2005年12月09日

ひぐらし・解

細かいところは後から修正

 前編の感想を書いてからかなり間が空いてしまったけど、解の方は前編が終わってからすぐにかりてクリアしてたので、細かい箇所は結構忘れてるやも。ひぐらしの全体的な構成は8編のうち前半の4編は起承で、後半の4編は転結になっていてそれぞれが前半の4編に対応する解明編になっているらしいです。解は目明し編と罪滅ぼし編の二本立てで、先ずはそれぞれの感想から。
 目明し編は綿流し編の舞台裏で、詩音の視点から綿流し編の真相を探るといったお話。数年前の事件の発端からはじまって、一連の事件の犯人を探すために園崎家に潜入するあたりまでは熱い展開で面白いんだけど、やっぱり最後に感情的に暴走してしまい、そこで読み手としては冷めてしまうのが残念なところ。感情と成り行きにまかせたあげくにバッドエンド、という展開は喜劇になってしまう(少なくとも個人的にはそう見える)ので他の部分は面白いのにもったいないな。てか最後の方は素で笑ってしまうくらいやりすぎな暴走をしてたwまぁミステリー要素では動機や魅音と詩音の入替わりのタイミングなど、綿流し編では自分で全く推理をしていなかった分、謎が明かされるのを素直に楽しめたし、ひぐらしのウリであるスプラッタシーンwも盛りだくさんで、自分の生爪をめりめり剥がしたり、もキャラと格闘して惨殺したり、よを拷問してぶっ殺したりと大変楽しゅうございましたw(ちなみに個人的にそのようなシーンが好きとかいうアブノーマルな趣味はありません、念のため)。色々感想を書こうとするとネタバレるので続きは後ほど。
 罪滅ぼし編は、鬼隠し編のネタ明しだけどシナリオ自体は別もので、暴走したレナを仲よしグループで食い止めるといったあらすじ。まっとうに面白いシナリオなので驚きました!ひぐらしといえば後味の悪さが極まっているシナリオがウリwだと思ってたのだけど、喜劇的なドタバタの導入から、殺るか殺られるかの熱い展開だし、ラストも普通の物語的なカタルシスがちゃんと用意されてて、竜騎士が何か悪いものでも食ったんかな?と思ってしまうくらい後味すっきりで面白かったかな。本当のラストはいつもどおりでしたがwただ極めて残念だったのは、鬼隠し編のつまらなさが極まっているタネ明しで、鬼隠し編の面白いところが全部損なわれるような気がした。具体的には後ほど。
 目明し編も罪滅ぼし編も謎の解明に伴ってしょんぼりした点はありましたが、全体としてはかなり楽しめたと思います。ただ、やっぱり物語を展開させるために、キャラが安易に感情的なるのはなんとかならんかなぁといつも思うのだけど。あれのせいでかなりキャラ差がなくなっているような気がす。続きは結構楽しみなので、年明けにまた感想を書ければいいなと思ってます。次いでネタバレ感想。  続きを読む
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2005年10月18日

