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無期懲役囚、美達大和のブックレビュー

教養を深めたい、仕事に生かしたい――。
人として成長するために本を読みたいと思っても、何から読めばいいかわからないビギナーのためのブログ。
服役中の無期懲役囚・美達大和から届く書評を随時公開。
週2回をめどに更新していきます。


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美達から手紙が届きました(2017年3月20日付け)

 コメント毎回ありがたいです。

 何で母の弁当(幼稚園の頃の)が、タコのウインナーとわかったのでしょうか。大当たりで、他に卵焼き、のり2段、肉の献立てが2年間続きました。同じ献立が続いても全く飽きず、気にならず、の私です。スマホ、慣れたでしょうか。

 修養中の息子さん、拙著を読んでくれてありがたいです。父との暮らしは毎日が「今にみてろよ」という闘志いっぱいの日々で感謝しています。「言葉より行動」を 身をもって伝えてくれた父でした。どうか、この言葉を胸に励んで下さい。お母さんへの感謝、大事ですね。私の場合「オヤジ、泣くなよ!」と言いながら何かを贈るのが、その表われでした。向こうは「ふん」と鼻で笑ってますが、こいつ、絶対嬉しいんだと確信していましたし、私のいない所で「あいつにだな〇〇もらった」とか自慢しているのを知っていたのです。親を大事にできるのは、それだけで幸福ではないでしょうか。

 8月デビュー、楽しみです。何日かな? 学生時代、最強組織を作るために、特訓してましたが、スタミナ養成は30メートルダッシュ、100本(軽め)から200本でした。3週間めから、大概のことでは息が上がらず、化け物みたいな体力になります。ジョギングとかは速筋によくないのでしません。他校のワル達が時々、やらせて(仲間に入れて)下さいと来ますが、みんな内容をきき、初めの10分で逃げました。ペース配分してはいけません。全力のみです。立っていられるうちは、まだまだで、倒れるまでやります。そのうち、倒れなくなるのですが。それと父から「体のどこかが変形するくらいでないと本物じゃない」と言われて育ったのも役に立ちましたね。目標を上げることが重要です。デビュー、本当に楽しみにしています!

 浪人するかどうか迷っているとのことですが、何をしたいのか、最優先にしたいのか、一つずつ、紙に書き出し、その道を選んだ際のその後のことを想像してみるのもあるのでは?
 大学の名前よりも自分の希望に合ったカリキュラム、教育がなされているか、よく調べてみる必要があります。その職業において、真の実力を身につけたなら、大学名はどうでもよくなるはずです。それが気になってるのなら、挑戦するのもいいでしょう。人に会わなくなれば、余計に億劫になりますね。慣れるまで(相手と)、会えば解決しますから、大丈夫です!時間は、本当に作るものですね。自分の取り組み方次第ですし、今まで大いに頑張ってきた人なので「山積み、どんと来い!」で向かっていってください。

 マクゴニカル姉妹、妹の方も新聞の本の広告ですぐに「あっ、この人、姉妹だ」と気付きました。そっくりで、珍しい名前でしたし。たしかに、妹さん、骨太の感じ(心が)に見えました、美人で。あくまで外見しか知りませんが、心の美人の方がいいなあ、と。両方、揃ってるとは限りません。

 春は別れと出会いの季節ですね。気分も新たに頑張ってください。(美)

『鋼のメンタル』 百田尚樹

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『鋼のメンタル』
百田尚樹
新潮新書
720円+税
2016年8月刊

 鋼の精神があったらなぁ……と思っている人、多いのでしょうか?

 本書での「鋼のメンタル」とは、世間や周囲の批判的・ネガティブな評価や声に左右されない、心が動揺しないという定義です。私が考えるもう一つの「鋼のメンタル」は、己が決めたら何があってもやり抜く・貫徹するという定義でした。

 現代はネットの発達もあり、自分が他社からどう捉えらているか、評価されているかを、若いうち(小・中学生)から非常に気にし、少しでも批判的だったり、非難されたりすると、気分も沈んでしまう、それから離れず気にしすぎてしまう時代と言われています。

