男性的なテナーだった。

全体的には、グラント・スチュワート・カルテットの演奏は、重量感のある大人テイストのサウンドで、真っすぐで息の長い深い音色で歌い進めるテナーのグラント・スチュワートと、それをサポートする高音で響くスネアで軽快に刻む弟フィル・スチュワートのドラムワーク。

Grant Stewart
Philip Stewart



ピアノのデビッド・ヘイゼルタインとベースのデズロン・ダグラスは、リズムセクションとしてタッグを組んで、お互いの音運びを連携させながら、サウンドに硬質で力強さを印象付けていたし、ヘイゼルタインが時折、アクセントで入れたピアノの高音域がキラリと際立せて心憎いプレイだった。


Dezron Douglas
David Hazeltine



◆グラント・スチュワートがinspireされたジャイアンは誰だろう?!
初めて聞いた曲だったが♪Amsterdam after dark 私はこの曲が好きだった!帰ってからyoutubeでGeorge Colemanの動画を見つけて聞いてみたが、実直で真っすぐな印象を受けるテナー奏者ジョージ・コールマンのテナーが好きになった!動画で見たジョージ・コールマンの演奏スタイルは、グラント・スチュワートの直立不動で泰然自若にテナーを吹くスタイルと同じなんだなぁと思った。

♪Strong Manはアビー・リンカーンのアルバム『ザッツ・ヒム!』でロリンズのテナーで始る♪Strong Manを聞き覚えているので、グラント・スチュワートがアドリブで引用した時にすぐに、「おっこれはロリンズだ!」と思った!

なんの曲だか忘れてしまったけれど、グラント・スチュワートがコミカルに♪J.フチーク の「剣士の入場」を引用したのを思いだして、youtube で検索していてデクスター・ゴードンの
♪Second Balcony Jumpを見つけた。なるほど・・・デクスターもinspireされていたんだなぁ・・・と思った!

09:54辺りからピアノソロにか変わってデクスターが♪J.フチーク の「剣士の入場」を吹きながら入ってくる
Dexter Gordon - Second Balcony Jump

http://www.youtube.com/watch?v=q_iNOf0rLRA

◆日常がフィードバックして苦笑い!
ライブ観戦を一緒にしたT君が、帰り道に「実はドラムのブラシ操作を見ていると、ふと屋台の焼そばを焼いている姿が浮かんできて・・・ニヤッとしちゃうんですよ!」と・・・。「えっ・・・シリアスな曲でも、焼そばがでてきちゃうの?」と私がつっこむと「はい!どんな曲でもです!」

そしてそのT君が、「サッスクスを聞いていていつも気になるのが、カパカパいう音なんですが、今回のグラント・スチュワートさんの演奏では、まったく聞こえなかったですね。」と感心していた。

そういえば私も思い当たることがあって・・・。T君が指摘したカパカパという音につて、サックスのトーンホール(サックスの穴)を押さえる時、時々聞こえるカパカパする操作音だけれど、実は私も最前列かぶりつきでライブ観戦する時に、演奏の音とは別にサックスのカパカパが聞こえると、台所で日常使うタッパーの蓋を開ける時の触感まで浮かんでしまうことがあるわけで、なかなか人間、非日常の世界にいても、トンだ日常が呼び戻されたりして苦笑いすることがあるもんだ・・・!

akemin


miruko1 at 23:24|PermalinkComments(1)

2012年07月14日

テッド・ローゼンタール・トリオin motionblue yokohhama

今回のTed Rosenthal Trioは、私たちJAZZ好き夫婦数ヶ月振りのライブ観戦で、
心踊り、癒され、音は心の滋養だと改めて感じた。

開幕一番は、ミュージカルナンバー♪West Side Story から煌びやかでウキウキ感を高揚させる一曲からはじまり、
Ted Rosenthal Trioの来日メンバーで作ったアルバム♪IMPROMPTU と ♪Out Of This Worldより幾つかの曲を織り込みながらのステージだった。

TED ROSENTHAL TRIO 
Ted Rosenthal(p)、植田典子(b)、Quincy Davis(ds)
Motion Blue  July 12, 2012


TED ROSENTHAL TRIO



Noriko Ueda (bass)さんについて
Noriko Ueda (bass)







私はJAZZの好み中でも特にベースが好きで、今回初めて聞く植田典子(ベース)さんの第1音を弾いた時から、ピーンと感じるものがあって、一目ぼれしてしまった!男性女性に関わらず、あのベースの振動から伝わる音は、太く重たく、進行するサウンドに、陰影を焼き付け奥行きを与えてくれるベースだった!
とてもに好きなベースだった!



