世にも奇妙な小物語

怖い話・奇妙な話・小話など集めて掲載しています。

2016年09月

流れを切って投下。

私は全くの霊感ゼロ、その手のものは何も見えないし感じません。
それでも取り敢えずはヤバ気なモノや場所には触らない、近づかない、と、
最低限の自衛はしているつもりです。何らかの理由があるからタブーになるのでしょうし。

家族では母が同じく見えない人で、更にこの人、性格が超アバウト。
趣味で生け花というかアートフラワーというか、花のデコレートをしているのですが、
石をあしらうのがこのごろのマイブームらしい。
で、家族が散々止めろ店で買えと言って聞かせるにも関わらず、
「これ素敵でしょー」と石を拾ってきてしまうのです。河原の石を。
知識として知っている私と妹、経験として知っている父は
そのたびごとにちょっと疲れることになるのですが、先週末はマジ洒落なりませんでした。

両手のひらに乗るくらいのその石を見せられた瞬間、あ、ヤバいと思いました。
だって表面に黒い蛇の模様がのたくっているのです。
「おかーさま、これは一体なんですか」
緊張のあまり無意味に敬語です。
「川で拾ってきたの。綺麗な模様でしょ」
母、嬉しそうです。そりゃそうでしょう。単純に模様と見るならば綺麗だもん。
でもただでさえ河原の石はとても危険、更に蛇の模様…何が入っているのか…。
私では鑑定のしようがないので、「うっすらとわかる人」である妹を呼びました。
部屋に入ったとたんに妹絶叫、悲鳴に呼ばれて父登場。
「どうした…お前なに拾ってきた!!」
父は見えるどころか、拝み屋家系の出です。(職業は元サラリーマン、現在はリタイア)
それも「女なら本家が(養女に)取ってる」と言われた程の逸材だったりします。
こういう人でこういう家系にどうして全くの一般普通人の母が嫁いだのか
今でも議論になるところですが、逆に言うと母のようなアバウトかつ楽天的な人でなければ
父の妻は務まらないんじゃないか…という人です。

この後は凄まじかった。いえ、除霊などではなく父と母の議論が。
捨てる捨てないで激しく言い争う両親。響きが非常に乱暴な方言を駆使するので、
傍で聞いているとまるっきりDQNの喧嘩です。我が家にとってはいつものことですが。
あーあ…と眺めていたのですが、ふと見ると妹が半泣き状態。
そんなに怖いものなのかと訊くとそうだと言う。
妹の力は、先に書いたとおりうっすら分かる程度のものです。
「あんた、何見えてんの」
「蛇がお母さんの首に巻き付いて、口から入ろうとしてる」
それが物凄くはっきり見えるらしい。
「入っちゃったらどうなるの?」
「わかんない。けど嫌だ怖い」
それはそうだ。妹と目と目で通じ合い議論に参戦、三人がかりで母から石を奪うことに成功しました。
石は父が厳重に保管し、本家で母のお祓いとセットで丁重に処分したとのことです。
後日、父に妹が見たことを話し、蛇が入ったらどうなるのかを訊きました。
父は一言、「食われる」と。
詳細は幾ら食い下がっても教えてくれませんでした。

なにが嫌って、母、また同じことをしそうで…石が欲しいなら店で買って下さいお母さん…

ほんのりと怖い話スレ その120
http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1474201478/


233 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/09/24(土) 00:21:01.08 ID:lvVP15h90.net
病気で入院しているばあちゃんを親戚揃って見舞いに行ったときの話。
実際、ばあちゃんの容体は芳しくなく、それは見舞った全員が既に知っていた。
ばあちゃん本人がどこまで自分の状態をわかっていたかは…俺にはわからない。
そんな時、従兄弟が急にばあちゃんにしがみついて泣き出したんだ。
それも、子供が泣きじゃくるように、わんわんと。
みんな焦っていた。まるでばあちゃんが今にも死んでしまうとでも言わんばかりの騒ぎだからだ。
なんとか落ち着かせてなだめようとすると、従兄弟は泣きながら自分のせいでばあちゃんが死ぬ、と言い出した。
わけがわからないなりに詳しく聞いてみると、夢の話だという。
普通の日常的な夢を見ていたら、唐突に黒い男が現れて質問をされた。
道でも尋ねるような自然さに、従兄弟はつられるように答えてしまったらしい。
「近々、死んでしまうものの心当たりはないか?」
「ばあちゃんのこと?」と。
目を覚ましてから何てことをしてしまったのだろう、
日々病状が悪くなりつつあるばあちゃんの様子に、あの男は死神だったのではないかと思うようになり、とうとう耐えきれなくなったのだと。
どうにも扱いに困った様子の親族たちをよそに、ばあちゃんは従兄弟の背中を精一杯さすりながら、大丈夫、大丈夫、と声をかけ、
「その男の夢なら、ばあちゃんも見たことがあるんだよ」と話し始めた。
「ばあちゃんはね、その質問にいつもこう返していたんだ。
家の軒下の鉢植えが枯れかけている、私も世話できずにいるし、きっと長くは持たない、ってね。
あの鉢植えたちに、ばあちゃんも悪いことをしてしまった。
もう、そうして押し付けておくのも忍びない。だから、いいんだよ。
もういいんだよ」
そんな風に言っていた。
それから何日かして、ばあちゃんは亡くなった。
あのばあちゃんの話は、俺を含め、親戚みんなどう捉えていいのかわからずにいる。
従兄弟を安心させようと、ばあちゃんが咄嗟に話を合わせて語って聞かせたのかもしれない。
でも、もう長く口を開くこともままならなくなっていたばあちゃんに、そんなことができたのだろうか?という疑問もある。
ばあちゃんが心配していた軒下の鉢植えは、まだ無事だった数鉢を俺が預かることにした。
幸い今のところ、黒い男が夢に出てくることはないままだ。



