令和6年年2月22日(木)、第一回定例会の一般質問において米国入国審査場の羽田空港への誘致(プリクリアランス)について約5年ぶりに質問しました。
羽田空港のプリクリアランス導入について質問致します。
今から約5年前の2019年3月6日、私は予算特別委員会の款別質疑で、羽田空港国際線枠増便に伴う大田区の対応について一つ提言をさせていただきました。
その時私が提言差し上げたのは、米国入国審査場の羽田空港への誘致でした。これはプリクリアランスとも呼ばれているものです。
このプリクリアランスが羽田空港に導入されると、どのような利点があるのでしょうか。
まず米国線搭乗前に米国入国審査を終えることができますので、あの長い米国の空港の入国審査に並ばなくてよくなります。また羽田から米国に飛び立った飛行機は米国国内線ターミナルに到着できるようになるため、乗り継ぎが楽になります。例えばシカゴ・オヘア国際空港のように国際線ターミナルと国内線ターミナルが離れている空港の場合でも、羽田便は国内線ターミナルに着くから米国内の乗り継ぎがとても便利になります。ハワイのホノルル国際空港では、羽田便を降りるとそのままハワイ諸島の各島への便に乗り継げるようになります。更には荷物を中継空港で受け取って再度乗り継ぎ便に預け直す手間がなくなるのも大きな利点です。
現在、このプリクリアランスはカナダ、アイルランド、アブダビ、バハマなどで実施されています。
私は今も羽田空港はプリクリアランスを導入すべきと考えております。
2023年11月10日、羽田空港の国内線ターミナルを運営する日本空港ビルデングは、将来的に第1ターミナルと第2ターミナルを接続し、新たな国際線エリアを整備する検討を進めていることを明らかにしました。
首都高の真上に人工地盤を設け、第1・第2ターミナルを接続する形でターミナルビルを拡張することが想定されており、拡張部分が新たな国際線エリアとなる見込みです。
この構想が実現すれば、国内線と国際線の乗り継ぎ利便性が大幅に向上するほか、第3ターミナルの混雑緩和にもつながる事が期待されています。
ここにプリクリアランスも導入されれば、羽田空港は北米への乗り継ぎ拠点として東アジアにおける「ハブ空港」の立ち位置を一層明確にする事ができるようになります。
5年前にも申し上げましたが、羽田空港は成田空港とは異なり、米国行きが国際線ターミナル一つに固まっているため、プリクリアランス導入の検討余地が現行の成田空港より高いという強みがあります。この強みは活かすべきと考えます。
一方、航空機の性能向上により長距離輸送が可能となっている昨今、羽田や成田は「ハブ空港」としての必要性は薄くなった、という方もいらっしゃるかもしれません。
確かに2018年10月からシンガポールとニューヨーク間で直行便が飛ぶようになりました。しかし18時間という超ロングフライト、機内食は3回となり、エコノミー設定はありません。決して多くの人が選択する便ではありません。当面、アジアから北米へ行くのに乗り継ぎは必要で、アジアで最も太平洋側に位置する羽田空港はハブ空港として依然として有利な状況にあります。
5年前に私が要望した時にはなかった施設の一つに羽田イノベーションシティのターミナル0がございます。
ターミナル0では「人のこころを動かすために、空港が出来ることのすべて。」というテーマを掲げ、既存機能の向上については、保安検査場のストレス軽減、先端ロボットの活用等に取り組むとともに、さらなる未来を見据え、空飛ぶ車の利活用や、我が国の宇宙産業等がより進展し移動の概念が変化した時代のターミナル機能の可能性等を研究し開発する場所となっております。
私は当施設を活用してプリクリアランスの実装実験を進めるのは大変有意義なものになると考えております。
5年の月日が経ってその後の状況について、また今後の取組について教えてください。
羽田空港を内需拡大中心の世界のローカル空港にするのか、外需を取り込み国内外に広く利活用されるハブ空港にするのか、今まさに分水嶺に立っている状況です。国際都市を自ら唄う大田区は羽田空港機能強化は国策だからといって静観するのではなく、国や東京都に対して積極的にプリクリアランス導入を働きかける事を心から願いまして次の質問に移ります。
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