Quincy Davis (drums) さんについて
Quincy Davis (drums)







クインシー・ディビスさんのドラムは、これがまたありそうでなかなか出会えない音を感じさせてくれたドラマーだった!明るく躍動感あるドラムで、特に好印象を持ったのは、爽快感を体感させてくれたシンバルワークが、心から楽しめた。なかなか上手く文字では表わせないけれど、清涼飲料の栓抜きの時のシュパッとかソーダの泡が立つシュワッだとか・・・・万人が爽やかに感じるあの爽快感を体感させてくれるテイストのドラマーだった!

人間だれにでも人生で折々の重さを感じる時々があるものだが、ことにこのところ日本の梅雨の心沈む出来事が続く中、ほんとうにクインシー・ディビスさんのドラムから心が晴れ晴れと軽くなる爽快感を贈ってもらいありがたかった!


Ted Rosenthal (piano)さんについて
Ted Rosenthal (piano)








テッド・ローゼンタールさんの出演したライブは私たち夫婦は今回が3度目になる。
ヘレン・メリルの歌伴で弾いたピアノと2008年来日ライブScott Hamilton, Warren Vacheで参加した時だっが、今回はテッドさんのリーダーライブだったので、じっくり音を聞き、できればピアノを弾く指先を見てみたいと思った。
motionblueは6割方の客入りだったが、私たちはテッドさんの右肩より2席後ろの席をゲットし、リアルに見るテッドさんの右手の指と漆黒の鍵盤の蓋に映る両指先を見つめながら、音に聞き耳を立てていた。テッドさんのピアノを弾く時の指使いは、指を丸めて、指先を立てて弾き、左右に音が飛ぶ時にはスッと大きく広がり、またすっと丸く小さくなる。その指というか手の感じがなんだかものすごく優雅で柔らかそうで、軽そうで・・・・。JAZZピアニストの演奏する時の指を幾つかは見て覚えているけれど、テッドさんの指使い(指を丸めて、指を立てて弾く)は、私の記憶では余り見る事がなかった感じだった思う!とにかく柔らかな、優雅な、美しい指の動きからうまれる音は、やはり優雅でまろやかで美しかった!


テッド・ローゼンタール・トリオの演奏した曲は
IMPROMPTUOut of This World



演奏された曲はアルバム♪IMPROMPTUからは

プレリュード第2番(ガーシュイン)
june(チャイコフスキー)
Theme from Tchaikovsky's Symphony No. 5


などで、ガーシュインやチャイコフスキーのほかにショパンやシューベルトやモーツァルトをサンバやbebopに変えちゃうという遊び心を刺激される演奏で、なかなか興味深く楽しめた!

JAZZは、ミュージカルナンバーだった曲がスタンダードJAZZの定番として良く演奏されるけれど、これから先はテッド・ローゼンタール・トリオの試みたようなクラシックの曲をライブハウスで寛ぎながら聞く機会が益々増えると面白いなぁ・・・と思った!

また、この度のトリオのメンバーで録音したアルバム♪Out Of This Worldから
American Song Bookより
Out of This World
Have You Met Miss Jones?
Cry Me a River
Old Devil Moon
Lotus Blossom  
等を演奏・・・・・なかでもことに印象深く美しかったのは
Billy Strayhorn  ♪ Lotus Blossom だった!

ビリー・ストレートホーンは偉大なり
Ted Rosenthal Trioのこの度のライブで選曲され演奏された曲は、American Song BookとJazz meets Classic というコンセプトで演奏された曲で、どれも珠玉の演奏だったが、中でも私が一番印象深く素敵に思えた曲はBilly Strayhorn の♪ Lotus Blossomだった!

改めてBilly Strayhornの作曲した多くのJAZZナンバーはどれも素敵だ!
"Take the 'A' Train" "Chelsea Bridge" "Lush Life"をはじめ" Lotus Blossom"などなど、多彩で奥深い曲を生み出したBilly Strayhornという作曲家は偉大だと思った!

akemin記






miruko1 at 14:55|PermalinkComments(0)

2011年12月23日

大林 武司 piano/NIPPON SOUL-KAMOME 2011.12.21.

大林 武司 piano/NIPPON SOUL大林 武司 piano/NIPPON SOUL














NIPPON SOUL-KAMOME 2011.12.21.
境野 慎一郎 bass
大林 武司 piano
寺久保 エレナ saxophone
則武 諒郎 drums
KAMOME 2011.12.21.


