12/11に小林化工が公表した抗真菌薬「イトラコナゾール」睡眠剤混入事件は、前代未聞の醜聞であり、根深い問題を示唆するケースであるが、どうもマスコミの取り上げ方が鈍いように思える。
参考:ローカルニュース
これが大変な事件である理由を箇条書きにする。
・承認書に記載のない工程で製造していた。(製造手順違反)
・打錠前の粉末に間違った原料を継ぎ足すと、溶出や分布に影響が出るはずだが、テストできていない。
・というか、間違った原料を継ぎ足すって何?(ほかの工程でもやってるだろ、絶対。)
・睡眠剤、1錠2.5倍の混入なら標準量4錠で10倍量摂取を連日服用していることになる。眠剤オーバードーズで10倍量ではあまり死なんと思うが、実際に死亡例が出ている。→情報が信頼できるのか?
・継ぎ足した睡眠剤の減った分は、また何かを継ぎ足しているはずだから、正規の睡眠剤には何が入ってるの?
・県薬務課の監査が入っていたはずだが、一体何を監査していたのか?
・GMP(医薬品の製造と品質管理に関する基準)の要件を厳しくしても、絵に描いた餅。「やってる感」だけの自己満足の役所仕事。
・結局は人のやることで、実行部隊が腐っていれば、システムはワークしない。
・というか、おそろしく古いシステムを使っていたと思われるが、誰も突っ込まなかったのか。
とにかく、謎が多すぎる事件で、一言でいうと、メチャクチャ。
小林化工というと、国産メーカーとして、「インドや中国でつくっているのとは違うんです」という
宣伝文句を吹聴していたが、もはや、これが日本品質です、残念ながら。
世界一低水準。
マクロレベルで見ると、製薬業界の疲弊が生み出した事件という見方もできる。
毎年の薬価引き下げで、市場は墜落状態。(2018年度900億、2019年度500億、2020年度1095億(予定)の削減)
国策で製薬メーカーの淘汰(ついでに卸も)を推進しているので、瀬戸際の企業はなんだってやる。
管理部門から細かい指示を受けても、実行できる人力がないから、うまくいかないと適当に胡麻化そうとする動機が出てくるし、それをチェックする人力もないから、スルーされる。
この状態が続くなら、これくらい酷い事件が今後再発する可能性も否定できない。
これは恐ろしい事態だ。
処方する医師やチェックする薬剤師には絶対に分からない。
医師も患者も何を服薬しているのかすら、わからない。
小林化工のみならず、ここの工場に業務受託しているメーカーの製品も危ないが、大丈夫か。
この醜聞が大々的に報道されると、国が旗をふってきたジェネリック推進の政策が滞る可能性があるので、各マスコミとも及び腰なのかもしれないが、おそらくこれはジェネリックや先発品の問題ではない。
製薬企業はジェネリックメーカー、先発品メーカー問わず苦しい。
投資が新製品開発に傾斜配分されているので、既存の製品の品質管理は手薄になる。
これも国策が招いた方向。
この一件で即断するのはやや早計ではあるが、様々な局面から先進国とは言えないくらい社会保障の土台が揺るいでいる。
新型コロナ対応の追加経済対策19兆円、などというニュースを聞くと、社会保障2025年問題=年5000億自然増分の抑制なんて、どうということないのではないか、と経済素人には思えるが、どうだか。
参考:ローカルニュース
これが大変な事件である理由を箇条書きにする。
・承認書に記載のない工程で製造していた。(製造手順違反)
・打錠前の粉末に間違った原料を継ぎ足すと、溶出や分布に影響が出るはずだが、テストできていない。
・というか、間違った原料を継ぎ足すって何?(ほかの工程でもやってるだろ、絶対。)
・睡眠剤、1錠2.5倍の混入なら標準量4錠で10倍量摂取を連日服用していることになる。眠剤オーバードーズで10倍量ではあまり死なんと思うが、実際に死亡例が出ている。→情報が信頼できるのか?
・継ぎ足した睡眠剤の減った分は、また何かを継ぎ足しているはずだから、正規の睡眠剤には何が入ってるの?
・県薬務課の監査が入っていたはずだが、一体何を監査していたのか?
・GMP(医薬品の製造と品質管理に関する基準)の要件を厳しくしても、絵に描いた餅。「やってる感」だけの自己満足の役所仕事。
・結局は人のやることで、実行部隊が腐っていれば、システムはワークしない。
・というか、おそろしく古いシステムを使っていたと思われるが、誰も突っ込まなかったのか。
とにかく、謎が多すぎる事件で、一言でいうと、メチャクチャ。
小林化工というと、国産メーカーとして、「インドや中国でつくっているのとは違うんです」という
宣伝文句を吹聴していたが、もはや、これが日本品質です、残念ながら。
世界一低水準。
マクロレベルで見ると、製薬業界の疲弊が生み出した事件という見方もできる。
毎年の薬価引き下げで、市場は墜落状態。(2018年度900億、2019年度500億、2020年度1095億(予定)の削減)
国策で製薬メーカーの淘汰(ついでに卸も)を推進しているので、瀬戸際の企業はなんだってやる。
管理部門から細かい指示を受けても、実行できる人力がないから、うまくいかないと適当に胡麻化そうとする動機が出てくるし、それをチェックする人力もないから、スルーされる。
この状態が続くなら、これくらい酷い事件が今後再発する可能性も否定できない。
これは恐ろしい事態だ。
処方する医師やチェックする薬剤師には絶対に分からない。
医師も患者も何を服薬しているのかすら、わからない。
小林化工のみならず、ここの工場に業務受託しているメーカーの製品も危ないが、大丈夫か。
この醜聞が大々的に報道されると、国が旗をふってきたジェネリック推進の政策が滞る可能性があるので、各マスコミとも及び腰なのかもしれないが、おそらくこれはジェネリックや先発品の問題ではない。
製薬企業はジェネリックメーカー、先発品メーカー問わず苦しい。
投資が新製品開発に傾斜配分されているので、既存の製品の品質管理は手薄になる。
これも国策が招いた方向。
この一件で即断するのはやや早計ではあるが、様々な局面から先進国とは言えないくらい社会保障の土台が揺るいでいる。
新型コロナ対応の追加経済対策19兆円、などというニュースを聞くと、社会保障2025年問題=年5000億自然増分の抑制なんて、どうということないのではないか、と経済素人には思えるが、どうだか。