世にも奇妙な小物語

怖い話・奇妙な話・小話など集めて掲載しています。

2017年04月

怖いと言うか気持ち悪い話
細かい会話とかは覚えてないので適当だが……
俺の中学時代からの女友達の話。仮に佳織としておく。 もともと小学校も同じで、五年、六年と同じクラスだったが、話すことなんてなかった。もともと一人でいることのほうが多い子だったと思う。
中学に進んで、同じ小学校から来た奴で同じクラスになったのが佳織ともう一人しかいなくて、席も近かったことから話し掛けたことが、佳織と友人になるきっかけだった。
そのうちもう一人の同じ小学校から来た奴(仮に順一とする)ともよく話すようになり、俺と佳織と順一は三人グループっぽくなった。
佳織と仲良くなってしばらくして、自分の家のこととか話題にしたら、佳織も自分の家のことを話した。
佳織は母方が中部のどこぞの田舎の神社の宮司の家系で、父方は北日本のある地方の豪農(今はわりと落ちぶれているらしい)の出身。
この一族も、行者とかになる人が多かったらしい。
「なんかすげえな。じゃあお前、見えたりするの? 霊とかw」
「見えるよ」
「(……まじかよ)……どんなの見えるの?」
「ふざけて言うことじゃないし……」
佳織はそれ以上話してくれなかった。いつまでたってもその手のことは話さなかったので冗談かなとも思ったけど、ある日冗談ではないことがわかった。
佳織と友人同士になってから何ヶ月かたった二月、バレンタインで俺は別のクラスの女子からチョコレートをもらい、めちゃ嬉しくて佳織や順一に自慢していた。
「やったー。もらっちゃったよ。俺、実は初めてだったりするんだけど」
「いいなー。俺も欲しいよ、ホント」
「あのさ……広志くん(俺の仮名)……それ、食べない方がいいと思う」
「え?」
「ちょっと、やばいと言うか……気持ち悪いよ、それ」
いきなり佳織が変なこと言い出したんで、俺も順一もわけわからんという感じだった。
「え? なにそれ? どゆこと?」
「なんかね、強すぎる。……本人に悪気はないと思うけど、けっこう色々いれて、なんて言うのかな……呪いみたいになっちゃってるよ。体壊すかもしれない」
「はぁ? お前、何言ってるの?」
せっかくもらったチョコレートとそれをくれた人をけなされてるみたいで、俺はちょっと腹を立てて佳織と喧嘩しかけたけど、順一が「まあまあ」と止めてくれて、結局俺の家でチョコレートのうち何粒かを溶かしてみることになった。
十粒くらいあったやつのうち三粒とって溶かしてみたんだけど、ぎょえっという感じだった。
二つからは、ほんの少しだけど、細かく切った髪の毛みたいなものが出てきたのだ。 あとの一つからは特に何も出なかったんだけど、ずっと湯煎して溶かしていると、そのうち変な臭いがしてきた。
「? 何これ? これもなんか入ってるの?」
「……わからないけど、血かな? ひょっとしたら生理のかも。でもそれ以外かも」
俺も順一も気持ち悪くてたまらなかった。 結局チョコレートは、くれた人には悪いけど全部捨てることにした。
佳織は呪いとか言ってたけど、それ以前に体に悪そうなので。佳織は見ただけで中に何か入っているということがわかったわけで、俺も順一も佳織の「見えるよ」を、信用するようになった。
さらにそれから一年ほど経った中学二年の十二月、冬休みの少し前のことだった。 俺と佳織は同じクラスのままで相変わらず結構話してたけど、順一は別のクラスになっていた。
ある日放課後久しぶりに順一と会って話していたら、佳織も昇降口にちょうど降りてきて、三人で帰るかということになった。
俺と順一は適当に話していたけど佳織はあまり話さず、何か様子がおかしいなと思っていたら、順一と途中で別れたとたんに「うえぇっ」と小さく声をだしてうずくまってしまった。
「おい! 佳織! どうしたんだよ!?」
佳織は口をおさえて、涙を流していた。
「どうしよう……広志君……どうしよ。順一君、死んじゃうかも……ぅえっ……」
「は? な、何言ってるんだよ。 ちょっと落ち着け。気持ち悪いんか?」
「どうしよう……」
「どうしようって……何なの、一体?」
「……順一君はやってないだろうから、多分親戚とかだと思うけど……人殺してるよ。ここ最近で。すごい恨まれてる。多分順一君にもまわってきちゃうよ……死んじゃうかも」
「……」
げーげー吐きながら言う佳織の背中をなでながら、以前のこともあり、俺はかなりびびっていた。でもまさかそんな……という気持ちも強かった。たまに通りかかる人が変な目で見てたので、この日は佳織を落ち着かせて帰った。
夜に佳織から電話があった。
「明日、順一君の身につけているものを持ってきて欲しいんだけど……できればシャツとか」
「え? 何に使うの、それ?」
「明日私学校休むけど、広志君、学校終わったら順一君のシャツ持って○○公園(近くの森林公園。さびれてる)に来てくれないかな。絶対に持ってきてね。絶対」
「ああ……?」
何かわからないうちに頼まれてしまったけど、帰りのこともあったし、言う通りにしてみた。
シャツとかなんてどうやって手に入れようかと思ったが、体育着を忘れたことにして借りて、洗って返すということで手に入れた。
森林公園では佳織が待っていて、俺が体育着を持ってきたことを確認すると「こっち」と、林の中につれていった。
ちょっと歩くと、葉の落ちた木がたくさん生えていて不気味だった。さらに不気味なことに、つれてかれた林の中の広場みたいなところに、ちょっと大きめのハンマーとダンボール箱が置かれてて、箱の中から猫(それも複数)の泣き声が聞こえてきていた。
「佳織、何あれ? 猫?」
「うん……」
ダンボールを開けると、猫が四匹(野良猫っぽかったけど、わからん)入っていた。
「ねえ、何するの? 一体」
「……これから、順一君の身代わりを作ろうとおもってるの。……お願い! 手伝って!」
「な、何? 身代わりって? わかんねー」
「大丈夫、すぐ終わるし。広志君に頼むのは簡単なことだから」
とりあえず言う通りにしてみた。言われたことは本当に簡単で、順一の体育着に猫を一匹、着せるようにして包み、地面に抑えるようにしていてくれということだった。
「それで、順一君はここにいるって、強く思って。声に出しながらがいいかな……多分」
「ああ。わかったけど……」
体育着にくるまれてくぐもった声をあげる猫を抑えつけ、言われた通りにした。
「ちゃんと抑えててね」
「え? 佳織、それ……」
