Reggio di Calabria, LungomareセリエA第6節 ユヴェントス=メッシーナ

October 15, 2004

W杯欧州予選 イタリア=ベラルーシ

10日、イタリア代表はパルマにベラルーシを迎えての一戦。
スロベニアとの敗戦の後、リッピ監督がどう出るかということが注目されたこの試合。勝ちを狙いながら世代交替を目指す路線に変更は? 復調またれるトッティやジラルディーノは? 
対するベラルーシはなかなかの実力派。簡単に勝たせてくれる雰囲気ではなさそうですが…


スロベニアに0ー1の敗戦。
確かに良くはなかったとは言え、新チームということを考えれば悲観する程でもないという内容。しかし「ここ数年で最悪のアッズーリ」と、マスコミはいつにも増して非難轟々でした。2002年W杯、EURO2004と、凋落するばかりの状況では確かに無理もないのですが、いずれにせよリッピ監督率いる新生アッズーリは、このプレッシャーとも対峙しないといけません。
ちなみにエースのトッティは、この数日マスコミに対し沈黙を保っています。

「代表を実験場にするな」という批判に始まり、敗戦の後でリッピ監督がどう出るかということが注目されました。ふたを開ければスタメンには引き続きジラルディーノとデ・ロッシの五輪組を起用、トッティの1.5列目、そしてサイドハーフはディアナとザンブロッタに変更…。勝ちを狙いながら世代交替を目指す、あくまで実験路線を貫きます。対するベラルーシは、欧州の強国リーグ経験者がそろい、ロマシェンコやクツーゾフといった個性的なアタッカーも擁する、これまたなかなかの実力派。「絶対に落としてはいけない相手」ながら、簡単にそうさせてくれる雰囲気ではありません。

<試合概況>

前半立ち上がり、前線のクツーゾフの幅広い動きを軸にリズムに乗ったベラルーシ。しかしCB二人、そして引き続きとなるガットゥーゾとデ・ロッシのボランチコンビという中軸が落ち着きはじめ、イタリアがゲームをコントロールするように。特にその中盤。ガットゥーゾが体を張ってボールを拾い、そしてデ・ロッシが卓越した技術と戦術眼を発揮し的確にボールを散らしつつ攻撃に参与するという絶妙なバランス。ただ問題はそれをどうフィニッシュに持っていくか…しかしながらジラルディーノは相変わらず孤立気味、サイドハーフの思いきりも良くない。そしてその双方の動きを鍵を握る1.5列目のトッティは、スペースを固める相手の守備に苦しみ、また自らも慌てたプレイに。パスやボール処理にらしくないミス、プレイの狙いもいつになくおとなしい。エースとしての重責、自らの汚名返上とやはりプレッシャーからなのか…。

しかし26分、PA内でパンカロが倒されてPKを獲得。蹴るのはトッティ。プレッシャーを強引に払いのけるかのごとく強い球威のシュートがゴール右上に突き刺さるも、やり直しの判定。しかし2度目もきっちり決めて、実に彼自身16か月振りとなる代表ゴールでイタリアが先制。「ゴールは良薬」、その格言が示すようにイタリアの前線の動きが徐々に勢いづく。30分にはジラルディーノが鋭い反転からのシュート。僅かに右に外れるも復調を印象づけた彼の後を受け、32分イタリアの波状攻撃、ベラルーシのDFが凌いだところを詰めてボールを奪ったのはデ・ロッシ、そのままゴール右隅へ鋭いミドルシュート! 2点目のリードを奪ったのはなんとこの新星。このまま攻撃陣のリズムは戻り、最高の形でイタリアは前半を折り返す。

…が後半、そのイタリアにいきなりの冷や水。後半7分ロマシェンコが左45度から奇跡的な弾道のロングシュートを突き刺して1点に詰め寄る。防ぎ用のないゴールだったがこれがイタリアに心理的な影響を与えてか、DF陣の守備にミスが出始める。リッピ監督はペッロッタを投入、中盤で守備における数的優位を作ろうとする。しかし、この劣勢の流れを切ったのはエースの一撃。29分、ゴール前約25mの位置でFK。これをゴール右隅へ完璧に突き刺してみせる。代表ではこのところ沈黙気味だった、彼の冷酷なまでのデタミネーションが蘇る!

