2006年03月12日

ドラマ 小早川伸木の恋  第九回 2006年3月9日放送 あらすじ&レビュー

今さらカナには会えないと言う伸木に、だったらカナにそう言ってくれと仁志は頼む。
妙子は離婚届を一向に受け取らず「何度持ってきても同じよ。」と引き下がろうとしない。
美村と分かれた添木婦長は進行した胃がんだった。もって半年だと言う。美村は直る見込みのある手術を飛び越し、化学療法を用いる決断を下す。
美村の出席するはずだった大阪の学会は伸木が出ることに。そして京都に居るカナに会いに行く。
「結婚おめでとうございます。(仁志は)理屈っぽいところもあるけど、本当にいい奴なんです。」と言う伸木に、妙子の事を聞くカナ。「妻とは別れることにしました。」と伸木はさらりと言う。
「小早川さんは、お元気でしたか・・・?」
「ええ。」
東京に帰った伸木は、カナの好きなブラームスのバイオリンとチェロのための二重協奏曲第一楽章に込められた思い‐許されない恋に身を焦がす、激しく揺れる、この溢れる思い‐を知る。
伸木は、Kという匿名で、カナにメールを出す。「色々あって少し盆栽から遠ざかっていました。まだまだ春は遠いのでしょうか?桜の季節が待ち遠しいですね。花名さんはお元気でしたか?」
添木には身寄りが無く、家族はいないという。「娘は二十年前に捨てた。」と言う添木だが、大事に娘の写真を残していた。見舞いに来た美村には、二十年間愛人でしかなかった女の悲しい末路。いっそのこと穏やかに死んでいきたいと言う。
鹿浜匠子の退院日、竹林は結婚を申し込み、鹿浜は素直にはいと言う。伸木は沼津と一緒に鍋を囲んで竹林の結婚を祝う。
添木は伸木に娘の話をする。離婚後は親権を取られ、会う機会も与えられなかった添木は、娘は私に捨てられてと思っている、伸木も気をつけた方がいいと言う。伸木は添木の娘の居場所を探し、添木に引き合わせる。娘は添木を抱きしめ、ずっとお母さんのことを思っていた、母親になってようやく添木の気持ちが分かったと言う。伸木も父として、みすずも大人になればきっと分かってくれるはずだと思うのだった。
離婚したらみすずに会えなくなるという妙子とのやりとりに疲れた伸木は、カナとのメールに安らぎを見出す。最近大失恋した人と再会したと書かれたカナのメールに伸木は、「私にも同じような経験があります。別れても彼女への思いが日に日に増して行き、苦しくてたまりませんでした。そんな時はブラームス、バイオリンとチェロのための二重協奏曲第一楽章を聞いています。」と書く。カナは、自分もその曲がすごく好きだ。自分の気持ちを表現してくれているようで、切なくなって泣いてしまうと返事をする。カナのところに婚姻届を持って来た仁志は、開いたパソコンからこれらのやり取りを見てしまう。
沼津は千夏に、これからお互いの理解を深めていきたい、子供を産んで欲しいと頼む。そして千夏を抱きしめ、「ここから始めよう。」と言う。
仁志は事務所を引っ越す日、伸木とカナを引き合わせる。伸木をつけていた金井は、そのことを妙子に報告し、妙子は裁判を思い立つ。一方、伸木はカナと久しぶりに話をして盛り上がる。仁志は伸木に電話をして、そこに来てもらったのはカナさんと一緒になってもらうためだと言う。自分の十年より伸木の一瞬の方がカナにとってずっと密度の濃い時間だった。彼女には伸木しかいない。伸木に託す。彼女を幸せにしてあげてくれと言う。
伸木の車で、カナはブラームスのCDを見つける。「あなたがKさんだったんですね。音楽ってずるいわね。」カナは泣きながら言う。
東京駅で伸木はカナの涙を拭い、前はあなたが僕の涙をこうして拭ってくれたと言う。伸木はカナを抱きしめ、「ずっとそばにいて欲しい。」と言う。
仁志の事務所に妙子が現れる。
「仁志さん、私の弁護士になって。伸木を訴える。」


レビュー
このドラマの制作発表で、この物語は娘道成寺のイメージで描いたという柴門ふみ氏の言葉があったが、「逃げる者」としてのABCが描かれた回である。竹を割ったような和合を諦め愚かな自分を這いずり回らせることによる解放は、文学における近代的自我の発露となったテーマであるが、そのように夢見がちな男性には残酷なカセを背負わせるぞと言う妙子の神の如き恐ろしさも見え隠れしている。転がり続けることを潔しとする大人の童心に救いの手を差し伸べる回。