俺が猫を抑えると佳織が置いてあったハンマーを持って、いきなり振り上げた。一瞬だった。
ボキャッと嫌な音がして、猫は鳴かなくなっていた。体育着にくるんでいたおかげでどうなっているか見えなかったが、頭のあった辺りがどんどん血に染まっていて、しゃれにならなかった。
「お、おま、何、おえっ! えっ!」
「待って! まだ我慢して!」
俺が吐きそうになっていると、佳織は猫を体育着の中からずるりと取り出して、次の猫をくるんでいた。地面に置かれた死んだ猫は頭が見事に砕けていて、たまに痙攣していて、それが見えてとうとう俺は吐いてしまった。
「お願いだから、おさえてて。順一君のためなんだから」
「む、無理……無理……」
「……じゃあ、さっき言った通り、頭の中で思うことだけやって。あと、目は閉じないでこの体育着をちゃんと見てて」
「わ、わかった……」
俺の見てる前で、佳織は足で猫の前足を踏みつけるようにして抑えつけ、今度は三度、ハンマーを振るった。腹がつぶれた猫が地面に置かれた。体育着から取り出す時に佳織の手には血がついてしまっていた。
さらに次に地面に並んだのは四本の脚を砕かれた猫、またその次も同じで、この二匹は凄い鳴き声を上げても生きていた。
最後の方、俺はもう見ていることが出来なくて、本気で怖くて、佳織に何度か注意されたけど目をそらしていた。
佳織はその後、掘ってあった穴に全部の猫を放り込んで埋めてしまった。(まだ生きてた二匹も)
これは俺も手伝った。
「最後の方、ちゃんと見てなかったでしょ?」
「見れないよ。あんなの意味あんのかよ? やばいって! どう考えても……」
「意味あるよ。……あると思う。手足は上手くいったかわからないけど、頭と体は多分大丈夫になったから」
俺と佳織は森林公園から出ると、ほとんど話さないまま家に帰った。血がしみた体育着は佳織が持ち帰った。それから冬休みになるまで、俺は佳織と口をきかなかった。
別に順一に何の変化もなかったし、あの猫は殺し損というか、佳織は単にやばい奴だったと思ったりした。 猟奇趣味に付き合わされただけなんじゃないかと思った。
でもやっぱり佳織は単に危ない奴じゃなかった。 冬休み中に、順一は父方の実家に家族で里帰りして、火事にあった。
両親と、親戚が何人か亡くなったらしい。妹さんも重体でやばかったけど、命は取り留めた。順一はというと、腕に少し重い火傷を負っただけで済んだ。
俺がこのことを知ったのは冬休みが終わってからだった。 順一は難を逃れた伯父夫婦の家に引き取られることになったけど、さらに二週間位してその伯父さんが遺書を残して自殺。
遺書には人を殺したうんぬんが書かれていて、後日死亡のまま逮捕だか送検だかされた。順一の家の近くに住んでた人で、俺も見知っていただけに、これにはホントに驚いた。
順一はすごいショックを受けたようで、見てるのも気の毒だった。 順一はその数日後、ずっと遠くの親戚に引き取られ、三学期はじまって間もないうちに引っ越していった。
佳織の言っていたことは的中していたわけで、俺は佳織とまた話すようになり、ごめんと謝った。
佳織は別に怒ってないと言ってくれたが、俺の質問には嫌がって答えてくれなくて、一年くらいしてようやくこのとき何をしたのか話してくれた。
なんか、いろいろ祟りとか、呪いの原理(彼女なりの理解だと言っていた)を話してくれた。
要は、思い込みの力らしい。今回は猫を順一の体に見たてて、俺たちがそう思い込むことで祟ろうとしてる奴をだまして、あの森林公園で怨みを受けたことにして、順一本人は助かったと言う。
他にも何か言ってたけど良くわからなかった。というわけで、俺は呪いとか祟りとか、術とかそう言うのは確実にあると思う。実際こういうのを見てしまったわけだし。
俺は「もし俺が死にそうだったら、隠さずに教えてくれ」といって、佳織と友達でいた。それからもいろいろ変な目にあったけど、今も実はかなり仲の良い方の友人かもしれない。
多分、佳織がやばい奴であることに変わりはないんだろうなとは思うが。
あと、猫は直視できなくなった。



アフィリエイトで広告収入「スマプロ」

これは、警備員のバイトをしていた時に、職場の先輩から聞いた話です。
都内Sデパートが縦に長い建物である事は、先程述べましたが、当然、一人で受け持つ巡回経路は複雑で長いものです。
新人である私が覚えきれているはずもなく、最初の内は先輩と共に異常確認を行います。EVボックスの位置や、火元確認場所、シャッターボックスの位置などその際に念入りに引き継がれ、その後に一人で回るようになります。
そのフロアは、婦人服売り場がメインの場所でした。先輩と2人で回っていると、丁度建物の中程の非常階段付近の防火シャッターの前でおもむろに上を指差して言いました。
「この警報死んでいるから。」そう聞いてもその時の私には『故障かな?』位にしか気にとめなかったのです。
警報には幾つか在りますが、火災報知気(いわゆる煙感)と赤外線の2種類が、そのデパートでは主流でした。
赤外線は、天井張り付いた白濁の半球状のもので、注意してみれば今でも何処のデパートでも見られると思います。
「でも、ドア警は生きているんでしょう?」と私が尋ねると、「あたりまえだ。」と先輩は答えました
非常階段付近には大抵お手洗いがあります。警備巡回時には、不審者が一番潜んでいやすい場所ですので、勿論中を調べます。婦人服売り場だけあって、女子トイレしかなく個室内に人影がないかどうか確認します。
私達は、用具入れを含めて通り一遍確認を行い、その場所を後にしました。私は、その時から先輩の顔色が悪い事に気が付きませんでした。
待機室に戻ったのは深夜3時を少しまわった頃でした。引継ぎ巡回のため遅くなり、他の皆は仮眠室に行っているようで私達2人しか残っていませんでした。
先輩は椅子に腰掛けるなり、私にぽつぽつと話し始めました。
「あのさあ、さっきの警報・・・なんで殺していると思う?故障しているわけじゃないんだ。」
私は、『何を言いたいんだこの人は?』と思いつつ、大人しく「さあ」とだけ答えて先輩の話を促しました。
「ほんというとさ、俺、あそこの女子便所あんなに丁寧に見回ったの初めてなんだ。あそこの便所さ、用具入れの、ほらモップを洗う深くてでっかい
洗面器あるだろ、あそこに以前子供が捨てられていたんだ。」
何でも、ある若い女性が、気分が少し悪くなったので、トイレに駆け込んで用を足したそうです。そうすると、便器にはかろうじて人の形をした赤ん坊があったそうです。
