Messina, Stadio "San Filippo"Reggio Calabria, Stadio "Oreste Granillo"

November 14, 2004

セリエA第11節 メッシーナ=パレルモ

23e2ec32.jpg毎度遅くてすみません(何とか次節までに間に合った…)
3連敗の後再び勝ち点4を稼いだメッシーナは、同じ昇格組、そして同じシチリアの雄パレルモと対戦。

写真は、地元サポーター作成の無料紙"FORZA MESSINA" の一面より。
「ヤナよ カンピオーネであるところを見せてやれ!」

3連敗のあと、柳沢の活躍により海峡ダービーに勝利し、その後ボローニャにも引き分け、苦しい台所事情に耐えて再び勝ち点を稼ぐメッシーナ。11日はパレルモと「シチリアダービー」。やや失速気味ながら、セリエA中堅なみの布陣が揃うやはり地力のある相手です。今や代表CFのトーニ、「トリヴェネト地方のジダン」として恐れられたザウリ、元ミラクル・キエーボの頭脳コリーニ、将来有望なCBバルザーリ等のタレントが揃い、「UEFA杯も堅い」といわれた面々を率いるのは知将グイドリン。
序盤の波乱を象徴していた躍進シチリア2チームの直接対決には、ドイツ、イギリス、オーストリアからも特派員が送られていました。


<試合概況>
メッシーナは、右MFのアメトラーノを除くとほぼボローニャ戦のスタメン。背中痛のザンパーニャはベンチから外れ、柳沢はスーパーサブとして出番を待つ。パレルモはザウリが復帰。

5分、オープニングシュートはそのパレルモのザウリが作ったチャンス。右サイドへ侵入しトーニへ。シュートは外れる。一方、パレルモの攻撃をいなせばメッシーナも攻勢に出る。軸はこのところコンスタントに出場機を得ているイリエフ。ピッチ上を滑るような左サイドのドリブル突破を見せ、15分には中央へと折り返しシュート、その他も突破やクロスとチャンスを作る。

しかし、攻勢の一方で輝くのは両チームのディフェンス。パレルモはサイドを破られても、センターではビアーヴァとバルザーリのCBコンビが堅い守備を見せ、このところ抜群に切れていたディ・ナポリにスペースを与えない。そこから素早くパスを縦に繋いで攻めに出るパレルモだが、メッシーナもまたザンキ、レザエイらのケアーでトーニ他攻撃陣に安息の時を与えない。
コンパクトな布陣を敷き機能美で闘うグイドリン、集団での真摯な粘りを促すムッティ。攻守はスピーディに入れ替わり、シュートは双方ともやや少なめながらも非常に緊迫感のあるゲームが進行した。


後半も再び拮抗した展開。パレルモは後半立ち上がり、立て続けにコーナーキックを取って攻め立てるが、メッシーナは粘り強い守備で凌ぐ。だが、攻撃では前線二人が抑えられフィニッシュまでに至らず。前半キレキレのイリエフも時間の経過とともに精彩を欠いてゆく。パレルモは後半17分、ザウリを下げてファリーアスを投入。より前線への意識を強めボールを前に運ぶ。27分にはあわやオウンゴールというシーンも作ったが、29分、トーニがファリーアスからパスを受け、マーカーを振り切ってシュート。完璧にGKの反応の逆をついたが、ボールはポスト直撃、ピッチに跳ね返る!

パレルモに押され気味となったメッシーナ。ムッティ監督はここでラファエウ、そして柳沢を一気に投入する。ラファエウはアメトラーノと代わり、柳沢はこの日精彩に欠けていたディ・ナポリと交代した。ポジションはセカンド・トップである。


柳沢は丁寧なボールタッチを披露、一気に試合の流れに入った。
33分、メッシーナのカウンター。アモルーゾと重なりながらも、トップとしてゴール前に行こうとするポジショニングを取る。ボールは来なかったがいつになく積極的な姿勢を見せる。
その後、右サイドに流れてドリブル突破。スタンドが沸く。持ち前のダイレクトプレイも的確で、チームの流れを巧みに作る。36分、鋭い動きだしから中央へ入り後方のラファエウからパスを引き出すと、サイドのスペースへ流れていたアモルーゾへダイレクトで叩く。ただ最後のパスはずれてチャンスには結びつかなかった。しかしその後に見せ場は訪れる。38分、前線でボールを受け、DFのプレスを巧みなドリブルでかわすと逆サイドのオープンスペースへパスを振る。自らはファーポストの側へ鋭く走り込むと、そこに左サイドのアロニカからクロスが返る。DFと競りながら1m近くジャンプ、高い打点で合わせシュート。ボールはゴール左上隅をとらえたが、すんでのところでクロスバー直撃!!会場は悲鳴に包まれるが、柳沢が作ったこの日一番のビッグチャンスにすぐさま大歓声で応えた。

そしてチームが、柳沢が勢いに乗る。柳沢は直後の39分、右サイドから縦を鋭く破りライン際からセンタリング。終了間際のロスタイムにも、巧みなドリブル突破からファウルを誘い、ゴール前でFKを獲得するなど終始チャンスを作り続けた。