「ひぐらしのなく頃に」

「ひぐらしのなく頃に」

 まぁ一応ここの形式なのでこれまでのあらすじとゲームのあらすじから。
 2年ぶりくらいに再会したM氏に、「引き篭もりのくせにひぐらしをやってないとはなにごとか!」と鼻息荒くお奨められたあげくにひぐらしを買い与えられてしまったので、ビジュアルノベルの同人ゲーとは胡散臭い匂いがプンプンするぜーと思いつつも、今やひぐらしはナウなヲタに大流行しているらしいので、まぁ引き篭もりのたしなみとしてプレイしてみることにしたのであった。んで約束として、感想書くのと、代金は面白かったら払うってことに。 
 ゲームのあらすじは以下のとおり。ド田舎の雛見沢村に引っ越してきた圭一は4人の美少女とギャルゲー的ラブコメライフを送るごく普通の主人公。しかし、祭の夜の凄惨な事件を境に、ホラーとサイコと伝奇とミステリーとサスペンスに彩られる雛見沢村連続怪死事件という非日常の世界に突き落とされるのであった。あーあとビジュアルノベルのくせに選択肢がないのが特徴。
 買ってもらったのに入っていたのは「鬼隠し編」、「綿流し編」、「祟殺し編」、「暇潰し編」の4編なので折角だから別々に感想をば。ちなみに前の3編は平行世界の様な扱いらすぃ。
「鬼隠し編」
 レナがヒロインのシナリオ。前半部分のギャルゲーパートが3時間くらいあってかなり折れそうだったけど、よく考えるとギャルゲーパートを3時間通しで読ませただけでも割と評価できるかも。ここまで読んで折り返しなのですが、運の悪いことに次の日仕事あるのにこの時点で午前0時。この折り返し地点ではギャルゲー的ラブコメの日常がもの凄い勢いでひっくり返るのですが、ものの見事にシナリオに引き込まれてしまい、寝不足が確定コースに。この引き込み方が本当に上手くて、サスペンスパートは一気に読んでしまいましたとさ。サスペンスパートは雛見沢村の持つ二面性の暗部が次々と本性を表し、圭一を窮地に陥れるという展開なのだけど、面白かったのはキャラが一番ひっくり返ってるのは圭一だったことかな。前半は口の上手いギャルゲー的主人公キャラだったのに、後半は一転して「クールになれ圭一!」とか言いつつ、感情のままに行動してバッドエンド一直線に突き進む自滅型キャラになってるしwこの主人公のおかげで手に汗を握って「とりあえず選択肢出して俺に選ばせろ」とか思いつつ、サスペンスを楽しめたとかwあんなに暴走されたら主人公の安否が気になって眠れるわけがないよね。最後のなかなか痛快な展開にも満足しますた。これだけ楽しめればこのシナリオは十分金を払う価値がありました。
んで、シナリオクリアしてようやく「あーこのゲームってエロゲーじゃなかったんだ」ってことに気づいたとか。様々な先入観が誤解を招いていたもやう。といってもビジュアルノベルをプレイするのは、かまいたち以来なんだけど。
あと、この事件の真相が真犯人の手によるものか怪異によるものか謎が提示されてるけど、どういう真相にしたってかなり無理目なオチがつきそうなのでそこらへんは思考停止しておくのが粋なんじゃないかとおもた。その続きはネタバレ感想で。
「綿流し編」
 魅音がヒロインのシナリオ。いつもは男勝りの魅音が、ある日信じられないような女の子らしい一面を見せる、と思ったらそれは双子の妹の詩音で、でも双子の妹って本当にいるの?というお話。「またギャルゲーパートかったりーな」と思いつつ始めたものの、不覚にも見事にツボにはまってしまいました。筋としては王道なんだろうけど、見事に感情移入して読んでしまい、素直に楽しめたかな。そのまま後半戦に突入すると結構ダメージ受けそうだったので、一晩置いてからサスペンスパートに入ったくらい。よく考えると魅音って相当ヲタ受けのするキャラ設計だよな…うーむ修行が足りんかった。
このシナリオの後半戦はホラーの比重が高めで、こちらもなかなか楽しめた。電話のシーンとかハシゴのシーンは音声有りだったら夜中トイレに行けなかったと思いますw主人公も比較的理性的だったwので読みやすかったしね。このシナリオは満点に近い評価で、こちらもお金を払う価値ありかな。若干の不満点はネタバレ感想で。
「祟殺し編」
 沙都子がヒロインのシナリオ。うーむ、どう考えても一般人がこのシナリオに感情移入できるとは思えないのだが。前半はこれでもかと言わんばかりに健気な妹エピソードをつめこんだ妹属性萌えオンリーだし、後半は妹属性に萌え狂った圭一が感情の赴くままに暴走するシナリオだし。前半も後半も読んでいると非常に疲れるので適当に読み流してしまった。このシナリオの評価はなし、ということでこれにお金は支払う気は起きないかな。しかしこのシナリオでさらに事件の謎は深まってるし、本当にこれを収集できるのか心配になるな。まぁ推理はweb上の他人のを読んでおけばいいでしょう。
「暇潰し編」
 ヒロインはなし、の代わりに立ち絵の半分が腹の出たオヤジ刑事というシナリオ。まぁ大石刑事は俺の中のナイスミドル級上位ランカーだからそれはそれでよしとする。圭一の来る5年前の、雛見沢村連続怪死事件が起こる前のお話。過去の雛見沢村に何が起こったか、舞台背景が掘り下げられて色々推理の手がかりが出てたみたいだけど、大石クラウドがダンディだったのでそれだけど満足でした。よくよく考えると一応リカがヒロインだったのだろうか…だとしたら貧乏くじだな。