その女性は自分が妊娠していた事など全く気が付いておらず、『最近遅れているなあ、シンナーのせいかな、楽でいいや』位にしか思っていなかったそうで、それを見たときはどうしていいか分らなかったそうです。
その赤ん坊・・・といっていいかどうか分らないほどの未熟児は既に赤黒く変死していました。そのために流産したのでしょう。
女性は流れ出た胎盤と一緒に流してしまおうか、とも考えたそうですが見つかったら、誰かが埋葬してくれるのではという期待から、用具室の洗面器にそれをすくい移し、逃げるようにSデパートを後にしたそうです。
すぐにそれは発見されました。第一発見者は清掃業者のおばさんでした。当然、警察が来ましたが、未熟児の状態では、誰の子供かなんてわかる筈もありません。簡単な現場検証をした後早々に引き上げていったそうです。
発見された日の夕暮れに、警察に本人もまだ子供な年齢の母親が出頭してきました。気になって、戻ってみると騒ぎになっており、どうしたらいいのか
分らなくなって名乗り出たそうです。
女性の年齢が年齢だけに、確認が終わると後は内内で処理され、Sデパートの関係者にも緘口令が敷かれたそうです。
それからだそうです。そのフロアで不思議な事が起ったのは。
事件の夜、夜警に先輩の友人が当ったそうです。その時点では皆も、気味が悪いな、位にしか思っていなかったそうです。
それって普通な感性なのかと思われるかもしれませんが、寒い冬の夜等、前日駅の地下通路を追い出された浮浪者が、朝に外部シャッターを開けると横たわって・・・凍死していた、という事が
年に何度かあります。
変な具合に慣れているのでしょう。先輩の友人も、蛮勇なのか慣れなのかそのまま巡回に出発したそうです
婦人服売り場は、普通に巡回していれば1時過ぎに通りかかります。先輩の友人は、女子トイレの前に来て流石に緊張して通路から辺りを照らしてみたそうです。
店舗内には異常は見られません、が、その人は、何か変な気がしたので、もう一度懐中電灯を向けてみました。そこにはマネキンが置かれているだけです。
「異常なし。」その人は、あえて声を出して確認したそうです。すると、マネキンの瞳が、目頭から目尻に向かってぐるりと動いたそうです。
その人を見据えるように、一斉に他のマネキンも、ぐるりと視線を向けたそうです。背後にあるマネキンの視線までも背中越しに、突き刺すように感じ、その人は体中が硬直して全くその場所から動けなくなったそうです。
『南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏・・・』心の中でひたすら念仏を唱えたそうです。
するとどのくらいか時間がたったのか、不意に体が動くようになり、それまでの硬直のせいか、どっと倒れるようにひざが崩れたそうです。
先輩の友人を突き刺していた視線も感じなくなりました。しかし、体中から
脂汗が染み出して、鳥肌と、遅れて来た震えのせいで満足に立ち上がることがなかなか出来なかったそうです。
膝を突いて通路の床をしばらくじっと見ていると、不意に腰につけた無線の
呼び出しがかかりました。
「場所○○○発報!」管理室からでした。感知器が反応しているという事です。条件反射で無線を手にとり、「発報了解。」とうわずって答えたそうです。
そのお陰かどうか、その人はそのやり取りで、気持ちを落ち着ける事ができ、何とか立ち上がる事ができました。場所は、先輩の友人のいる場所の側、そう、女子トイレ前の感知器です。
もう、マネキンの視線を感じる事はありませんでしたが、目を向ける事ができなかったそうです。
2mほど先にある警報機の解除ボックスの所まで行き、本来なら異常を確認しないといけないのですが、そのまま<解除→再設定>としたそうです。
「発報○○○異常なし」管理室に連絡を入れ、その人は、そのまま足早に立ち去ろうとしました。しかし、一瞬視界の中にはいった店舗の異変を遮る事ができず、 辺りにあるマネキンの首だけが、ぐっぐぐと、女子便所の方に回りだしたのが視界に入ってしまったそうです。
しかも、首の動きとは逆に、瞳だけはその人の方を睨むように動いています。
「場所○○○再発報!」腰の無線が怒鳴っていいますが、動く事ができなかったそうです。
そんな状態が数十分続いたので、管理室では先輩と何人かが借り出され、 様子を見てくることになったそうです。
駆けつけてみると、その人は固まったまま立ち尽くしていて、暗闇でも分る程汗をかき、紺色の制服はじっとりと濡れていました。
先輩はとりあえず警報機を再設定して友人に手を貸して待機所に戻ったそうです。
先輩は、しばらくして落ち着いた友人から話を聞いたそうです。その当時、婦人服売り場のマネキンは、瞳の部分をガラスがはめ込まれた物を使っていました。
普通は、ブラシで描かれているのですが、リース料金も変わらず、チョット豪華に見えるので店内の総てのマネキンをガラス目にしていました。
そのガラスの瞳は、ライトを当てると、視線を向けたかのように見えるのでその見間違いだろう、と友人を慰めたそうです。
警報機の発報は、セットしても10分ほどで又再発報するので、故障だろうという事になり、後日取り替えるまで、解除したままで、その日は終わったようです。
先輩の友人は、何日か休みを取り、気持ちを落ち着かせて再度あの婦人服フロアの夜警に挑んだそうです。きっと、そうしない事には決着が着かなかったのでしょう。休みの間、他の人が巡回しても、特に怪現象はなかったそうです。
警報機は、それまでに何度も新品に取り替えたのですが、夜中になると無闇に発報を繰り返すため、原因不明のまま、デコイ、つまり殺したままになっていました。
先輩の友人が婦人服フロアを巡回したのは、前と同じ1時過ぎでした。気持ちを落ち着かせて、異常確認をしたそうです。今度は、マネキン達は動いていません。
その人は、『やっぱり気のせいだったのか。』と思い、女子トイレの中に入っていきました。そこも特に異常はなかったそうで、外に向かおうとしたとき、それが目の隅に映ったそうです。
女子トイレには壁一面に化粧鏡があり、そのうちの1枚が用具入れの扉を映していました。その、扉が、徐々に透けていくように見えたそうです。