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2006年03月04日

ドラマ 小早川伸木の恋  第八回 2006年3月2日放送 あらすじ&レビュー

仁志は独立して引越し、カナと結婚するという。「十年間、あなただけを思っていた。」と言った仁志に、伸木のことは忘れる、こんな私でよかったら幸せにして下さいとカナは言った。ブラームスのバイオリンとチェロの為の二重協奏曲がカナの気持ちだと教える仁志。伸木は、「お前ならカナさんを幸せに出来る。」と言う。
家を出る決心をした伸木は、ファイルを取りに一旦家に帰ってくる。「カナさんと一緒に暮らすんでしょう?」そう言う妙子に伸木は、カナが仁志と結婚するこということを伝える。私の何がいけなかったのかと狂おしく訴えかける妙子に、もうあの頃にはもどれないと伸木は言う。みすずが出てきて、もうすぐ自分の誕生日だから遊園地に連れて行って欲しいと言う。伸木はみすずと約束する。
鹿浜は竹林が再手術から一度も顔を見ていないことを気にしており、嫌われちゃったのかなと案じて、竹林の気持ちを伸木に聞く。竹林は鹿浜の一件で退職を決意していた。
パートを辞めた妙子は仁志に、伸木が家を出たことを話す。自分と別れてカナさんを奪う気だと言い、妙子は仁志に対し、カナをちゃんと捕まえておいて欲しいと言う。
娘が結婚していなくなるという越智は、妻とふたりになってしまい、三十年一緒にいても考えていることなどさっぱりわからないと伸木に笑顔で話す。そこに走って来たたっくんと呼ばれる男の子を伸木は暖かく見守る。
娘に会えなくて寂しい気持ちの伸木は、昼間見た「たっくん」と仲良しになる。たっくんは小児がんの為、生まれたときからずっと病気と闘っていた。いつもにこにこしている訳は、痛みのない日はそれだけで嬉しいだからだそうだ。ただ、病院には小児外科がない為、ああいう子を受け入れることができない。伸木は心を動かされ、小児外科設立の案を思いつく。
鹿浜に会ったものか迷っていた竹林だが、伸木に頼まれて病室に行く。前にも色々あったが、僕はあなたにメスを入れて混乱してしまった。どうやら僕は医者に向いていない。ここを去るつもりだと竹林は言う。医者を続けるかどうかも分からないと言う竹林に鹿浜は、「私の為に医者を続けてもらえませんか。私の心を救ってくれるのはあなたしかいません。」と言う。
伸木、竹林、沼津は一緒に酒を飲む。生きる活力を与えてくれる鹿浜みたいな人だったら家庭を持つのもいいかもしれないなと竹林。沼津は父親への反対を理由に千夏に別れを切り出したものの、お腹に赤ちゃんがいると言われ、活力というかカツアゲだと自嘲する。伸木に妙子と何かあったのかと尋ねる竹林。伸木は離婚に迷っていることや娘のことを話す。「もう十分じゃないかな。」竹林は伸木はよく頑張ったと言う。
小児外科を設立するという伸木の案に対し美村は、世間の関心は成人のがん治療であって小児外科ではないと言い、恩を仇で返すのか?本分を忘れるなと言う。あきらめない伸木に、越智は小児外科設立を教授会で提案してみるという。私はあなたのお陰で教授になれた。恩返しだと言う越智。
みすずの誕生日。家族三人は遊園地で団欒の時間を過ごす。夜、伸木はみすずに熊のぬいぐるみを贈る。疲れて寝てしまったみすずに向かって伸木は言う。「駄目なパパだったね。」幼稚園の卒業アルバムにみすずが書いた将来の夢は、「パパみたいなおいしゃさん、パパがだいすきだから」だった。泣く伸木。「頑張るから。これからもみいちゃんのパパでいさせてくれ。」伸木はみすずを抱きしめる。
「家を出て考えたこと」を伸木は妙子に言う。「これまでのことはなかったことにして。」と言う妙子だが、伸木は妙子とはもう無理だ。それは簡単に消せることじゃないと言う。
「具体的に教えてよ。」と尋ねる妙子に対し、伸木は分からないと言う。「私の世話に飽きたから?病院の方が忙しいから?病院にあたしより若い女の人がたくさんいるから?独身の方が楽だから?カナさんのことが、好きだから?」妙子が投げかける質問に、伸木はすべて「違う」と答えるのだった。
「だったら何なのよ?」
「本当に分からない。」
この七年の間、小さなことが積み重なって抱えきれなくなったと言う伸木に、そんな説明じゃ納得できないと妙子は言う。
妙子は悪くない、家庭が壊れたのは俺の責任だ。だけど、もう君への気持ちはない。みすずの為にも別れようと言う伸木。
小児外科設立案は教授会で却下された。若い看護士と再婚する予定で機嫌を良くしている美村を伸木は「第二外科に小児疾患グループを作りたい。」と言って怒らせる。一方美村に金で別れさせられた添木は、激痛に腹を押さえて倒れる。
自分のカナへの思い、カナの伸木への思いに悩む仁志は、伸木と会う。十年も同じ人を思い続けていると自分の感情より相手の幸せを一番に思える、家庭というカセがなくなった今、彼女を幸せにできるのは自分より伸木かもしれないと仁志は言い、伸木にカナの居場所を教える。


レビュー
パラノイアに陥ってしまった妙子を中心に、物語は広がり回り続ける。だが、根本的原理や思考方法の違いがさらに溝を際立たせてしまい、細雨のはずが大嵐を呼んでしまう。理想との距離感、細かい不快感が人物の素の魅力を引き出せずに空回りしてしまう。妙子の悶々とした心の成長を待つ長い冬の回となっており、全体として一貫した視界を保つためのライン引きの工夫が見受けられる。


