aamall

2007年04月28日

Sylvain ChauveauがTypeと契約。

Sylvain Chauveau

つい最近arca名義で新作をリリースしたSylvain Chauveauが、Typeと契約したようです。

Typeというと2006年にリリースされたHeliosの"Eingya"が未だ記憶に新しい気がします。
あの作品は本当に感動的ですし、各方面から絶賛されていました。
そのHeilosも2007年7月にミニアルバム"Ayres"をリリースするそうなので楽しみですね。
他にも、Deaf CenterやJulien Netoなど大好きなアーティストたちが所属しています。

さてSylvain Chauveauですが、今回はEPという形でギター、ピアノ、エレクトロニクスによる即興で作られた5つの曲が収められるようです。
タイトルは"S."で、2007年9月リリース予定となっています。

また、 "Nocturne impalpable"(2001)と"The black book of capitalism"(2000)のリイシューもされるようです。
他にも、彼が在籍している4人組のプロジェクトensemble 0が1stアルバム"Music of wheel"をリリースしているようです。
Myspaceで聴いたところ、Sylvain Chauveauらしい静寂を生かしたミニマルで美しいアンサンブルに即興演奏を織り交ぜたという感じでした。
ぜひ音源を手に入れて全曲聴きたいですね。
そして彼はSebastien Betbederというフランスの監督の初の長編映画"Nuage"のサントラを手がけていて、こちらは2007年秋にリリースされる予定。



Sylvain Chauveauオフィシャル
Sylvain ChauveauのMyspace
arcaのMyspace
ensemble 0のMyspace

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2007年03月19日

#008 Slow Dancing Society / The Sound of Lights When Dim

Slow Dancing Society / The Sound of Lights When Dim

オーストラリアのインディ・レーベルHidden Shoal Recordingsから、ワシントンで活動するアーティストSlow Dancing SocietyことDrew Sullivanによる1stアルバムです。
Hidden Shoal RecordingsではCDなどの媒体は扱っておらず、自身のHSR StoreやiTunes storeなどオンラインでデジタル配信をしているようです。
扱う音楽はアンビエントをベースにポストロックからシューゲイズポップまで、いずれも美しいオススメのレーベルです。

その中でもDrew Sullivanはとびきり優雅な音を作り出しています。
薄く滑らかなシンセ・レイヤーに甘美なフィードバックが織り成す穏やかな空間は、外界の喧騒から傷ついた心を隔離し優しく包み込むかのよう。

そしてSlow Dancing Societyのサウンドで特徴的なのは、ぼやけたアンビエンスに漂う艶やかなギターワークです。
控え目でソウルフルなフレーズを紡ぎ出すギターは微妙にエコーがかけられ、ぼんやりと揺らめく薄明かりのようなシンセサウンドの中で静かに反響しています。
それはまるで上質なベッドの中でまどろみながら穏やかな光を夢想しているような不思議な心地よさを与えてくれるのです。
特に、アルバムの最後を締める"How Life Was Meant to Be Lived" と"A Lonesome Settlement,"ではゲストのCraig Fergusonによるペダルスティールギターがフィーチャーされており、その官能的なトーンに酔わせてくれます。

"Dim"というのは"ぼやけた"とか"薄暗い"といった意味ですが、アルバム通してまさしくそういった光のイメージを想起させるでしょう。
そしてリスナーを包み込むベルベットのようなアンビエンスはたまらなく幻想的な世界を作り上げています。



(試聴)
Myspace
Hidden Shoal Recordings

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2007年02月15日

#007 Eluvium / Copia

Eluvium / Copia

テネシー州出身のアーティストEluviumことMatthew Cooperの4thアルバムが2/12にHuman Highway Recordsより日本先行リリースされました。

マシューの創る音楽は一見浮世離れしているようでいて、実は非常に人間味に溢れていると思います。
それは"An Accidental Memory in the Case of Death"を聴けばよく分かるでしょう。
他の作品の神秘的なドローン・サウンドとは一線を画した、アコースティック・ピアノ一本で生の感情を切々と描き出すアプローチ。
あの甘美で切ないピアノの旋律に心を奪われた方も多いと思います。