 というわけでざっと感想を述べてみたけど、他に全体的な感想を述べると、やっぱりギャルゲーパートが冗長すぎるな。前半に色々伏線を敷いておけば面白く読めるのに、もしくは伏線を敷いてあってもこれだけ長いと読み飛ばしてしまう。もうちょっと読者を引き込む様な仕掛けが欲しいな。せめてクリア後に章セレクトできるだけでも全然違いそうだけど。長すぎて再読する気が起きないしね。とは言っても別に推理ゲーじゃないのでこんな感想は野暮ってもんで、このゲームは前半と後半の力技すぎる構成を楽しめばいいんだと思います。てことでお金は全額支払うことにするかの。ちょっとだけネタバレに続く。  続きを読む
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2005年07月25日

「逆境ナイン」

一般受け度  65
個人的好み度 75
 俺一人で見に行ったのだけど、週末に他の客が30前後のオタ臭い野郎コンビだけだったので、色々と涙が出そうになりました。
 全力学園野球部は地区大会万年1ボツの超弱小野球部。夏の甲子園地区予選を前にしたある日、キャプテン・不屈闘志は校長に呼び出しをくらう。「野球部は廃部だ!!!」と校長、「これぞ逆境!!!」と不屈。とりあえずは廃部を回避するために、甲子園常連の強豪・日の出学園野球部と練習試合を組むこととなったのだった。これは降りかかる幾多の逆境を跳ね除けながら甲子園を目指す弱小野球部の物語である。
 原作を読んだのが7,8年前で、内容はかなり忘れていたんだけど、原作の面白さは強烈に印象に残っていたので、「あーそういやこんな話だったなぁ」(映画は地区予選までなので話の構成は結構変わっていますが)という感じでなかなか楽しめた。ちなみに原作はどんな漫画かというと、基本的には熱血スポコン漫画のパロディなのですが、熱血スポコン漫画のお約束を次々にあげ、過剰に演出して笑いをとるのだけど、そこで冷ややかなスタンツに走らず、パロディにして笑いを取ったうえでさらに熱く盛り上げるという、まさに島本和彦にしか書けない超面白い漫画なのでした。
 逆境ナインだけあって、役者陣は顔とキャラの濃ゆいメンツが揃ってたのですが、中でも主役の不屈がよかったかな。それなりに整っているものの、三白眼で雰囲気が暑苦しいという80年代の特撮ヒーロー物にでてきそうな顔立ちwなんだけど、喜怒哀楽のオーバーリアクションが多いこの役を上手く演じてて、この人の顔芸は見てて面白かったな。あーあとマネージャーが無駄に可愛かったのもよかったです!!
 不満な点はCGの演出面。中でも「それはそれ、これはこれ。」「そうか!」の場面は原作でも屈指の面白ポイントのはずなんだけど、ちゃちいCGの演出のせいで完全に不発してたな。あの場面は「そうか!」の不屈の顔芸できっちり落としてこそ面白いシーンなのにね。全くわかっとらんわー。極力CGを使わない方がよかったやも。
 細かい不満点はあるものの総じては面白い映画でした。あとこの物語の舞台が津市でびびった。原作もそうだったのかな。それと劇中やエンディングテーマで岡村孝子の「夢をあきらめないで」が謎にかかってたんだけど、時代設定が80年代を意識したのかな。まーつまりこれらにピンとくる人は気が向いたら見てみるといいかも。昔を懐かしめますよとw  
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2005年07月15日