先輩の友人は、横に向いた顔を鏡に向ける事ができず、片方の目で鏡を凝視していたそうです。すっかり扉の透けた用具入れは、白くて大きい洗面器を鏡の前にさらしていました。その中には、溶けたような腕を洗面器の縁に掛け頭とおぼしきモノがゆっくりと立ち上がろうとしているのが見えたそうです。
その人は、凄まじい勢いで先輩達のいる待機所に駆け込んできました。その後の夜警をすっとばして帰ってきたそうです。
流石に、先輩達も気味が悪くなり、そこにいる全員で、その人の残りの巡回経路埋めたそうです。
先輩の友人は、翌日仕事をやめました。そのせいかどうか、マネキンの瞳は、ガラスから再びブラシか、もしくはマネキンそのものを配置しなくなりました。
それまで鍵のなかった用具入れには鍵がつき、警報機は、殺したままになりました。
私は、黙って先輩の話を聞き終わり、「それで、もう何も起きないのでしょう?」と、声をかけると、その時初めて先輩の顔色が真っ青なのに気が付きました。
「いや、わからない。言っただろう?それ以来、俺を含めて誰も夜警であの女子トイレをまともに巡回する奴なんていないからな。」
「でも、今日は何もありませんでしたよ。」私が、そういうと先輩は黙って「そうか、そうみたいだな、おまえには。」といって口をつぐんでしまいました。
私には、その後も、その場所では怪異と呼べるものはありませんでした。 勿論、女子トイレは巡回していませんが。先輩は、私が仕事を辞めるまで、それ以上は話してくれませんでした
私と巡回したその日、先輩は女子便所の鏡を見てしまったそうです。そこには、無数の子供の手の跡があり、それがどんどん鏡に映った先輩のほうへ
移動していくのを。



アフィリエイトで広告収入「スマプロ」

信じてもらえないかも知れない。
でも当人が一番混乱してるんだ。ちょっと長くなるけど聞いてくれないか。
家に帰ったら母親が風邪で寝込んでいた。
甲斐甲斐しく世話をする俺。まあ、飯作ったりぐらいしか出来ないわけだが。
だがものの15分くらいでばっちし母親の風邪を貰ったらしく、遅れて帰ってきた兄に後を任せ早々に自室で横になった。
自慢じゃないが俺は結構風邪はひかない。バカじゃないぞ、多分。
だから可笑しいなあと思いつつもまあ、最近疲れてたし、免疫力が低下したんだろうと差して気にせず悪寒のする身体を布団に包ませた。
眠りにおちる寸前に、変な音が聞こえた。
―――がん、がん、がん。
俺のベットの横には150cmの俺の胸下くらいまでの小さな箪笥がある。
其処を誰かが蹴っ飛ばしていた。がん、がん、がんと。
だが、何故だろうか俺は別段何も思わずにいつの間にか眠りについていた。(気絶してたのかな…)
夢の中で俺は寝ていた。もちろんこれが夢だ、という認識は無かった。 部屋は薄暗く、相変わらず体がだるかった。
というよりどうも体が変だった。何が変かと言うとまるでたった今10kmマラソンでもしてきたように全身がだるく、重かった。
「(…金縛り…?)」
身体は動くが思ったように動かない。だるすぎる。腕を持ち上げても重すぎてすぐにぱたりとベットに落ちる。
俺は当然のようにだるい頭を無理矢理動かしベットの横を向いた。そこに、周囲の色をはるかに超えた真っ黒な何かがあった。
黒、といううよりは闇といった方が正しいのかも。もや。とにかくそういった球体が目先20cmのところにあった。
「(あ…たま?人間の、頭?)」
にい、っと目も鼻もないただのもやが笑った。ように見えた。慌てて飛び上がる夢の中の俺。周りを見渡す。何も無い。
「(何だよ、夢かよ、気持悪い…)」
そしてまた夢の中の俺は眠りについた。まるで気絶するうように。そしてそこでまたもやが。にい。飛び上がる夢俺。再度見回すがやはり何も無い。
「な、ん」
何だいまの、と言おうと思った。でも言い終わる前にまた夢俺は眠ってしまう。
にい。目が覚める。寝る。にい。目が覚める。寝る――――。
何度夢俺は繰り返したか解らない。もう寝てるのかおきてるのかすら解らない。
『危ないよ!!』
10何度目かのもやとの遭遇中に突然俺の頭上から声がした。女の子の声だった。俺よりも若い、子供みたいな。
『禍々しい、そいつ(もやのこと)はこれから質問してくるよ、間違えたら×××だよ(何て言ってたか忘れた;)』
「嫌だ…!助けて!!」
『私はアリス、彼の質問の答えを私が言うから、繰り返して、いい?』
夢俺の頭の中に亜理子、という字が浮かんだ。これでアリス?不思議な名前だ。
「怖い?」
男の声がした。もやだ、と気付いたとき夢俺の背中がすうっと冷えた。
『怖くない、お前は××だ、いない(なんていってたか(ry)』
「こ、怖くない、お前は××だ、いない」
凄く引っかかる質問だった気がする。7.8個質問をしてはアリスなる者も意味の解らないことを返した。
何を言ってたのかは覚えていない。最初と最後だけをなぜか覚えている。ただ、アリスに言われた通り返すとなんていうかな、もやの何かがしぼんだ。
恐怖感と言うか禍々しい感じが。だから俺は全面的に信じちまったんだよ。アリスを。
「私は?」
大分怖くなくなったもやが言った。なんとなくこれが最後の質問だとわかった。
『あなたと、ともだち』
「あなたとともだち」
ぶわ、っと全身の毛が逆立った。萎んでいた恐怖感が急激に膨張した感じだった。にいいい、口も無いのにもやの口が耳元まで裂ける様に笑った気がした。
怖い、怖いとか言うレベルじゃなかった。
『あ、な、た、と、と、も、だ、ち』
もやとアリスが同時に言った。ああ。もやとアリスはイコールだったんだ。決して助けに来たんじゃな――――
夢俺絶叫。絶叫って多分ああいうののことを言うんだと思う。慌てて階下のダイニングに駆け込む。
そこでは母親がキョトンとした顔でサンドイッチを作っていた。おはよう、と笑いながら。
「母さん、怖い、怖い夢見た!!」
「へえ」
「あのな、もやが、違うアリスっていう違うなええと」
「風邪ひいてたからでしょ」
「違うんだって!ちゃんと聞いてくれよ母さん!!!」
母親は怖い話ばかり読んで怖い目にあったと言うのやめてくれる、みたいな。なんか自業自得と言うか、まあ、とにかくサンドイッチ作りを優先していた。
とにかくあまり親身になって聞いてくれない母親に向かってたった今夢の中で見たことを勝手に話す夢俺。
「あ、な、た、と、と、も、だ、ち、って言ったんだよおお!!!」
其処まで話すと母親はしかめっ面をした。気味が悪い夢だね、とでもいうように。半分泣きそうになってる夢俺。怖い話ってさ、誰かに気味悪がってもらえるとなんか安心しない?
