レッジーナ合宿 マッツァーリ新監督下の練習風景Etna, dall' Autostrada Catania-Messina

August 23, 2004

練習試合 グアルド(C2) VSレッジーナ

中村俊輔選手の所属するレッジーナは21日、グアルド・タディーのC2のグアルドと練習試合を行い、中村のPKで1−0と勝利。スポレート合宿で本格的なチーム作りが開始されたレッジーナの仕上がり具合、そして俊輔のフィットぶりが注目されるところですが…


試合概況

中村は戦術練習通り、3-5-2の中盤。それでもトップ下ではなく、言うなれば右のインサイド。そこから攻撃を展開するよう念入りに指示が出ていたが、果たしてその通りの動きに。3分、右アウトサイドのエステべスをスルーパスで走らせ、そのままセンタリングへと導く。エステベスとの連携は戦術的なカギで、カウンターの際はエステべスより前に張り、その分エステべスが中に絞って中村の位置をカバーする動きも見られた。8分にもヒールキックで彼を走らせるプレイも。17分、右サイドからのフリーキック、ミッシローリが頭で合わせるも逸れる。他にもチャンスを組み立てるが、チーム全体として正確性を欠きゴールはならず。

練習で追い込んでいる状態でもあり、体の重さはそれなりに感じさせるも俊輔のプレイ自体は好調。寄せられても、ドリブルを駆使し粘り強くボールをキープ。戦術面でも連携は悪くない。守備や時間をかけて中盤の組み立てたい場合は中に絞り、他のMFとポジションを自在に入れ替えバランスを取るなど良く動く。いざ攻撃の際はいち早く動き出し、右サイドのスペースへ流れる動きとしながら、スペースの出来たところで前を向いてゴールの方向を意識する。30分、右サイドからドリブルでタッチライン際を突破、マイナスのパスを走り込んだエステべスへ、シュートは外れる。そして43分、同じように右サイドのスペースからドリブルでゴール前に切り込み、ペナルティエリア内で倒されてPK。これを自ら左足でゴール右に豪快に叩き込み、俊輔の今期イタリア初ゴールでレッジーナ先制。

後半も登場。リスタートのキッカーはほぼ全て中村に委ねられる。9分、ゴール前左より30メートルぐらいの位置から間接FK、フランチェスキーニが合わせるもゴールの上。しかし後半、相手がアグレッシブに当たりに来るようになり、俊輔もドリブルで突破したり、キープしようとしたところで足を払われることも。それでも23分、今度は前線のボナッツォーリの背後から飛び出す形で彼からボールを受けドリブル突破。ペナルティエリアギリギリで倒されファウルを誘うが、自ら打った左からの直接FKはGK正面。31分にも、右サイドを自らドリブルで破り、また倒されてFK。これもまたGKの前へ。

チーム自体、長旅の後の厳しい練習中ということもあり、体力がなくなっていくにつれて、パスも繋がらなくなり守勢に。俊輔自体にも目立ったプレイはさすがに減ってきたが、それでも大きな破綻は見せず結局1-0でレッジーナ勝利。


☆俊輔攻撃の要として

後半エネルギーが切れるも、組織的なバランスの調整、サイド攻撃、最終ラインのカバーなど、チームの形作りは上々。ただしチーム全体としてパスやフィニッシュに精度が欠けるのは課題でしょうか。そんな中、中村はフル出場し、攻撃の要として活躍。とにかくボールを集める組立て役、というより、ゴールに近いところでドリブルやパスなどの個人技で攻撃にアクセントを付ける鋭いプレイを披露。守備へのポジショニングも忠実にこなせていました。しかし本人評価は???

中村選手コメント
「走れない…。でもまあ、合宿中だからね。アジア杯の疲れがあるっていう訳じゃない。もうちゃんと抜いて、メンタルとかも切り替えているし。ただ、まだ(戦力となる)メンバーが15人とかしかいないから。練習の具合?もうちょっと、やる必要があるんじゃないかな…。馴染んだとか、そういうのは大丈夫ですけど、なんだろうな…。もうちょっと、選手層集まるといいんですけど…。パスが繋がらない? 後半はもう、バラバラだったし…


☆指揮官の緻密な仕事

マッツァーリ監督コメント
「練習試合として、体力面での問題は感じさせたものの内容自体は満足のいくものだったと思っている。パスを繋いでまわして相手を崩し、そしてサイドのエリアに侵入して行くことができて、自分の求めていたレッジーナ、というものを漸く見ることが出来た。まだゴール前でのプレイは目覚ましさに懸ける部分はあるけど。そういう訳で、特に前半は満足のいく出来。後半は思うようにはいかなかったが、自分達のコンディションが落ちていたし、また相手もC2とはいえ調整が遥かに進んだ状態だったということも影響しただろう。日本から比べての進歩?大いにしたね。日本ではショーみたいなもんだったから、練習自体はちゃんと進まなかった。練習試合のテンションも途中に歌があったりして少々特殊で、集中が難しかったからあんな出来になった。まあでも、自分達にとっては貴重な経験だったさ」

