Hank Jones
2009年03月02日
ハンク・ジョーンズ/ライブレポ

HANK JONES "THE GREAT JAZZ TRIO"
BLUE NOTE TOKYO・2009.2.23 にて

開演時間とともに会場に現れたハンク・ジョーンズ氏は
背筋も真直ぐのびてスリムで長身な方だった。
想像したより格段にお元気で
それを証明するような見事に揃った白い歯が
奥のほうまで全部見えてしまうような
豪快な笑いとともに登場した!

(←画像:産業経済新聞社・産経・サンケイより転記掲載)
ステージに行き着く途中
会場のファンへの握手や
声掛けに応えながらしっかり歩き
なんとも矍鑠(かくしゃく)とした様子に驚いた!
実際は足元を気使うスタッフに
サポートされながらの登場だったが
本当は小走りしたってOKというくらいにも見えた!

朗らかなオーラが会場いっぱいに広がり
進行する音は
LIVEに集うどのヒトにも届く平明さと明るさと
たぶん一人も乗り遅れることのない
音の波を寄せては返し
そして
1曲ごとに曲名のアナウンスを入れながら
ゆったりと時間を進めていった。

2nd
On Green Dolphin Street
Interface(Composed ByHank Jones)
Six and Four
Stella By Starlight
Darn that dream
WAVE
I Got Rhythm
Dear Old Stockholm
Blue Minor
アンコール
Comin' Home Baby
'Round Midnight
In a Sentimental Mood
たしか・・こんなメニューと曲順でした。
(一部私の記憶が不鮮明ですが・・・)

Hank Jones Style at NYU Steinhardt
http://www.youtube.com/watch?v=gv-TzRRxHiU&feature=related
動画↑の中でインタビューにハンクさんが答えていることを
どなたか概要をおしえてください。
私・・・英語が全くわかりません・・・(泣
インタビューではタッチや
ペダルについて何か語っているのでしょうか?
3:24コノ辺りの動画で
ハンクさんの左足の小刻みの動きが見えると思いますが
Blue Noteでも
ハンクさんの真後ろ1列目に座ってみていましたが
左足はこの動画のように小刻みに
左の弱音ペダル(ソフトペダル)を踏んでいました
だからペダル踏むと同時に鍵盤が少し右にずれ
地震のように始終左右に揺れて見えました
音は・・・たぶんペダル操作の作用で
よりソフトに軽い音を出しているのだろうなぁ・・・と思います。
※ソフトペダルについて
http://www.flipclip.net/clips/i8229/be2e054ef8eed49ae79b87e04b701a25


ロイ・ヘインズ・カルテットで一回聞いていますが
Roy Haynes(ds), Jaleel Shaw(sax), Martin Bejerano(p), David Wong(b)
(画像↓右の白いシャツがデヴィット・ウォンさん)

ウォンさんのベースはJAZZでは
ありそうでなかなか出会わない独特なベーシストだと
私は感じました!
なんというか
コントラバスの王道を行く・・というか
クラシカルな音色を感じます。
そして
よけいなことはしないと決めているかのような
実直な音の運びです!
今回のライブでは1曲だけ弓弾きで演奏しましたが
この音色がまるでバイオリンのように聞こえました
ベースのボディーを豊かに共鳴させてひろがる
デヴィット・ウォンさんのアルコ弾きの音色は
深く真直ぐで匂い立つように美くしかったです!


彼のドラムを生で聞くのは初ですが
ボブ・ジェームス・トリオでの演奏のDVDやCDで
音や姿はけっこう焼きついているのです
ファンキーでノリノリで
踊らずには叩かないビリー・キルソンさんが
Mr.スタンダードと呼ばれる 巨匠ハンク・ジョーンズを相手に
どんなドラムに変身するのか・・・
興味津々だったのだけど・・・何のことは無い
あのスタイルのまま実にしっくりやっていました!!
まるでタップを踏んでいるように踊りながら
楽しそうに叩いていました!
ドラムソロでもスタンダードのメロディーが全部聞こえるドラムでした!
というか・・・
メロディーの進行通り実に素直に
リスナーもドラムと一緒に唱和できるような
よくわかる楽しいドラムでした!
そういえば・・・私のお気に入りの
ボブ・ジェームス・トリオのCDもオール・スタンダードでした!!
![♪画像:Take It from the Top [FROM US] [IMPORT]Bob James Trio](http://images-jp.amazon.com/images/P/B00019PDHA.01.MZZZZZZZ.jpg)
Take It from the Top・ Bob James Trio
そうそう!!!
会場に噂のボブ・ジェームスさんも来ていました!!
ビリー・キルソンさんは
Fusion や Crossover Jazz のドラマーって
こっちがかってにスタイルを括っていたけど
スタンダードもすごくイケルドラマーだったのでした!!
ただ・・・蝶ネクタイ正装姿は似合ってないなぁ・・・と(笑


次回またハンクさんのライブに参加できるかはわかりませんが
JAZZを聞くなら一度は出会いたい巨匠でした!
唯一度の出会いであっても
ハンクさんから学んだ情報は多くありました。
姿からも音からもことばや仕草から
私の人生の進め方に勇気をいただきました!
最初に書きましたが
ハンク・ジョーンズさんの音楽は
平明であかるくおおらかで
だれも乗り遅れることのない波を発信し
受け留めた側から反応という波を返すと
またハンク・ジョーンズさんはそれを全身で感じ
新しい波にして発信する
そんな音楽のコミュニケーションを
このLiveですっかり体感させていただきました!
90歳にして今だ若々しく明朗で
はつらつとしたエネルギーを込め発信された
ハンク・ジョーンズさんの
このLiveでの演奏曲WAVEは 特に感激しました!
『音楽とはコミュニケーションだ 』というハンクさんの想いが
小波となり幾重にも折り重なり
会場に集う皆に届いたことと思います!
・・・追記・・・・・
(2008年2月28日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/music/news/20080228et01.htm
miruko1 at 16:13|Permalink│Comments(0)