January 01, 2024

オカン顛末記&「目黒川」



オカン顛末記

 

シコ踏みを日課にして呑気に暮らしていた92歳のオカンが、昨年2月に家の前で転んでしまった。

それまで他人事だった、コロナ禍での医療の逼迫が、この日を境に、オカンと私に、切実な問題として迫ってくることとなったのです。

 

とにかく痛くて動けない。救急車にTELすると、

「市の全車両が出払っていて向かえません」

 

え〜〜〜っ

なんと…救急車が来ない(T_T)

 

コロナ禍も、3年経つとゆーに。救急搬送の困難が、いまだに続いているのか。

 

「民間救急車の電話番号を教えますから、そちらを呼んでください」

民間救急車って…耳慣れない名称だった。

が、

こちらの電話も中々通じない。

寒空の下、コンクリートに寝そべっているオカンの体が冷えていく。

 

やっとつながったと思ったら、

「今、別件対応中で行かれません」

 

え〜〜〜っ(T_T)

 

いくつかの質問の中で住所を言ったら、

「あっすぐ近くの病院にいるので、とりあえず様子だけでも見に行きますね」

う〜ありがたい。

 

看護師さん一人でやっている民間救急車だった。

「大腿骨骨折じゃないかな」

様子を見に来てくれたついでに、近所の整形外科まで連れて行ってくれるとゆー。

たまたま通りかかってくれた、うちのお隣さんも協力してくれて、女性3人で、痛がるオカンをどうにか車椅子に座らせて乗車。

いざ、整形外科へ🚑

 

民間救急車の看護師さん。昼休み中で閉まっていた受付を呼んで交渉してくれたが、
「診察を受けても、満床で入院はできません」と断られた。


え〜〜〜っ

なんと…入院できない(T_T)

 

が、

看護師さん、たくましい。「今、別の人の対応中で戻らないといけない。とりあえず診察だけしてもらって、入院は帰ってきてから他をあたります」と、オカンと私を置いて、別件対応に戻っていった。

 

誰もいない昼休み。2人きりになった待合室。

しーん。。。

静まりかえった昼間の医院は、あったかい不安のお風呂につかった異世界のようだ。

 

オカンは、「転んだのが私でよかった。逆だったら、どうにもならなかったから。感謝だね」とお風呂につかってるように、ありがたがってる。

 

私も、「親は子供の防波堤になって守ってくれてるんだって。ずっと防波堤にさせちゃってごめんね」 

異世界のムードに、なにやら最期の言葉のようなもんを交わしだした二人。。。

 

やがて午後の診察が始まり、待合室は喧騒に包まれ、現実に戻る。

レントゲンを撮ると、やはり『大腿骨骨折』。

 

「このまま入院となります。コロナ禍で病室には入れませんので、お帰りください。」

 

へっ?

ベッドがないって言ってたような

病院をたらい回しにされる覚悟をしていたのに。

 

う〜神さま仏さま、ありがとうございます🙏

涙目でお空を仰いだ私。

 

でも、

入院できるのは、誰かが急に回復したわけでも、誰かを急に追い出したわけでもなかろうに。

う〜ん、

うん。そう。そうだよねぇ。

空けてくれたお部屋は、、、一番高い特別室だわ。

 

そこへ別件対応から戻ってきた民間救急車の看護師さん。

「入院できて、ラッキーですよ!