「ミナミノミナミノ 1」秋山瑞人 電撃文庫

一般受け度  50
個人的好み度 60
 そういやでてたので買てきた。
 高校受験を控えた正時は、「勉強するにはもってこい」と姉に騙されて南の離島・岬島で一夏を過ごすハメになってしまう。島に着いた正時は総出で歓迎されることになるが、着いた早々謎の妖怪に襲われたり、島民は何かを隠していたり、奇妙な風習があったりと、怪しい臭いがプンプン漂っているのでした。そして正時はつんけんした美少女・春留と出会い、一夏の冒険は幕を開けるのだった…。
 非常に伝奇ものっぽいあらすじなので、秋山が書く伝奇小説はすげー面白そうだーと期待して読み進めると、実はやっぱりSF風ボーイミーツガール小説なのでした。作者もあとがきでイリヤの夏がアニメかするからイリヤっぽいものを書いたとか志の低いwことを言ってるし。ヒロインなんてイリヤとほぼコンパチキャラだしね。まぁ前作は主人公が日常の中に居たのに対して、こちらは主人公が離島によそものとして迷い込んでいるのでポジションの逆転はありますが。
 南の二乗ということで沖縄っぽい舞台かと思いきや、時間の流れから取り残された田舎というイメージで描かれてて、なかなか面白く読めます。でも秋山瑞人はラノベ作家にはほとんどいない、ディテールや小エピソードをしっかり積み上げて書き込んで人物や世界観を創ることができる作家で、猫とロボットしか出てこないようなこの人にしか書けない世界観の物語を読みたいものです。こんな設定のボーイミーツガールなんて量産型ラノベ作家に書かせておけばいいのに、電撃文庫も才能を浪費してるなー。大体この人って心象描写はあまり上手くないし。けど物語の方はまだまだ序盤なのでこれからの展開に期待といったところかな。
 この物語とは全く関係ないけど、昔先輩が「どんなジャンルでどのようなスタイルであっても、ディテールのない小説はない」と言っててえらく感銘をうけたのを思い出した。あらゆる小説を評価する上で絶対的な指標があるとすればつまりそういうことなんだそうな。   
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2005年07月06日

ゲームバトンだってさ

せっかくだからペタっとな。

●今家にある家庭用ゲームの数
 あまりない
●今やっているゲーム
・ラグナロクオンライン
 あまりやってねー
・鉄拳5 
 家鉄パートナーほすぃ
●最近買ったゲーム
・鉄拳5
●特別な思い入れのある5ゲーム
コンシューマと時代別にでも。
・FF2(FC)
 ミシディアの塔がトラウマ級の思い出。
・真・女神転生(SFC)
 ストーリー展開と世界観が最高でした。
・仙窟活龍大戦カオスシード(SS)
 ダンジョン育成型シュミレーションアクションRPG。
 ゲームシステムもシナリオもよくできている名作。
・デスピリア(DC)
 サイバーパンク+ゴシックホラー+グロキモかわいい
 な世界観が素晴らすぃ。
・鉄拳TAG(PS2)
 なにもかもが懐かしい。
最後に●バトンを渡す人
 ウフフ

どうせやるならクソゲーバトンの方が熱いんじゃないかなーと思った今日この頃。  
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2005年07月04日

「キマイラの新しい城」殊能将之 講談社

一般受け度  50
個人的好み度 70
 迷探偵・石動と助手・アントニオは、欧州の古城を移築して作られたテーマパークのシメール城にて、「私を殺した犯人は誰なんだ?」古城の領主の霊にとりつかれた社長から依頼をうけた。コスプレをした魔術師イスルギーは言った。「よし、じゃあ、まず犯人から決めるか」そんなことをしているうちに、現代のシメール城で殺人事件が起きたのでした。
 「鏡の中は日曜日」、「樒/榁」に続いて本作も過去の惨劇の舞台が現代の惨劇の舞台となり、過去と現在の事件をオーバーラップさせて進行するという構造になっています。毎回よくやるなーと思いつつも、ミステリ的には特に面白かったということはないかな。小ネタはそこかしこに散りばめてあるようだけど、ミステリに造詣がないのでよう分かりませんでした。物語は稲妻卿・エドガーの一人称視点パートと石動の三人称視点パートが交互に配置され進行します。
 稲妻卿パートはエドガーの悲惨な十字軍遠征とその不遇の晩年の回想、そして魔都・トキオーンのカルチャー&ジェネレーションギャップに満ちた冒険活劇wとなります。バイク見て「鉄の馬だ」とか六本木ヒルズでは何を見ても驚いたりと、非常にアホらしいネタなのだけど、かなり楽しく読めませられるのはさすがといったところ。参考文献でムアコックのエルリックシリーズとかずらっと並んでいるので、このあたりを知っていれば小ネタが満載でなお面白いんだろうけど、エルリックシリーズは読んだけど内容をすっかり忘れてて残念。本作最大の見せ場、ヤクザのベンツにじじいがランスチャージをぶっ放すシーンは萌えますw
 迷探偵・石動も相変わらず迷走っぷりが面白くて、ラストには真打が登場したりと、シリーズ物の楽しみがありますね。脇役もきっちり上手く書いててよいよい。ミステリネタもペダンチックなネタも満載なんだけど、こちらも分かってる人はニヤリとできそう。俺はぜーんぜん分からずでしたが。
 まー難しいことを考えなくても、これまでのシリーズを読んでて、あまりミステリとして期待しないでよめば楽しい一品。そういやこの作品も前々作のネタバレありでした。
  