今作ではそのピアノも大いにフィーチャーされていますが、逆にこれまでよく使われてきたギター・サウンドが排されています。
代わりに顔を覗かせるのがT01"Amreik"の雄大なホーン・アンサンブルやT08"After Nature"の優美な調べを紡ぐストリングスなど、まるでEnoの"Discreet Music"を彷彿させるような優雅なオーケストレーション。
ぼんやりと霞がかったサウンドスケープを見せた"Talk Amongst the Trees"や、荒涼としていて退廃的な響きを聴かせた"When I Live by the Garden and the Sea"に比べ、生を祝福しているかの如く光に満ちています。
差し込む光は聴き手の心を照らし、まばゆく幻想的な世界に酔わせてしまうかのよう。
様々な感情を滲ませながら昇り詰めていく珠玉の楽曲は、ただただ感動的です。

毎回異なるアプローチで美しいアンビエント・サウンドを創造するマシューは、この作品でもまた表現の幅を大きく広げたように思います。
アンビエント・ミュージックにおいてただ"きれいな"音を作る人はごまんといますが、こうも感情を揺さぶる音を作れる人は滅多にいません。
豊かな感情を描くその表現力は圧倒的といえるでしょう。



(試聴)
Myspace
Amazon
Human Highway Records

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2007年02月09日

#006 SubtractiveLAD / No Man's Land

SubtractiveLAD / No Man's Land

カナダのヴァンクーヴァーを拠点に活動するエレクトロニック・ミュージシャンSubtractiveLADことStephen Hummelがn5MDより2/6にリリースした3枚目となるアルバムです。
これまでのリリースを見るといずれも2月となっておりほぼ1年周期での規則正しい日程でリリースされてますね。
この調子なら来年の2月には4thアルバムがリリースされているかもしれません。

この作品はこれまでの彼の作品とは若干趣が異なるように思います。
Myspaceで"all ways"を聴いて「えっ?」と驚いた方もいるでしょう。
前2作では彼が作り出す世界に聴く者を深く誘い、その意識を侵食していくかの如きサウンドであったのに対して、今作では聴く者を穏やかに包み込み、心を解き放ってくれるような開放感を感じることができます。
"all ways"などはその最たる例といえるでしょう。
特にダークだった前作"Suture"との違いは大きいかもしれませんね。

これまでのスタイルに新たに加えられたギター、フィールドレコーディング、声といった要素がサウンドに暖かみを与え、全体の印象を柔らかなものにしているようです。
もちろん彼特有のドラマチックでエモーショナルなIDMトラックも聴くことができますが、アンビエントの割合がこれまでより明らかに多く感じられるでしょう。
表題曲であるT09"no mans land"が12分にも及ぶ壮大でスペーシーなドローン・アンビエントであることからもそれが見て取れます。

毎回素晴らしいIDM作品をリリースしているn5MDの中でも、彼の生み出す深遠なサウンドは他の追随を許さないように思います。

また、リトアニアのネットレーベルSutemosからリリースされているコンピレーション"Intelligent Toys 3"にてn5MDでもレーベルメイトのBitcrushとコラボした"Denouement"という曲を提供してますのでまだの方はぜひダウンロードしましょう。
このコンピは毎回メンツが豪華で結構知っている方も多いと思います。



(試聴)
Myspace
n5MD

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2007年02月01日

#005 Arve Henriksen / Chiaroscuro

Arve Henriksen / Chiaroscuro

ノルウェーのフリーミュージック・グループSupersilentのメンバーとして知られ、他にも幅広い活動をしているアーティスト、アルヴェ・ヘンリクセンがノルウェーのレーベルRune Grammofonより2004年にリリースした2ndアルバム。
彼はNine Horsesの「Snow Borne Sorrow」にも参加しており、そちらで知った方もいるでしょう。
(余談ですが「Snow Borne Sorrow」には教授も参加してますね。)

「キアロスクーロ」。
イタリア語で光と影という意味です。
この言葉は美術用語としても用いられているため知っている方も多いと思います。
この作品で彼はその驚異的なトランペットと声によって朧げな空間に明と暗を浮かび上がらせ、美しい一枚の抽象画を描き出します。

彼の特色といえるのは特異なトランペット奏法。
彼のトランペットの音色はよく「尺八のような」と称されますが、なんと彼は実際に尺八の研究のために京都に滞在したことがあるそうです。
そして1stアルバムのタイトルは「Sakuteiki」。
それは造園の心得について説いた平安時代の著作である「作庭記」のことを指しています。
なんとも渋い日本通であるといえましょう。
楽器の材質を超越した不可思議な音色は非常にクールでストイックに響き、深く空気を切り裂いていくようです。

