新宿旧コマ劇場前で大学生が昏倒していた写真及びその情報が、インターネット上に流れております。この内容について確認したところ、本学公認サークルに所属する部員であることが判明いたしました。
本学学生がお騒がせしましたことを心からお詫び申し上げ上げます。
本件については、過度の飲酒から起きた出来事であり、昏倒していた部員の中には未成年者が含まれていることも判明いたしました。なお、これらの部員の体調は回復しております。
また、詳細については現在確認中です。結果が判明次第、当該サークルに対し、厳正に対処いたします。
(6/24 明治大学)


流出した問題の写真
1ecee7b1.g




















週刊誌やネット上で指摘されている通り、この事件の焦点は「未成年の飲酒」ではなく、レイプ目的で酒に睡眠導入剤や高濃度のアルコールカプセルをいれたのではないか、という点である。

このような犯罪目的でネット上や精神科クリニックから中枢神経系の薬物を手に入れる機会は、ここ10年くらいで大幅に広がっている。

最近報道された事件だけでも

①強姦
施術中の女性客を睡眠薬で眠らせて強姦し、動画撮影していた疑いが強まったとして、警視庁は近く、東京都大田区の整体師の男(51)を準強姦の疑いで逮捕する予定。
(2014/5/13 朝日新聞デジタル)

②交通事故
警視庁の発表によると、寺沢容疑者は2月24日午前5時ごろ、大量の睡眠薬をのんでワゴン車を運転、半田市南大矢知町4丁目で歩いていた近くに住む無職佐藤尚子さん(当時62)をはね、死亡させた疑いがある。(2014/3/17 朝日新聞デジタル)

③いやがらせ
同僚の女性教諭に睡眠薬入りのシュークリームを食べさせたとして、大阪市教委は25日、市立加美北小学校の女性音楽講師(60)を懲戒免職した。
女性講師は昨年6月職員室で睡眠薬入りシュークリームを同僚の女性教諭に食べさせ、薬物中毒で入院させたなどとして、傷害と器物損壊の疑いで大阪府警に書類送検された。
(2013/12/26 毎日新聞)

④保険金殺人
神奈川県警によると、昨年11月10日午前1時ごろ、同県真鶴町の漁港で酒巻真実容疑者の夫で塗装業の和夫さん(当時61)の依頼を受け、和夫さんを海に突き落とし、水死させたというもの、遺体からは睡眠薬の成分が検出された。・・・・和夫さんは自ら4社に計1億円の生命保険金をかけていた。
(2014/2/14 朝日新聞デジタル)

これらの事件は明るみになった分だけで、氷山の一角とみて、まず間違いないだろう。

睡眠薬は簡単に手に入る。

メンタルクリニックに行って、「眠れません」と言いさえすれば、手に入る。
「人気の」クリニックなら、患者=客が商品名を指名したら、そのまま処方してくる。

第一類医薬品、痛み止めのロキソニンや胃薬のガスターを手に入れるには薬局でしつこくインタビューを受ける必要があるが、これらの薬剤が犯罪に使われることはないし、余程無茶な使い方がしない限り、ひどい副作用を起こすこともない。

脂質異常症治療薬の処方薬EPAがOTC販売薬として承認された際、医師会が猛烈に反発したのは、安易な服用で受診を怠り重症化を招く恐れがある、といった理由だったが、これは誤解ではないか。

医師会の主張の根底には、「受診機会の向上が健康の増幅に貢献する」という発想が見て取れるが、その妥当性はかなり怪しい。

受診機会の向上は健康とともに問題も増幅させる。

少なくとも、中枢神経系の薬剤に限って言えば、受診機会の向上がもたらす問題は大きな広がりをみせていると言えるだろう。

薬剤の販売については、ネット解禁か店売りかで議論されていることが多いが、真の問題点はそこではない。

薬剤の処方が適切かどうか、利害関係の当事者たる医師にしか判断できない(する権利がない)点にある。

医薬分業でこの問題点をカバーすることが期待された(医師の無駄な処方を薬剤師がチェックする)が、効果は非常に限定的なものに留まっている。

薬剤師も医師の管理化に置かれており、その利益体系に組み込まれてしまっているからだ。
(せいぜい二重処方や適応禁忌を止める程度で、適宜増減の過量・長期投与は守備範囲外。)

睡眠薬がネット上で売買されたり、犯罪に使われたりといった事例が起こり始めてから随分時間はたっている。
にもかかわらず、何も対策が取られていないのは、医療業界の閉鎖性を示唆している。

素人はひっこでろ、という主張がどこまで通用するのか、どこまで通用させるのか、このままではますます問題は増幅していくだろう。


蛇足

ちょっとした「悪戯」をするために、メンタルクリニックで睡眠薬を手に入れている人たちは水面下にかなりいるものと考えられる。