のぞき趣味の極致ながら

 少し前に写真週刊誌の功罪のようなことを少し述べた。決して貶めようとした訳ではなく、その直截な表現力に敬意を表したつもりでもある。ただ、普段は興味を持った記事を眺めるだけでそのヌードを含めてあまり熱心にページを繰ることはない。ところが、ブログに紹介したこともあって過去に求めた1、2冊を眺めていたら、初期高齢者には嬉しい特集があったので紹介をしてみたい。

 それは「FLASH」のちょっと前の奴で、やはり「モロ出し動画」がどうのこうのに惹かれて買ったやつだろうと覚えている(7月29日、8月5日合同号)。仕事の合間に拾い読みでもしようと思って持ち出したら、その特集の一部で「消えた’70年代アイドル ありのまま総力取材」というのが書いてあって、エラク心が浮き立ってしまったのですな。これは傑作だった。

 冒頭の紹介は、いっとき私たちにとってオナドルのトップともいうべき存在だったアグネス・ラムさん(58歳・写真)。いわずと知れたハワイ出身の青年誌グラビアアイドルである。いまでも時折話題になる人でもあり、好きなパチンコ台のテーマの一人になっていたりするが、その素顔を眺める機会は余りないと言っていいのではないだろうか。写真の撮り方が上手いということはあるにしても、その今でも衰えない容色にはビックリしてしまったりする。

 それから続々と紹介をされているのですナ。ちょうど私たちが高校や大学に通っていた頃の方だから心から懐かしい。伊藤咲子、リリーズ、斉藤こず恵、小川ローザ、裕子と弥生、小坂明子……等々と続くとそれだけで涙がチョチョギレるのではないかしら。

 とくに自分にとって印象的だったのは、ひそかなファンであった桑原幸子さん(71)や小田かおるさん(53)の名前があったこと。前者はテレビ映画「プレーガール」でミニスカートを翻してパンモロの醍醐味を味あわせてくれた元祖のような方。何人かのプレーガールの中でも断トツに好意を寄せていた人だった。さらに、小田さんのは方は知る人ぞ知るでしょうな。そう、日活ロマンポルノの中でも一時代を画した『セーラー服 百合族』に出ていた方だ。そのテーマがショッキングなこともあり、私は劇場では観ていないのだがビデオは何回か借りた覚えがある。

いろいろあっても活躍をされているようで慶賀

 その二人に限って言っても、桑原さんは結婚ののちに実業家としても活躍をされているようだし、小田さんの方も事業家の旦那さんの失敗などがあってかなりの苦労をされたらしいが、いまは地方で子どもさんとともにシングルマザーとして奮闘をされているとのこと。いずれにしても、それぞれに過去の重みや愉しさを体現されているように思えるところが、どこか救いになっていたりする。

 もう少し個人的な感想を述べてみませうか。こちらは正真正銘のパンチラの元祖ともいうべき小川ローザさん(67)はいまはイタリア・ミラノに在住のようだ。レーサーと結婚し、その旦那がほどなく事故で亡くなったことは知っていたが、いまはシニア・モデルとしても活躍をされているらしい。しかし、こちらの方は写真の限りはいいおばさんになっていましたな。個人的なファンということでは、ヒロシ&キーボーの黒沢博さん(65)も大きく取り上げられていた。

 この人は俳優・黒沢年男さんの実弟で以前は私の好きなバニーズというエレキバンドでボーカルを担当していた。その頃から甘いマスクと声には定評があったのだが、たった一発とはいえエライヒット曲を歌ってしまったので(『3年目の浮気』)、その後の人生も大変に波乱に富んだものになったのではないだろうか。いっときは実業家としても活躍をしていたが、いまはたまにライブなどもやって歌を歌い続けているらしい。

 その他、畑中葉子さんや斉藤こず恵さん、小坂明子さんといったところは、こうした「あの人は今」でも定番なのではないでしょうかね。それぞれに活躍し、それぞれに今(過去からの“飛躍”)があるということ。その姿がすっかり変わってしまった人が多いことも、皆さんが良く知っていることでしょう。

 でも、すべての方を紹介するのは叶わないが、以前述べたような事件の主役を追い駆けるのではなくて、こうしたかつてのスターやアイドルを追い駆けるのはさほど罪なこととは思わない。何よりも、本人がメディアで取り上げられることを喜んでいる風があるからだ。あの舞台や脚光、スポットライトといったものは麻薬のようなもので、なかなか忘れられないのでしょうな。この私如きでも、人生の中ではほんの少しだけはスポットライトを浴びたことがないとも言えないことは、俗人の嘆きと共に思い起こすのでアリマス。ハイ。