高等裁判所(高裁)の所長まで昇りつめた人はエリートと称されますが、さらに上があるのです。東京高等裁判所長官をはじめとする各高裁(8名)長官、その上に最高裁判事(6名)、最高が最高裁長官(1名)となります。

長官で年俸約2820万円、最高裁判事で約2940万円、最高裁長官で約4030万円です。ちなみに各省の事務次官は年俸約2400万円、日銀の黒田総裁は同3512万円となっています。
高裁長官までは定年が65歳ですが、最高裁判事と長官の定年は70歳です。定年となれば、皆さんは退職金や、その後の年金について疑問を懐きませんか?

まず、地裁や家裁の裁判官は地位や棒給の号によって退職金は約5300万円から約6400万円/年金は月に33.9万円、高裁長官は退職金が約7530万円/年金は月33.9万円、最高裁判事は退職金が約9810万円/年金は月36.6万円、最高裁長官は退職金が約1億135万円/年金は月36.6万円となっています。

他にも退職となれば、天下りがあるんです。えっ、裁判官でも天下りがあるの?と思った人もいるでしょう、あるんです!まず、みんなにあるのではありません。このへんが省庁の天下りより厳しいところです。

簡易裁判所の判事(たった65名)になると定年は76歳になり、年俸は約1550万円です。定年後の収入としては悪くないでしょう。次は「公証人」役場の公証人(40名)で年俸は約1500万円程度で、忙しい人は3000万円も夢ではありません。定年は、やはり70歳です。

これ以外に、おいしい天下り先(年俸約1800万円から3000万円)は、国家公務員倫理審査会会長(1名)、行政不服審査会会長(1名)、社会保険審査会委員長(1名)、公正取引委員会委員(1名)、公害等調整委員会委員長(1名)、再就職等監視委員会委員長(1名)、中央再生保護審査会委員長(1名)、社会保険審査会委員長(1名)、労働保険審査会委員(2名)などなどがあります。

尚、近年はコーポレートガバナンスで社外取締役が必要とのことで、高位の退職者は、そちらに進む人も少なくありません。もちろん、退官して弁護士登録する人がいるのは言うまでもなく、司法試験合格の資格が十分に活かされるのです。

閑話休題(それはさておき、ということ)。被告人の話に戻ります。裁判への出廷は通常の被告人は何人何十人もが拘置所で手錠と腰縄状態にされて、バスに乗って護送されるのです。バスの中には他の被告人もいるので「講談禁止(喋るな!)」となります。

私は殺人事件でも死刑か無期かの被告人なので単独(私一人で)で職員4人と乗用車で往復でした。みんな親切な人ばかりでしたから、ドライブにでも行くような和やかなムードで話も弾みました。裁判所に到着すれば、裁判を待つ「仮監」の部屋に入りますが、ここも私一人の単独室で、他の被告人は大部屋に一緒に入れられています。

これが賑やかで笑い声が絶えず、度々、職員から「少し静かに話をせよ」と注意されるのですが、懲りない面々なので変わりません。仮監というのは、仮監獄の略だと聞いています。部屋は単独が畳3枚程、みんなが入っているのが12畳くらいでしょうか。週刊誌とマンガ本があり、週刊誌はなぜか『新潮』だけでした。

これ、最もまともで嘘がない雑誌だから選んでいたとしたら、鋭いです(最近は週刊『文春』まで左に偏ってきています)。私は通常の本の差し入れ以外に平日に必ず面会に来る父が規則の枠内をフルに利用して、3冊ずつ雑誌を差し入れしてくれたので、『新潮』も読んでいました。

当時は土曜も面会(今は休みの日)できたので父は週に18冊の雑誌を面会所の窓口から差し入れし、他に月に100冊の本を郵送していたのです。係の人は拘置所始まって以来の数だと驚き、呆れていました。本は手紙にタイトルを書き、父の会社の人が書店に行き、店員さんが何人かで手分けして揃えていたそうです。

当時の私の一日は、朝の起床は、前にも書いたように、天井にビデオカメラとスピーカーとマイク付きの第2種独居だったので、あることから始まるのでした。

『人生における失敗者の多くは成功の直前にありながら、それに気づかず諦めてしまった人たちである』
(エジソン)