信じてもらえたっつうか恐怖が薄らぐ感じ。
母親は夢俺の背後にある冷蔵庫にレタスをとりに行きがてら夢俺の頭を撫でた。
安心して泣き出すおれ。今年18歳。
とりあえず塩をかけてもらおうと背後で背を向けてレタスを探してるはずの母親の方を振り向いた。
絶句した。
母親が口を信じられないくらい縦に、縦に開いて痙攣してた。全身がくがくさせて。そこで夢おれは気付いた。痙攣じゃない。母さんは
笑ってる。
涎を飛び散らせながら、白目を剥きながら、信じられないくらい身体をがくがくさせて、声もなく、音も無く笑い続けてた。
手の中の緑のレタスは指が貫通してぐちゃぐちゃになっていた。
後ずさる夢俺。構わず笑い続ける母親。
目の前に母親はいるはずなのに、耳の後ろ本当に2cmくらいのところから母親の声がした。
『と、も、だ、ち』
風邪を引いていたから、きっと悪い夢を見たんだろう。裏の家では不幸があっておばさんが亡くなったらしいから、それかもしれない。
いや、最近怖い話を読んだからかもしれない。
でも現実の俺が飛び起きたときベットの横の箪笥の下から3段目が飛び出ていた。そして右の、弁慶の泣き所って解るかな、階段上っててぶつけると痛いところ。
其処に何度もぶつけたような痣が出来ていた。
眠る寸前に聞いたがん、がん、がんという音は俺がやっていたのかな。でもじゃ、それを見ていた俺は、一体誰だったんだろう。



アフィリエイトで広告収入「スマプロ」

昔、10代の時でまだしていい事、悪い事の分別もつかない時の話。中学を出て、高校も行かず、仕事もせずにツレとブラブラ遊び回ってた。いつものようにツレから連絡があり、今から肝試しに行こうとなった。
俺は昔から、そういった事は全く信じておらず、怖い物など無いと、言ってのけていた。二つ返事で了解し、ツレが迎えに来て、さっそく肝試しに向かう事になった。場所は割と近い山の中のトンネルだった。
メンバーは血の気が多くリーダーシップのあるTと10代と言うのにすでに威厳のあるMと多少幽霊関係にビビり気味の超絶イケメンSの4人で行く事になった。
皆、霊感何て物は無く、S以外は幽霊何ていないと余裕で心霊スポットに向かっていた。今考えたら、これが間違いだった。
その山までは1時間もかからずに着いた、道中は何も無かったが、山中の丁度カーブ辺りに花が供えてあったのを見て背筋に悪寒が走り、何か忘れてると考えたのを覚えている。
無事にトンネル前の駐車場に着き、トンネルには直接入れない為、駐車場に止めて、そこから四人で歩いて行った。幽霊など信じてはいなかったが、やはり夜中の山道は気味が悪く、嫌な位静かだった。
そんな中無理に盛り上げようとTが崖落ち防止のガードレールを蹴り上げながら、声を張り上げていた。
T「全然対した事無いやろ、暗いだけ」
俺「本当だね、全然対した事無いし、拍子抜けだ」
S「いやいや、充分怖いし、もう帰りたい」
そんなたわいない会話をしながら歩くと、すぐに目的のトンネル前に着いた。息巻いて来たはいいが、トンネルの入口の時点で圧倒される程に嫌な雰囲気だった。
トンネルはまるで侵入者を拒むように、もしくは中にいる者を出さないようにデカイブロックで封鎖されていた。流石に誰が行くと雰囲気にもなれずにタジタジでいると、血の気の多いTが言い出した。
T「お前らビビってる?情けないね、俺が行くわ」
ここで行かなかったらビビり確定、それだけは避けたかった俺は思ってもない事を言ってしまった。
俺「ビビるはずないだろ、俺が一人で行って来るから待っとけ」
本当に後悔した。
T「お前は男だな、ヨシ行け」
この時ばかりはTを恨んだ、本当に零感の俺でもヤバイ雰囲気ムンムンだったから。しかし一回言った事なので後には引けず、ブロックの隙間から一人、吹き抜ける暗闇に侵入した。
いざ入ってたはみたものの、中はずっと続く暗闇、その日暮らしの俺達は懐中電灯など無く、あったのはジッポライターの明かりだけ、その明かりが余計に揺らめいて見え、不気味さを更に強調していた。
トンネル内は天井から水滴が垂れる音以外の音は無く、幽霊なんていないと考える俺でも、奥に向かって、中々踏み出す事も出来ずにたじろいでいた時トンネル外で待つツレが叫んで来た。
T「中はどうだー?」
S「マジでやめた方がいいってー」
M「俺らも行こうかー?」
その声で少し恐怖が消えた俺は「大丈夫、奥まで行ってみるわ」とトンネルの奥に向かい歩き始めた。
いざ歩き始めると恐怖心は余り無く、むしろ何故か懐かしい感覚にさえなったのを覚えている。
そんな違和感を抱えながら、丁度トンネルの半分位に来た時にカーブの時に忘れてた事、妙な懐かしさの正体が何なのかはわかった。
これは話に繋がる事なので詳しい事は後で話す事になります。
怖さは完全に消え、そのまま奥に辿り着き、何も無く、溜息混じりに戻るかと踵を返した時にそれは起こった。
耳元からフゥーっと息を吹きかけるような生温い風が耳にかかる、気のせいと気にせず歩を進めるが10秒おき位にずっと吹きかけられ、流石に恐怖心が蘇った俺は足早にトンネル入口へ向かった。
足早になった辺りから吹きかけられている息が絶えず吹きかけられようになり、恐怖心が絶頂に達した俺は全力で入口に向かって猛ダッシュした。
何とか入口のブロックの隙間からはい出て、耳元の息も無くなり一段落した俺は固まって待っていたツレの所に行こうとした。
俺「スゲーよ、ここは本気でヤバイ、マジで焦ったし、何か耳元で息を…」と俺が言いかけた時に、ツレ達が顔面蒼白で震える声で言った。
T「お前の後ろ、何なんだよ」
M「お前悪ふざけも大概にしろよ、そんなんで出て来たら洒落にならんぞ」
俺は、はぁ?となりましたが、ああコイツら出てきた俺をビビらす為のドッキリだなと思い、少しキツめに「お前らが大概しろって、一人でマジ怖い思いしたんだぞ」と言った所で
Sの様子に気付いてしまいました。
Sが涙目になりながら震えていた…。