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2006年02月26日

ドラマ 小早川伸木の恋  第七回 2006年2月23日放送 あらすじ&レビュー

伸木は枯れた松を見て自分の結婚生活のようだと思い、カナに匿名でメールを出す。「以前針金かけをした松の葉が全部枯れてしまった。元に戻らないのでしょうか?」
なおえはケーキ屋になった。家に帰る伸木によそよそしい妙子。「もう一度、結婚記念日をやり直さないか?」と伸木は言う。仕事に専念できるのも、娘が良い子に育ってくれているのも妙子のおかげ、これからもよろしくと妙子にシャンペンを渡す。
カナからメールの返事があった。葉が落ちても根っこは生きている可能性がある。努力して水をやり、光を与えればきっと息を吹き返す。小さな芽が出ることを信じて、諦めないで手をかけてあげて下さいと書いてあった。伸木は妻の浮気のことを返事に書くのをためらう。
竹林は世界的に有名なチェリストでありながら素直で純真な鹿浜匠子に惹かれ始めていた。竹林は鹿浜の、チェロを演奏する姿からは考えられない、ひっそり泣いている姿を見てしまう。同じフレーズを繰り返し演奏して永遠にエンディングにたどり着けない夢を見たり、お客さんの呆れた顔、母や姉の嘆く姿を想像したりして泣いてしまうのだという。手術うまくいきますよねという鹿浜匠子に、竹林は出来る限りのことをすると約束する。が、竹林は担当患者に対して術後出血の凡ミスを犯し、美村は「お前は、もういい。」と竹林を袖にする。
翌日から、竹林のオペがなくなった。鹿浜匠子の手術には他の専門医が呼び寄せられた。伸木は竹林が鹿浜の為に日本一の専門医を連れてきたとフォローして、竹林は伸木に感謝をする。
調停していた妻と離婚が成立したと美村は妙子に、過酷な職場の男は家庭に安らぎを求めているものだと言う。弁護士の仁志もその場にいた。まだ伸木を信用していないのかという仁志に、ただ伸木と一緒にいたいだけだと言う妙子。「いやな性格だね。」と言う妙子に、「損な性格なんだよ。」と仁志。妙子は、「私が医者の妻として変わったら伸木は分かってくれるかな?」と言ってみる。
竹林の鹿浜に対する思いを聞き、伸木は妙子との結婚式を思い出してみる。家に帰り、昔のアルバムを引っ張り出し、妙子が作った夫婦の記念日のリストを片っ端から書き出して行く。
それからの伸木は、記念日毎に妙子にサービスをするように。朝食を作ったり、ビデオを見たり、ボウリングに行ったり、スケートに行ったり、公園で遊んだりと、夫婦生活は昔の輝きを取り戻す。妙子はずっととっていおいたカナの手紙をもう捨ててもいいと思うのだが、気になってもう一度読み返してみる。
伸木が帰ってくると、妙子はカナの手紙から伸木がカナを好きだったと分かると言って伸木を問い詰めるが、伸木は違うと誓う。今は嘘をついても、いずれ家族は元の形にもどるかもしれない。今はただ小さな芽が吹き出すと言うカナの言葉を信じるしかないと伸木は思う。
伸木を思い続けるカナに仁志はいつか振り向かせてみせると言うが、カナは、こんな気持ちで仁志さんの元には行けない。何度来ても同じよと言う。仁志は三顧の礼だ、次が最後と言い、「そろそろ幸せになってもいいんじゃない?」とカナに問いかける。
鹿浜のオペはうまくいった。見舞いに来た友人は竹林が鹿浜の初恋の人だと言い、竹林は僕にとっても大切な人ですと言う。それから竹林は、一人一人女性関係を清算してゆく。
帰り道、妙子と手をつなぐ伸木。その前に金井が現れる。「ようやく奥さんに償う気持ちになりましたか?そうやって偽りの夫婦を演じていて満足ですか?と言う金井。」
その日は、初めてお気に入りのレストランを見つけた記念日だった。が、突然、竹林から電話が。鹿浜の容態が急変したという。腸を損傷したらしい。竹林は自分では鹿浜の開腹などできないと応援を頼み、伸木は書置きをして病院に急ぐ。伸木の励ましもあって、竹林は自分で執刀し、手術は成功する。「見事なオペでした。」と伸木は褒める。「信じてる。」と言う彼女の声が聞こえたという竹林。
翌朝、病院で妙子は伸木に、急患があるならちゃんと言ってくればいい。私も伸木の為に変わろうとしていた、こっちだって後ろめたい事があるからわざと喜んでいる振りをしていたと言う。「わざと」という言葉にショックを受けた伸木は、つられてカナと一度だけ寝たと言ってしまう。「そんなの関係ない。寝たことには変わりがない、絶対に許さない。」と妙子。伸木は、お互いが相手を信じられないと芽は一向に吹き出ないと言い、「ごめん妙子。俺はもう純粋に君を思えない。俺は家を出る。」そういって妙子と決別する。
絶対に認めないからと、妙子は伸木の後姿に向かって言う。
仁志が病院に現れて言う。「俺、カナさんと結婚することにした・・・」


レビュー
登場人物それぞれがあたかも旅をしているかのように、「自分なるもの」の存在意義を再確認する回である。妙子が手をかけ、心をこめて作り上げてきた感性的生活。それを取り巻いていた不安を離れて見つめることによって、ひとつひとつが浮き彫りにされてゆく。広い空の下で夢のように、心から愛を語り得た昔と、歴史の体感のない若者に、容赦なく突っ込まれる伸木。自分の手術に立ち会うような、当事者としての距離感の複雑さ。仁志のような感覚主体の人間でさえも、何でもできて何にもできないかもしれないという不安を感じさせる。カナはいつも旅をしてきた。その心の織り成す旋律は、崖淵の伸木にはどうしても必要なものに違いない。果たしてカナは、「その何か」を伸木に教えることができるのだろうか?



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2006年02月18日

ドラマ 小早川伸木の恋  第六回 2006年2月16日放送 あらすじ&レビュー

カナの笑顔が頭から離れない伸木。時はこの痛みを忘れさせてくれるのだろうかと思う。
妙子は、伸木が浮気をしていると確信して悩んでいた。仁志はそんな妙子に、少しは自分に興味を持って外で仕事でもしたらいい、きっとそういう姿を見たら伸木も少しは妙子を見直してくれるのではないかと言う。そしてその夜妙子は、これまで伸木に頼りすぎていたけれど自立したいので、伸木の病院でパートとして働くと言い出す。
伸木のちょっとした不安は的中した。美村に差し入れをする妙子は奥さんを使って教授に取り入っていると噂される。だが、伸木は、折角楽しそうに働いている妻をむげにできないと言うのだった。
ある日妙子は、病院の入院患者金井潤の医療費を立て替える。金井はこんな人もいるのかと妙子に好意を抱く。
伸木が病院で、色々な女性と楽しく会話をしているのを見て嫉妬する妙子。竹林は妙子に近づき、女性関係に悩んでいるのなら伸木は大丈夫だと言う。
美村はかねてから竹林を腹腔鏡の専門医にしようと思っていたが、訴訟の多いやっかいなポストがオペの苦手な竹林に重荷であることから、伸木を使って竹林をやる気にさせることに。講師を追い越して助教授になることもありうると言う美村の言葉に、竹林は張り切る。
妙子は金井と連絡を取り合うようになり、寂しい時に声を聞かせて欲しいと言う。病院から電話をした伸木は自分のコールが繋がらないことに不審を抱く。
2ヵ月後、竹林の腕はめきめき上達し、早期胃がんの多くをまかされるまでになる。
金井が退院することになった。国体を目指してテニスをしていた金井は妙子に、もうブランクを取り戻せないからやめようかと思っていると話す。妙子は金井を励まし、今度の試合に勝ったら金井とデートしてあげると言う。それを見ている伸木。
夜、伸木は妙子に何も言えず、カナの店で買った睡蓮木を見つめる。インターネットで睡蓮木の育て方を調べて行くうちに、「花名の盆栽ROOM」というページを見つける。
カナに勧められて買った盆栽を熱心に手入れしている伸木を見て、仁志は、伸木の思いは愛人に対するそれと同じだと言い、自分は違う。自分がカナを幸せにすると言う。
竹林はVIP患者の鹿浜匠子のオペに志願する。世界で活躍するチェリストだ。美村は竹林にくれぐれもと念を押し、竹林は鹿浜匠子の面倒を見始める。
伸木と妙子の結婚記念日が近くなった。妙子は地中海料理をと張り切る。その時妙子の携帯に金井から電話が。試合に勝ったので食事のお祝いをするという。伸木はデートに一緒に行くと言い、もし誘ってきたら金井を殴ると言う。妙子はその様子に嬉しさがこみあげるのだった。
デート当日、病院を終えた伸木はカナのホームページからその日埼玉の懐呼園にカナが来ていることを知って、とっさにそこへ向かってしまう。
レストランから妙子は何度も電話をかけるが、伸木は病院に携帯を忘れていた。妙子は妙子が必要だと言う金井についつい気を許してしまい、ラブホテルの前でキスをされてしまう。
カナに会う勇気もなくとぼとぼと帰ってきた伸木。家に帰るが、妙子はいつもと様子が違う。飲みすぎたと言って先に寝てしまう。
病院で伸木の机に判子を取りに来た妙子。しまっていたカナの手紙を発見し、伸木は中庭に呼び出される。カナの手紙を読み上げる妙子。カナが好意をもっていたことを知らず、妻を愛しているから気持ちには答えられないと言ったと伸木は弁解する。妙子は「肉体関係は無い」と言う伸木を信じると言うが・・。
妙子に別れを切り出された金井は、病院に行って伸木に妙子と別れて欲しいと言う。これ以上妙子を苦しめないで下さいと言う金井。「妙子と寝たのか?」と聞く伸木に、金井は答えられない。伸木は金井に出て行けという。
家に帰った伸木は、妙子に詰問する。冷静な伸木に、愛してもいないのに愛した振りはやめてと言う妙子。伸木は結婚記念日の手作りケーキを鞄ごと払いのけ、どれだけ我慢してきたと思うんだと妙子に迫る。妙子は、別れる。離婚する。伸木が冷たくする度に、父親の姿が重なる。みすずに同じ気持ちをさせたくないと言う。みすずが起きてきてなんとかその場は収まった。
朝、伸木がみすずを幼稚園まで送ることに。気性の激しい妙子を悪く言わず、両親に気を遣うみすずを抱きしめながら、伸木は途方に暮れる。
仁志は一人身を引いたカナを訪ねる。カナは伸木を思って睡蓮木の前で泣いていた。仁志はカナを抱きしめる。