3.11.の大震災後にウチの伸ちゃんと私が何かささやかにできることを行動したことは、現実を自分の目で見て感じたいと福島に行ったこと。



そして、福島で営業しているお店のライブ観戦をしようと選んだのが、福島市のJAZZスポットMINGUSでの寺久保エレナ・カルテット。そこで初めて聞いた大林武司さん(p)。 いいピアノだった!
http://twitpic.com/5yr6fh

大林 武司 piano大林 武司 piano













さて、2011年12月21日NIPPON SOUL-KAMOMEについは・・・・
私たちは、今年(特に11月に入ってから)凄い演奏を重ねて聞いたので、ただのリスナーの私の耳は、自分自身の等身大をおおきく越えてたいへん意地悪な耳になっていて、小さな感動の種をひろうことがとても難しくなっていた。けれどこのNIPPON SOULのライブ演奏中に、ふっと11月の野々市Big Appleのワークショップで指導していたリニー・ロスネスさん(piano) の明解な言葉「寛容」が、フィードバックして、ひとつひとつの演奏シーンで、リスナーの私にも大きく響く「何か」とは、音の中に広々としたマインドを感じた時だったということがすごくストンと腑に落ちた!

「寛容」とは
JAZZ演奏に関わらず、日常のなんでもないシーンにでも当てはめて感じられる、とても大切なテーマだと深くおもった。いい仕事を積み上げるには、個人の絶え間ない努力の賜物ではあるけれど、自分を活かすには、自分以外の人・物・環境全てのつながりの中で、ナチュラルに自分を貫き、さらに惜しみなく自分の今出せる力をどれだけ発揮できるか・・・だと。さらにこの発揮というところに「寛容」があるかないかは、大きな違いがあって、また寛容さをどれだけ体得しているかが、音・人・物に影響しているんだなぁ・・と。

「話し上手は聞き上手」なんてコミュニケーションの知恵もあるけれど、演奏シーンの中でも、リスナーにも響く演奏っていうのは、きっと個人の魅力や個性をアピールする力よりも、演奏者ひとりひとりがどれだけ共演者に対して、真摯に聞き耳をたてて、今、この瞬間に、何を提供すればいいかを選択し提供する仕事を見た&聞いた、瞬間を共有した・・・ってことなんだなぁ〜と。そんなことを思い出しながら聞いたNIPPON SOULのライブでのピアニスト大林 武司さんには、「寛容」があった!実にナチュラルに存在しつつ、ひとつひとの演奏曲の音の中に、ピアノで貢献していたことが、すごく素敵に感じました!

大林 武司 piano

大林 武司 piano

大林 武司 piano


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下記・・・↓大林武司さんwebsiteにてCD収録曲を聴くことができるのでぜひ!
http://takeshimusic.com/biography/?lng=jp











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2011年12月05日

リニー・ロスネスQuartet + Special Guest井上智in tokyoTUCのライブレポ

JAZZライブの最大の楽しみは、「一回性」という時間に居合わせた喜びだと思う!そして、演奏者と客席と、または客席のリスナー同士など、双方向に行きかうエネルギーの波を体感しあえた実感。そして演奏者にもリスナーにもある、それぞれが、今、ここに存在する動機というような、一人一人のパーソナリティを改めて知る・・・そんな時間を共有できたことへの喜びを味わえるのだと思う。
リニー・ロスネスQuartet


◆固定メンバー?!
JAZZにはあまり馴染みのない友人を誘って、このライブに参加したのだが、今回のライブの参加メンバーは「固定メンバー」ではないということがピンとこなかったようだ。
JAZZの世界では、他のジャンル(POPSやROCK等)のバンドのように固定メンバーのみの活動はあまりしない傾向にあるらしい。理由はわからないけれど・・・・。だから、ライブに行く時に誰のリーダーライブか?サポートは誰か?などがまたそのライブに足を運ぶ動機にもなるのだけれど。「固定メンバー」ではない、そのライブやツアーのために結成されたメンバーということが、JAZZに馴染みのない人には、あまりピンとこなかったようだ。けれど数年前の私自身もそうだったなぁ〜と・・・ライブ観戦初期の頃の私自身をも思い出したりもした。

だから・・・・JAZZライブは、「固定メンバー」でない事も含めて、そのライブでしか生まれない何かに出会える貴重な「一回性」の楽しみがあるのだと思う!