幽霊にはビビるが普段は肝の座ってたコイツが演技で涙目になり震えるはずがないと思った俺は何かが確実に後ろにいると思い動け無くなった。恐怖に直立不動で動け無くなった俺はずっとツレに視線を向けていたが、ある事に気付いた、左眼の視線の端に黒い髪のような物が見える。
しかし、恐怖心が勝り、確認出来ずにいた時に急にSが「マジもう無理だ」と言いながら駐車場に向かい走り始めた、それと同時位にTとMも「マジスマン」と言いながら走り出した。
恐怖心はヤバかったが、パニックになりながらもこの状態で一人残される事な方が無理と判断した俺も駐車場に向かい全力で走り出した。本当にビビり上がっていた俺は何度も躓きながらも全力で走ってた。
子供の頃に聞いた、幽霊は光が嫌い、そんな迷信めいた事を考え、駐車場に着き車のライトさえあれば大丈夫だと藁にもすがる気持ちで走り続けていた。
走り続けていた時になって始めて気がついたが、ずっと背後に気配がしていた事、さっきは安堵からかツレばかりに集中して気付かなかった事に気付いてしまった。
この時に後ろにいる何かをもし連れて行ったら車に乗れないかもと考えた俺は確認しないといけないと思った、この時は本当に気が動転していたんだと思う、現在の恐怖心より置いて行かれる恐怖心が勝ってたから。
俺は立ち止まり、意を決して、後ろを勢いよく振り向いた、少しでも怖さがないように自分なりに考えてした事だが、これが本当に失敗だった。
目を見開いた女が俺を凝視していた。
俺はいつも洒落怖を見て本当の恐怖にあったら~を見ていつも本当には違うなとか考える、まぁこれは俺だけかもしれないが、余りの恐怖と驚き等混ざりあった結果なのか、失禁と脱糞を同時にしてしまった。
女は普段よく書かれる貞子の用な風貌ではなく、前髪を上げて、普通にフリルの着いた上着、ジーンズという出で立ちだった、普通なら本当の人間だと思う位普通だった。
だが決定的に違った、目、鼻、口、全てが生きている人間とは違った。
口は所々裂け化膿しているみたいにグチュグチュになっていた、鼻は右の鼻孔から半分以上ちぎれかけている、決定的なのは目だった、黒目の部分と思う部分には無数の光るガラスみたいな物が突き刺さり、涙のように黒い液体が目から滴り落ちていた。
気がつけば俺は何も考えず一心不乱に走り出していた、糞尿を裾から垂らしながら、涙はこぼれ、鼻水を垂らしながら本当に人間として最低辺だと思う姿だったと思う、でも俺が考えれる事は死にたくない、助けて、ごめんなさいを繰り返すしかなかった。
走っている間またあの息を吹きかけられているような音が耳元から聞こえた、それがまた恐怖心を増長させ、何度も転びながらも駐車場に辿り着く事が出来た。
ツレ達は車で待っていた、エンジンをつけライトをつけていた為か俺は助かったと思いながらも全力で車まで走った。俺が車に近づくにつれ、気配は遠くなっていった、後ろに乗ってたTがドアを開けて待っていたので飛び込むように車に乗り込んだ。
そのままタイヤを唸らせながら、全速力で山道を下っていた、俺は震えと恐怖が止まず窓からキョロキョロ女がいないか確認しながらしている横にいるTが話しかけてきた。
T「お前大丈夫だったか?本当に悪かったな、本気であれはヤバ過ぎだったから」
M「本当にスマンな…」
S「マジ申し訳ない、我慢したかったけどあれは無理だった」
どうも最初は俺が逆にドッキリを仕掛けていたと思ってたらしい、あんなの無理だと普通にわかると思うが…
俺「マジ人生終わったと思ったぞ、お前達マジ薄情だと思ったし…まっ俺が逆でも本当に怖いだろうし気持ちはわかるしいいよ」
山を下っているからか安心感が出て、落ち着いてきた俺はツレ達を許し、何気無しに窓から外を見た時に気付いてしまった、丁度花が供えてあるカーブに差し掛かる時に木の上いる何かに…
またパニックになりかけた俺は「早く、早く、飛ばせ」と声を荒げながら何度も叫び、何故か隠れるように座席の足元に座りこんだ。
S「何だよ、本当やめろよ、マジ勘弁してくれよ」
M「何があったんだよ、またいたのか?」
車内はパニックになりかけた時にTが聞きとり辛い程の小さな声で言った。
T「俺も何か見たぞ…木の上に何かいた」
その言葉で車内は完全にパニック状態になり、捕まってもいいと100キロ以上を出し逃げるように帰った。
皆、家で一人になるのを嫌がり、俺も嫌だったので4人でTの家で泊まるようにした、Tの家をいつも溜まり場にしてたし、いつもの流れでもあるが。でもその行為は意味が無く、それはその夜に起こった。
無事にTの家に着いたものの皆寝れずにいて、恐怖心を少しでも払おうと酒盛りを始めました、俺はパンツが汚れていた為風呂を借りてから酒盛りに参加しました。
風呂から上がった時点で皆結構酔いが回っていて、ツレ達はすでに寝入りそうな感じになってました、酒の力は偉大で飲んでいく内に恐怖心は薄れ段々と眠気も来て皆でダゴ寝となりました。
そして夜中にトイレで目が覚め上半身を起こした時背後から気配を感じましたた、それは正しくトンネルで感じた気配だった。
一気に恐怖心が蘇り、金縛りとは違う、恐怖心から動けないでいましたが、まだ酒が残っているせいか気が大きくなり、見た目が怖い位でビビるか!と、わけのわからない根性が沸々と湧いてきて、こうなったら一発殴ってやると、後ろを振り返りました。
やっぱり後悔しました、やはり女はあの時のように後ろにいて、そしてあの時とは違う行動に出ました。急に両手で俺を頬を掴み口を大きく開けて何か言おうとしていましたが、口の中には真っ黒な液体が溜まり喋る度にうがいをしているようにゴロゴロ言って何を伝えたかったのかもわからずに恐怖に動けずにいました。
そんな恐怖が10秒続いた時に気付きました、この女知ってる…
そう考えた時にMが寝返りをうちそれに気を取られた次の瞬間にはもう女はいませんでした。それからは朝まで眠れずツレが起きるのを待ち、起きたツレに夜中の事を話しました。
M「幽霊て動けるんだな、初めて知った、てかいる事自体昨日知ったけど」
T「お前本当にヤバイぞ、憑かれてるんじゃないの?」