数年前、私の先輩のFさんから聞いた話です。
Fさんが、自分ちのすぐ近所に住んでいる従兄弟の家へ行った時のこと。その日、従兄弟はいつになく沈んだ顔をしていたそうです。
上がって飯でも食べて行けという話になり、そのままずるずるとお酒を飲み始めた頃、従兄弟がぽつりと話し始めました。
「一昨日、すげぇのが来たんだよ」
その夜は真夏にもかかわらず、わりあい涼しかったので、今日はゆっくり眠れるだろうと思っていたところ、なかなか寝付けなかったんだそうです。
そのうち、遠くで赤ん坊の泣き声が聞こえたそうです。もちろん近所に赤ん坊のいる家などありません。次第に赤ん坊の声は近づいてきます。やばいと感じたものの、逃げることはできませんでした。
やがて、泣き声に混じって、ザッ、ザッ、っと畳の上を這うような音まで聞こえはじめました。赤ん坊の声を右耳の側で聞いたその時、仰向けに寝ていた従兄弟の胸の上にずしりとした重みが乗りかかりました。
怖くて目を開けることもできずにじっとしていると、すぐにその赤ん坊は胸から降り、通り過ぎて行きました。その間もずっと泣き声は続いていたそうです。
Fさんは、一昨日通過したものが昨日は戻って来ていないのだからいいじゃないかと従兄弟をなだめて、その夜は終わりました。――その夜は。
Fさんはまさか、従兄弟が聞いたそれを数日後に自分も聞くという羽目に陥るとは思っていませんでしたから。
従兄弟の部屋とFさんの部屋は一直線上にあり、何日かがかりで這って来たようです。
その赤ん坊はFさんの家も通過して、どこかへ去ったらしいです。どこへ行ったのかは、もちろん誰も知りません。


ほんのりと怖い話スレ その120
http://toro.2ch.sc/test/read.cgi/occult/1474201478/


287 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/09/26(月) 02:28:36.63 ID:9seLMqve0.net
台風16号が来ていた雨の日に出ると噂のトンネルを通った。
トンネルは町中とまではいかないが交通量のある場所にあり、十数年通勤で使っているが見た試が無い。
その日も普段通りにトンネルを潜った。
何となく背後が気になりバックミラーを見ると、リアガラスに人影が映っていた。
ありえない。時速50㎞で走っている車の背後に、一定の距離を取って人影があるなんて。
影は髪が長いのだと思う。首が無かったから。頭があって、肩があった。
ぞわ、と鳥肌が立って、でも見えたのは数秒で、すうっと下に沈んでいった。
後続車のライトだけがバックミラーに残っていた。
鳥肌が治まらなかったが、見間違いだと自分に言い聞かせた。
それから一週間後、まだ雨が降っている日。
あれから通勤の往復で何度もトンネルを通ったが影は見えなかった。
やはり気のせいだったのだと安心していた。そもそも霊感なんて無いし。
そう思いつつ、同じシチュエーションなのが気になっていた。
何時ものようにトンネルを通って、どうしても気になってバックミラーに目をやる。
また影があった。
今度は両手が持ち上がっているようで、頭の横に開いた手の平の影もあった。
見間違いではなかったのか、と怖くなってアクセルを踏んだ。
影は前回と同じように、数秒間、一定の距離をおいてついてきて、すうっと下に沈んで行った。
通勤に使う道を変えようと思ったが、このトンネルを使わないと非常に遠回りになる。
田舎なので道路が少ない。30分は余計にかかる。
でも怖かったので朝はともかく、帰宅は別の道を使うようにした。


288 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/09/26(月) 02:30:38.70 ID:9seLMqve0.net
そして数日前。
残業が続いていて疲れていて、わざわざ遠回りをして帰るのがキツかった。
雨も降っていない。だから、トンネルの道を選んだ。
トンネルまであと数百メートルというところで雨が降り出した。
嫌だなと思ったが横道もUターンするスペースもなく、後続車もあって進むしかなかった。
トンネルを潜る。
バックミラーを見なければ良いのだが、見なければ見ないで怖い。
見ないようにと思っていたのに、ちらっとバックミラーを見てしまった。
影が黒くなかった。
影の中央、顔にあたる部分と手の平が白く見えた。
近づいているのか!?
そう思ったらもう我慢ができなくて、涙目で飛ばして近くのコンビニに入った。
情けない話、足ががくがくと震えていて車から降りられない。
少し遅れて後ろからついてきた車がコンビニに入ってきて、運転席側の窓をノックされた。
「おい、大丈夫か?」
と言われて、答えられなくて、でも大丈夫ではないので頭を横に振った。
後続車の運転手は頭の散らかったオッサンで、青い顔をしていた。
オッサンが言うことには
「トンネルを抜けたところで前を走る車の窓にベットリと張り付く真っ黒い人影が見えた。
なんだ?と驚いたところでスピードを上げたので、運転手は見えているのかもしれないと追いかけてきた。
見えたのは一瞬で、頭がオカシイと思われたら嫌だと思ったが、運転席で震えているのを見て見間違いではなかったと確信したので声をかけた。
俺は霊感なんかないし、生まれてこのかた一度も幽霊なんか見たことがない。ついさっきまで信じてさえいなかった。
そんな俺でもアレはやばいと分かった。悪いことは言わないから、もうあの道を通るのはやめた方がいい。」
頷くしかできなくて、震えていたらオッサンがコンビニで珈琲を買ってきてくれて、落ち着くまで一緒にいてくれた。
もうあのトンネルは通れない。
朝だろうが雨が降っていなかろうが、もう二度と通らない。



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