情報が増えたため簡易まとめ
青字:管理人が実際に確認したもの

無改造でできること
・CrossFireのセカンダリ
・エンコード
・Win10のGPU割当でゲーム(OpenGL除く)
(Haswell以降のiGPUのみ対応?)
 →APUはこうするといけるらしい?
https://twitter.com/MC7ek_/status/1084786259430526976
・HDMIコネクタを使って内部的にレンダリング
・ダミープラグとiGPU併用でミラーリング(New!)
・MacのeGPU

隠しHDMIコネクタ復活改造でできること
・HDMIコネクタから映像出力
・CrossFireのプライマリ

更に改造するとできること
・HDMIコネクタ2つ目の増設


※マイニング用に改造BIOSが書き込まれている個体の場合、標準のドライバでは認証機構に弾かれてコード43を吐くが、カード後方のスイッチ切り替え4パターンを試すと認証OKのBIOSが見つかるかもしれない。
あるいは以下のBIOSを書き込むことで標準のドライバで認識される。

https://www.techpowerup.com/vgabios/187669/sapphire-rx470-8192-160715
↑このBIOSでついでにセミファンレスになる。
※最初から入っているBIOSはマイニング用のため、ファン回転がうるさく常用に向かない。
※最初から入っているBIOSではCrossFireセカンダリとして機能しないという噂あり。

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2018年は仮想通貨高騰の影響が残り、序盤はマイニング需要でグラボがそもそも在庫が見当たらない状況であったが、仮想通貨の見通しが徐々に悪くなってきたことで中盤には需要が落ち着いて在庫が戻り、終盤にはいよいよマイニング用に使われていたグラボが大量に中古市場に放出されるまでに至った。
そうして2019年はようやく手頃にグラボを入手できる年になりそうだ。

さて、マイニング需要が激減して放出されたグラボの中には、マイニング特化のコスト削減として画面出力の機能が制限されたものもあり、一般的な画面出力用のボードとして作られた製品より価格が安く出回っている。

どうせならマイニング専用ボードをゲームのような一般用途に転用できれば非常に安く済むと期待できるのだが、果たしてマイニング専用ボードはどれくらい「まとも」に使えるのか?
実際に購入して検証してみた。


今回入手したボードはこちら。

IMG_20181228_200132

SapphireのRX470-8GBのマイニング専用品で、見ての通り画面出力が1つも存在しない。
マイニング専用ボードといえば、画面出力がDVIx1ポートの仕様となっているものが多いが、1つもないのはかなり珍しい部類だろう。

Sapphire Radeon RX 470 8 GB gddr5 Mining Quad UEFI
SAPPHIRE









※どうやら業者単位でまとまって手放されたのか、2018年末から全国のPC工房中古コーナーに大量にあるらしい
※PC工房GoodWillの通販にてネット購入可能(2019/1/17時点)
※以下のDMMのファームの記事にそっくりなグラボが映っている。PC工房に一緒に置いてあったRM1000xも採用されているので、DMMから流れてきた可能性が高い
https://www.houdoukyoku.jp/posts/25880

画面出力がDVIx1ポートのものは、マルチディスプレイのためにiGPUまたは他のボードとの併用が必要であること、HDMIやDP特有の機能が利用できないという程度のデメリットしかなく、概して一般的なボードと同じように使うことができる。

それに対し、画面出力が完全に無いこのボードは、画面出力ありのRX470/RX570-8GBが安くても中古税込13000円程度であったのに対しなんと税込6500円の値がつけられていた。

約半額の驚異的な価格のマイニング専用ボードは、本当にマイニングしかできない値段相応の品なのか、それともコスパ2倍の化け物になれるのか。実際に見ていこう。


まず、画面出力がないとは書いたのだが、実際にはHDMIコネクタが一つ実装されている。

IMG_20181229_083712
これはPCカードブラケットの部分を固定するために、コネクタのネジ穴を利用するために付いている部品であるので、残念ながら(そのままでは)画面出力に用いることはできない。

IMG_20181229_124920

写真のように、TMDSの信号線に関係するコンデンサやインダクタ、抵抗が省かれているため、映像信号がコネクタに届いていないと思われる。信号線一本あたり抵抗2、コンデンサ1、インダクタ1。
※ジャンパやチップコンデンサで映す方法が発見された(記事末尾参照)


しかし、ディスプレイ接続の検出をする部分は生きており、モニターまたはダミープラグといったものを接続すると、内部的に映像出力を開始する。
遠隔操作で使う場合は、このコネクタに何かをつないでおけばGPU性能を引き出せるということになる。逆に直接操作する場合は、内部的に出力されている画面を表示するのが非常に回りくどい。
(自分自身にリモートデスクトップ接続する、表示用にもう一台のPCを使うなど)

igpu2

このように内蔵GPUから出力しつつ、ダミーのディスプレイをメインにし、起動したアプリケーションを内蔵GPU側のモニターに引っ張ってくればウィンドウモードのアプリケーション限定で外部GPUでの処理されたまま内蔵GPU側に描画される。ただし、映っていないダミーディスプレイ側から移動させる過程がやはり回りくどいほか、スタートメニューやタスクトレイなどもダミーディスプレイ側に表示されるためPC自体の操作がかなり困難になってしまう。


さて、ちなみにゲーミングノートに搭載されるようなモバイル向けグラボは映像出力を持っていない。
その代わり映像を内蔵GPUに送り、オンボードの出力ポートを経由して出力する方法を取っている。
ならばデスクトップでも同じことができれば、グラボ自身に映像出力が無くても使えるということになる。
そして、2018年にWindows10に追加された機能に、まさしくそれを達成するピッタリの機能がある。