俺「多分憑かれてるのかな?てか幽霊知ってる女だった」
T「はぁ?誰なんだよ?」
俺「多分…元カノのU…」
それだけで皆何となくだが理解し察してくれました。
元カノのUはツレと飲みに行った時に知り合った女の子でちょくちょく二人で飲んだりしてる内に仲良くなって付き合い始めた人でした。
しかしUは男女関係が結構激しく浮気でも当たり前にすると噂を聞いたり、実際に男と遊び回ったりしてて、結局は破局となっていました、それからも向こうからは連絡はあっても無視して疎遠になってました。
懐かしいと感じたトンネルも実は酔った勢いで二人で凸した時に二人で行ったからでした、そしてカーブの花はUがそこで亡くなった時の物でした。
疎遠になってからも噂で亡くなったと言う話は聞いていましたが、当時は俺にはもう関係無いと言って、何もしてやれてなかったんです。
T「間違いなくお前怨まれてるな、いくら関係無いって葬式にも出なかったしな」
M「しかし、どうする?やっぱお祓いとかしてもらったが方がいいんじゃないか?」
俺「でも、そんなの全く知らないし、金も無いし…」
S「俺一人知ってるぞ、寺とか神社ではないけど、知り合いが動物に憑かれたとかで、それのお祓いを頼んだ人なら」
俺「マジか?なら頼むから聞いてもらえないか?」
S「わかった、ちょっと待ってろ」
Sは携帯で誰かと話し始め、何やら揉めていたようだが、どうやらOKをもらったようだった。
S「絶対今日がいいって無理言ったが大丈夫だってよ」
俺「本当助かるわ、今から行けるん?」
S「昼過ぎに来てくれって、準備があるらしいから」
そんな準備しっかりする所ならイケるんじゃね、と期待しながら、早めの昼飯を食い、それからその人の家へ向かった
着いてみると普通の一軒家だった。
チャイムを鳴らし待ってると普通にエプロンつけたおばさんが出てきた、まさかこのおばさんじゃねーよな…とか考えてると正しくそのおばさんがお祓いの人だった。
俺はもう無理だな、と思いながらも通された居間で事の次第を詳細にと言われ話した。おばさんは真面目な顔でウンウンと頷きながら聞いてくれた、一通り話を聞いてくれたおばさんが発した一言目はこうだった、仮名にHさんとします。
Hさん「あたしで祓えるかはわからないけど、出来る限りはさしてもらいます、料金は普段の料金いいですか?」
俺「料金取るんですか!?ちなみにいくらに…」
Hさん「経費など含め5万頂きます」
俺「マジですか!?すいません、ローンとか出来ますか?」
Hさん「事が事だし、構いませんよ、急いだ方がいいですし」
どうやら事態は一刻を争う位に緊縛してたみたいでした。
Hさんの見解はこんな感じだった。
元カノUは恐らく、俺を怨んでいる、しかし、それだけではないような気がするから普通にお祓いするんじゃ駄目かもしれない、今回はお祓いではなく、Uの標的である俺から完全に意識を逸らし縁を断ち切る為の物らしい。もっと詳しく話してたがよく意味はわからなかったので要約するとそんな感じらしい。
俺「何か俺がしなくちゃいけない事はあるんですか?」
Hさん「あなたは特にしなくちゃいけない事はありません、しかし周りの友達の力を借りなくちゃいけません」
Hさんは詳しく今回の内容を説明してくれました。Hさんが言うには力を借りるは大袈裟に言ったらしく借りると言うより協力だった。
まず4人でお清めし四方にお札を貼ったHさん宅2階の一室に入り一晩そこで過ごすらしいのだが、俺は一言も発してはいけなく、逆に絶えずツレ達は話し続けなくてはいけないらしい、寝てもいけないらしい。
言葉には言霊があり、その部屋ではUは俺の姿を認識出来ないらしく言葉を発する者しか認識出来ないらしい。そうする事で意識的に俺を探し続けるUの意識から一晩時間をかけて俺を消し、俺はもういないと誤認させUの中の俺を消し、縁を無くしてしまおうという事でした。
T「つまり俺達が絶えずに喋り続ければいいだけ?」
M「なら楽勝じゃね?」
Hさん「確かに喋り続けるだけですが、恐らくUさんから妨害はあると思います、どんな物かはわかりませんし、気を引き締めて下さい」
妨害って…緊張しながらHさん宅で早めに夕食を頂き、皆お風呂に入り体を清め一晩を過ごす部屋に入りました。何て事はない普通の部屋でした、四方、天井、畳みの下のお札さえ無ければ…皆一言も喋らずに夜を待ち指定された時間を待ちました。
Hさんが指定した時間は7時、それまではUを家には入れないようにするし、Hさんもいるようですが7時が来たらHさんは家を出て、Uを家に招きいれなけばならない。極力部外者がいる事を避け意識を完全にそらさなければならないみたいだった。
そして指定された7時が来ました、元々馬鹿の代表みたいな3人でしたし、Hさんから出された普段飲めない日本酒に皆大はしゃぎ、しかし俺は万が一を考え酒はおろか何一つ口にしてはいけないという辛い一晩でした。
ですが、相槌を打つだけでも以外と時間が経つのは早くあっという間に11時に差し掛かろうとしていました、妨害も無くこのまま何事無く一晩過ぎて欲しかったのですがそうは行きませんでした…。
そして時刻が11時を回った辺りでついにUの妨害が始まりました。最初に聞こえたのは廊下を歩く足音、等間隔でペタッ…ペタッという足音でした。皆すぐに気付き一瞬静まりかえりましたが絶えずという言葉を思い出し、また大声で騒ぎ始めました。
その後はラップ音?みたいにバキッカチッと部屋中から音が鳴り始めました。ですが、そこは馬鹿3人です、恐怖より負けられるかと馬鹿な考えが勝ったのか今まで以上に騒ぎ始めました、特にTの騒ぎっぷりは半端じゃなく恐怖より頼もしさを覚えました。
そして、妨害にも負けず必死に騒ぎ続け2時に差し掛かった時に最後の妨害が始まりました。部屋中からさっきの音とは比べられない位まるで思い切り壁を殴り付けるようにガンガン音が鳴り出し、あの嗽のようなゴロゴロの声で「アァ…アァ…ガガ」と叫んでいるのです。
