セリエA第15節を前にGazzetta dello Sportに異変が!?

December 15, 2004

セリエA第15節 レッジーナ=カリアリ

大変遅くなってすみません(仕事のほか家のトイレ修繕などもしなくちゃいけなくってですね…って言い訳はよろしい)。レッジーナ=カリアリ戦観戦記アップです。
前節ホームでブレシアに完敗。強敵ですがカリアリにはホームで勝っておきたいところ。無念の途中交代から明けた一週間、個人練習などにも気合いを見せた中村にとっても挽回のしどころですが…

<試合概況>

1分、レッジーナは中村俊輔が早くも正確な右クロス放り込む。立て続けに3分には、ゴール前たてに抜け出てパスを引き出し、バレストリの左クロスを導くプレイ。いいリズムで攻めていたレッジーナと中村俊輔だったが、先制はカリアリ。6分、左サイドから崩され、処理を慌てたところ、ゴール前のこぼれ球をランジェッラにつめられて一点を失う。しかしすぐさまレッジーナは反撃、8分、パレーデスが右サイドエリア外からシュートを放つが、これが相手DFに当たって絶妙なループを描いて枠の中へ! 少々ラッキーな形ではあれ、良い時間でレッジーナは試合を五分に戻す。

うまく流れを切れたレッジーナ。そしてその攻撃を牽引する中村俊輔。中盤でパスを叩いたら前縦に動いて前線へパスを引き出し、ゴールが見えるところでは前を向きドリブルで勝負を仕掛け、チャンスを作り出す。プレースキックの冴えも相変わらずで、18分のボナッツォーリのヘッド、そして25分のデローザのボレーを誘ったシーンはあわやという場面。
しかし、この日まで好成績をあげているカリアリの攻撃陣も力を発揮。ランジェッラはレッジーナDFができるだけ押さえているものの、円熟したゾーラと若手エスポージトは個人技でチャンスを作る。エスポージトが緩急自在のドリブル突破でマーカーを翻弄すると、ゾーラが技術とひらめきで前線に色を付ける。38分、そのゾーラが単独で抜け出しループシュート、飛び出したソヴィエロはヘッドでクリア。一進一退の内容で前半を終える。

メンバー交代なく迎えた後半7分、レッジーナが迎えたチャンス。右サイドで得たFK、キッカーは中村。丁寧なボールは相手DFの間隙を縫いゴール前で競り合いを誘い、こぼれたボールにつめたのはデローザ。前半攻めあがっていた際、2度ゴール前でボールを触りながらものにできなかった彼が3度目の正直! 

うまくリードを奪った後、ゲームをコントロールしたいレッジーナ。ここで中村俊輔は、質の高いプレイでチャンスを演出する。正確なパスでボナッツォーリのポストプレイを誘い、またその落下点を感じて走り、サイドに開いてパスを受け、コルッチやメストの上がりを次々誘発。ゴールを前にしてボールを受ければドリブルでリズムを作り、また自らも突破。圧倒的にボールを支配する、というかたちではないながら、ものにしたボールはシュートなど相手のゾーンへ必ず運びペースをものにするレッジーナ。カリアリのアッリゴーニ監督は一気に2人を交代、ブランビッラを下げてコンティ、さらにゾーラに換えてスアゾを投入する。

そのスアゾ、右サイドに配置されるや狙いどおり威力を発揮。26分、右サイドをスピードでやぶってシュート、ソヴィエロがパンチングで弾いたところにつめていたのはエスポージト。ヘッドで同点に。しかし、勝ちきれないままでは終われないレッジーナは反撃、そして30分。中村の正確な右CKにパレーデスがヒールであわせる! カテキジャンナキスがこぼしたところに、詰めていたのはまたもデローザ! 彼の今日2点目のゴールでレッジーナは再びリードに成功。

攻めるカリアリだったが、その後も中村を中心にレッジーナは確実にチャンスメイク、流れを譲らない。44分には、中村がFKを枠に入れるがGKがキャッチ。ロスタイム、遅延行為のカドで中村はイエローカードを喰らい、警告累積で次節出場停止に。試合終了直前には激しい当たりに対する抗議などでピッチがややヒートアップ。フランチェスキーニとアッリゴー二監督が退場、そのままゲームセット。