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2005年06月29日

「煙か土か食い物」舞城王太郎 講談社文庫

一般受け度  70
個人的好み度 95
 昔ノベルスで読んだけどいつの間にか文庫化してたので買てきた。
 アメリカ・サンディエゴで救命外科医として働くDQN奈津川四郎のもとに故郷福井の母親が連続主婦殴打生き埋め事件に巻き込まれ意識不明との連絡が入る。故郷に帰った四郎は事件の犯人探しを始めるのだった。
 この物語は事件の犯人を追うミステリーパートと血と暴力に彩られる奈津川家愛憎劇パートが交互に配置されて構成されています。メフィスト賞受賞とういこともありミステリーっぽいあらすじだけどミステリーパート自体の謎は本当にどうでもよくてナンセンスな謎が出てきたそばから四郎の適当な思いつきによって解決されるので推理する暇はないです。犯人が明かされた際の「馬鹿げている。馬鹿げていすぎる。馬鹿げていすぎる。馬鹿げていすぎる。」という四郎の思いは全読者の共感するところだと思いますw奈津川家パートは17歳で失踪した次男・二郎と暴力親父・丸雄の壮絶な血と暴力の愛憎劇の回想を中心に置いてDQN四郎がひたすら暴力エロススプラッタな場面をくぐるという感じでこちらのパートがメインになって非常に面白い。事件の裏に失踪した二郎の影が見え隠れしていますがミステリーパートは二郎を現代にリンクさせるための装置なんじゃないかな。
 文章が特徴的で文章は改行や読点をほとんど使わないぎっちりとした文章なんだけど砕けた一人称語りで小エピソードを次々とつなげているためもの凄い勢いで話に引き込まれます。特に序盤の文章と内容の密度は圧倒的。最近の舞城にはこれが足りて無いような気がす。以下バレ。  続きを読む
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2005年06月26日

「導きの星 1」小川一水 ハルキ文庫

一般受け度  70
個人的好み度 75
 小川一水の作品は他に読んだことがないな。
 銀河に進出し、多くの異星人と人類は邂逅したが、どの種族も宇宙に進出することができるほど文明は発達していなかった。そこで人類は、彼らを宇宙航行種族とするべく、C・O(シビリゼーションオブザーバー・外文明観察官)を派遣し、文明の発展を人類の存在を隠しながら秘密裏に支援することとした。この物語は若きC・O辻本司と三人の美少女アンドロイド(w)の文明の発展の支援を通して、キツネザル型異星人「スワリス」の石器時代から宇宙進出までの歴史を描いています。第1巻は狩猟採集時代、金属器勃興時代、貿易航海時代の三篇立て。
 スケールがなんとも壮大すぎて、設定だけで萌えてしまうなー。基本的には人類の歴史をなぞる形でスワリスの歴史も進展していますが、各時代にスワリスの発展を阻害する問題点があって、それをブレイクスルーするために司たちが支援しようとしてドタバタするという構成。スワリスたちの人間ドラマwや、火や金属器や航海等の獲得が、文明や歴史の中でこういう意味を持っているのかー、とか思ったりでなかなか面白く読めましたと。三人のアンドロイドやスターストライダーの裏での暗躍もあり、なかなか次が楽しみ。
 しかしキャラ設定が主人公・直情型、よりどりな女キャラども・はっちゃけ性格型で実に旧来のライトノベルの配置に忠実なのが残念。出版社のターゲットがラノベ層なんだろうからリーダビリティ向上のための方針だからしかたないのだろうけど、主人公が熱血すぎてなんだかなーと思う場面があったりするので、せっかく壮大な物語を作るのだからもっと落ち着いた性格設定にすりゃいいのにとおもた。  
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2005年06月21日

