セリエA第6節 ユヴェントス=メッシーナReggio Calabria, Stadio "Oreste Granillo"

October 19, 2004

セリエA第6節 レッジーナ=サンプドリア

出だしは躓くも、地力のあるサンプドリアをホームに迎えたレッジーナ。マッツァーリ監督はボリエッロを準備しつつ、前日までの戦術練習を一部スタメン組10人でも行い、W杯予選から帰還直後の中村の復調を待ちますが…

<試合概況>

マッツァーリ監督はギリギリまで中村の復調を待ち「最後に本人に先発でやれるかどうか確認した」が、「やれば出られたけど30分やって消えてもあれだから(中村談)」ということで、結果ベンチスタート。レッジーナはボナッツォーリとボリエッロの2トップで臨む。一方ドー二が怪我から完全復帰したサンプドリアは、ベストメンバーを敷いてきた。


前半、6分にボナッツォーリがDFをかわし左足のシュート。アントニオーリは球をこぼすがファルコーネがカバー。しかし、序盤のそのチャンス以降、レッジーナはほぼ一方的にサンプドリアに畳み掛けられる。前線から中盤、DFラインまで参加する激しいプレス、そして畳み掛けるような速攻の前になす術なし。ヴォルピ、ドーニ、フラーキを軸にパスを回され、左右両方のサイドは完全に制圧され防戦一方。対照的にレッジーナは、攻撃に行こうにもサンプのコンパクトな組織の前にパスコースを遮断されモーツアルトは孤立。カウンターでも仕方なく大雑把に前線を狙うかという散発的な攻撃に終始。中盤でタメを作り、周りを動かす事の出来る中村不在の影響が大きく見える展開に。
33分、バレストリが漸く突破に成功、組み立てたチャンスを最後はボリエッロがシュート、しかしアントニオーリがセーブ。皮肉にもその後の36分、バッツァーニに先制ゴールを決められ、スコアでも内容でも完全に圧倒されハーフタイムへ。中村、アップを命じられる。

後半、サンプドリアのカウンター攻撃を続けややペースを戻したレッジーナ。マッツァーリ監督はディオニージの投入に続き、20分、テデスコに換えてついに中村を投入。2トップの後ろでプレイ。

前日、「痛い」とも言っていた中村、左足をやや引きずりながら走る。しかし中盤で中村がボールを受けることでタメが出来たため、周りの選手が動けるようになったレッジーナは漸くパスが繋がるようになり、攻撃に厚みが出る。26分、CKから得たチャンス、中村が左のクロスをファーのボナッツォーリへ。枠を捉えるがアントニオーリのファインセーブにあう。28分、サンプはゼノーニがファウルで退場。そこから得たFK、蹴るのは中村。左側から直接ゴールを狙ってみせるもサイドネット。30分にはメストとのコンビで右サイドを破って自らセンタリング。ゴールは割れずも、それをきっかけにレッジーナは猛烈な波状攻撃。33分にはチャージを受けながら持ちこたえ、センタリングにつなげる。フィジカル面での強さも発揮。

サンプドリアは36分、W杯予選でも活躍したベラルーシ代表のクツゾフを投入、逃げ切りを測る相手に、何とか食い下がりたいレッジーナ。41分、CKから得たチャンスに俊輔が左サイドからクロス、これをクツゾフがヘッドでクリア…いや、枠の中へ!クリアミスはGKが慌ててセーブ、あわやオウンゴールを誘う。そしてロスタイム、中村は鋭いスルーパスを放つがディオニージにはとどかず。残り1分、ゴール前の混戦から、中村がDFに囲まれ体制を崩しながらも、絶妙なラストパスをフリーのガンチへ。しかしガンチはダイレクトで打ち切れず、チャンスをフイに。

レッジーナは中村投入以降一気に攻め立てたが、結局サンプに1ー0で逃げられゲームセット。
中村はロスタイム含め29分間の出場。その間決定的なチャンスを多く演出したが、惜しくもゴールとはならなかった。


☆いなくなって分かる存在の大きさ

「今日は中村がいれば、って事がよくお分かりになっただろう。彼がボールを預かることで、圧倒的にチームのボールポゼッションが良くなるんだ。普段ゴール等がない、と批判される試合だって、重要な仕事をしていたんだよ」
初めから中村を使えれば一番良かった、と記者会見でマッツァーリ監督は中村俊輔不在の影響についてこう説明しました。実際そういうゲーム展開。中盤できつくゾーンを張る堅い組織守備が持ち味のノヴェリーノ・サンプ(柳沢が入り込めなかった戦術的要因でもあるのですが…)に対し、長いこと組織が寸断され苦戦の要因になっていました。詳しくは、試合後俊輔君が解説してくれたので、ご一緒にどうぞ。
「今日は外から見てたけれどいろんなことが分かった。なんていうか…タメがなかったね。モーツアルトが一人でパスコース探さなきゃならなくて、かわいそうだった。コルッチはパス出すタイプじゃないし、ボリエッロに戻って中盤助けろ、ってことまで要求できないだろうし。そうかといってボナ(ボナッツォーリ)だって、ヤナギさんみたく裏へ抜けるような動きはしないでしょ。3バックの誰かを上がらせたら守備が危ないし…」

