2013年9月10日のテレビ演説でのオバマ大統領の「米国は世界の警察官ではないとの考えに同意する」との発言は、世界の安全保障の枠組みの重要な節目を感じさせた。
具体的に米国がどのように考えているかはわからないが、アジア・太平洋地域に関していえば、「米中二国間の新しい関係」が模索されているように見える。
この二国間関係は地政学的に日本に強い影響を与える。
時系列を追って、検証する。
この二国間新型大国関係を最初に持ち出し、積極的に推進しているのは中国であって、米国ではない。
①12年8月、胡錦濤主席は米国との第4回戦略経済対話で、新型大国関係の共同推進を提案。
②同年6月、G20メキシコでオバマと胡が会談し、対話の促進、winーwin関係の協力、責任の分かち合いに関して合意。
③同年7月崔天凱外交部副部長が「中国国際戦略研究」誌に「新時代における中国総合外交の中の中米関係ー二大国間の新型関係構築のための中米協働」と題する長文の論文を発表。
④13年3月、全人代で李克強首相は「われわれはオバマ政権とともに新型大国関係樹立に進んで取り組もうと考えている。」と言明。
⑤同年6月、オバマ大統領と習近平主席との首脳会談(カリフォルニア州パームスプリングス)で新型大国関係についての調整。→この会談の直前にドロニン大統領補佐官と中国側が打ち合わせをしているなど周到に準備された会談だったが、内容は公表されていない。
⑥同年11月、ライス大統領補佐官が演説で「新型大国関係を機能させるよう努める。」と明言。(直後にバイデン副大統領が訪中。)
中国側が米国との「新たな大国関係」構築に積極的なのは理にかなっている。 裏側には「古い大国関係」の溶融、つまり「日米(韓)同盟」の溶融が国益(東アジア全域での影響力の拡張)にかなうと判断できるからだ。
では、米国側が「新たな大国関係」構築に見出すメリットは何なのか。 国内の財政事情(の悪化による兵站維持能力の減退)もあるだろうが、ここでは情報漏えいという面から推測してみる。
というのも、秘密保護法以前の問題で、重要な情報漏えいが懸念されているからだ。
2点指摘する。(以下の情報は「選択」3月号より抜粋)
1.「沖大東島」の中国資本による私有地化
世界的に類例を見ない太陽光発電の高額の買い取り価格(38円/kw・時)の20年保証を利用した太陽光発電の設備拡張事業を進めるE商事は、東北から九州に至る30カ所の農林地を買収している。
E商事の代表は福建省の厦門市で太陽光発電用モジュールを生産する会社の経営も兼ねている。
また、この代表は「RSテクノロジーズ」という企業の経営も兼務しているが、この会社が中国系ファンドの出資を受けて、2011年に「ラサ工業」の事業を一部買収した。
この「ラサ工業」は沖縄県の国境離島で、日本の領海を位置決めする際の基点である「沖大東島」を私有している。(「沖大東島」と周辺の島嶼群は排他的経済水域の一角を構成している。)
2.排他的経済水域の改ざん疑惑について
全国的に太陽光発電事業を仕掛けている国際航業社は衛星画像や空中写真の高度な判読技術をもつ。
12年、この会社を含む50社以上の企業を完全子会社化し、傘下に置いたのが、「日本アジアグループ」なる企業だが、実質的には中国系企業。(外国人投資家の保有比率は70%超。)
国際航業社の会長はグループ幹部の呉文繍氏。
国際航業社は国土交通省が11年から進めている「低潮線及びその周辺の調査事業」の単独事業者で、事業の発足以来、衛星画像の納入(11年度1800万円)を一手に担っている。
どういうことか?
