2008年02月

2008年02月06日

陰日向に咲く 〜チネチッタシアター8〜1

2007年度のベスト邦画は『天然コケッコー』mitutakaです。

先日「私、毎日映画観てるんですよー」と言う人に会った。俺もテンションあがって話をしたのだが、よく話してみると、毎日ネットで観ているだけで映画館ではほとんど観てはいないとのこと。別にいいんだけど、最近ネットで観た映画を劇場の映画と同列に扱う雰囲気があるような気がする。
漫画家の島本和彦が「YouTubeでエヴァンゲリオンを見て『エヴァを見た』と思うなよと言いたい。テレビのでっかい画面で見る描線の動きがYouTubeで分かるのか。
日本はアニメ先進国だが、アニメや漫画を見る作法がなっていない!」と言ったらしいが、映画にも同じことが言えるように感じる。
「ネットで映画を観て『映画を観た』と思うなよ」

かくいう俺もネットで映画をかなり観ているし、レンタルでも観る。だけど、映画館で見るものとはやっぱり全然違う。
『天然コケッコー』もネットで観ることができるが(youku.com)それで、この作品がおもしろいか否かを胸張って言うのはどうかと思う。(スズキ、お前のことだぞ!)
後輩が「先輩の言ってた『天然コケッコー』よくわからないし、たいしたことないことないっすか?」と言ってきた。
俺は、天然コケッコーが今まで観た中で一番いい映画だという気もないし、気に入らない人がいても全く不思議じゃない。それでも、youku.comで観たものと映画館でのものとは違うという前提がないとどうしようもない。
たいしたことないと言い続ける後輩に、「でもさ〜、異性に対するキスよりも、愛着のある教室に心のこもったキスをする場面はよかったでしょ」と言うと「そういうことだったんすか?」との返事。「そこはわかるだろ!」とネチネチ説教したのだが、仕方ない気もする。金と時間をかけてみるのと、自宅でだら〜と観るのとでは・・。
後輩との会話でかみ合わないところが少しあったので、俺もyouku.comで観てみたら、映画館で上映されたものにさらに編集がかかっていた。
改めて「ネットで映画を観て『映画を観た』と思うなよ」と。

良いか悪いかは別にして、手軽に映画が観られるようになって、「これネットで観たらどうだったのかな〜」という感想を持つことが多くなった。

陰日向に咲く』を観た。
自宅で観たらどう思っていたのかなと思う典型の薄っぺらい作品だった。

ダメ人間たちの奮闘を描く。
借金まみれのパチンコ依存症のシンヤ(岡田准一)は、やむおえずオレオレ詐欺にて手を出すが、相手の老婆に情が移り金を奪えない。ビジネスマンのリュウタロウ(三浦友和)はほら吹きのカリスマホームレス(西田敏行)にあこがれ、ダンボール生活を始める。がけっぷちアイドルみゃーこ(平山あや)とそのみゃーこの追っかけをするゆうすけ(塚本高史)。売れない芸人に恋していた母の軌跡をたどろうとしている寿子(宮崎あおい)。そんな人々の一見無関係な人生が少しずつ交錯していく・・・というようなお話。


え〜。これを観てどう思ったらいいのでしょう。岡田准一かっこいいなー、宮崎あおい、平山あや、緒川たまきかわいいなー、西田敏行、三浦友和すげーなーということ以外特に何もない薄い作品だった。とにかく登場人物に魅力が全くない。というより魅力ある人物を撮る気は初めからないとしか思えない。それぞれが今と違う自分を追うという、ひとつひとつはいい話ではあるんだけど、人物の魅力を描き、積み重ねて泣かすというものではなくて、ただ、これやっときゃ泣けるんでしょといった感じの薄いエピソードの集まり。こんな無理やりな押し付けがましい感動はいらない。
人はひとりじゃないし、家族でも他人でも人とつながっているのは素晴らしいこと、出会いによって人は変われる。それはそうだけど・・・。今日観た『歓喜の歌』の方がよっぽどそのことを感じた。『陰日向に咲く』を観て泣いたという人は『歓喜の歌』を観たらどう思うのだろう。
すっきりしない箇所も多いし(シンヤが職場の皆に迷惑かけた問題がどうなったのかだけは教えてくれ)、人物は交錯していくが全体としてのまとまりは全くないし、(そもそも塚本&平山の話は必要だったのか?まーこの話が一番良かったように感じたが・・。)軸になるしっかりした話はないし・・・。ん〜よくわかりません。
子どもを持つ人にはいい映画なのかもしれません。


ひとまず、岡田准一以外の登場人物は全然ダメダメじゃないんじゃないかと思った、俺が一番ダメ人間だということがわかりました。

mitutakaeiga at 10:35|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!カ行 | 岡田准一