この石破4条件制定について日本獣医師政治連盟の北村直人委員長は、藏内会長と共に日頃から親しくしていた石破地方創生相と2時間にわたって意見交換をし、石破氏から、学部新設の条件については大変苦慮したが、練りに練って誰がどのような形でも現実的に参入は困難という文言にしたと、お聞きしたと2015年の第4回理事会において報告しています。この内容については『日本獣医師会雑誌』の2015年11月号に掲載されていました(『偽りの報道』142P)が、こちらの方が行政上の問題であるはずです。

同誌12月号には、毎日のように北村委員長からメール電話があり本当に参ったと石破氏が話した旨も載っています。さらに同誌には、藏内会長の、われわれの考え方が石破先生方にしっかり伝達されているということ、少なくともわれわれはこれまでの報告のようにしっかりした形でディフェンス(阻止)ができているという趣旨の発言が載せられていました。


他にも加計学園問題が安倍首相による友人の加計氏への特別な便宜供与であるというストーリーを作った前川喜平(まえかわきへい)元文科省次官の存在があります。

前川氏は加計学園が総理のご意向であると感じさせる文書を3つのメディアに持ち込みましたが、朝日新聞が2017年5月17日に大々的に報じたのでした。 

その報道の直後に、前川氏が数年前から新宿歌舞伎町の出会い系バー『恋活ラブ・オンザビーチ』に通っていたと読売新聞に報じられ、本人は(若い女性の)「貧困調査のため」と弁解しましたが、のちに撤回しています。尚、ここの客はキャバクラ嬢のような派手な子や暇つぶしに来る二人組女性も多く、貧困女性がくるような店ではありません。

巷間ではプライベートな部分について報じたことへの賛否が錯綜したのですが、読売新聞は、原口隆則(たかのり)東京本社社会部長の署名記事「次官時代の不適切な行動 報道すべき公共の関心事」(2017年6月3日付)で反論しました(『朝日リスク』229P)。

その出会い系バーは入場料数千円を払い、好みの女の子がいれば直接交渉して売春が可能という性質の店でしたが、前川氏に売買春の事実はなく、毎回、女の子に5000円を渡して話をしていたと週刊誌は報じています。

しかし、ジャーナリストの須田慎一郎氏は、前川氏が度々会っていた女性(女性の話では3年間に30回以上は会った)に取材し、前川氏がその女性と関係を持ったことを裏取りしたと、テレビ番組『そこまで言って委員会』で話していました(『 徹底検証 森友・加計事件』)。

また文教族議員関係者の話では、前川市のデートクラブ、キャバクラなど風俗店に近い店へ通うのは課長時代の20年前からとなっています(『同』)。

文科省次官といっても、前川氏の場合は円満に退官できたわけではありません。2017年2月に文科省OBを含めた天下り問題の責任を取って辞職していました。

退職金こそ約5000万円(一部報道では8000万円とも)を支給されていますが、本人は辞職したくなかったこともあり、内閣官房(官邸)とはしこりを残した辞職になっています。

また、2016年11月には内閣官房より出会い系バーへの出入りを指摘されていて、自分に何らかの不利益な処分が科されるのではないかという思いと、プライベートを監視されていたという恨みから、根拠のない文章を作成して、これが出てきましたと言いながらメディアに持ち込んだとも言われています。

前川氏のプライベートがどのようなものであれ、これが加計問題ではなく、単に違法な天下りの責任問題追及となれば、テレビのワイドショーや週刊誌は、出会い系バー通いをさも何かありそうという印象を与えた報道をするはずですが、「反安倍」を最優先する左派メディアは同氏を「正義の人」として報じました。

「面従腹背」を座右の銘とする前川氏の在り方に共感できないという関係者も多く、辞職してから突如として、「行政が歪められた」と主張し始めるなど、不可解な点の多い存在で、文科省をはじめ各省庁の官僚の間でも前川氏を支持する人は少ないようです。

私が特に印象にあるのは、週刊誌上で前川氏と文科省の先輩であり本書のゆとり教育の節で登場する寺脇研氏とのやり取りが記された記事でした。

寺脇氏は前川氏の優秀さを認めながらも、出会い系バー通いについての「貧困調査」の弁解の奇妙さを本人に指摘したところ、前川氏は(あの弁解は)失敗でしたという旨の返答をしていました。

結果として、加計学園問題も、たまたま加計氏が安倍首相の友人だったということだけが問題視されただけのことにすぎません。

2017年7月の国会閉会中審査での加戸守行(かともりゆき)前愛媛県知事の証言では明確に、「歪められていた行政がただされたのだ」と述べています。

つまり、獣医師(特に畜産などの公務員獣医師)が不足している現実に対し、自分たちの既得権益を守るために新規の参入を52年間も阻んできた日本獣医師会と、その関係団体への天下り特権のために、それに協力してきた文科省(以前は文部省)、政治献金や集票での利益を求めた獣医師議員連盟の議員の三者が強固な岩盤規制を守り続けてきたのでした。 


<朝日新聞の報道での不可解さと野党>


「森友・加計問題」は共に朝日新聞が火を点(つ)けていますが、その報道には大きな欺瞞がありました。まずは「森友学園問題」ですが、前にも述べたように、用地は土地評価額9億5600万円が、地中のゴミなど廃棄物撤去費用など差し引いて1億3400万円で売ったということを、朝日新聞は2017年2月9日付で報じています。

その際、同じ近畿財務局が、隣接する、現在は「野田中央公園」となっている土地を、豊中市に14億2300円で売却したことについて、「森友学園への売却額の約10倍とみられる」と報じました。

この報道では、あたかも森友学園だけに特別な便宜を図ったと推測させますが、事実は異なっています。豊中市へ売ったこの土地は、大阪空港騒音訴訟の現場になった所で、国が買い取らなければならなくなり、本音では何とか売却したかったのです。

そこに、その周辺を文教地区にしたいと希望していた豊中市の構想と、(土地を売りたい、買いたいという)国の思惑が合致し、国は補助金を付けて売りました。その補助金の額は約14億円で、実質の値引きは98.5%になります(読売ではこの件を報じています。2017年3月23日付)。

また、現在は豊中給食センターになった土地は、全額を補助金にして100%の値引き、ただで売却しているのですが、朝日新聞は一言も触れていません。尚、この取引には現立憲民主党の辻元清美氏がかかわり、何らかの便宜供与をしたとされていますが、メディアは触れていないのです(『足立無双の逆襲』)。これらが「森友・加計問題」の報道において乱用された、「報道しない自由」でした。

森友学園に売却した土地も、廃棄物が埋まっていて、伊丹空港の騒音もあり、普通に入札にすれば値がつかないことも懸念されていた物件です。そこに約10億円を出して買いたいと現れたのが籠池氏で、近畿財務局は渡りに船とばかりに急ぎました。しかしその後、その土地に大量のゴミが埋まっていると産廃業者から聞いた籠池氏は、近畿財務局を恫喝し始めたのです。


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