設定→システム→ディスプレイ→グラフィックの設定

この設定画面で、任意のアプリケーションが使うGPUを内蔵GPUと外部GPUに割り当てることができる。

idgpu1
要は、UEFIの設定で内蔵GPUをプライマリにして画面出力をし、グラボは何も繋がないまま3D処理だけ行ってもらうわけだ。

当然ながらランチャーとゲーム本体が別のEXEになっているものは、起動時に叩くランチャーのEXEではなくゲーム本体のEXEを登録しないとグラボを使ってくれないので注意。
起動中のゲームが実際にどのEXEファイルからGPUを使っているかは、タスクマネージャーで調べると分かる。

筆者の手身近にあったゲームやGPU用ベンチマークでGPU割当を試した結果が以下である。
ヘビーゲーマーではないため、有料大作ゲームをカバーできていないことを了承してほしい。
※内蔵GPU:Intel UHD630

GPU割当成功
PSO2(体験版 ベンチマーク)
黒い砂漠
Fortnite
Warframe
Warthunder
Crossout
Robocraft
FF14(ベンチマーク)
DQX(ベンチマーク)
Subnautica
Totally Accurate Battlegrounds
Dead Space
CS:GO
VRChat
World of Tanks Asia
World of Warships
Metro2033(ベンチマーク dx9, dx10, dx11)
Kerbal Space Program

GPU割当失敗
Second Life ※内蔵GPUが使われてしまう
Time Spy(ベンチマーク) ※エラー
Cinebench(ベンチマーク) ※エラー


このように、試した範囲ではかなりの成功率でGPU割当ができた。DirectX9を使っている古めのゲームも問題ない。特に、ゲームの場合はプラットフォームやゲームエンジンに一般的なものを利用している作品はほぼ確実に動くだろう。
内蔵GPUに映像を戻すことによる性能の劣化は全く体感できないため誤差程度。
なおSecond LifeやCinebenchで割当が効かなかったのは描画にOpenGLが用いられているためと思われる。
また、割当でうまく動かないアプリケーションであっても、割当をせずに内蔵GPUを使えば(重いだろうけど)動く。

いろいろなゲームがほぼ確実に動くであろう成功率を考えると、画面出力付きボードの半額よりもずっと高い価値があると言って間違いない。

※Mac OSの場合
eGPUを接続したMacBookで、eGPUにディスプレイを繋がずに本体ディスプレイで利用するためのスクリプトが存在する。なので、外付けボックスに入れるeGPUとして使える。
https://applech2.com/archives/20190106-set-egpu-sh-support-macos-mojave.html
ただ、グラボ本体が6500円なのでGPUボックスのほうが何倍も高く付くのは間違いない。


続いて、せっかく2枚買ってみたのでCrossFireが使えないか試してみた。

IMG_20181229_171722

結果、無改造では失敗。2枚刺した状態でグローバル設定にCrossFireの項目が出なかった。
HDMIコネクタにモニターをつなぎ、内部的にレンダリングを開始させてもやはりCrossFireの設定項目は見当たらない。
もっともCrossFire自体がフルスクリーンでしか有効にならないので、おそらく設定ができたところで内蔵GPU経由の動作は期待はできないだろう。
なお既にRX400/500シリーズの画面出力付きボードを持っている人であれば、2枚目として画面出力無しボードを追加してCrossFireすることができる。
画面出力がDVIx1のボードなら1万円強なので、それと合わせて2万円未満でGTX1070~GTX1080相当のCrossFire環境になるので、対応ゲームを持っており電気代を気にしなければ非常にコストパフォーマンスに優れた選択になる。
※映像出力付きボードとのCrossFire動作可能
※映像出力可能に改造された本品+無改造本品でCrossFire動作可能



最後に6500円のグラボでどこまで戦えるかオーバークロックしてみた。
ソフトウェア(RX470Nitro+のBIOS導入済)・ハードウェアともに無改造で上限を探ったところ、
コア電圧の設定上限である1175mVで1450MHzで動作し、RX580定格並の性能となった。

rx470_1450_2000


映像出力化改造で本品2枚でCrossFireが組めるようになったので、
2wayで組んだ上でコアクロック1425MHzにOCしてみた。
無題
GTX1080定格と同じくらいの性能のようだ。その値段わずか13000円!

と思ったらOCしないほうがスコアが高く出てしまった・・・。
nooccf
きっとCFのOCはいろいろ奥が深いのでしょう。


まとめ
画面出力なしのマイニング専用グラボは

・ダミーの画面を繋げばリモートで使える(コネクタが物理的にあるもの)
・Windows10のGPU割当機能を使うとほとんどのゲームを内蔵GPU経由で描画できる
・CrossFire用の2枚目として使える(改造すれば1枚目にも)

・MacBookのeGPUに使える
https://twitter.com/YYouzhen/status/1083259934110670848

・導線のはんだ付けで映像を出せる(不安定)
https://www.ns-koubou.com/blog/2019/01/11/rx470-mod/

・チップコンデンサのはんだ付けでほぼ完全体になる
https://media.dmm-make.com/item/4515/


・2つめのHDMIが生えてくる
h
ttps://www.ns-koubou.com/blog/2019/01/12/rx470-mod-part2/

こんな感じで工夫次第でマイニング以外にも様々な使い方ができるため、
画面出力有り版の半額などという価格を大幅に上回る価値を発揮してくれる。
安くグラボを買いたい人は、見かけたら是非検討してみてほしい。