2006年12月25日

『イヌの日』千秋楽

久し振りの阿佐ヶ谷スパイダース公演。
何故か、昔から地元に良く来て下さる長塚圭史氏。
かなりの回数観ているぞ。
今回の作品は6年振りの再演モノです。(私は初見)
クリスマスイヴではございますが、
そんな事はお構いなく本年の観劇納めでございます。
以下、感想です。




阿佐ヶ谷スパイダースの、というか、長塚氏の作品の特徴は
過剰な程のセックス&バイオレンス、
そして、悲痛な程の愛情への渇望、
だと思っています。
今回の作品も、正にそのまま。
いやぁ、今回も痛かった・・・・。
男が女を殴る、息子が母親を殴る、強者が弱者を殴る、
という嫌悪感満載のいつもの演出。
(ワタクシ暴力演出反対派です←ぢゃあ行くなよ)
前回彼らが来た時連れて行った友人は
そもそも自分から行ってみたいと言い出したのに
「もうコワいからお芝居観ない」と言っております(涙)
そうだよね、あんまり初心者向けじゃないよね・・・。
血とかいっぱい出てくるしね・・・・。

でもねぇ、過激な世界を描いていながら
結局作品の根底に流れているのは
子供の様にピュアな感情、欲求。
それを不器用で表現出来ない、
もしくは歪んだ形でしか表現出来ない大人たちの悲劇。
今回は、子供をどうやって愛して良いかわからない母親、
そんな母親に育てられたが故に人の愛し方がわからない息子、
その親子によって過度に歪んだ世界に巻き込まれてしまった人々の話。
いやぁ、迷惑な親子だよ、実際。

出てくる登場人物全てに全く共感も感情移入も出来ませんが
「好きって言ってよ!」という母親の叫びは
痛烈に胸に突き刺さり、痛かった・・・。
この親子は本能では激しく求め合い、愛し合ってるのに
極限の状態になっても、受け入れあうことは出来ない。
人は皆愛し、愛されたいけれど
それを他者に強要する空しさ、悲しさ、哀れさに、涙。
すごく愚かなのは判っているけれど
最後まで救われない物語で、悲しい・・・・。

リアルな題材を選んでいるようで、物凄いファンタジーな本作。
役者のレベルが(不揃いながらも)高かったのが幸いしました。
いつもピリッと良い仕事をされる村岡希美氏に唸り、
ミュージカル女優のイメージが強かった剱持たまき氏の
異彩を放つほどの清純さに癒されました。

長塚氏の感性は相変わらず歪んでるなぁと思いながらも
きっと次回も行っちゃうんだろうなぁ。
彼は作劇をする事(自己表現する事)によって
癒されているのだろうか。
それとも・・・・。
才能がある人というのは大変ですね。

そんなこんなで本年の観劇も終了!
またぼちぼち本年の回顧録作成に入ろう。

mitsuyo0715 at 14:44│演劇