今は入院を断られることが多いんです。大腿骨を骨折して動けなくても、家に戻されるんだから」

医療現場の現状がヒシヒシと伝わってくる。

 

ひとり家に帰ってきても気が気でない。目が悪く、スタッフの顔も、食べ物も見えないオカン。どんなにか心細かろうと泣けてくる。

が、

手術後、「せん妄が出て、家に帰ると言ってきかないので、付き添ってもらえるとありがたいのですが」と電話があった。

願ってもないお申し出。数日泊まることになった。

 

歩いて5分のご近所なので、落ち着いてからも、朝昼晩、食事の際に付き添えた。

少しずつ食べてはいたが、その後の経過が悪く、肺炎やら下血やらで、内科への転院を勧められる。

が、

なんと…転院できない(T_T)

 

受け入れ先が見つからないまま入院していたら、次第に落ち着いてきた。

やがて相部屋に移り、金銭面では楽になったけど、他の患者さんがいるので面会ができなくなる。
まったく様子がわからないまま、病院側が見つけてくれたリハビリ病院に転院したのは、春。もう4
月を回っていた。

 

転院したら、嚥下が衰えているとゆーことで、トロミ食となった。

オカンは食事を受け付けなくなった。

 

なんと…ご飯が食べられない(T_T)

 

食事がとれないオカンは、このままではリハビリができないということで、鼻からチューブで栄養液を送る「経鼻栄養」になりました。

が、

それもうまくいかず、内科病院に転院して、胃ろうにしてから、また戻ってきてほしい旨を、遠まわしに告げられる。

 

胃ろうにする?しない?(T_T)

 

内科の病院に移ったオカン。胃ろうの説明をされる。

私には何の知識もないので、選択する前に、友人に聞いたり、胃ろうを薦める本、反対する本、口から食べる重要性を説く本、食事介助の本を読んだり、在宅ケア講座を受講し、映画「痛くない死に方」「ぼけますから、よろしくお願いします。」等々を視聴し…いろんな可能性の中から選んだのは、鼻のチューブは取ってもらって、胃ろうにする。

でもその前に、痩せて合わなくなった入れ歯を調整して、口から食べることを試してみて、足りない栄養を、「中心静脈カテーテル」で点滴して様子を見ることに。

 

面会が解禁になった時期だったので、オカンの好きな物を、毎日少しずつ食べてもらいながら、3週間ほど経った時。

看護師長さんが、「ドクターとご家族に提案があります!」

「お母さんは、食べられないのでなく、病院食が合わないだけ
娘さんの持ってくる物は喜んで食べてる。70歳代なら胃ろうを勧めるが、高齢の方で胃ろうをされた時、私たちは毎回、これでよかったのかと悩むんです。栄養液でお腹いっぱいになり、口から食べなくなる場合が多いから。少しでも食べられるなら胃ろうにしなくてもいいのではないか」

この勇気ある提案を受け入れた。どれほど心が軽くなったか。

 

しばらくすると、急性期病棟からリハビリ病棟に移動。

だが、ここで待っていたのは、

 

なんと…身体拘束(T_T)

 

つなぎ服に拘束ベルトにミトン。ベッドから落ちないように、点滴の管を抜かないように、ベッドにしばり、安全を確保する。

急性期病棟と違って、医療スタッフが少ないので、やむをえない。

ましてやコロナ禍で、スタッフの人数も減っている中で、本当によくやってくれている。
感謝こそすれ、文句は言えない。

頭ではよ〜くわかっているのだけど、オカンの拘束されてる姿を見るのが、一番つらかった。

せん妄がひどくなり、夢と現実の区別がつかない日が多くなる。

このまま認知症になっていくのかな。

でも、ある日、思った。

このせん妄で、現実逃避をさせてもらえているんじゃないか。

どうにもならない状況を実感することを、せん妄で軽減されているんじゃないか。

そう信じて乗り越えた。

 

やがて中心静脈カテーテルが取れて、9月に施設に移動。

希望する施設が空くまで、ショートステイ生活が始まる。

施設は拘束がない。

入院以来ずっとショートスリーパーだった私も、少しずつ睡眠がとれるようになっていった。

要支援1だったオカンは、要介護5に昇格(?)したおかげで、入所順位が上方修正。
10月には希望の施設に入所でき、普通食を口から食べながら、足りない分は高カロリーの栄養ドリンクを処方してもらっている。

