やれやれの最終日
先日、「今年は門松を飾るスポットが多い」との趣旨を書いた。これは大袈裟ではなくて、実際皆さんの心の中に災厄を打ち払い、無事に年神様を迎えたいとの心持ちがあるからでせう。正月という日本の最大のしきたりについて多くを知るものではないが、門松は新年に年神が天上から降りてくる際に目印で木を立てたのが最初とか。松に関しては平安時代からというが、それまでは杉なども遣われたの由。現在でも地方によって常緑樹であれば椿や榊でも良いとしている場所もあるという。
その他、ご来光の由来は山に登って山頂近くの雲に映る自分の影を見、仏の像のように見えたので仏の「ご来迎」にかけたとの説もものの本にある。この本には、お屠蘇が元来は日本酒そのものではなく、中国由来の薬酒の意ともあった。知らなかったが「屠蘇」は漢字の屠ると蘇るの合わせ字、つまりは「悪鬼を屠(ほふ)り、死者を蘇らす」の意味だとか。勉強になりますな。
ついでに、「おせち料理」は「お節料理」の意味合いだ。季節の変わり目に当たる節句の中でも、特に重要な正月に食べられるようになったのが、このおせちだ。元々は年神様に供えるものだったが、やがて大晦日の年越しの時に食べられるようになり、正月料理として限定して使われるようになった。当初、正月松の内にずっと食べていたが、次第に正月三が日だけになったとも。
まあ、何とか今年もとうとう大晦日で、無事に新年を迎えることが出来そうであります。きのうは買い物で大量にそのおせちの素材、そして娘を家に迎えることから奮発したすき焼き用の牛肉なども仕入れてきた。焼肉用の肉も買ったので、きょうは焼肉、明日はすき焼きということにでもなりましょうかな。年に一度の贅沢でアル。
多くは語るまいが、今年は特別の年であったし、世を挙げての自粛ムードに殊更の感慨も深い。ありきたりの言い方しか出来ないことを恥じますが、何とか良い年を迎え幸いの多からんことを乞い希ふところデス。
去年今年闇にかなづる深山川(みやまかわ) 飯田 蛇笏