流石に馬鹿3人もこれにはビビり、騒ぎ方も小さくなりこれはヤバイと感じ始めました。音と声は激しさを増すばかりで一向に止まず、全員蒼白になりついに騒ぎが完全に沈黙しました。
俺はああ終わったなと思いましたが時計を見るとすでに5時を回っていました、堪えていた時間が思った以上に長かったらしく日の出が上がり始め一晩は過ぎていました。
そしてHさんが戻り全て終わった事を知り、男ですが大声で泣き叫びました。やっと終わったと皆で安堵の瞬間を迎える事が出来ました。
そして最後にHさんは二度とその山には近づくなと、次は助けられないかもしれないと言い、私はそれを了解しHさん宅を後にしました。
安易な気持ちで肝試しには行ってはいけないと肝に命じる事になる事件でした。二度と肝試しはいきません。
ーーーー後日談ーーーーー
自分的には知らない所の話だし正直関わりたくないし、聞いただけなので詳しくはわからない話でしたが、こっちが本題?元凶?みたいです。
あの一晩から丁度一ヶ月が過ぎようとしていました。お祓いのお金の為バイトを始め中々忙しくしていた時にHさんから急に呼び出しがありHさん宅に行った時にこの話をされました。
俺「こんにちわ、すいませんお金はまだ出来てないです」
Hさん「今回は料金の事で呼んだんじゃ無いから安心していいですよ」
てっきり料金の催促かな?と思っていたが違うみたいで安心したが、あの時の話ならもう関わりたくなかったので嫌な気分になった。
俺「で、話とは何ですか?」
嫌々だが俺に関わりある話だし注意事項なら聞いておかなければならない
Hさん「実はあの時のUさんが少し普通の霊とは違う理由を調べたりしてわかった事が色々あるから一応伝えておこうと思ってね」
幽霊云々自体が元々普通じゃないと思うが…そう思ったが黙って話しを聞いた。
Hさん「あの時はあんな言い方をしたけど、実際Uさんはあなたを怨んだりしてない、むしろ好意がずっとあったと思う」
俺「はい?そんなはずないでしょ、あんな風に憑き纏って妨害して多分殺そうとしてたのに好意とかあるはずないじゃないすか」
実際好意を持った相手にあんな事するとは思えなかったし、幽霊ってだけで恐怖心しかなく、あれが好意からの事だとしても無理だ。
Hさん「そう思っても仕方ないよね、あれはUさんの意思じゃなく、その裏にいる者の意思だから、元が人間かどうかすらわからない物だけどね」
幽霊だけでも、あんな事無かったら信じてすらないのに漫画みたいな話をされても今いち「?」としかならなかった。
Hさん「実は家に来た時点でUさんの意思ではないと気付いてたの…でもね、それをあなたに伝えたらあなたは少なからず可哀相とか同情の気持ちを持つでしょ?それはあの一晩を過ごすなら絶対に持ってはいけない気持ちだったの」
俺「何故駄目なんです?関係あるんですか?」
Hさん「同情心を出せばあなたは助からなかった、Uさんに見つかってたから…あなたの意識を恐怖だけに満たしてUさんから意識を逸らさなければならなかったの」
自分の為だと理解し何となくだが納得したが肝心な事を聞けてない。
俺「Uはあの後どうなったんですか?Uの意思じゃないならなんだったんです?」
Hさん「あなた達が一晩過ごしてる間、私は私の先生の所に行ったの、見てわかる通り私は世間じゃ心霊研究家で通ってるの、私の先生も似たような感じだけど私以上に詳しいし長年この世界にいるから失敗したらの話を聞きにね」
失敗したかもしれないのかよ…
そう思ったが自分達じゃどうしようも無かったから仕方ないと思う事にした。
Hさん「あなた達が行った山だけど、色々な怪談があると思うけど、知ってる?」
俺「はい、カップルの幽霊だったり、婆さんの幽霊だったり色々噂は一通り聞いてます。」
結構有名な所だから噂が絶えないような場所だった、だからか色々話しは聞いていました。
Hさん「実はそういった噂じゃない本当にヤバイものがあの山にはいるって先生から聞いてね、多分それのせいだと聞いたの、詳しくはわからないけど、「禍垂」(カスイ)と言うらしいの」
俺「禍垂?」
正直ついていけなかった、そんな漫画みたいな話されても理解出来ないし、幽霊だけで精一杯だったから。
Hさん「詳しくは本当にわからないの、多分元は人間だけど、いつからいるのか、何の因果で山にいるかも何もわからないの、禍垂も見た目から先生がつけた名前だし、本当の名前もわからない」
俺「でも、俺と何の関係があるんですか、禍垂なんて聞いた事すらないし」
幽霊とは無縁の零感男だったし、そんなの噂すら知らなかった。
Hさん「推測だけどUさんは禍垂に引き込まれたんだと思うの、だからUさんと縁があった、あなたを標的に選んだんじゃないかしら、あなた木の上の人を見たと言ったでしょ、それが恐らく禍垂と思う」
Hさん「あなたは木の上に立ってたと言ったけど、正しくは違うの、両手だけで木に垂れ下がり下半身がない風貌の者なの、だから禍垂…先生は本当に危険だって今回は本当に運が良かったって」
あまり見えなくて本当に良かったと思いました、あの状況ではっきり見えてたら発狂間違いないですから。
俺は頭の整理が全くつかなかったが聞かなければならない事を聞きました。
俺「Uはどうなるんですか?俺は本当に大丈夫なんですか?」
Hさんは少し暗い表情で答えました。
Hさん「正直Uさんはずっとあの山に禍垂に捕われたままになると思う、禍垂を祓えれば違うかもしれないけど、禍垂はまず見つからないし、祓う方が危ないから…」
Hさん「あなたは恐らく大丈夫、でも決してあの山に絶対に近付いたら駄目、禍垂との縁が復縁したら間違いなくあなたは助からないから」
俺は少しの安堵とこれから先報われる事のないUを気の毒に感じながらHさん宅を後にしました。
その後は料金の支払いが終わりそれからはHさんには会わず、例の山にも決して近付いていません。人間は好奇心が強く興味を持ったら止まらない生き物だと思います、ですが決して不用意に噂が立つ場所には近付いてはいけないと思います、思いもよらない結果があるかもしれませんから。



アフィリエイトで広告収入「スマプロ」

このページのトップヘ