◆ライブで聞いた初めて知る曲
koto song

Koto Song -作曲/Dave Brubeck 和声音階を使ったデイヴ・ブルーベックの『Jazz Impressions of Japan』ザ・デイヴ・ブルーベック・カルテットに収録されている曲。野々市の大ホールでこのメンバーが演奏した時に、私は一番に魅了された曲だった。東京TUCでもこの曲が演奏された。1stステージで5曲目から登場したギターの井上智さんを加えてこの♪Koto Songが演奏された。JAZZで聴く日本の風景・・・のような曲で、ピアノ、ベース、クラリネット、ドラムそして井上智さんのギターのハーモニーが染み入る、日本文化独特の調和の「和」を改めて素敵だと感じられる演奏だった!ちなみに♪Koto Songを琴ソングと邦題がつけられていたのを検索して知ったのだけど、これは「琴(筝)曲」とした方がイメージが広がるなぁ・・・と私は思う。


◆二つのワルツ
このライブで演奏された二つのワルツは、
♪Jitterbug Waltz-作曲 /Thomas 'Fats' Waller   ♪Waltz New-作曲/Jim Hall
Anat Cohen

♪Jitterbug Waltzは、ジャズピアニスト・オルガン奏者・歌手・作曲家・作詞家のちょっと太っちょの表情をみているだけでも、こちらも笑いが浮かんでしまうような、コメディアン風の風貌のファッツ・ウォーラーの代表曲で、Jitterbug(ジターバッグ)とはダンスのステップのジルバ(1940年頃にアメリカ駐留軍のGIによって広められ、その軽快でリズミックな踊り)のことらしい。
Anat Cohenさんのクラリネットが軽快にそして優雅に、時、激しく、大らかに、伸びやかに緩急自在に演奏して、まるで目の前で一組の男女が両手を取り合いながら手を広げたり閉じたりしながらクルクル回転しているような姿が見えるようだった!

井上 智
♪Waltz New-作曲/Jim Hallは、ギターの井上智さんと、ピアノのRenee Rosnesさんがメインで演奏。このワルツを東京TUCで聞いた、たぶん多くの人はビル・エヴァンス&ジム・ホールの「undercurrent」を感じたのではと思う!優雅で透明感があって、内面に波打つ繊細なフィーリングがとても豊かな演奏だった!早速、家に帰ってから私は「undercurrent」の中で一番好きな♪Skating in Central Parkを聞きつつ、井上智さんとRenee Rosnesさんの♪Waltz Newを思い出していた!


◆何が飛び出すか?!「一節の挿入」
ライブでスタンダート曲の演奏を聴く大きな楽しみのひとつに、その時、その演奏の流れのどこかに、アドリブで挿入された別の曲の一節を、聞き拾うことができた時の喜びがある。これはJAZZ初心者の時には味わえなかった、少し大人になった私の嬉しさなのだけれど!

Renee Rosnes(p)Peter Washington(b)













東京TUCの2ndで2曲目に演奏された♪Mr.Gentle & Mr.Cool-作曲/Duke Ellingtonで、ピアノのRenee Rosnesさんが「ジェントルでモテモテでカッコイイ、ピーター・ワシントンのような曲・・・エリントンのMr.Gentle & Mr.Coolを演奏します。」などと曲演奏前にMCを入れたものだから、シャイなベーシストのピーター・ワシントンさんは大いに恐縮するひとコマがあり、この曲が演奏された。しかしReneeさんの紹介通り、ガツンとした男っぽいベースを効かせるカッコイイ演奏で「なるほど!ピーターは、Mr.Gentle & Mr.Coolだわぁ!」と感心しながらこの曲を聞きいていた・・・・と、曲の合間にReneeさんが挿入した一節が♪Love for Sale!いやぁ〜!一瞬だったけれど、洒落が効いていて!ちょっと尖がっていて!私はこの瞬間の挿入を聞き拾ったことで、Renee Rosnesさんをもの凄く好きになった!!美人で凄腕のピアニストだけれど、男性ファン以上に女性ファンが多いのだろうなぁとも思った!とにかくエレガントだけど何か鋭いチクリとする凶器も秘めた、Cool Ladyだと思った!