もうひとつ驚異的といえるのが彼自身の声です。
性別を超越した神秘的な高音による歌詞無き歌は人間の声とはにわかに信じ難く、Sigur Rosのヨンシーを彷彿させる天国的な響きを持っています。
1stではあまり出番はありませんでしたが、この作品では大々的にフィーチャーされているようです。

それらをサポートするミニマルでアブストラクトなビートを刻む丸みを帯びたパーカッション、アンビエントに配された微かな電子音はまるで早朝の霧のように漂っています。
全体を覆う空気は淀みなく、緊張感を漂わせながらも穏やかに流れています。

この美しく幻想的な作品はなんと2002年秋のノルウェーでのライブ音源をもとにつくられた作品だと言います。
こんな非現実的な音を生で再現されたら一体どうなってしまうのでしょう?

同じくノルウェーのKim Hiorthoyによるアートワークも素敵ですね。

アルヴェ・ヘンリクセンについてはタダならぬ音楽三昧さんにて詳しく取り上げられています。



(試聴)
Boomkat

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2007年01月21日

#004 Ashram / Shining Silver Skies

Ashram / Shining Silver Skies

イタリア、ナポリの3人組Ashramが2006年にポルトガルのレーベルEquilibrium Musicからリリースした2ndアルバム。
ピアノのLuigi Rubino、ヴォーカルのSergio Panarella、ヴァイオリンのAlfredo Notarlobertiによるトリオ編成にアディショナルとしてチェロ、ギターを加えて奏でられるのは、ドラマチックな極上のネオクラシカル・サウンド。

リリカルかつ繊細に流れるピアノの中、ヴォーカルとヴァイオリンが華麗なる舞を見せてくれます。
ピアノとヴァイオリンは当然のように透き通った音色を出していますが、そんな中でこの男性ヴォーカルはその雰囲気を損ねることがありません。
彼の声は深い哀愁を漂わせながらも透明感が溢れ、非常に艶やかで中性的な美しさを持っています。
Alfredoのヴァイオリンは上質な美旋律を惜しげもなく披露し、抜きん出た存在感を放ちます。
時にはヴォーカル以上に歌うその繊細かつ大胆な表現力は大変素晴らしく、ソロパートにおいては完全に彼の独壇場といえるでしょう。
そして決して音を荒げること無くデリケートなタッチで奏でられるピアノは、本当に儚く壊れそうな音色です。
インスト曲も何曲かあり、極上のアンサンブルを聴くことができます。

彼らの生み出す音楽は、ピアノ、ヴォーカル、ヴァイオリンとシンプルな基本構成の中で各パートの音の一粒一粒が非常に研ぎ澄まされており、不純物の全く無い純粋な美の結晶といえるでしょう。
その過剰ともいえる美意識により生み出された音楽は圧倒的な美しさを以って聴くものを独自の世界に引き込みます。

日本ではおそらく唯一、ザビエル・レコードで購入できるようです。
ここではヨーロッパの様々な美しい音楽を扱っていて大変興味深いですよ。



(試聴)
Myspace
Official

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2007年01月16日

#003 Ethan Rose / Ceiling Songs

Ethan Rose / Ceiling Songs

オレゴン州ポートランドで活動するアーティストEthan Roseの1stアルバム。
シカゴのレーベルLocust Musicから2005年末に限定500枚のアナログ盤のみで発表され、2006年にCDとしてリリースされました。
Heazからの日本盤ではボーナストラックとして現在廃盤のCD-R盤1曲を加えた構成となっています。

プレイヤーピアノや壊れたオルゴールから聴こえる断片的な旋律、ランダムに散りばめられた様々なノイズ、その他演奏される楽器類、デジタルプロセッシングされたそれらが一体となって陶然とした響きを作り出す穏やかなアンビエントミュージック。
ランダムかつ丁寧に配された一音一音はまるで水面のような揺らめきを見せ、浮かんでは消える旋律はひどく儚げに響きます。
どこまでも透明な音像は非現実的であり、まさに夢見心地といった感じでしょうか。

