令和7年9月16日(火)、第三回定例会の一般質問にてMICE・羽田イノベーションシティ・第1ゾーン関連について質問しました。
羽田イノベーションシティ(HICity)は2023年11月16日にグランドオープンしてから2年近く経ちますが、期待されたほどの集客に至っておらず、平時は閑散としています。
この状況を打破するために羽田空港と新たにできる第1ゾーン公園を「歩く歩道」等で結ぶ「エアポート・カルチャー回遊」を要望しました。
区からの答弁は、既に路線バスや循環シャトルバスなどにより回遊性は確保されているというものでした。回遊してもらえていないからHICityは閑散としているのに。。一方、回遊性を生み出すため、四季を感じられる園路や飲食店舗等の設置を計画しているという答弁は少しだけ将来に期待できるものでした。
まず最初にMICE・羽田イノベーションシティ・第1ゾーン関連について伺います。
私はこれまでMICE事業について決算特別委員会や定例会、そして地域産業委員会など多くの場で取り上げてまいりました。平成28年9月の決算特別委員会においては、羽田空港を擁する本区は国内外からの人材・企業を集積し、交流を通じて新たな付加価値を創出する潜在力を有していることを指摘し、MICE事業の積極展開を求めました。
当時の答弁では、区は産業プラザPiOやアプリコ、大田区総合体育館といった既存施設の有効活用を進め、国際ミーティングエキスポへの出展などで一定の成果をあげているとの説明をいただきました。また羽田空港跡地第1ゾーンについても、国の「クールジャパン拠点」位置づけのもと、官民連携によるにぎわい創出を進めるとの答弁を受けました。私を含め世間一般が想像する大規模なMICE事業と大田区が想定する小さなMICE事業には大きな乖離があり、少々失望したことを思い出します。
その後、第2ゾーンではホテル1,700室超やバンケットホール等が整備され、第1ゾーンでは羽田イノベーションシティが開業し、足湯やライブホール、先端モビリティ実証といった独自性ある取り組みが展開されているところです。
しかしながら、期待されたほどの集客には至っていないように感じています。特に空港直結の羽田エアポートガーデンとの競合、羽田イノベーションシティ内の強力なアンカーテナントの不在、空港や第1ゾーン都市計画公園との面的な回遊不足といった課題が浮き彫りになっております。
そこで羽田イノベーションシティと似たようなコンセプトの国内施設は現在どうなっているか確認しますと、大阪の臨空タウンは「アウトレット×公園」、愛知スカイエキスポは「空港×MICE」の連携によって着実な集客を実現しております。
これら施設と比べると羽田イノベーションシティは「空港利用者が立ち寄る必然性」に欠けており、この点の改善が急務です。
また2028年に供用開始予定の第1ゾーン都市計画公園は、DBO方式やPark-PFIを活用し収益施設も導入できる“稼ぐ公園”として計画されており、この公園とHICity、さらに空港との一体運用による相乗効果が今後の成否を左右するものと考えます。
そこで質問致します。
第1に、羽田イノベーションシティの稼働率を高めるために、臨空タウンや愛知スカイエキスポの事例を参考にすることは有用かと考えますが、区の見解をお聞かせください。
第2に、第1ゾーン都市計画公園の整備にあたって、Park-PFIを活用しつつHICity・空港を結ぶ「面的回遊」を設計すべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。
私は、区として次のような取り組みを早急に検討すべきと考えています。
①無料または低額の空港シャトルや自動運転車両を活用する、もしくは恵比寿スカイウォークのような動く通路を設ける事でアクセス性を抜本的に改善すること。
②第1ゾーン公園においてPark-PFIを活用したイベント・飲食・科学体験などを展開し、ファミリー層やMICE参加者を取り込むこと。
③②に少し近いですが、HICityと第1ゾーン公園、空港を結んだ「エアポート・カルチャー回遊」を形成し、定例イベントや国際会議の分散開催により平日・夜間の稼働率を高めること。
言いかえるとハード面でもソフト面でも羽田の主要施設を更に繋げることで臨空タウンや愛知スカイエキスポの成功要素を取り込みつつ、羽田ならではの「先端産業×文化×国際交通結節点」の強みを発揮できると考えます。
区の積極的な取り組みを求め、次の質問に移ります。

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