「放課後保健室 2」水城せとな 秋田書店

一般受け度  80
個人的好み度 75
 というわけで2巻を買ってまいりました。
 物語の方は一巻から引き続き、ふたなり高校生・真白君が紅葉と蒼との間でラブコメ学園生活を送りながら、木曜日の放課後に夢の中でクリーチャーな生徒とバトルロワイヤルを繰り広げているわけですが、それぞれのパートで新キャラが加わり、初の卒業者がでたり、夢の中で鎧男と対決したりで物語りは展開されています。以下雑感をつらつらと。
 学園パートは真白が相変わらず紅葉とベタベタで蒼にツンケンと大して関係が進展してないので、そろそろ真白が女性の自分を認識したりして、蒼の方にも気持ちが向けば面白くなるのになと思いつつ、設定では真白は女の部分を全否定してるのでその展開はないのかもとかで、そうだとするとちょっと残念。普通の男新橋を真白と紅葉の間に登場させて二人を喧嘩させたりしてるけど、話が進んでねーなーとおもた。新橋君が夢パートにどう噛んでるのかが気になるところ。
 夢パートは1巻に比べてサイコホラー色が薄くなっててちょっと残念。初の卒業者がでたけど読んでてイマイチ卒業フラグが見えなかったかもで、なんか自己解決してるなーという感じでした。でも夢パートだしロジスティックに描きすぎない方が読んでて面白いですね。あと物語を鎧男との因縁で引っ張るのはいかがなものかも。以下ネタばれ風味。  続きを読む
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2005年06月14日

「ガダラの豚」中島らも 実業之日本社

一般受け度  75
個人的好み度 40
 かりたまま5年くらいたってたので読んでみた。
 話は3部に分かれていて、アル中でアフリカの呪術を研究者である大生部教授が、
1部・妻を取り戻すためにインチキ新興宗教と対決する
2部・面白おかしくアフリカ紀行、ついでに呪術師と対決
3部・登場人物が面白おかしく惨殺される
といった内容ですが、大生部教授はアカデミックな知識を駆使して立ち回るわけでもなく、マッチョ考古学者の様に大冒険するわけでもなく、ひたすら酒を飲んでいるダメ親父ですwでも物語はその大生部教授を中心として進むので、他の登場人物のキャラクターが上手く立って、機能している様な感じかな。
 この話は結構昔に書かれたものなので、1部はいくらでも同じ様な物語が出回っていて(例えばTVのトリックとか)古臭く感じてしまうかもだけど、2部のアフリカ紀行は非常に面白く読めました。3部はよく死ぬなーゲラゲラ、という印象。600ページくらいあるのに、全然苦にならないのは、文章では常に絵が動いてて、交わされる会話のテンポもよくて、一気に読ませられてしまうからかな。そのかわり個人的には読んだ後、特に余韻がなくて、「あー面白かった、んじゃ寝よ」といった感じで、よくも悪くも毒にも薬にもならない物語でした。
 そういえば日本推理作家協会賞をとったらしいけど、なんでこの物語がミステリーにひっかかるかわけわからんちん。  
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2005年06月10日