結局試合はドローで終了。柳沢は惜しくも初ゴールとはならなかったが、彼のシュートはこの日パレルモの堅い守備に苦しんでいたメッシーナ最大の決定機。プレイの度に約35000人の大歓声を呼び、報道席からも「またも彼が試合の流れを良い方に変えた」と賛辞がこぼれた。



☆満更でもなかったはず

いやあ、惜しかった!走り込みも打点もコースも良かったのですが…。
とにかく14分間の短い出場時間の中で柳沢が見せたインパクトは小さくなかったと思います。果敢なドリブルで実際チャンスを作っていたし、中盤を助けてパスの展開に貢献するワンタッチプレイも正確。内容は実に密度の濃いものだったと思います。実際、柳沢のコメントにも、悔しさは混じりながら充実感。「出来れば勝ち点3を取りたかったけれども、ゲーム内容が良かったので次に続くと思う」。惜しむらくはもう少し投入が早ければ…といったところで、翌日のマスコミも「ムッティの犯した唯一のミスは、柳沢を早く投入しなかったこと」と批評する程でした。もっとも監督によれば、「怪我から復帰したばかりの選手も多く交替のタイミングは非常に難しかった」とのこと。

ただ、2試合続けて出場し好パフォーマンスを披露。調子が上向いているのは確かで、特に相手DFにドリブルで仕掛けていく時などは自信のようなものも感じられます。何より、出場の度にゴールに絡む仕事が出来ている。いきなり取れれば一気にヒーローにのし上がれるこの世界、そう簡単にはいかないですが、それにもまた深遠なものがあるのでしょう。サンプや、この序盤で苦しんだ時期があるからこそ得られている今の好調ぶり。今の「仕事」を保っていけば、この日のバーを叩いた分ももっと大きなものとして返ってくるはず。勝利へ貢献するクールでアグレッシブなプレイを。そして「ダービー男」からチームの主力へ。「次節のウディネーゼは調子が良く、アウェイなので厳しい試合になると思いますが、なんとか勝ち点を取りたいと思います」


☆Aの面目を守ったシチリア

実はこの日試合前、スペインの新聞からは不名誉な記事が出ていました。「マフィアのダービー。テロリスト達の地で、警官も300人配備され有事に備える」。これには現地報道陣は軒並み腹を立て、「どう思われますか」と記者会見でグイドリン監督に意見を求めたシーンもありました。

ただ、こういう目を誘ってしまう一方、週半日の試合で多くのスタジアムで平均割れを起こした中、悪天候にも関わらず多くのファンがスタジアムに集った。ピッチでも、ビッグクラブのような華麗さはないものの、お互いが攻守に手を抜かず、内容的にかなり密度の濃いスコアレスドローが展開。実際、他の試合より1日多く休みが取れていた分いいゲームが出来たということなのでしょうが(ウディネーゼ戦は少し心配)、とにかく汚れもの、とば?蠅堀葫蕕気譴浸邱腓納尊櫃傍?海辰討い燭里蓮△海ΔいΩ充造任后

パルマの帰り、正直言うとセリエAに対する「陰り」のような感情も感じてしまいました。集客数の減少を心配する記事も最近は良く紙面に踊ります。そんななか、スタジアムでのプロのゲームの魅力を再認識。「セリエAは死なず」、この夜それを示してくれたのは、まぎれもなく新規昇格組のシチリアの2チームでした。開幕時の勢いがやや陰ってきたと言われるメッシーナとパレルモ。長いシーズンまだまだ先は分かりませんが、この2チームには今後も引き続きこういう真摯なゲームを続けていって欲しいものです。


セリエA第11節 
メッシーナ0ー0パレルモ
(於メッシーナ、スターディオ・サン・フィリッポ)

<メッシーナ(4-4-2)>
GKエレフテロプーロス、DFゾロ(後半46分エラモ)、レザエイ、ザンキ、アロニカ、MFアメトラーノ(後半31分ラファエウ)、コッポラ、ドナーティ、イリエフ、FWアモルーゾ、ディナポリ(後半31分柳沢)
<パレルモ(4-4-1-1)>
GKグァルダルベン、DFザッカルド、ビアーヴァ、バルザーリ、コンテー、MFサンターナ(後半31分グロッソ)、コリーニ(後半40分バローネ)、モッローネ、ゴンザレス、ザウリ、(後半17分ファリーアス)、FWトーニ


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この記事へのコメント

1. Posted by yana13yana20   November 14, 2004 23:11
メッシーナダービーの熱が伝わってきます。TV観戦ですと、本物の雰囲気がやはり、いまひとつなのかもしれません。こうして文字で伝えて下さると、TVで見る雰囲気が更に伝わってきます。神尾さん、いつも有難うございます。しかし、あのバー直撃シュートは…惜しかったな〜あと7僂任垢諭
2. Posted by yana13yana20   November 14, 2004 23:13
熱くなっていまして?!前レスに「メッシーナダービー」と書いてしまいました。シチリアですよね。失礼致しました。

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