違法掘削、損壊等によって低潮線基点が変更されると、排他的経済水域がそれにしたがって変更する。
これを監視するために国交省は衛星画像を使うのだが、当の衛星画像の納入社が中国系企業なので、当然改ざんのリスクは避けられない。
ある離島研究者がこの点に関して国交省に問い合わせたところ、返答は、 「低潮線保全区域は185か所。全て緯度と経緯で公表されていますし、そういったことはない。」(国交省砂防部)
国交省がデータの真贋性を疑えないのには理由がある。
他ならぬ国交省砂防部OBの天下り先が国際航業社だからだ。
政府に納入する衛星・空撮画像やその加工技術を有する測量会社が実質的な外国資本であるリスクは大きい。
米国側から具体的な指摘があったわけではないが、こういった情報統制の甘さが日米同盟の弱体化に寄与していることは十分考えられる。
安倍政権は(従来の)左翼嫌いに傾きすぎで、民間企業ののっとりによる情報の漏えいリスクに鈍感すぎる。
リスクはイデオロギー的な共感(英霊の鎮魂や道徳教育の強化)ではなくて、ビジネスを通じて拡張する時代だという現在への認識が必要だろう。
具体的に米国がどのように考えているかはわからないが、アジア・太平洋地域に関していえば、「米中二国間の新しい関係」が模索されているように見える。
この二国間関係は地政学的に日本に強い影響を与える。
時系列を追って、検証する。
この二国間新型大国関係を最初に持ち出し、積極的に推進しているのは中国であって、米国ではない。
①12年8月、胡錦濤主席は米国との第4回戦略経済対話で、新型大国関係の共同推進を提案。
②同年6月、G20メキシコでオバマと胡が会談し、対話の促進、winーwin関係の協力、責任の分かち合いに関して合意。
③同年7月崔天凱外交部副部長が「中国国際戦略研究」誌に「新時代における中国総合外交の中の中米関係ー二大国間の新型関係構築のための中米協働」と題する長文の論文を発表。
④13年3月、全人代で李克強首相は「われわれはオバマ政権とともに新型大国関係樹立に進んで取り組もうと考えている。」と言明。
⑤同年6月、オバマ大統領と習近平主席との首脳会談(カリフォルニア州パームスプリングス)で新型大国関係についての調整。→この会談の直前にドロニン大統領補佐官と中国側が打ち合わせをしているなど周到に準備された会談だったが、内容は公表されていない。
⑥同年11月、ライス大統領補佐官が演説で「新型大国関係を機能させるよう努める。」と明言。(直後にバイデン副大統領が訪中。)
中国側が米国との「新たな大国関係」構築に積極的なのは理にかなっている。 裏側には「古い大国関係」の溶融、つまり「日米(韓)同盟」の溶融が国益(東アジア全域での影響力の拡張)にかなうと判断できるからだ。
では、米国側が「新たな大国関係」構築に見出すメリットは何なのか。 国内の財政事情(の悪化による兵站維持能力の減退)もあるだろうが、ここでは情報漏えいという面から推測してみる。
というのも、秘密保護法以前の問題で、重要な情報漏えいが懸念されているからだ。
2点指摘する。(以下の情報は「選択」3月号より抜粋)
1.「沖大東島」の中国資本による私有地化
世界的に類例を見ない太陽光発電の高額の買い取り価格(38円/kw・時)の20年保証を利用した太陽光発電の設備拡張事業を進めるE商事は、東北から九州に至る30カ所の農林地を買収している。
E商事の代表は福建省の厦門市で太陽光発電用モジュールを生産する会社の経営も兼ねている。
また、この代表は「RSテクノロジーズ」という企業の経営も兼務しているが、この会社が中国系ファンドの出資を受けて、2011年に「ラサ工業」の事業を一部買収した。
この「ラサ工業」は沖縄県の国境離島で、日本の領海を位置決めする際の基点である「沖大東島」を私有している。(「沖大東島」と周辺の島嶼群は排他的経済水域の一角を構成している。)
2.排他的経済水域の改ざん疑惑について
全国的に太陽光発電事業を仕掛けている国際航業社は衛星画像や空中写真の高度な判読技術をもつ。
12年、この会社を含む50社以上の企業を完全子会社化し、傘下に置いたのが、「日本アジアグループ」なる企業だが、実質的には中国系企業。(外国人投資家の保有比率は70%超。)
国際航業社の会長はグループ幹部の呉文繍氏。
国際航業社は国土交通省が11年から進めている「低潮線及びその周辺の調査事業」の単独事業者で、事業の発足以来、衛星画像の納入(11年度1800万円)を一手に担っている。
どういうことか?
違法掘削、損壊等によって低潮線基点が変更されると、排他的経済水域がそれにしたがって変更する。
これを監視するために国交省は衛星画像を使うのだが、当の衛星画像の納入社が中国系企業なので、当然改ざんのリスクは避けられない。
ある離島研究者がこの点に関して国交省に問い合わせたところ、返答は、 「低潮線保全区域は185か所。全て緯度と経緯で公表されていますし、そういったことはない。」(国交省砂防部)
国交省がデータの真贋性を疑えないのには理由がある。
他ならぬ国交省砂防部OBの天下り先が国際航業社だからだ。
政府に納入する衛星・空撮画像やその加工技術を有する測量会社が実質的な外国資本であるリスクは大きい。
米国側から具体的な指摘があったわけではないが、こういった情報統制の甘さが日米同盟の弱体化に寄与していることは十分考えられる。
安倍政権は(従来の)左翼嫌いに傾きすぎで、民間企業ののっとりによる情報の漏えいリスクに鈍感すぎる。
リスクはイデオロギー的な共感(英霊の鎮魂や道徳教育の強化)ではなくて、ビジネスを通じて拡張する時代だという現在への認識が必要だろう。

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