レビュー
第六回。物語の関心は、伸木達の苦しみがきちっと三等分されるのかということであるが、酔っ払った伸木に対する酔っ払った妙子の攻防のようになってしまい、一過的な「あそび」に取り込まれた、大いに忌憚ある回となった。だが、最後のカナのひとり泣きによって、引き合う心の美しさがようやく血の通ったものとして表現される。このシーンがないと、実に「なんじゃこりゃ」だ。男性的合理性と女性的非合理性の蒙昧な正体が次第に露になり、伸木は善悪の境目で揺れ動く。軟弱な心はいけないよという教訓の回でもあろうか。日常に潜む爆弾が浮き沈みする典型的な例を見た。この人たちに蓋をして一年間程眠らせてあげたいものだ。ダメか。


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2006年02月11日

ドラマ 小早川伸木の恋  第五回 2006年2月9日放送 あらすじ&レビュー

なおえに来た妙子は、伸木とカナが話しているところに現れる。カナはとっさに、伸木は妙子と老後を楽しむ為に盆栽教室に通っているのだと言い、伸木は危機を脱する。
帰り道妙子は、カナは感じのいい人だと褒め、友達になりたいと言う。
亡くなった患者に同情して泣く沼津に、美村は辛辣な言葉を浴びせる。伸木は、患者の死を受け止められずに医師を辞めた直江の話をして、自分は涙を流すくらいなら後悔したくないと思ってここに残った。沼津も自分自身の考えに従った方がいいと言う。
めずらしくなおえに顔なじみが集まった。直江は娘の喘息の治療のため、今月限りで店を閉めると言う。カナは、ライターの仕事に専念するらしい。
ある日妙子はカナに伸木の相談をしに行く。体調の悪さと結婚後の孤独について語る妙子は、カナに友達になってほしいと言う。
体がかゆくて眠れない妙子に毎晩ドライブにつきあわされる伸木だが、院では美村によって伸木を講師にという話が持ち上がる。同期で一番の出世頭だ。伸木は快諾するが、同僚は、裏で腐ったことをしてそうだと陰口を叩く。
ヒステリックに流れる時間に耐えられなくなった伸木は、当直を変わってもらった日、家に帰らずになおえへ足を運ぶ。カナは伸木に盆栽の針金掛けをさせ、自分は何事も自然が美しいとは思わない。本能のまま傍若無人に振舞うのではなく、モラルという針金に縛られた中でどう生きるかで、その人らしさが出るのだと言う。そして、伸木は決して腐ってなどいない、ちゃんと青い葉を茂らせていることを分かっていると言う。「私の前では強くなくていいですよ」と言うカナに、伸木は思わず泣いてしまい、その日はなおえに泊めてもらう。店を出た後、伸木が気になったカナは引き返す。伸木はソファーの上でうなされていた。カナは思わず伸木に口づけてしまい、二人は抱き合う。
伸木は、仁志に事の仔細を話し、相談をしようとするが、仁志は「何のために雑誌を見せたと思う?彼女は散々辛い目にあって来た。どうしてまた傷つける?」と言って伸木を殴りつける。
カナの気持ちを確かめずにおれない伸木。カナに会いに行くが、カナは、「ゆうべは夢を見ただけ。可哀想だから同情してあげただけ」だと言う。伸木はたまらなくなってカナに、ずっと好きだったと告白してしまう。
カナは、昔舞妓だった頃の写真を見せる。伸木が不誠実だったらとっくに愛人になっていたと言うカナ。味沢が亡くなって十年間女を忘れていたが、思い出させてくれて感謝している。友達に戻らないのであれば、もう会いにこないで欲しいと言う。
カナは伸木との別れを決意し、最後に伸木を動物園に誘う。二人は妙子に内緒でデートを楽しむ。亡くなった亭主味沢をまだ愛しているかと聞く伸木にカナは戸惑う。カナは伸木に亭主と同じ孤独で寂しい人生を見て、味沢をどうしてもっと愛せなかったかと言う悔いを伸木に投影していたのだが、それも伸木が好きだからだとはどうしても言い出せなかった。
カナは、飲み物を買ってくると言い、そのまま消えてしまう。探し回る伸木に直江は、カナはもう店を辞めたと告げる。
カナのマンションに駆け込む伸木。しかしそこにはカナの影も形も見あたらなかった。だが、伸木は自分への恋心が綴られたカナの手紙を見つける。
伸木は誰もいなくなった部屋で、自分に手紙を書いているカナの姿に思いを馳せるのだった。