しかし、その2分後にイタリア最失点。これで崩れるか…と思いきや、完全に勢いづいた攻撃陣がイタリアを引っ張る。トッティが突破にパスにシュートにと完全復調、ジラルディーノとのコンビネーションも俄然向上し、次々ゴールを脅かす。そして41分、ザンブロッタのミドルシュートのこぼれ球をタイミング良く嗅ぎ分けたのはジラルディーノ、頭で押し込み待望のフル代表初ゴール。その後ロマシェンコに再度やられるというおまけは付いたものの、結果的には激しい点の取り合いを制す。そしてこの日スロベニアがノルウェーに敗退したため、再びグループ首位に返り咲いた。


☆ 「実験」4戦目で見えたチームの軸

次を見据え積極的にチームを作り替えているリッピ。「ま、皆さん様々な意見をお持ちでしょうが、このやり方は続けさせていただいた」。前回負けたからといって経験者多用、戦術大幅変更などはせず、自らの道を貫きました。結局、就任後5戦連続でスタメンを変えた彼ですが、「こういうチームにしようかな」というプランは出来つつあることを予感させる今回の試合だったように思います。まず、トッティ+1トップ+ウイングハーフというかたち。積極的にトッティにはゴールを狙わせる。1トップには、決定力はもとよりポストになれてDFラインの裏も狙えるジラルディーノの幅。そしてそれらを有機的に活かすためにはワイドな攻撃、つまりウイングハーフ起用のセンター2枚。

そしてそのセンターですが、デ・ロッシの台頭はリッピにとってもはや完全に計算のたつものになっているはず。守るところは守り、攻めるべきところは大胆に攻め上がり、パスも消極的な繋ぎに逃げず強気に前へ運ぶ。そして走り回ってガツガツ相手と当たりボールを拾いまくるガットゥーゾとのバランス、これもまた絶妙でした。下手したらチームの中軸になっているのは文字通り彼だという雰囲気にもなりつつあります。ピルロのようなテクニシャンを入れないのは勿体ない気もしますが、しかしその必要を感じさせないような存在感をデ・ロッシが攻守に渡り見せていたことも事実。そもそもピルロは、3ボランチで守備をフォローしてあげないと使いにくいタイプの選手ですし。

ただ彼に代表されるように、いかんせん若い構成のチーム。失点における不注意も熟成度の問題でしょう。磐石な闘いぶりが出来る為には守備ブロックにリーダーが必要なのですが、ややそれが欠けている場面も…。デ・ロッシは勿論のこと、ガットゥーゾあたりが闘志だけでなく経験などでも周囲を引っ張ってくれれば、というところなのでしょう。あとアウトサイドは、まだこれという決め手に欠ける。ザンブロッタしかコンスタントに計算にたつ人間がいない現状。ーということでまだ試行錯誤は続きそうで、マスコミからのプレッシャーもまだまだきつくなるとも思うのですが、落ち着いてこの先を見たい雰囲気にもなってきました。

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この記事へのコメント

1. Posted by 目指せ博多っ子   October 16, 2004 21:28
こんにちは。すごい試合のイメージが思い浮かぶような観戦記ありがとうございます。
トッティ、汚名挽回となる素晴らしいFKでしたね。まだまだ精神的に熟成していないので、自ら壊れていく場面も見受けられますが、彼のトップコンディション時のパフォマンスには驚かされます。そして、リッピの采配が、圧力に負けずに自らの信念を貫いた点はさすがですね。確かに仰るように、確実にチームの形が見え始めてきていますね。
ダブルボランチの妙は、同感です。デロッシ、これからもっと注目して彼のプレイを追いたいなと思っています。

このチームの課題は確かにサイドハーフの人材難でしょうか。ザンブロッタはなかなかいいプレイしますが、反対サイドの適任者は誰なんでしょうか。

また、お邪魔します。

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