◆今、一番必要としているリズム(音・技術)を提供できる状態を常に用意
これは、野々市のThe Arts of the Rhythm SectionでドラムのLewis Nashさんが話した言葉だが、プロの仕事って、実にこの点に尽きるのだなぁ・・・と感心する。自身の見せ場のシーン、サポートに徹するシーン、場面を展開させるキーになる瞬間、素人の私にはそれ以上には、演奏場面が浮かばないけれど、とにかく進行する音を産みだす瞬間に、いつも必要としているものを提供できるプロの技(経験)はスゴイ!
Lewis Nash
いろいろLewis Nashさんのドラムの素敵なシーンはライブで体感したけれど、「一番必要としているリズム(音・技術)を提供」を感じたシーンは、先に紹介した♪Waltz Newの時だった!この曲は♪Someday My Prince Will Come のコード進行でジム・ホールがアドリブ的にメロディーをつけた曲なのだそうだが、この演奏の途中にギターの井上智さんが、アドリブで♪Someday My Prince Will Comeを挿入するシーンがあった。「この時!」Lewis Nashさんのドラムは、ハイファットを♪トンテンカン♪トンテンカンと叩くリズムを刻んでいた!
Miles Davis『Someday My Prince Will Come』
「突然何をいっているか?」と思う方には、もう少し詳細を伝えたいのだけれど・・・・。実は11月21日の横浜モーションブルーで「JIMMY COBB QUARTET 」で「マイルス・デイビス・トリビュートの曲を聞いたばかりだった私には、Miles Davis『Someday My Prince Will Come』のアルバムに参加したジミー・コブが 横浜モーションブルーで♪Someday My Prince Will Comeを再現した、演奏を、ドラムを、聞いた記憶が新しいわけで、この曲の一番の印象深い音は、ハイファットを♪トンテンカン♪トンテンカンと叩くリズムだったわけなのだ!
http://p.tl/7LEJ (JIMMY COBB QUARTET -2011.11.21.の画像)



◆とにかくJAZZライブは楽しい!!
・・・・これに尽きる!
akemin

追記・・・・・・

Waltz New - Jim Hall with Satoshi Inoue from a Jazz Guitar Master Class.

Dave Brubeck - Koto Song - 1966



Miles Davis: Someday My Prince Will Come



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2011年12月04日

BIG APPLE in Nonoichi 2011

BIG APPLE in Nonoichi 2011
JAZZ がつなぐ人と音のWA 〜NONOICHI SWING〜
Women in Jazz 野々市


毎年、11月に開催される石川県野々市市のJAZZワークショップに
今年は一人ピアニストの友人も誘って我ら夫婦と3人で横浜から見学参加した。
また、この2011年11月11日は、 野々市町が単独で市制移行し、野々市市と成った記念すべき年度。まずは、こころから・野々市市!」をお伝えしたい!

さて、BIG APPLE in Nonoichiは1995年に第1回開催し今年で17回目を迎えるJAZZイヴェントだが、内容は本格的なJAZZを2日間、見て、聞いて、参加して、共感しあえる中身の濃い催しなのだ。
もちろんこのイヴェントに招かれるJAZZミュージシャンは、JAZZのアルバムを幾つも聞いている方なら、「こんなすごいミュージシャンが17年間毎年、野々市に来ていたのか!」と驚くほどの、世界のトップクラスの方々で、さらにその(憧れの)ミュージシャンの演奏はもちろん、色々な場面での素顔や、人となりまでが2日間のゆったりした時間の中で知り得ることができる。そしてこんな贅沢なイヴェントの参加費はランチ代より安い!ちょっとあり得ない!
BIG APPLE in Nonoichi 2011


BIG APPLE in Nonoichiの参加レポは、今回は特に感心したスタッフやこの催しに参加した野々市の市民の方々について書いてみようと思う!
BIG APPLE in Nonoichi 2011
私たちはいわゆるJAZZ愛好のただのリスナーなので、ワークショップには見学参加ということで入場無料なのだ。けれど受付で「今年も参加ありがとうございます!」などと声を掛けていただき、入場するときから、なんだか暖かな気持ちになってきた!そしてビジターではなく、会場入りしたその瞬間から、メンバー気分になってしまった!






◆SWING man
野々市市の誕生を祝ってギタリスト井上智さんが作曲した「NONOICHI SWING」を27日のコンサートでお披露目するということで、野々市市 粟市長さんが指揮をする・・・らしい。それで、前日の会場で時々姿をお見かけしたところをパチリと撮影!右手に注目!

BIG APPLE in Nonoichi 2011BIG APPLE in Nonoichi 2011

会場となった野々市文化会館フォルテは、この2日間はどの部屋でもJAZZの生音が流れていて、粟市長さんはどのシーンでもSWINGしつつ、翌日の本番に向かっていたようでした・・・!
これが大ホールでの本番です!カッコイイです!
BIG APPLE in Nonoichi 2011BIG APPLE in Nonoichi 2011













◆Workshop&Clinicや大ホールのコンサートMC
BIG APPLE in Nonoichi 2011
(マイクをもった一番右側の方です!)
私はちなみに毎年この方の「軽やかでしゃれている」MCを聞くのが楽しみの一つになっている!長くなく短くもなく、適度に上げ下げがあって、実に愉快なのである!