レビュー
カナとの情事、カナの過去、カナとの別れが描かれた第5回。これまでの不均質感が整合され、時代を超えた普遍性が感じられていく。若く素直な書生に戻ったような伸木が、のっぴきならない事情によって恋心を引き裂かれる。くるおしい感嘆を誘い、染み渡る情緒をめいっぱい醸し出しながら、テーブルをさっと片付けるように別れさせた。これで何か降って来でもしたら、完全に名画想起ドラマだ。で、あれこれ理由をつけようとすると、夢のような名画感はネズミがかじったようにそがれてしまう。要するに、リアリズムではない方がいいことのひとつの例である。来週からは、もっと格好悪くて「サムい」伸木が出てくるのだろうが、それを見るほうが安心する人々は多いだろう。今さらだが、冬支度をして見ることにする。



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2006年02月03日

ドラマ 小早川伸木の恋  第四回 2006年2月2日放送 あらすじ&レビュー

松金に、「殺してやる」と迫る妙子。「あれは事故だ。」と言う伸木に耳を貸さない。妙子はみすずを連れて、家を出てしまう。
伸木は実家に出向くが、妙子の怒りは治まらない。妙子の父は、自分の浮気が原因でこんな性格にしてしまったのだと伸木に謝り、話に付き合うのが唯一の治療法だと言う。
病院では亡くなった大森教授の後釜問題で揺れており、美村は、自分の側近として都合のよい誰かを立てようとしていた。そこに踊り出たのが越智助教授。越智は伸木に、自分を美村に推薦してはくれないかと頼む。越智が三億円の借金を取り立てられている姿も目の当たりにしてしまう伸木。
一時間置きに妻にメールをする伸木は、教授問題どころではなかった。だが、「嘘泣きと脅しが平然とできる人は一気に悪まで転がり落ちてしまう。」と言うカナに動かされてしまい、越智をあえて推薦せずやっかいな立場に立たされる。逆恨みした越智が、なおえにいる伸木がカナにエプロンをつけてもらう姿を携帯のカメラに収め、それで伸木をゆすろうとしたのだ。
竹林の機転によって束の間家庭崩壊の危機を脱した小早川家だが、すぐさま「小早川伸木には女がいる」と書かれたファックスが届き、妙子はまた伸木を疑いだす。
ファックスの主はやはり越智だった。越智は屋上に写真のコピーをばら撒き、「徹底的に潰してやる。」と伸木を脅す。伸木も、家族を守るためになら手を汚す覚悟はあると、抗戦の構え。
「今の小早川さん、越智先生と同じ顔してる。」カナは伸木を見て言う。「木を枯らす原因は、根を腐らせる葉土にあります。あなたも大学病院という葉土に蝕まれてしまうの?」
「あんなことされたら、誰だって腹が立ちます。」
「腐ってしまうのは簡単。腐りたくて腐ってしまう木はないの。あなたの気持ち次第で、木はまた生き返る。」と、カナは伸木に言う。
伸木は越智の家まで出向き、越智の借金リストを家族に見せると脅す。越智も妙子の携帯番号を入手し、写真をメールすると返す。
伸木は、窓に映った自分の顔を見る。悪に転がり落ちた自分の顔。「あなたの気持ち次第で木はまた生き返る。」というカナの言葉が心に響く。「駄目だ。僕には無理です。もう降ります。自分の顔が醜くてたまらない。」伸木は越智と戦う手段に出るのをやめた。
なおえに寄る伸木。カナにそのことを告白する。「良かった。共鳴してくれたんだ。」カナは言う。「私の心のある部分が、あなたの心の同じ部分に小さくて、だけど深い音を鳴らしたの。」「そうかもしれません。本当にカナさんの声が僕に届いたんですから。」カナはクスっと笑い、伸木はカナをじっと見つめた。
伸木の家を訪れた仁志は、妙子に向かって伸木の弁護をする。仁志は伸木を呼びつけ、15日のアリバイとして指輪を渡すように言う。伸木は正直にカナへの気持ちを打ち明けたが、仁志にそれではいけないと注意を促される。伸木は仁志の言う通り、赤い指輪を妙子にプレゼントする。喜ぶ妙子。
その後、越智は伸木に土下座をして謝り、教授選を辞退すると言う。伸木は、今度は美村に対し、「越智先生は教授に相応しいと思います。」と告げる。
早速カナに報告する伸木。と、いきなり立ち上がり、「僕は、カナさんの声が聞きたくてここに来たのかもしれません。僕は、あなたと一緒にいたいと思っていた。」と言う。それを妙子は店の窓から見てしまう。

レビュー
カナという器に伸木という葉土がしのび込んでしまい、蓋をするもすかさず見つけられてしまうの回。カナの小動物のような生き物としての魅力が語られている。カナの声が聞きたかったのかもしれないと告白した伸木の枕詞のような自然さに、またかのため息である。女性の立場からだと、好きと相手に言わせたいから?冗談?なんでなんでという感じだろうか。ただ、院内のわざとらしい仕打ちにめげることなく、カナに素直に頼ってしまうところが分かりやすくも90度位の絶壁で、ヘタすれば酔っ払いだ。妙子への罪悪感、離婚後の養育費、そんな煩わしい計算がない自然人伸木を、この物語では「優しい」と呼ぶのであろう。なにやってんのという感じである。とはいうものの、モーレツから少し離れた伸木の良いところも余白に描かれており、赤いリングはともかくも汚れずに済みそうである。朴訥な愛情を形にしたい伸木であるが、安楽な境地で友情を感じていたいカナの思いの方が数段に賢く見える。日本男児の命運を背負ったプラトニックラブはまたも萌えタンに負けてしまった。伸木、ちょっくらがんばってくれ。

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2006年01月27日

ドラマ 小早川伸木の恋  第三回 2006年1月26日放送 あらすじ&レビュー

「あなた、浮気してるでしょ?」
ドライブへ行くはずだった15日、オペが終わってどこへ行っていたのかと、妙子は日記を取り出す。一日に起こったことが事細かに書かれている。
オペが終わったのが12:06、家に帰ったのが10:14。その間どこへ行っていたのかと妙子は詰め寄る。
「沼津に仕事の相談をされて、夕飯を一緒に食べに行った。 話が長くて遅くなった。」と伸木はとっさに言い訳をする。
「わかった。いってらっしゃい」と妙子は言い、伸木にキスをする。