「機動戦士Zガンダム 星を継ぐもの」

一般受け度  50
個人的好み度 80
 Zガンダムは個人的思い入れが強いけど、観たのは小学生と高校の時だったからほとんど話の流れを忘れていたのでした。
 アニメを通して確信犯的に子供へトラウマを植えつける禿こと富野監督が、どっかのZガンダムのインタビューで「ガンダム以降、様々な企画を立ち上げたが、ガンダムの続編を作れと上層部から指示されたのは、これまでの仕事を否定であり、敗北を告げられたのと同義であったので、激しく怒り、その怨念をZガンダムにこめました。こんなダメなアニメを見てはいけませんよ、というメッセージでもあります」とか、良識のカケラも無いパンクな発言をされていたわけですが、登場人物が何かとヒステリックだったりキチガイだったりDQNだったり電波だったりダメ人間で、みんなひどい目にあっていくというZのアクでありなおかつ面白い部分はここが源泉なのですな。富野御大将がZの話題を振られるといつもコキおろすのは有名な話ですね。だのに富野監督ったら「劇場版のZはエンターテイメントとして再構築しました」とか言ってたりして、余計なことはしなくていいんじゃない?と不安と期待を胸に見に行ったのでした。
 総集編ってこともあり端折りまくりの結果、カミーユのキチガイな行動がばっちり濃縮還元されており、その反面ナイーヴな側面はさすがに描ききれずといったところで、序盤のカミーユはただのDQNになっていましたw総集編のため、時間の流れ方がかなり妙になっているので予備知識のない人はついていけないかも?だったけど、前に見たことがあれば面白く印象に残るシーンでつなげてあるため、十分楽しめる内容かな。クワトロは一番出番が多いし、ジェリドはナイスヘタレだし、メッサーラはかっこいいし。
 新しく書き直された所はクオリティの格差が激しいけど、そこらへんはむしろ楽しめた部分で、特に最後のアムロと合流するシーンのギャプランとアッシマーとの戦闘はすごいクオリティでもえるし、クワトロとアムロが邂逅するシーンなんて思わず胸が熱くなりましたわい。まぁカミーユが軟弱そうに見えたりアムロがかっこよく見えるキャラデザは少し異議ありですがw
 あとJ・P・ホーガンからのサブタイトルは意味が謎でありました。T氏が見たら怒りそうだなw  
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2005年06月08日

「放課後保健室 1」水城せとな 秋田書店

一般受け度  85
個人的好み度 80
 Y氏が鼻息荒く面白いとか言ってたので買ってみた。月刊プリンセスとかいうところで連載しているとか。
 ある日突然生理がきてしまった男子高校生・一条真白は、幼児虐待経験を持つ少女・紅葉と鬼畜野郎・蒼の二人の間で、男と女・二つのジェンダー間を彷徨い、アイデンティティの危機に陥るのでした。ある日、真白はあるはずのない階段を下り、あるはずのない保健室で、授業であるという夢を見させられ、その中で女になった真白は卒業をかけて、ステキデザインの生徒たちとバトルロワイアルすることとなるのでした。またこの学校は何年も在籍している生徒がいたり、ある日突然生徒がいなくなるが、それが誰だったか誰も憶えてなかったりする不思議学校(ウテナっぽくてもえる設定だわ)なのでした。
 物語は学園パートと夢パートが交互に配置され、学園パートではふたなり真白君が二つの性の間で揺れ動き、夢パートでは次々に謎が提示されるといった構成になっており、作者がとにかく詰め込みまくったと書いているだけあって、読みごたえがあり、非常に面白い。ちょっと詰め込みすぎて物語の焦点が定まっていない気がするので、個人的には学園パートだけできっちり物語を読みたいと思ったり。まぁ夢パートも面白く、無貌の少女のデザインなんかはなかなかエグくてよい。まだ物語は導入部分で、伏線敷きまくりなので次が楽しみですな。  続きを読む
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2005年06月07日