レッジーナ、強敵カリアリ相手にホームで勝利。15戦して勝ち点19はチーム史上最高成績。



☆「イタリアのサッカー選手」へ

次節出場停止、いい時だけにちょっと勿体なかったですね。

本当に、この試合は良かった。ゴールなど目立つ仕事はなくても、個人技と頭をふんだんに使っいあちこち動いてチャンスを組み立てるプレイ、その質はさらにアップ。15日の記者会見でマッツァーリ監督は、「あの日は普段からの良さに加え、細かいところのプレイが非常に良くなっていた。彼はイタリアのサッカー選手になりつつある」と中村を賛辞。守備にも足繁く参加するのは今期の中村のプレイで目立つところですが、この日はインターセプトも多く、ハードな当たりにも動じないタフさも局面で発揮。スペースへいち早く動き出して周囲からのパスを引き出す動きもよく目立ち、そういうペースが試合終了まで持った。この実効性の高さをもって、マッツァーリ監督の言葉になったのかな、とも思いました。

「テクニックはあるが、イタリア向きではないかな」。中村俊輔に対するこういう評価は、現地でも良く耳にしていました。イタリアサッカーは実益があってなんぼの世界。高い技術もハードな当たりの中でその力が発揮できなければ、意味のないものと看做されます。でもこの日見せたタフさと実効性は、そんな見方を変えてしまうかもしれないような内容のものです。といっても相手をフィジカルで弾き飛ばす、という意味でのタフさではなく、技術と頭を駆使した勝負強さ。マーカーと対峙した時、粘り強く3、4度とフェイントを掛けて相手から間合いをつくり、裏を取る。チャンスには狡猾に動き、丁度良いポジションに入る。スピードありきのモダンサッカーではレアなスタイルになってしまう昨今ですが、技術を活かしこういう勝負の方法もあるんだということを俊輔は示しはじめています。現にコリエレ・デッロ・スポルトではこんな評価も飛び出しました。「確かにややボールを持ち過ぎるきらいはあったが、それらも全て効果的なものだった」

ブレシア戦で相手にスペースを消され、後半早々に下げられた分の悔しさもあったのでしょうか。試合終盤までフルに粘りを見せたところには執念のようなものも伝わりました。楽にはプレイをさせてくれない相手もまた現れるのでしょうが、その度に彼は成長を見せてくれそうです。


☆技術、という話をしたところで

一方、この日カリアリもまた、技術の良さで勝負する選手が2人。うち一人はもちろんゾーラ様(様付けかよ)。局面局面でのワンタッチプレイは芸術的! 彼の退場時グラニッロでは満場の拍手に包まれました。これでFKなども決めてくれりゃあもう何もいうことは…おっとっと。
もう一人は代表ウイング、マウロ・エスポージト。ただ速いとか、タッチが細かいとかだけではなく、緩急自在のボールコントロールは見事!つい感心してじっと見ちゃいました。リッピが代表に呼ぶわけです(えらそーに)。

時代が進み、サッカーの質が変わったとは言われても、やはり高い技術は強い光を放つものです。


***

12月12日 セリエA第15節
レッジーナ3ー2カリアリ
(於レッジョ・カラーブリア、スターディオ・オレステ・グラニッロ)
得点者:前半6分ランジェッラ(カ)、同8分パレーデス(レ)、後半7分、31分デローザ(レ)、同27分エスポージト

出場メンバー:
レッジーナ(4-4-1-1) GKソヴィエロ,DFザンボーニ、デローザ、フランチェスキーニ、バレストリ(後半37分ピッコロ)、 MFメスト、パレーデス、モーツァルト、コルッチ、中村、 FWボナッツォーリ
カリアリ(4-3-3) GKカテルキジャンナキス、DFロペス、マルタリアーティ、ベガ、アゴスティーニ、MFアベイジョン、ブランビッラ(後半21分コンティ)、ゴッビ、FWエスポージト、ゾーラ(後半21分スアゾ)、ランジェッラ。

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この記事へのコメント

1. Posted by naoko   December 18, 2004 19:03
トイレは…大丈夫になりましたでしょか?
大事な場所ですものね、しっかり直しておかなきゃ!
さて、今節は…俊輔がいない。。。
こんなときレッジーナはどうやって戦うんですか?
楽しみに見ます。あ、でも生放送はなかった。。
頑張れ、レッジーナ!
2. Posted by ゆみ   January 05, 2005 06:41
サッカーを応援して10年!インターネットに触り始めて一ヶ月...やっと素敵なサイトを見つけたと思ったのですが、終わってしまうのがとても残念です。良質な文章、リアルタイムの情報。堪能しました。お仕事、大変なことも多いかと思いますが、紙面の方での、神尾さんのご活躍を楽しみにしています。ありがとうございました。

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