研究と仕事に追われ、振り返りができていなかったので、最近の学びを棚卸。

先日は、毎月で定例化している、組織開発の読書会でビル・トルバートの『行動探究(Action Iquiary)』について、白井たけしさんが発表してくださいました。難解なこの本を、わかりやすく構造的に整理してくださり、みなさんとディスカッションできたおかげで、学びが大変深まりました。ありがとうございました!!

今年は(特に上期は)、個人的に成人発達理論ブームです。キーガンの『人と組織はなぜ変われないのか』< http://amzn.to/2cVhRXp>にはじまり、加藤洋平さんの『組織も人も変わることができる! なぜ部下とうまくいかないのか 「自他変革」の発達心理学』< http://amzn.to/2d0fX99>に、この『行動探究』と、成人発達理論に関連した書籍を、立て続けに読む機会に恵まれました。

多分、私だけのマイブームというだけでなく、成人発達理論に焦点が当たるのは、日本のOD業界における今年の1つのトレンドと言ってもいいような気がしています。

少し長い時間軸で振り返ってみると、ワールドカフェの手法が1995年にアメリカで開発され、Open Space Technologyの出版が1997年、Appreciative Inqiaryが出版されたのが1999年と、組織開発やファシリテーションをする上でHowが非常にわかりやすい手法が、立て続けに登場しました。それが日本に移入され書籍が出始めるのが10年くらい遅れて、2006~2007年頃から。そこから更に10年経ちHowの部分の浸透が一段落して、もう少し、そのツールを使う個人の成長やあり方(OS的な側面)に焦点をあてた議論に注目が集まり始めたのが、2016年という見方もできるのではと思います。ここからしばらくは(10年くらいのスパンで)、書籍の中で完結するのではなく、より実践的な意味での現場感を伴った、内省やメタ認知の獲得が重要になる気がします。(ちなみに、『行動探究』も原文の出版は2004年と約10年前)

どんなに優れたアプリケーションをもっていてもその人のOSがアップデートされていなければ、うまく使いこなせないので、成人発達理論に焦点があたることは、実践者が次のステージに行くための時代の要請のようにも感じます(すんません、何か偉そうですね苦笑)

成人発達理論的な観点から見た人の成長と、ステージが上がった状態でのツールの活用。そんな場に参加するのが楽しみです!