「樒/榁」殊能将之 講談社

一般受け度  30
個人的好み度 60
 前作が面白かったのでS氏からかりてきた。
 講談社でやってた密室の企画物で、樒パートと榁パートの2編の短編ミステリーながら計120ページとなかなか薄い。2編とも同じ温泉町を舞台にしており、
・樒パートは探偵の水城と語り手の鮎井が崇徳天皇を奉る神社を回りながら、遭遇した天狗の斧にまつわる密室に遭遇するという話
・榁パートはダメ探偵の石動が十何年後の同じ温泉町で、同じ様な密室に遭遇する話
で、どちらのパートの主人公も前作の「鏡の中は日曜日」(こちらはとても面白かった)の登場人物で、榁パートにはその重大なネタバレがあるので要注意ですな。
 この物語のミステリーとしての事件の解決などはわりとどーでもいい内容で、期待して読むと窓から投げることうけあい。読んでて面白いのは、二人の探偵のニアミス、天狗の正体、鮎井の物語に込められた想い、様変わりした温泉町の風景あたり。二つのパートを使って上手く読ませます。まぁ楽しめるのは前作の既読が前提ですが。
 どちらも未読なら樒パート→鏡の中は日曜日→榁パートの順番で読むとなかなか味わい深いかもしれない。あとどーでもいいですが映画のハサミ男って、電車男の二番煎じくさいタイトルですよね。
  
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2005年06月06日

「東京赤ずきん1、2」玉置勉強 幻冬社コミックス

一般受け度  40
個人的好み度 70
 Y氏が面白いと言ってたのでS氏からかりてみた。
 2chのAAで有名な玉置先生ですが、これは特にR指定がかかっておらず、バーズとかいうマイナー雑誌に普通に連載中らしい。物語は今のところあってなきが如しなのでざっと内容を抜粋してみると
・ペドっ娘が銃撃戦の末、内臓が飛び出し、胴チョンパされる。
・ペドっ娘が銃撃戦の末、ブルマを履いた禿オヤジに内臓をぶちまけられて死姦される。
・ペドっ娘が銃撃戦の末、ライフルで首から上を吹っ飛ばされる。
で、その後グロかわいいペドっ娘が化け物っぽい能力を発現させて1話終了、といった流れ。エロ、ロリ、鬼畜、グロ満載な内容だけど、描写や表現は結構毒抜きがされてて、お気楽に楽しめる漫画だと思う。物語は一応裏で流れてるようだけど、2巻の時点では「なんかやってるね」という感じで、特に読むところはなさげでこれからに期待かな。
 アングラな内容を、精神的ダメージを全然もらわないで面白く読ませられるけど、上記の抜粋した内容だけで嫌悪感をもらう人にはお奨めできないかも。あと直接やっちゃってる描写がなければR指定くらいわないんですかねー。この漫画が小学生にでも買えるなんてつくづく日本はいい国だと思いますw
  
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2005年06月02日

「アクアリウムの夜」稲尾平太郎 白馬書房

一般受け度  70 
個人的好み度 85
 図書館でかりてきた。
 開放感で心うかれる土曜日の放課後、親友の高橋が「驚異の科学魔術カメラ・オブスキュラ」なる見世物小屋のビラを持ってきた。この日を境に、バンドやら恋愛やらどこにでもありそうな高校生活をおくっている「ぼく」の日常は、ゆっくりと暗く冷たい世界に引き込まれていくのだった。

 どこかにいくらでもありそうなあらすじだけど、たいへん破壊力の高い物語だった。この小説は角川スニーカー文庫でもでているらしいけど、中高生がこれを読んだら側面バリアント並のダメージを受ける気がする。この物語は瑞々しく叙情的な文体で綴られた幻想怪奇小説ですね。
 似たような作品にレイ・ブラッドベリの「何かが道をやってくる」を思い出したのだけれど、舞台設定や道具立ては似ていても着地する場所が全然違ってました。「何かが道をやってくる」は幻想怪奇風ジュブナイル小説であるのに対して、アクアリウムの夜はジュブナイルの皮を被った幻想怪奇小説といったところかな。
 読み終えた後、暗く冷たい地下に一人取り残されたような、何か嫌なものに憑かれてしまったような、それでいて同時に青春の喪失感のようなセンチメンタルな、非常に複雑な余韻を味わいました。最後のアクアリウムの夜のシーンはたいへん素晴らしく、やはり高校生あたりで読めてればなーと思った。再読した時、バンドで歌ってるシーンなんか本当にいやらすぃ。
 まぁゴシック小説やクトゥルー小説などで免疫ができてたり、ミステリーやSF の文脈で読んでた人にはなんじゃこりゃ、で終わってしまうかも。以下ネタバレ感想。
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Posted by mitsuzou_mute at 23:15Comments(0)TrackBack(0)小説など