◆クリニックの通訳のボキャブラリーには最大級の賞賛!
私は全く英語はわかりませんが、BIG APPLE in Nonoichiのワークショップでは、いたるところに英語の堪能なスタッフの方々がいて、ただただスゴイと感心してしまう!
特に毎年、ワークショップでの通訳に参加されているジャズシンガーの津荷裕子さんの通訳には、舌を巻くほど!講師(ミュージシャン)が話す貴重なコメントの体温を1度も下げずに、私たちの言語に翻訳する。スピードと語彙の豊富さに、このたびのリズムセクション クリニック講師:リニー・ロスネス、ピーター・ワシントン、ルイス・ナッシュでの津荷裕子さんの仕事ぶりに感動してしまった!

ちなみに、このワークショップで印象深いコメントの翻訳は!

RENEE ROSNES













リニー・ロスネスさん 「グルーヴ(groove)というイメージは、ずぅ〜と水平にどこまでも続いて(拡がって)いく感じで、四角ではなく丸(まぁるい)いイメージなんです。」
「何よりも、今、この場所でこのメンバーと演奏できるという私自身は恵まれていると感謝しています。だから演奏に対して寛容な心と、演奏することへの責任を果たそうと臨みます。」

BIG APPLE in Nonoichi 2011













ルイス・ナッシュさん
「初めの音を出す瞬間に、今、一番必要としているリズム(音・技術)を提供できる状態を常に用意している。」

BIG APPLE in Nonoichi 2011













ピーター・ワシントンさん
「ステージにあがったら自分がどんな状況の渦中にあっても、今、この瞬間の演奏の中で、競演者の音に集中している。たとえ目の前に別れた女房がいたとしても、元カノがいたとしても・・・・。」

◆「世界が身近に感じる」っと!
27日の大ホールでのコンサートは1階席にはほぼ700くらい収容できるそうだが、ほぼ満席と盛況だった。私たちは2階席の最前列正面の席取りの為に、開演前に早々と並んでいたところ、列で隣に居合わせた70代後半という、それでもその年齢には全く見えない若々しいご婦人に声を掛けられ、時間潰しができたのだが、そのご婦人が言うには「このコンサートに1996年の第2回から毎年参加してる」そうで、JAZZにはあまり馴染みがないけれど、ステージにあがる世界の演奏者の方を通して、世界を身近に感じているのだそうだ。町おこしイヴェントってこのような効用もあるんだなぁ〜と感心したしだい!
BIG APPLE in Nonoichi 2011

この度、初参加したイスラエル出身のクラリネット奏者アナット・コーエンさん&参加メンバーの演奏風景

◆アルバムもよかったら


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2011年10月21日

『Music of Masters』スタフォード・ハンター・ウィズ・井上智

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◆ジャズのスタンダードと呼ばれる曲の多くは、
もともとジャズ用に書き下ろされたものではないことが多い。映画やミュージカルのために作られたものが大部分であるそうだ。

たとえば、♪Stella By Starlight/ステラ・バイ・スターライト/星影のステラ などは、ジャズ・ ジャイアンツと呼ばれるビッグ・ネームの演奏者から、アマチュアプレーヤーまで、こぞって演奏されているが、1944年のアメリカ映画「The Uninvited (邦題:「呪いの家」)」のテーマ曲で、原作はドロシー・マカードルの小説「Uneasy Freehold」で、ホラー・ラブストーリーなのだ。この映画は、幽霊をシリアスに取り扱った最初のハリウッド映画だとされている。

しかし、そんなことはこの曲を演奏する多くの人たちの演奏に、何らかの影響も与えていないと私は思っている。演奏者に演奏され、楽曲が堂々と一人歩きをはじめているのだ。

しかし、この度、2011年10月17日の東京TUCで行われた『ミュージック・オブ・マスターズ』(Whats New)の発売記念ライブの初日で聞いた、なんとも斬新なアレンジが施された♪On Green Dolphin Street を聞いて、最初に同曲が発表され、この曲が使われた1947年に製作されたアメリカ映画 『 Green Dolphin Street(邦題:大地は怒る)」 』を知ることで、2011年3月11日を経験した、日本人の私には、なんとも不思議な縁のような、なんとも奇妙な遭遇のような、出会いのようなイメージがぐるぐると広がってしまった!