 怖いのは仲間外れにされることだとも聞くのですが、なぜ、それが妥当か、自分に非があるのか自省してみて改めるところがあれば改める、そうでなければ相手を正すか放っておけばよいのです。といっても、「それは美達さんだから軽く言うので、普通は大変なんですよ」とつぶやいている人もいるでしょう。じつは、これを書いている日(12月1日)の運動時間に43歳の同囚とこの話をしたところ、このように言われました。

 この同囚は、中学生くらいから学校で周囲と違った存在でいることの危険性(仲間外れや中傷・批判を受けること)を感じていたと言っていました。そんなものなのか、と思いつつ話を聞いていたのです。

 私は、ずっとリーダー(不良少年の間ではボス)だったので、それが誤りではないだろう(ただし、主観で)と判断する限り、好きなことをみんなに「声を大にして」言っていました。しかし、そうではない人にとっては、他者の目は常に気になるものですね。

 著者は、たびたびネットで炎上したり、メディアで叩かれていますが、それには著者の発言の一部分だけを意図的に抜き出すなど、批判しようとする側の作為が見られます。発言の真意は、歴史やもろもろの事象について、正しい知識を持っていれば、当然とか、決しておかしくないものです。

 著者はまったくめげずに(正しい以上、めげる必要はないのです)、次も自己の主張を堂々と述べています。これが一般的に「打たれ強い」という見方になっているのです。

 本書では、その著者の思考、どのように批判・非難を捉えているか、 など、実例が挙げられていました。打たれ強さは鍛えられる、敗者になることを恐れるな、痛いより痛いと思う感情が痛い、悪口を言われる・嫌われる・仲間外れにされるなどには耐性ができる、など、どのように相手・他者・周囲の目と声に対応するか説かれていました。

 自分の人生なので、他者の意見に振り回されてばかりでは、自分を失ってしまいます。批判・非難が自分に該当するかどうか、考えてみることは必要としても(そして、改善することも)、それに囚われて落ち込むことは不要です。

 といっても、落ち込みやすい人は、何と励ましても落ち込みますから、いっそ、自分の個性の一つと捉えて、「ああ、いつものやつだ」と考えるほうがいいかもしれません。 

 それにしても、今は子供のころから、周囲を気にしなければならないというのは気の毒です。そのせいで、今の若い人は相手に対する気配りができるとか。でも、 自分を守るための気配りのようで、何か本物らしくないなあと感じるのは私だけでしょうか。

 気配り・目配り・金配り(金は社会にいたときのことで)の美達としては、自分のことは忘れて、純粋に相手に気を遣うのが喜びでもありました。

 鋼のメンタルがダメなら、柳のメンタルもあります。柳に風を受け流すのですが、これも訓練が必要でしょうね。どんな批判も、それでこっちの人生に責任を持ってくれるわけではないので、「自分は自分の味方」と念じて心を鍛えてください。

『孤独は魂の力量を強化する』
(シャトーブリアン)

このレビューで美達が紹介した本

 

『日本に外交はなかった』 高山正之、宮崎正弘

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『日本に外交はなかった』
高山正之、宮崎正弘
自由社
1000円+税
平成28年9月刊

 本書は、やや雑談風に日本の外交官の歴史を綴っていました。

 雑談風なので固さがなく、すっと頭に入ります。そうであっても、この二人の歴史の教養は、ハイレベルです。私は特に高山氏のファン週刊『新潮』月刊『正論』にコラムがあります)で、へえ、これ、よく見つけてきたなあ、と感心しつつ読んでいます。

 普通の学者では、そこまで深く知り得ない情報を、さらっと公表しているのです。他方、宮崎氏も該博な知識を持っているので、二人の対談には勉強のネタが豊富でした。時代は聖徳太子の時代からで、近代は開国から維新、日清・日露戦争、第一次世界大戦、大東亜戦争以降となっています。

 江戸時代に、徳川幕府の新将軍就任祝いの名目で来日していた「朝鮮通信使」が泥棒集団で、宿舎の備品をはじめ、近所の鶏まで盗む裏話、車輪の作れなかった朝鮮(これは有名な話です)染色技術がなく白一色の装いだった彼らが日本で染色をならい、以後、あのような原色の派手な色を好むようになった事実、唐辛子(とうがらし)も日本から持っていって広まったなど、裏話が豊富です。