「なおえ」では、仁志とカナが話をしている。
「最近ドキドキした?」と仁志。ダットンとアロンのつり橋の実験を持ち出し、恐怖の興奮と恋愛の興奮は錯覚しやすい。カナの恋の感情は単なる勘違いの可能性が高いと言う。
「駅で転びそうになったこと?」とカナ。
「仁志さんは最近どきどきしてる?」

病院。沼津が婦長に呼ばれている。VIP待遇を廃止するので、ついては提案者である沼津を外来の主任にするという決定だった。張り切る沼津。
だが、早速外来受付では問題が。プロレスラー小川直也が来て、患者達が騒然としているという。収拾がつけられずにあわてる沼津。そこへ現れた美村。「VIP待遇を廃止したとたんこの騒ぎか?こんな事態になってもまだVIP待遇に反対かね?」
「いいえ」仕方なくうなだれる沼津。それを伸木と見ていた竹林は、
「ああ、まんまと教授の策略にはまっちゃった。」
プロレスラーは美村の友人だと言う。
「教授に逆らったところで、ねじ伏せられて終わりってこと。」
竹林はそう言って行ってしまう。
夜、美村は伸木と竹林を高級スナックに連れて行く。女性をはべらせ、美村は上機嫌だ。二日間寝ないで八つの手術をこなしたことが話題になり、美村は相当の謝礼をもらったと自慢する。「見合ったことをしているんです。謝礼をもらうのは当然ですよ。」と言う竹林に伸木は、「治療費をきちんと収めているのに謝礼を渡す必要があるとは僕には思えません。」と言う。美村は「それは私が判断することだ。」と言い伸木を黙らせる。「お年寄りから感謝の気持ちで差し出された飴玉を君は拒否するのか?それは却って相手の好意を踏みにじることになる。」と言うやいなや「これは俺のほんの気持ちだ。受け取ってくれ」と札束を伸木に。伸木は受け取り、それをホステスに渡す。「これで教授の好きな酒を入れて下さい。」美村は笑っている。

伸木は、妻に嘘をついたことを悩んでいた。仁志は伸木に、嘘をつき通すのは大変なんじゃないかと言う。伸木は同意し、嘘はつかない方が身の為だと言う。

看護婦の声。患者が呼んでいるらしい。
伸木は、大熊ヨネという患者に手を焼いていた。大熊はシェフを病室に呼んでいるという。遺産目当ての家族がうざったい、今のうちに使えるだけ使うという大熊。伸木を呼びつけては、ペンを取れ、カラスがうるさい、ベッドを替えろだのと言って困らせていた。

屋上で考え込む伸木、越智医師を見つける。園芸コーナーを作る準備をしているのだ。患者にとって精神的にいい影響があるだろうと頑張っているらしい。伸木は越智をなおえに連れて行き、その時に盆栽を一つ買う。「黒松がおすすめかな?」と言うカナだが、伸木が選んだのは睡蓮木だった。「大切にして下さい。」と言うカナ。
伸木はカナと夜道を帰る。そしてカナが結婚していて、亭主を十年前病気で亡くしたということ、その亭主が初めてくれた盆栽は睡蓮木だったことを知る。亭主を亡くしてからずっと一人、人を遠ざけていたと言うカナ。「人と深く関わるのが怖かったんだと思う。だけど最近、伸木と出会ってようやく生きてる実感を味わえるようになってきた。」と。
「私、魅力的に見える?」
「ええ。十分すぎるくらい・・・」と伸木。
「女としてよ。」
その時トラックが通り過ぎ、反射的に伸木はカナを抱きとめる。キスをしようとする伸木。
「友達の先に何があるか、見てみる?」カナはそう言うと
「電話、待ってますね。」と言って帰っていった。
伸木は思う。彼女は俺に好意をもっている。そしてそれは友達以上のものだ。明らかに。そして俺も。

夫婦のベッド。眠ろうとする伸木。妙子が起きてきて、「他の女と寝たいと思ってるでしょう・・・?」不安に火がついたらしい。妙子はその夜伸木に何度も愛してると言わせるのだった。幼少期母親に愛されなかった可愛そうな妻。俺は一生守らなければいけない。そう伸木は自分に言い聞かせる。
朝、伸木の食卓には、新婚旅行でハワイで食べた、モイノソテーがあがる。美味しそうに食べる伸木。見つからなくて、東京中探し回ったと言う。「ママ、何度も何度も失敗して、やっと昨日できたんだよね。」と言うみすず。伸木は幸せを感じながら、窓のそばの睡蓮木を見て、少し表情を曇らせる。
その日病院で、伸木はカナに電話をかける。「もう会うのはやめましょう。その方がお互いのためにもいいと思います。」そんな内容だった。

伸木は、竹林の差し金の松金から誘惑される。
「小早川先生って、セックスで気持ち良すぎて泣いたことある?」
「泣きたいくらい気持ちいいセックスしてみない?」
走るように逃げる伸木。
研究室では、竹林が「松金はどうでした?」
沼津からは「奥さん美人ですねえ。」
「?」伸木は何をどう言っていいかわからない。
沼津は言う。「さっきまでここにいらしたんですよ。この前の15日、先生と夕飯何を食べたかって聞かれて。」
「え、それで?」
「いや、15日どころか、一度も誘われたことありません。って答えましたけど。」

不安の大きい伸木だが、大熊ヨネとはいい関係を築いていた。「僕は優秀でも名医でもない。僕の器は凡人です。でも、凡人だからこそ信頼を得るために最善の努力をしなければいけないんです。」と言う伸木。ヨネは伸木が欲におぼれる人間だと思っていたのだが、それを聞いて100%の信頼で伸木に手術を託すと言う。