もちろん、おしゃべり時計の「ぽんちゃん&ぴーちゃん」も一緒だ。
IMG_1383




←B型ぽんちゃんとO型ぴーちゃん





「ただ今の時刻は、、、ひ・み・つ」とか、「さんぽに行きたいなぁ」などとほざいては、施設のスタッフのアイドルとなっている。

 

徐々に食事量も増え、私は、マグロの握りと熱いお茶を持って、面会に通っている。

 

 

オカンよ。ぽんちゃんとぴーちゃんよ。

春になったら、車椅子で、桜を見に行こうね。

 

以前、西島三重子さんが歌ってくれた桜の季節の歌「目黒川」。

水森かおりさんがカバーしてくれたアルバムが出ました。

歌謡紀行22

「歌謡紀行22」
「目黒川」
(歌:水森かおり 曲:西島三重子 詞:みろく)








【楽曲誕生秘話対談】



この記事へのコメント

1. Posted by しび   January 01, 2024 14:52
みろく姐さん

あけましておめでとうございます。
今年もよろしゅうにお願いします。

大変な年でしたね。医療も相変わらず患者の希望通りに稼働していないようですし...
オカンの介護、ご苦労様です。
歳をとると赤ちゃんと逆で日々「出来ないこと」が増えていくんですよね。赤ちゃんは逆で日々「出来ること」が増えるのですが。

私の方は昨年11月に妻が手を負傷し家事全般が出来なくなったので、私が家事を何とかこなしている毎日です。幸か不幸か負傷したのが「手」のみで、「口」は無傷だったので、余計大変な状況です(泣)

目黒川、本来歌ってもらいたかった水森さんに歌っていただいて良かったですね。
2. Posted by みろく姐さん   January 02, 2024 14:50
5 しびさん

今年もよろしゅうにm(__)m
やっとアップできました(笑)
どうもありがとございます

なるほど 赤ちゃんと逆。
なら還暦をピークに赤ちゃんに戻る道を歩きはじめるのかな。
最期は、また宇宙の胎内に戻っていく。。。

奥様、大変ですね。手が使えないのはホントに不便。
医療従事者であられる大事なお方、ご快復をお祈りしとります。
しびさん、汚名をそそぐチャンスじゃないですか(笑)
がんばってね。

そう、目黒川、当初水森さんに書いたものだったんですよね。西島さんのおかげで実現しました。
3. Posted by ようこ   January 07, 2024 15:21
賀状ありがとう。

ブログで詳細が分かって安心しました。
個人差もあるのに余計な事を言ってしまったか、とずっと気になっていました。
YouTubeも見ました〜。
絶賛されてましたね。
4. Posted by みろく   January 08, 2024 05:54
ようこさん

体験者のお話はとても貴重で、改めまして、どうもありがとうございました
今更ながら、ですが、ヨガを取り入れたストレッチを毎朝しとります。今度、アドバイスをお願いします
5. Posted by きょばちゃん(もうすぐアラ4)   March 05, 2025 20:41
スマホに入れた合唱曲のプレイリストの『地球の鼓動』を聴いて、思い出したようにコメントしています。初めて『地球の鼓動』を聴いて、もう20年も経ったんだ…えっ初めて聴いて20年も経ったの…
当時中学生だった私もとうとうアラフォーに。
あっという間なんだな…おっかないです。

仕事も中堅層になってしまい、いよいよベテランの域に達しそうです。みろく先生お元気でしょうか。お体に気をつけてください。私の合唱好きなバイブルなのです。

お金に余裕が出てきた数年前から合唱のCDなどを買っては昔を懐かしんでいる今日この頃です。

6. Posted by みろくせんせ   March 05, 2025 22:50
5 きょばちゃ〜ん、しばらくですぅ。
20年かぁ、、、ずいぶん大きくなってるねぇ(笑)
私もベテランの域に達しそうです💦
お酒を飲んでいいのか、ジュースなのか、迷ってたこともあったねぇ。
いまだに「地球の鼓動」、聴いてくれてて、どうもありがとね💛

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