 日露戦争後、日本を「脅威」としたアメリカ大統領セオドア・ルーズベルトのとった政策、それにより反日に洗脳された中国の様子もあり、正しい歴史を知ってください。

 反日左派の学者が非難する日清戦争での旅順(りょじゅん)虐殺と日中戦争での南京(なんきん)虐殺の嘘についても触れています。当ブログの連載「日本史の教養」でもくわしくやる予定ですが、中国との戦争では、ほとんどの書が真実から離れたプロパガンダを学説としてきました。本書では、深くではなくても、その点を語っています。

 そして、全般にわたり、日本の外務省の失策・無策について説かれていました。日本の外交は、明治の時代には、現代と比べものにならないくらい優(すぐ)れていたのです。今では、国に害を与えるような省庁でしかありません。

 昨年のアメリカ大統領選でも、安倍首相の予感(トランプ当選もあり得る)を全く無視して、ヒラリーに決まりですからと、トランプへの接触は見送っていました。結局、安倍首相の意を酌んだ補佐官が現地の駐米日本大使とルートを開いています(トランプ氏の長女イヴァンカさん経営の企業が入居しているトランプタワーのテナントの日本企業のツテで面会したようです。イヴァンカさんは、名門アイビー・リーグの一つ、ペンシルベニア大学を「首席」で卒業しています。2007年から「イヴァンカ・トランプ」のブランド名でファッション業界にも進出し、昨年11月には日本でもお披露目をしました)。

 能力が低いというか、万一の時のプランがありません。もともと、外務省は戦後、GHQ(連合軍総司令部)に解体される予定でした。しかし、GHQが日本政府を通した間接統治(とうち)を採用したことから、連絡役として残されたのです。

 そのため、日本の国益より、アメリカの国益第一で、アメリカ様に逆(さか)らわないことを省のモットーにしています。教科書検定では、「新しい歴史教科書を作る会」の教科書を不合格にするため、秘密の策謀を図り、産経新聞にスクープされるなど、(本書にあり)その存在は売国奴(ばいこくど)とも言えるでしょう。

 中国や韓国の、真実ではない南京大虐殺や慰安婦問題でも、外務省の世界に向けての広報の不作為(ふさくい)や未熟さが災(わざわ)いを大きくしています(それでも、安倍政権となってからは予算(広報の)も増えたのですが、効果は今ひとつです)。近年の「南京大虐殺」のユネスコの世界記憶遺産登録に対しても、なす術(すべ)のないままでした。国家・国民を何と思っているのでしょうか。

 本書では、しっかり勉強していないと、なかなか知り得ない知識が次々と出てきます。そこから自分で学び始めるのもいいでしょう。ただ、残念なのは、これで校正したのかというくらい、誤字・脱字が多い点でした。

 そこは致し方なしとして、近現代史好きの人は、ご一読を。

『運が必要だとよく言われるが、運は自分で引き寄せるものである』
(イビチャ・オシム)

このレビューで美達が紹介した本

 

みたつ・やまと●1959年生まれ。2件の殺人を犯し、長期刑務所に服役中。現在でも月100冊以上を読む本の虫で、これまでに8万冊以上を読破。初めて衝撃を受けたのは10代のときに出合ったロマン・ロラン著『ジャン・クリストフ』。塀の中にいながら、郵送によるやりとりで『人を殺すとはどういうことか』(新潮社)、『夢の国』(朝日新聞出版)などを著す。
>>livedoorプロフィール

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美達大和著書

『人生を変える読書 無期懲役囚の心を揺さぶった42冊』
廣済堂出版
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『女子高生サヤカが学んだ「1万人に1人」の勉強法』
プレジデント社
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『牢獄の超人』
中央公論新社
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『私はなぜ刑務所を出ないのか』
扶桑社
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『塀の中の運動会』
バジリコ
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『刑務所で死ぬということ』
中央公論新社
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『人を殺すとはどういうことか(文庫)』
新潮社
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『死刑絶対肯定論』
新潮社
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『ドキュメント長期刑務所』
河出書房新社
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『人を殺すとはどういうことか(単行本)』
新潮社
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『夢の国』
朝日新聞出版
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