◆映画について先に説明をすると、
『 Green Dolphin Street(邦題:大地は怒る)」 』は、英仏海峡のチャネル諸島にある、大型船グリーンドルフィン号が着く港町に住む、美人姉妹と一人の男性の恋愛ドラマなのだが、重要なのは、劇中に起る1855年ニュージーランドの大地震の惨事なのだ。映画はとてもリアルで迫力あるシーンで、地震、地割れ、山津波などが描き出されている。ちなみに同作は、1947年アカデミー視覚効果賞を(大地震と津波のシーン)受賞している。この映画をご覧になりたい方は、youtubeで14回に分けてみることができる。

映画『GreenDolphinStreet(大地は怒る)』の本編を見ることができます
http://www.youtube.com/watch?v=_Cqt1ENdlc4&list=PLC56D5D40BBB9A107&feature=plpp

大地震と津波のシーンは
GreenDolphinStreetI
GreenDolphinStreetJ ・・・です。

◆♪On Green Dolphin Street の名演を
Miles DavisやJohn Coltrane Quartet 、Dexter Gordon、Hank Jones 、ERIC DOLPHY等を、youtubeでも聴く事ができるが、先日の『ミュージック・オブ・マスターズ』(Whats New)の発売記念ライブの初日で聞いた、スタッフォード・ハンター (Tb)、増原巌 (B)、横山和明 (Ds)のトリオで演奏された♪On Green Dolphin Street は、かなり斬新なアレンジだった。
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◆『Music of Masters』スタフォード・ハンター・ウィズ・井上智
2011年5月10,11日に録音されたアルバムにも収録されていて、8曲目に収録された「 Walk with You」 (井上智さんの作品で、2011年3月11日の東日本大震災で力を落とされた方々への再生への祈りを送る曲)と、9曲目に収録された 「Green Dolphin Street 」のスタッフォード・ハンター (Tb)、増原巌 (B)、横山和明 (Ds)のトリオでの演奏の斬新なアレンジが思わぬイメージを広げてしまった!

◆先に彼らのアルバムの♪On Green Dolphin Street についていうと
ベースソロで4小節(?!)くらいだったか、力なく立ちあがった人のような、呆然と登場した人・・・というか?!何か探しモノでもしているような、なんとも楽曲の冒頭には御目に掛かることはめずらしい感じの、楽曲のはじまり方なのだ。(芝居ではよくある冒頭だけれど・・・)つぎに、ドラムが入り、トロンボーンが入り、あれよあれよという間に、リズム隊が気持ちを煽るような演奏に変化してきて、トロンボーンが右往左往しているような人々を描写したようなメロディーを吹き、象の嘶きのような音も時々に出し、グルーブしまくる・・・・のだけど、聞いている私にはいったいこれは何の曲だか分からない。彼らのアルバムに収録された♪On Green Dolphin Street の演奏時間は6分59秒だけれど、テーマが聴こえてくるのが、最終盤の5分14秒からで、1コーラスだけテーマを演奏して曲が終わる。テーマが聴こえてくるまで、たぶん初めてこの曲を聴いた方だったら、♪On Green Dolphin Street が5分14秒に聴こえてきて、意外に思うだろうと想像する。

◆アルバムにも収録された、Walk with YouとGreen Dolphin Streetについて
私は、この二曲を何度も聞き返しながら、あることがひらめいた。
『Music of Masters』スタフォード・ハンター・ウィズ・井上智の2011年5月10,11日に録音されたアルバムの8曲目に収録された「 Walk with You」 (井上智さんの作品で2011年3月11日の東日本大震災で力を落とされた方々への再生への祈りを送る曲)と、9曲目に収録された Green Dolphin Street のスタッフォード・ハンター (Tb)、増原巌 (B)、横山和明 (Ds)のトリオでの演奏の斬新なアレンジが施された、彼らのGreen Dolphin Streetを繰返し聴いていると、一番はじめに使われた映画『GreenDolphinStreet(大地は怒る)』の大地震と津波のシーンとが、リアルに被ってしまってしまった。だから、冒頭のベースソロは、瓦礫の中に呆然と立ちすくむ等身大の人のように聴こえてきた。次に入るドラムのタムやスネアは段々に増える人および群集、シンバルは瓦礫で格闘する重機や、人々のエネルギーが増してくるような描写を表現しているようで、そしてトロンボーンは、初めは先の見えないように人々が右往左往する動向から、徐々に進み行く方向を見出していく群衆を導くベクトルか、時間の経過を表現し、最終盤の5分14秒に♪On Green Dolphin Streetのテーマがやっと聴こえてきた時、リスナーの私も音の世界で立ち上がってきた、「被災地の復興に立ち上がった人々」にエールを送りたい・・・ような高揚感をおぼえたのだった!