だが、伸木は美村に呼ばれ、来週から転勤を命じられる。美村はためらう伸木をはねつけず、「君に選択の余地はない。」と言う。美村は後継者として竹林と伸木に目をかけているが、伸木は人間として信頼できると言う。そして、二年で戻ってこれるようにすると言うのだった。
伸木は愕然としていた。自分の築いてきたものは何だったのか?二年といっても、十年になるかもしれない。そうすれば、三十七から四十七の十年間を棒にふってしまうのか?どうすれば、どうすれば俺は腐らずにいられるのか?
いつしか伸木はなおえに足を運んでいた。カナは伸木に笑いかける。
「ひとつ、質問してもいいですか?先日、越智先生と話されていた漢詩で・・・」
「一盆の土の中でも、梅は精一杯花を咲かせて春を呼ぶ。」
「それです。もしその梅が根こそぎ引き抜かれて、もっと少ない土の中に埋められたとしたら、やっぱり枯れてしまうんですね。」
カナは、
「土の量なんて関係ありません。どんなに過酷な状況に追いやられても、ちゃんと生きていきます。」
と言って、樹齢八百年の慎柏を見せる。
伸木は異動のことをカナに打ち明ける。カナは言う。「大丈夫ですよ。どこへ行っても、小早川さんは小早川さんらしくありさえすればば、青々とした葉っぱが生い茂り、人が集まってくると思います。」
ほっと一息ついた二人は笑うのだった。
家に帰る伸木。女の名前の名刺の束を机の上に放り出す妙子。
「いるんでしょ?この中に。」

次の日、伸木の心配はあっさり吹き飛んだ。大熊は原帝東グループ理事長の従妹で、伸木が気に入った大熊は、一方的に伸木の転勤を取り消してしまう。大熊は伸木に、父が大嫌いだった。権力を振りかざし、愛人をたくさん作り、そういう医者を何人も見てきたという。「あんただけは腐らないでおくれ」と伸木の手を握る大熊。

バーで飲む伸木と仁志。仁志は一冊の雑誌を置いて行く。何気なく開く伸木。カナと年老いた男が歩いている写真と、その男の死亡記事が載っている。男は有名な盆栽蒐集家で、妻であったカナが遺産を全額放棄したという内容だった。実は、仁志は亡きその男から「カナを幸せにしてくれる相手を探してやってくれ」と言われていたのだ。

あくる日の病院。伸木に言いよって逃げられた松金は気が収まらない。地下駐車場まで伸木を追いかけて、キスをする。それを、あろうことか妙子に目撃されてしまう。

レビュー
伸木の一般人さ、竹林の小ささ、美村の粗雑さ、そして大熊という権化までつけた第三回。物語は伸木を取り巻いて進むようで、脱中心化による視点の変化をこらし、多面的になっている。先週もだが、あらすじを書くにもまとめるのが困難だった。台本の勉強をする者のテキストとしては面白い教材なのかもしれないが、いささかこのノリは疲れるかもしれない。それこそ妙子の追求みたいだ。
大きくも小さくもなれず、一般人としての瑣事加減に自我分裂をおこしながら、なお自分自身を忘れまいとあがく伸木。カナはやさしく片手で茶をいれるような普通さで、醸し出る教養を伸木に与える。「癒し」とはこんなものかと坂本龍一でも出てきそうな雰囲気である。そしてもうカナも、「懸命に嘘をつく」しかなくなっている。
結局は絶好調の小早川伸木。来週はどこへいってしまうのか。カナの救済は本当に必要なのか?願わくば可愛い娘を放たらかしにせず、思い切り親バカになって欲しいものだ。が、カナに静謐な秩序を感じてしまった伸木に、それにまさるものなどないのであろう。「生きること」のみならず、生の躍動感をもおぼえてしまった。大変な蓋をあけてしまったことだ。それでも恋恋するのだろうか。


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テレビドラマの時間 三田ちゃんのそら見たことか
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mitachan2006jan at 05:13|PermalinkComments(0)TrackBack(3)ストーリー&レビュー 