いわゆる「エレクトロ・アコースティック」と呼ばれる近年非常に多く見られる作品群の中、Ethan Roseの感性は抜きん出た繊細さを見せていると思います。

彼はこの他にもSmall Sails(改名前はAdelaide)というポストロックバンドで活動していて、2006年に1stアルバム「Hunter Gatherer」をリリースしています。
この作品でも、アプローチは違えど優しくイマジナティヴな音像は共通していますよ。
Small Sailsは2007年にはResonantから2ndアルバムをリリースするらしいです。
発売日は未定。(I Think So 思う。さんより)

こちらで日本盤のライナーにも載っていたEthan Roseの言葉を読むことができます。



(試聴)
Ethan RoseのMyspace
Small SailsのMyspace

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2007年01月10日

#002 Mountains / Sewn

Mountains / Sewn

シカゴのレーベルapestaartjeを共同で運営するBrendon AndereggとKoen HoltkampによるデュオMountainsの2006年リリースの2nd。

生楽器、電子音、フィールドレコーディングが溶け合った素敵なエクスペリメンタル作品です。
アコギ、ピアノ、アコーディオン、ハーモニカなどの生楽器と様々な物音を集めたフィールドレコーディングなど色々な音が使われていますが、いずれも優しく穏やかな音使いをしていてとても耳に心地良いです。
目を閉じれば美しい自然の光景が浮かんできて聴いていると思わず時の流れを忘れてしまう、そんな切なくも美しく透き通った世界。

重ねられた様々な音はそれぞれお互いを引き立てており、音の美しさを際立たせています。
特に感銘を受けたのが水の音。
私は今まで水の音を「何となく気持ちいいな」くらいに思いはしても、これほど美しいと思ったことはありませんでした。
楽器の音や電子音と絡まったそれは全ての負の感情を洗い流してくれるような浄化作用を持っています。

本作で使われるフィールドレコーディングなどのサンプルはバイノーラル録音という特殊な録音方法で録られています。
バイノーラル録音についてはこちらこちらで詳しく説明されていますので興味のある方はご覧ください。
簡単にまとめますと、ダミーヘッドの左右に人間の耳と同じように配したマイクを使うことでダミーヘッドの"耳"と聴く人の耳がリンクして非常に臨場感のあるサウンドが再現できるといったものですね。
バイノーラル録音はその性質上スピーカーよりもヘッドホンで聴く方が適しているらしいので、ぜひヘッドホンで聴いてみてください。



(試聴)
Myspace

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2007年01月06日

#001 Kyle Bobby Dunn / Music For Medication

Kyle Bobby Dunn / Music For Medication

アメリカはロスに拠点を置くレーベルThis Generation Tapesから、同レーベルよりアルバムをリリースしているSubtract By Twoの片割れでカナダ出身のKyle Bobby Dunnのソロアルバム。
今作は純粋な新作ということではなく、2002年にCD-Rでリリースされていたものの再発盤とのこと。
詳しくはLinusさんのレビュー(リンク先一番下)に載っています。

その中身は全篇とにかく美しいオーロラドローンで覆われたミニマルなアンビエント作品。
綺麗なシンセ音が気持ちよーく伸ばされていて、そこにピアノの柔らかな音色が絡むところなんかは思わずウットリしてしまいます。
まるでジャケにあるような青空に浮かぶ雲が穏やかに流されていく様子をじっと眺めている、そんな気分にさせてくれますよ。

レーベルのMyspaceで1曲聴けます。
本人のMyspaceもありますが、このアルバムからの曲は無くもう少しエクスペリメンタル寄りな音を聴くことができます。
Subtract By Twoの方もレーベルもしくはKyle Bobby DunnのMyspaceで1曲聴けますが、これまた非常に美しい。
ヴァイオリンとピアノの切ない音色を基調としたクラシカルな曲で、悲しげながらも透徹とした美しさ。

まだリリースの少ないThis Generation Tapesですが、Kyle Bobby DunnといいSubtract By Twoといいこれから期待できるレーベルですね。

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このブログについて

はじめまして、管理人のmiserere1582です。

このブログでは私が聴いた音楽やそれに関わる様々な事を取り上げていこうと思っています。
普段はアンビエント、エレクトロニカなど音響系を中心にクラシック、古楽、現代音楽、ジャズなどにも細々と手を出してます。
というか美しいと感じるものであればジャンルは問わない、そんな音楽狂を目指して様々な音源を収集しながら記事を書いていけたらいいと思います。

何かありましたら気軽にコメントしてください。
リンクもご自由にどうぞ。

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