というコメントを頂戴した後で、雑談に。チームの練習や戦術にまつわる話を色々聞くことが出来ました。自分の仕事に関わる部分だけに、話が及ぶと嬉しそうです。
「ナカムラとの会話?早く喋ると分からないみたいだしまあ50%。でも、プレイを通して(意志は)分かりあって行けてるから問題はないさ。今日だって見ただろう?右サイドから流れて行く動き、そして中に入ってくる動きと、練習で教えた動きは良く決まってたと思わないかい?」
念入りに練習した組織面での動きに話が及ぶと満足げ。「特に前半、アウトマチズモ(イタリア語でいう”オートマチズム”)は出来てて良かったと思うね。中村はスペースに縦から入ってきて、ゴールに近いところで前を向いた時良い仕事が出来るので、そこを活かして行きたいと思う」
中村に限った話ではなく、選手の攻撃面での個性を考えた上で、どう組織戦術を行うかということをテーマにチームを作ろうとしている監督の意図が、練習や試合を見てて伺えます。形は違いますが、セルセ・コスミなどと雰囲気が似ています。日本ツアーの影響で特にフィジカル面での調整は遅れ気味なようですが、うまく強化が進めば、なかなか面白いものが見られるかもしれません。しかし過去3年間で5人監督が変わっているレッジーナ。継続して仕事が出来る環境がいいですが…。
最後に、こういうプランも明かしてくれました。
「今うちはボナッツォーリとガッツィを縦に並べてるけど、ゆくゆくはガンチの位置、つまりセカンドトップで中村を使ってみようかなとも思っている」

☆翌22日の新聞報道では

コリエレ・デッロ・スポルトは、写真入りで大きく記事。「Reggina, Nakamura c'? レッジーナ、中村がいるぞ:イル・ジャッポネーゼはPKを決め良いプレイを披露。エステべスも存在を表す」との見出し。記事中、「日本から帰国後初の練習試合で勝利。ただ結果とは別に、マッツァーリ監督にとって中村俊輔をどう中盤で機能させるか試す機会として重要だった」とし、中村のプレイについては「特に前半、スルーパスや直接フリーキック、とりわけ練習中監督の要求した動きを良くこなして存在を発揮。動きの上ではエステベスとのバランスも良く取れていた。中村の豊富な運動量が示す通り、彼自身のフィジカルコンディションも上々であることが伺い知れる」。評点等はなし。またこの日、スタンドから観戦したフォティ会長は同紙のインタビューに対し、「チームは補強される、ではない。完璧にされなければならない。そしてそのようになるだろう」と答え。今後の補強を示唆していました。


☆「ニョッキ、ニョッキ!」

なお同試合、近郊で合宿を張っていた前橋育英高校サッカー部が観戦に訪れていました。ハーフタイム中、随分元気のいいイタリア人のおばちゃんがおもしろがって集団に話しかけ、お互いに「何いってんだか分かんねえよ」って感じでからかい合戦。そのうちの一人がホリケンの一発ギャグを披露。少年、イタリア人にその手のお笑いを理解する文化はないぞと思いきや、案の定声を失ったシニョーラと周りの観客…。何事においても”国境を越える”ということは簡単ではありません。
その後、部員はしっかりコーチの方ににらみをきかされてました



レッジーナ出場メンバー(3-5-2)
GKパヴァリーニ、DFカンナルサ(後半18ザンボリーニ)、デローザ、フランチェスキーニ(後半26分ピッコロ)、MFエステべス、中村、テデスコ、ミッシローリ、バレストリ、FWガンチ(後半1分ディオニージ)、ボナッツォーリ。


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この記事へのコメント

1. Posted by 大塚製薬えらい!   August 23, 2004 18:18
・・・日本でマリノスの選手の鼻骨を折る乱闘を、レッジーナの選手が
やらかしているのに、「日本ではショーみたいなもんだったから」という
のは少し酷いなあ(そんなショーがみたけりゃ格闘技の会場へ行くよ・・・)。

以前マリノスの松田が「いいとこ見せて勝たないと、またなめられる」と
ボヤいていたけど、本当に舐められてますな、しかもこんな降格圏内のチ
ームにまでも。

Jリーグ所属チームと欧州チームとのプレシーズンマッチの機会を全否定
はしないけど、こりゃあ本当に欧州フットボールをダメにする金儲け、
ドサ周り巡業と言っていい。

レッジーナはJ2入りを目標にしている大塚製薬にも負けていたし、セリエ
Aを感じさせるような存在感を日本では示せなかった。あんなパフォーマンス
しか見せられなかったチームに「ショー」なんて言われてると腹立ちますね。

心有るフットボールファンの皆さん、レアルを含め、われわれをカネヅルとしか
考えていないような、薄汚い連中に欧州クラブを蹂躙させてはいけませんっ!
「なるべく」プレシーズンマッチには行かないようにしましょうね〜。

2. Posted by ママ・カルチョ   August 23, 2004 20:26
先日より、楽しく、またていねいなレポートに感謝しつつ拝見しております。
まるで現地で見学しているような錯覚に落ち入ってしまう時もあります(笑)。

日本の各紙で報じられているグアルド戦後の中村選手のコメントが、短すぎていろんな意味に解釈できるため、「また頑張り過ぎるのでは?」とちょっと不安でしたが、こちらに来てほぼ完全な形で読ませていただき、「そういう意味だったのか」とほっとしました。

字数が限られることもあるのでしょうが、翻訳や省略により全然違う意味にとられることもあるので、そのへんは注意してもらいたいな、と思ってしまいます。中村ファンはかなりの心配性なので・・・。

これからも楽しみにしています。がんばってください。

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