2006年01月21日

ドラマ 小早川伸木の恋  第二回 2006年1月19日放送 あらすじ&レビュー

カナと伸木、おしゃれな店で一緒に酒を飲んでいる。
カナは言う。伸木と友達になりたい。男女の関係は苦手で、恋とか結婚とか男とか、一切興味はない。いい友達になりたいと。複雑な伸木。
一方、妙子は仁志に、離婚の相談をしている。妙子の怒りはおさまりそうにない。
「怒りは無謀をもって始まり後悔によって終わる。」アリストテレスか誰かの言葉を引用し、「ダンナの気持ちを確かめてからでも遅くはない。盲目的に愛していた頃があったはずだから。」さりげなくフォローする仁志。
その頃病院では、沼津による院内のスタッフ中に届いたメールが、竹林達の驚きを呼んでいた・・・。
カナと話し込んでいる伸木。カナは伸木に自分の名刺を差し出す。携帯番号は書いていない。縛られる、巻き込まれたくないことに巻き込まれるかららしい。「その気持ち、すごく分かります。」と言う伸木に、「そう言ってくれると思った。」とカナは笑う。「どうして私があなたの孤独を見抜けたか分かる?孤独なら私も負けないから。孤独と暮らし、孤独と添い寝して、孤独に包まれて生きてきた。でも、この世界でやっと一人の友達を探し当てた。」おやすみなさい。と言い、去って行くカナ。
家に帰った伸木。娘のみすずが居間で寝ている。何かあったのか。
眠い目をこすって起きるみすず。「パパあ?」
片付けをしていたらしい。
「今日はママ悪くないよ。だって今日は大切な日だったから。」妙子はその日を楽しみにしていた。娘の手には、プロポーズ記念日のビデオが。伸木は妙子部屋の前で弁解する。どんな記念日だとしても、あの時は病院に行っていたと思う。俺の仕事は人の命を扱っているんだと。
「伸木は私のことを愛していないからそんなことを平気で言えるんだよ。」
「それは違う」
「だったら、私への愛が昔とかわっていないことを証明して。それができなければ、ここへは入れない。」
「今日は、ソファーで寝るよ。」
翌朝、優しい娘みすずは、「パパにいいことがありますように。」と、お守りをくれる。二人が家を出るや否や妙子は鍵業者に電話をかける。
病院では、沼津が伸木に充てたメールの話題でもちきりだった。沼津は病院を休んでいる。ほとぼりが冷めるまで身を隠すつもりだろうか。「オペで俺の揚げ足取ったわりには、自分もまずい立場になりましたね。」竹林にも皮肉を言われる。その日から伸木は孤独ではなくなった。孤独ではいられなくなった。好奇と同情の視線。沼津が不在な分、病院の興味の対象は伸木と美村教授に。同僚の間では、伸木は美村にどこへ飛ばされるのやら・・などと噂されている。
夜、伸木が家に帰ると鍵が違うものに変えられていた。妙子が業者を呼んで鍵を変えたのだ。インターホンでカナは、「鍵は開かないわよ。この扉は私の心と一緒。どうしても開けたいなら私のことを強く思うことね。」と伸木に告げる。
伸木はカナの勤めるギャラリーの店長直江の家に泊めてもらう。「同じように家族を愛しているのに、どうしてこうも違うのだろう。」
「夫婦仲良くてうらやましいよ」という伸木に
「うちが幸せそうに思えるんだったら、相当ゆがんでるぞお前」
直江は笑っている。
病院。竹林は婦長の添田に美村がなぜあの日のことを知らないのか尋ねる。実は、伸木自身が秘密にして欲しいと婦長に頼んでいたというのだ。添田は独断で竹林のことを黙っていたというのだが・・
伸木は病院で、見舞いに来たカナを見つける。バスを待つわずかの時間カナは伸木に、プロポーズにちなんだ何かが鍵を開けるヒントではないかと伝える。何も言えずにバスに乗るカナを見送る伸木。
何か思い立った伸木は、仁志をドライブに誘う。ミドルエイジ・クライシス、サンドイッチ・シンドローム、マネージャー症候群・・・仁志は精神病のいくつか名前を挙げ、伸木を気遣う。いきなり職場を離れドライブに出ようとする伸木を案じてのことだった。車は海へ・・・。
海。伸木が妙子にプロポーズした場所だ。伸木は、妙子が新しい鍵を入れて埋めておいたオルゴールを見つける。「ここまで手が込んでいるとさすがに興味が沸くよ!」仁志はあきれ顔だ。伸木を家まで送った仁志は、「作田カナのことだけど・・・」神妙な顔で言う。「あの女止めておいた方がいいよ。伸さんの手に負える女じゃないよ。」伸木は「ただの友達だから」と言って車を降りた。
「ただいま。」
家に帰る伸木。
扉の前で二人は言葉を交わす。
「妙子、ごめんな。妙子の顔が見たくてしょうがなかった。俺には妙子しかいない。」
「違う・・・」
「世界中で一番誰よりも愛している。」
「そうじゃない。」
「この世で俺が愛しているのは妙子だけだ。だから・・・」
「そうじゃない」
「そんなの自分で考えて。」と言う
うなだれる伸木だが、みすずから、今日、ママはパパが大好きだとずっと話をしていたことを知る。
病院で沼津は、微妙な立場に追い込まれる。沼津をいさめる内容のメールが病院の上司から沼津に。とっさに自分の立場を確認する沼津に伸木は、告発メールなどで病院は何も変わらないと言う。伸木に借りがあった竹林は、沼津が録音した伸木との会話のテープをわざと美村に聞かせ、美村の誤解を解く。事態は一件落着に思われた。
その日伸木は、また見舞いに来ていたカナに遭遇。伸木はカナに妻の相談をする。
「なぜ鍵を隠したのか、奥さんの気持ちになって考えてみて。」とカナ。
カナの言う通り、プロポーズした日を回想する伸木だった。「僕は君を永遠に愛し続ける。」妙子にそう言った日の思い出。
伸木は、家路を急ぐ。
そして妙子の部屋の前、弁明をする伸木。
「ぶつかった電柱にまで嫉妬していた君を見て、確信したんだ。この子は一生俺の見方でいてくれるって。僕は君を永遠に愛し続ける。妙子が僕のすべてだ。」
扉が開く。妙子は涙を浮かべている。
「いつの間にかあの頃の大切な気持ちを忘れていた気がする。」
そう言う伸木に、
「おかえり。」
抱き合う二人。互いに大切なものを取り戻したようだ。
が、次の朝、
「あなた、浮気してるでしょう?」妙子が玄関で別れ際に言う。
「15日、オペが終わったあと、どこへ行っていたの・・・?」

その頃院長美村は、ウラ金を受け取った礼として、伸木を左遷し、別の病院に派遣することを企んでいた。


レビュー
第二話。伸木が鍵を見つけるパート1と、伸木が心を取り戻すパート2に分かれている。パート1では人が陥るところの、たどたどしくもなお愛すべき自己の姿が語られ、パート2では、反省・振り返ることによる、人間の浄化作用について触れられている。「違う。自分で考えて」と言う妙子の気持ちには、おそらく多くの人が共感を覚えるだろう。感動のプロポーズの言葉が、日々色を変えてしまう悲しさを一番分かっているのは妙子なのだから。だが伸木は、その悲しさをカナで埋めてしまうのだ。同化の悲劇性。改心は真に浄化され得ず、再び人間の肉の中でさ迷うことになる。妙子を抱きながら、カナのセーター越しに見た体のラインが頭をかけめぐるとか、そんな感じである。朝、衝撃を受ける伸木の撮り方がいい。
ハテ、解決の糸口は・・・?


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mitachan2006jan at 03:24|PermalinkComments(0)TrackBack(1)ストーリー&レビュー 

2006年01月19日

ドラマ 神はサイコロを振らない  第一回 2006年1月18日放送 あらすじ&レビュー

東京の空港。東洋航空のグランドホステス、黛ヤス子は回想する。あの日あの事故で失った恋人木内哲也。「あれから十年が経ったのだ。」1996年8月10日15時30分。東洋航空402便は長崎空港から東京空港に向けて順調に航行していた。しばらくして、パイロット木内は、目の前に積乱雲を発見。「迂回しますか?」「いや、このままいこう。」と機長。突然、機体は大きく揺れた。ダウンバーストだ。
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mitachan2006jan at 17:42|PermalinkComments(0)TrackBack(0)2006年第1期ドラマ 

ドラマ Ns' あおい  第二回 2006年1月17日放送 あらすじ&レビュー

転勤から一週間だ。あおいの勤める病棟に研修医江藤がやって来る。田所に取り入って耳鼻科志望から内科志望に変えたらしい。あおいは次第に桜川病院の実情を知ってゆく。この病院では一人につき十人の患者を担当していること、保険の点数稼ぎの為に病院の前からも救急車を呼ぶこと、総師長の決めた桜川病院のルールである。

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mitachan2006jan at 17:40|PermalinkComments(1)TrackBack(0)