George Cables(p)

2009年09月05日

ジョージ・ケイブルス・トリオ :ライブ・レポ

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今夏の最大の贅沢は
わざわざ青森まで出向いて
青森の青龍寺・野外ライブ2009 -8.22.に大トリで登場する
ジョージ・ケイブルス・トリオを聴きに遠征したこと!
ジョージ・ケイブルス(p)、ウイナード・ハーバー(ds)、ドウェイン ・バーノ(b)
これが野外の澄んだ空気と相まってか
想像以上に素晴しい演奏で
このトリオの最終ライブをもう一度遭遇できるのなら
この機会を逃しては一生の不覚くらいの意気込みで 
東京TUC2009-8.28.にも行ってしまったのだ!

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◆ジョージ・ケイブルスのピアノの音を聞くと
どうして凍みてくるんだろう!
あ・・・沁みるや滲みるや染みるより
凍みる・・・なんだなぁ!
ジョージ・ケイブルスのピアノの音色は
とても硬質な直線的なポキポキした感じの音だけれど
決して金属のような冷たさや尖がった感触はなく
じわじわと体温が伝わってくるような音色なのだと
あらためて感じる。
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青森の青龍寺の野外ライブで最前席で見た
ジョージ・ケーブルスの指は
硬いブナの木の枝みたいに見えて
ほんとに細く華奢な感じがしたけれど
ピアノを弾く その指は
高い位置から強く鍵盤に当てる力強さと
指を滑走させるように左右に移動するスピードは
目を見張るものがあった。
ライブ観戦をして 一番の印象は
ジョージ・ケイブルスがピアノを弾きながら
多くの場合・・・歌い続けていたことだった。
けして大きな声ではないけれど
誰にでも聞き取れる演奏曲のテーマのメロディーを
管楽器奏者がソロで歌うように吹いているあの感じで
ジョージ・ケイブルスもスキャットで歌っていた。

◆演奏した曲は 青森の青龍寺・野外ライブ
東京TUCのライブ共に
ほぼ同じ選曲を演奏されたようだが
選曲と曲順がとても好感をもてた

煙が目にしみる
ベサメ・ムーチョ
マイ・ワン・アンド・オンリー・ラブ
スター・アイズ
風と共に去りぬ (作曲: Allie Wrubel 作詞: Herb Magidson)
追憶
虹の彼方へ
ドキシー
ラウンド・ミッドナイト(ジョージ・ケイブルスのピアノ・ソロ)
・・・etc

いちばん聞きたかった
♪But Beautiful  
今回私たちが参加したLiveでは演奏されなかった
でも もしかしたら
この♪But Beautiful だけは
演奏するジョージ・ケイブルスさんのみならず
この曲を聞きたいと願ったリスナーにとって
特別な思いや・・・
音が鳴るとすぐにそれぞれの記憶の音が回りだして
あのアート・ペッパーが今は居ないとしても
ベースはジョージ・ムラーツ
ドラムはエルビン・ジョーズにもとどくであろう
達者なドラマーでなければ・・・と
難しい要求がでてくるのかもしれない・・・と思った
だから・・・演奏されなくて
かえってよかったのかも。


◆ジョージ・ケイブルスといったらアート・ペッパーなんだけど
今回のLiveで聴いた
♪My One And Only Loveで・・・ふと
John Coltrane & Johnny Hartman の名盤に収録された
♪My One And Only Love の
前半のコルトレーンのソロとダブってしまった。

http://jp.youtube.com/watch?v=ecrE80rnjhw

また
この曲ではないけれど
ジョージ・ケイブルスのアドリブのフレーズに
沢山登場した
高域音を多用し硬質な細かい早弾きのフレーズが
何故かコルトレーンを連想してしまう・・・・。
(私の思い込み違いでしょうか?)

◆ジョージ・ケイブルス・トリオの特徴 この度の来日メンバー
Winard Harpertウイナード・ハーバー(drums) 21


Dwayne Burno ドウェイン・バーノ(bass)
27
両者については名前すら聞いたこともないプレヤーだったが
実に良い奏者で
以後また聞いて見たい奏者だった。

このトリオは
今までにあまり出会わないタイプの
特徴あるトリオだったと思う!
このトリオの最大の特徴は三人三様の世界を持って
どちらにも妥協せず確実に進み
他者の世界には無闇に干渉ぜず
三人の絡みはほとんど見られない
・・・という印象のトリオなのだ。
しかし
他者のエリアには踏み込まずとも
お互いが反り合う
それぞれの粘り強さと意志の強さを忍ばせながら
世界観の違う三人の三様のハーモニー
絵に描いたように際立って美しい!
出会いそうでなかなか出会えない特徴あるトリオだと思った!

◆Live観戦から数日過ぎ
♪But Beautiful にひたっている私

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バット・ビューティフル - シェイズ・オブ・アート
ジョージ・ケイブルス・トリオ

2. バット・ビューティフル
Personnel:
George Cables (piano)
George Mraz (bass)
Lewis Nash (drums)



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Friday Night at the Village Vanguard
Art Pepper/アート・ペッパー
2. But Beautiful
Personnel:
Art Pepper (as.ts)
George Cables (piano)
George Mraz (bass)
Elvin Jones(drums)





二つの♪But Beautiful を このところ毎日行きつ戻りつして聞き返しているが
今日あたりから
アート・ペッパー不在ではあるけれど
年輪を重ね紡ぎつづけたジョージ・ケイブルス
最新のアルバムの♪But Beautiful
がぜんイイ感じに思えている!!


バット・ビューティフル - シェイズ・オブ・アート
ジョージ・ケイブルス・トリオ




miruko1 at 19:52|PermalinkComments(0)