実はこの試合に至るまで、地元マスコミの間では「2トップ待望論」を盛んに祭り上げていた様子がありました。「俊輔点取れないじゃないか、ボリエッロを使え」と。ただ、そうでなかった試合でも彼が臨機応変に中盤に戻り、パス回しに手を貸すことでかなり助かっているシーンもあったのです。一番いいのは日本代表のように2トップ+中村、という方がベストなのでしょうが(現にプレシーズンではマッツァーリも盛んに試していた)、それで守備が大丈夫なのか、という問題があるから難しいところです。
地味な仕事だけでなく、目立つ仕事もやらなければならない。あの1.5列というのは、そういう意味で大変なところです。それが分かりにくいからこそ、直情的なマスコミの反応にもなる訳ですが…。

☆次は「前で何か」

ただ今日の試合、俊輔が投入されて以降、彼のああいった持ち味がチームの大幅な修正に繋がるのが目に見えた(勿論、惜しいアシストもちゃんと決めて、の事でしたが)。ここがこの試合のもつ大きな意味だったように思います。
「地元記者が『中村を外して2トップにしろ』から、途中から『今日は何で中村を最初から使わなかった!?監督の失態だ』って言ってた」取材仲間の一人がそう振ると俊輔、「カントク、かわいそー」と苦笑しながらも溜息。「それにしても、勝っても負けても俺かよ…」
まあでも、そういうポジション。とりあえずはコンディションをフルに戻し、キエーボ戦へ臨みます。
「前で何か決めたいね。そうすれば批判されることもなくなるし、それで立場が不動になれば…。ま、やりがいはあるよ。次キエーボ戦か。フリーキック決めたいな…」


セリエA第6節 
レッジーナ0ー1サンプドリア
得点者:前半36分バッツァーニ

<レッジーナ(3-5-2)>
GKパヴァリー二、DFザンボーニ、カンナルサ、フランチェスキーニ、MFメスト、テデスコ(後半20分中村)、モーツァルト、コルッチ、バレストリ(後半36分ガンチ)FWボナッツォーリ、ボリエッロ(後半17分ディオニージ)

シュート数 前半4(枠内1、枠外3)後半15(枠内8、枠外7) 計19
 CK   前半1、後半4 計5
 GK   前半8、後半3 計11
直接FK  前半13、後半8、計21
間接FK  前半2、後半3   
警告:バレストリ、ボリエッロ、ガンチ

<サンプドリア(4-4-2)>
GKアントニオーリ、DFゼノーニ、パヴァン、ファルコーネ、トネット、MFディアナ(後半26分エドゥセイ)、パロンボ、ヴォルピ、ドーニ(後半31分サッケッティ)FWフラーキ、バッツァーニ(後半37分クツゾフ)  

シュート数 前半8(枠内3、枠外5)後半9(枠内1、枠外8) 計17
 CK   前半3、後半4 計7
 GK   前半3、後半4 計7
直接FK  前半7、後半10、計17
間接FK  前半1、後半0   
警告:バッツァーニ、ドーニ、ゼノーニ、ヴォルピ
退場:ゼノーニ

***
(以下、試合とは関係ないことで恐縮ですが)

昨季お世話になった人たちに挨拶できたらなあと思い、全ての会見終了後スタンドの裏側へすぐ走りました。バスと、それを取り囲む警官。近付くのは無理かなあと思って脇から見ていると、バスの中から大きなジェスチャーで「こっちへ来い」と呼ぶ小柄なオヤジが。
U.C.サンプドリア、ワルテル・ノヴェリーノ監督でした。

チームバスの中に行くと、真摯な表情で監督が自分を迎えてくれました。
「チャオ」他の選手やスタッフからも声が。
「元気か?いまどこに住んでるん澄?
「レッジョです。レッジーナとメッシーナ、両方追いかけています」
「メッシーナか。11点も勝ち点取りゃこの先も楽だろうよ」

更にミステルは中に進ませてくれて、選手達と挨拶させてくれました。TV収録中らしく、フラーキ、バッツァーニらはいませんでしたが、はにかみ屋のゼノーニ、豪気なカロッツィエーリ、素直なパガーノ、疲れてたにも関わらず挨拶してくれたアントニオーリ、人間の出来たトゥルチ。「元気?」街の至る所でばったり逢うことの多かったヴォルピ。
まさかこういう形で再会させてもらえるとは思いも寄らず、かなりウルって来ました。

「外にはマロッタさんがいる。挨拶してきなさい」と監督。
「おう、カミオー」マロッタGM。「ナカムラは今日の試合、なんて言ってた?」気になるのか?(笑)
さらに見渡すと、外でケータイで電話してる選手がちらほら、ドーニ、サッケッティ。そして一番仲の良かったパロンボ!奴とは思わず友情のハグ(笑)
「ミツ、ジェノバにも顔出せよ!」

人情家のノヴェリーノ監督以下、サンプの粋な計らい、という話でした。それにしても、仕事してきた結果、こういう風に自分なんかに関心を払ってくれる人たちが現れてくるのです。人生も捨てたものではありません。
(すみません、まとまらなくて…。なら書くなって感じですがそうもいきません)

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1. セリエA第6節 レッジーナ中村情報  [ 〜ふぐ屋、風と共に去らぬ〜 ]   October 20, 2004 08:17
Mitsu Kamio blogからの中村俊輔現地情報。 いつもながら、大変、面
2. 中村俊輔  [ [TW] HOTWORDS ]   June 16, 2005 11:51
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