◆『Music of Masters』への思い
このように私のイメージがひろがった要因は、先に紹介した井上智さんの楽曲「 Walk with You」から送られてくる、「被災地には出向いてはいないけれど、共に手を携えて復興を祈り続けている・・・」というような、ほのかな暖かさで、思いを繋いでいるような、曲と演奏の力だと思う。

2011年5月に録音されたこれらの曲を含んだ『Music of Masters』は、2011年3月11日から何年か先に、必ず復興する日本の、東北へのメモリアル作品となることを私は確信した!

◆私はMP3ダウンロードよりアルバム派!
単曲でMP3ダウンロードよりアルバムの曲順を眺めながら聴くのが好き!
さらにアルバムジャケットが好き!
そんな私が久々にカッコイイ・ジャケットだなぁと感心しているのが、この『Music of Masters』スタフォード・ハンター・ウィズ・井上智

ジャケットフロントの二人が人文字の「N」に見えて!
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もしかしたらこれは「ニッポン、がんばれ2011年!」「N」かも???
そんなはずないかぁ?!

ページを開くと中面の写真がコレ
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スタフォードはもともとモデルや俳優もやっているそうだから姿も美しくcool。
しかし!井上さんが、こんなに絵になる男だとは!
二人の表情といい、ポーズのsituationといい実に味わいのある、面白いPhoto(ジャケット)ですね!!

akemin記

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2011年09月23日

ERIC ALEXANDER QUARTET featuring HAROLD MABERN

エリック・アレキサンダー・カルテット・フィーチャリング・ハロルド・メイバーン
コットンクラブ東京-2011.9.21.

Eric Alexander(sax), Harold Mabern(p)
Nat Reeves(b), Joe Farnsworth(ds)
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当日は台風直撃の晩でした・・・・。
一時はライブ観戦断念・・・とあきらめつつありましたが
台風情報&首都圏交通情報を見つつ、最終的には自家用車で横浜から東京コットンクラブへ出向きました!
熱く、エネルギッシュな最高のパフォーマンスを提供してくれたステージでした!
行ってよかった!!


◆Joe Farnsworth(ds)とEric Alexander(sax)
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今回のエリック・アレキサンダー・カルテットへの観戦前にJoe Farnsworth(ds)のリーダーアルバム♪It’s Prim Timeを入手して聞き込んでからライブに臨んだので、当日の楽しさも倍増した!ジョーさんのゴキゲンなドラミングがより楽しく!エリック・アレキサンダー の芯の太いロングトーンや渾身のブロウ、さらにアクセントで挿入するサブトーンなどサックスの違った音色を楽しみ、Eric Alexander(sax)とJoe Farnsworth(ds)の気の合った遊び心満載のステージを楽しんだ!

◆Harold Mabern(p)とNat Reeves(b)
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Joe Farnsworth(ds)と共に Harold Mabern(p)、Nat Reeves(b)は2004年8月29日(日) 北海道の 岩見沢 KITAON Jazz Festival で、観戦したことがあったが、残念ながら私の中ではあまり印象に残っていなかった。しかし今回のエリック・アレキサンダー・カルテットでのHarold Mabern(p)、Nat Reeves(b)は、すっかり記憶に焼きつく熱い演奏だった!

ナット・リーブスの実直で骨太でグイグイと弾くウォーキングベースが好印象!ハロルド・メイバーンの力強く、「なんでも来いよ!どこかれでも掛ってこい!」と言わんばかりの太っ腹で度量の大きなピアノに、客席の私も寛ぎながらも熱くなる・・・そんな印象をおおいに受けた!

ハロルドの度量の大きなピアノ」という印象は・・・・、実は2011年1月18日のマッコイ・タイナーのライブでspecial guest で参加していたエリック・アレキサンダーとこの度のハロルド・メイバーンと共に演奏するエリック・アレキサンダーの姿が全く違って映ったので、ふとこんなことを思ったわけだ。つまり、マッコイ・タイナーとの共演ではどこか遠慮がちのような、精彩を欠く印象だったが、この度のハロルド・メイバーンとの共演においては、別人のように、水を得た魚のように伸び伸びとしているエリック・アレキサンダーに映ったので、共演者との相性や相手の度量の大きさによって、ソロを執る演奏者の居ずまいに変化が生じるのだなぁ・・・と感じたわけだ。

◆Harold Mabern(p)とNat Reeves(b)はステージ衣装もとてもオシャレでダンディだった!

akemin

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