穐吉敏子
2007年06月14日
穐吉敏子&ルー・タバキン


秋吉 敏子(pf) ルー・タバキン(ts・fl)
2007年6月13日 TokyoTUC
このライブでは
秋吉敏子さんのつま先から指、そして表情のよく見える席を
なんとかゲットしようと
すこし早めにTokyoTUCに到着
入場2番という快挙

で画像のウチの伸ちゃんの写っている
最高に見通しの良い席をゲットした!
演奏開始数分前に
なんと補助席として用意されていた
最前席のテーブルの前に
美しい男女カップルが座る
なんと男性は美しい容姿であるが
ニクイことにMt.Fujiのような巨体な方で
完全に秋吉さんは私の席から消え
私は裏富士を眺めることとなった。
となりの伸ちゃんの席からは
なんとかタンスの隙間程度の間をぬうように
秋吉さんのフロント半分が見えていたようだ。
会場は暗くなり
出演者通路脇の私の席を肩が触れながら
はじめに秋吉さんが通り
ルー・タバキンさんがとおりステージに立ったときには
ちょっと興奮してしまった!
さて・・・いよいよ演奏が始まる
秋吉さんは音のみ・・・まったく見えない状態
目の前のルー・タバキンさんは至近距離で全身丸見え
曲が始まるとすぐに
妙なステップがはじまる・・・・
私は始めは驚いた
なんというか・・・あのまか不思議なステップはぁ・・・?
しかし、ルー・タバキンさんのステップが
段々楽しくて楽しくてたまらなくなってきた!
足踏みし、カンカンとフラメンコみたいに足を鳴らし、
片足を蹴り上げ王貞治の一本足打法の構えみたいなポーズになり、
かと思うと足の内側に重心を置き前後に大きく歩幅を開き
まるでアキレス腱伸ばしみたいなあの姿勢になり・・・
はたまた
小さく足踏みしながらくるりと回転する
そうだ!
あれは 一人マーチングバンドといった感じだった。
いやはや・・・
こんなにあれこれ動き回るプレヤーは始めて遭遇した。
巨漢のジョー・ロバーノ(ts)氏も
たしか・・・体に似合わぬこぶりの足踏みをしながら
前後に動きまわって演奏していたのを記憶しているが
ルー・タバキンさんの比ではない。
音はどうかというと
体の動きとあのステップと相まって
前へ前へと突き進むような勢いのある音のように感じられた。
私は
このライブに来る前は
自分自身の好みのテナーは
少し翳があるような
ミステリーを感じるような
インテリジェンス香る
色っぽい・・・・なんてテナーが好きと思い込んでいたのだが
その対極にあるルー・タバキンさんのテナーに
結構好感をもってしまった。
ルー・タバキンさんの
翳の感じられない
判りやすい
色気のかんじられない・・・あのテナーに
たぶん融通のきかなそうな
でも真直ぐな男っぽさを感じたのだ!
2ステージが始まる前に
先ほど目の前でMt.Fujiのようにそびえていた
美しい彼氏は秋吉さん側に席をずらし
私の目の前は風通しのよい草原のような景色が戻っていた
笑ってしまうのは・・・・
ステージに戻ってきたルー・タバキンさんが
あのMt.Fuji君に
(英語↓で話してたけどたぶんこんな風に)
「1ステージの時はココだったのに・・そっちにずれたのね?
そうだよ・・君!
僕の演奏は動き回るから
サックスの先で頭ぶっつけるかもしれないもんね
大変危険だもんね!」
さて、見晴らしが良くなった席から
秋吉敏子さんも丸ごと良く見えて
鍵盤を走る指、噂に聞いた・・・すごい足元の動き
ノッてくると
あのバド・パウエルもびっくりするような唸り声を
手の届く距離で見、聞きしたわけだが・・・・
しかし・・・やはり
どうしてもルー・タバキンさんのほうに興味をくすぐられ
私は大半をルー・ウォッチングになってしまった。
秋吉さんの音はアルバムを聞きながら
さぞ激しく体を動かしながら
鍵盤叩く指も高い打点から
ガンガン叩くように弾くのだろうなぁ・・・と
想像していたのだが大きく予想を反して
うつむき加減に あのエバンスのような姿勢で
小さな手は軽く鍵盤に触れているような感じだった
しかし音はアルバムで聞いた強い音が
目の前で生み出されていた
ということは 想像以上にタッチが強く
鍵盤に指を下ろす時には迷い無く
タッチ&入魂よろしく・・・
音を出しているのだろうな・・と
そんな風に感じた。
東京TUC常連のJAZZ通のお客さんと
休憩時間話をする機会があったのだが
その方曰く
「今日の秋吉さんはDUOだし
ルーさんの伴奏に徹しているね
なかなか大きいステージでは
こんな秋吉さんは聞けないよ!」と。
なるほど・・・うまいこと言い当てているなぁと、
私は感心した!
一番最後に
秋吉敏子さんがマイクをもち
「こんな強いプレヤーと演奏する時は
私はなんだか弾いた気がしない! 」
・・・というと
会場はドッと笑いが湧き上がった
しかし・・・・単身で渡米し
日本人女性でありながらJAZZで成功した先駆者である
あの秋吉敏子氏をもって
「強いプレイヤー」と言わしめる
ルー・タバキンさんに対する
まんざらでないホットなニュアンスが
ちょっとイイ感じだった!!



演奏された曲は
大半がデューク・エリントンをトリビュートした曲と
秋吉敏子さんのオリジナル曲 数曲
ラストは[ HOPE ]でした。
◆おまけレポート
2ステージ 1曲目
サックスの朝顔みたいな形のベルの中に
タオルを入れて吹き始めた
肺活量が強力なので
少しタオルを入れて
くぐもった憂いのある音をだすのだなぁ・・・
などと 感心しながら 1曲目を聞いた。
曲が終わり
汗を拭こうとしタオルを探すルー・タバキンさん
「OH!」
なんと タオルがベルの中に入っていてあわてる様子!
ご本人は意識してタオルをベルに入れたのではなかったようだ!
こんなところも
お茶目で憎めない人柄なのかもね・・・。

★今回はライブレポートというよりは人間ウォッチングでした!
miruko1 at 14:00|Permalink│Comments(0)