最初の電話があってから3ヶ月くらいは月に2、3回のペースで電話がきてましたがすべて"今月は時間がない"という理由をつけて断り続けていました。そうしているうちにまったく電話がかかってこない期間が1ヶ月ほど続き、もしかしたらあきらめたのかしらんと思っていたら、今度は同じ会社のイトウと名乗るおっさんから電話がかかってきました。

 そのときはちょうど仕事が切羽詰り気味で僕も少しばかりイライラしておりました。人間あせって行動するとろくなことがありません。


み「もしもし。」


イ「あ、どうもいつもお世話になっております。株式会社スワのイトウと申します。」


み「はい。」


イ「うちのオオサワの方から何度かお電話させていただいたと思うんですが、スケジュールの方はどうでしょうか?」


 あららら、あきらめたと思ってたのにそういうわけでもなかったのね。しかしどうせ同じ人なのに名前をかえて電話してくるのになにか意味があるんでしょうか。とりあえずいいかげん面倒になってきたのですっとぼけることにしました。


み「あー、たしかにお電話いただきましたがお断りしたと思いますよ。」


イ「え?そんなことないでしょう。たしかスケジュールが合わないので後日連絡するということになっていると聞いておりますが。」


 なにが「聞いておりますが。」か。前の電話もお前やろが。


み「そうですか?じゃあうまく伝わってなかったのかもしれないですね。では改めて言いますが、お断りしますということで。」


イ「いやいや、お断りしますじゃないんですよ。いまさらそんなこと言われても困るんですよ。前は時間の都合がつけばOKだと言ってたじゃないですか。」


 時間の都合がつけばOKだと言ったのはオオサワくんに対してであって、君に言ったんじゃないんだよ。君はイトウくんじゃなかったのかな?


み「そうでしたっけ?よく覚えてないな。まあ、前にどう言ったかはどうでもいいとして、今後も時間は空きそうにないので、お断りしますということで。」


イ「どうでもいいわけないじゃないですか。だいたい時間が空きそうにないって、これから何ヶ月間は一日も自由な時間がないとでも言うんですか?そんな人聞いたことないですよ!」


 んむ、たしかにそうかもしれないね。ただ一日も自由な時間がないというわけではなくて君達みたいな怪しい業者に会ってる時間なんてないよ、という意味なんだけどねぇ。ま、いっか。


み「それはあなたが聞いたことがないだけでしょ。世の中にはそういう人もいますよ。」


イ「へぇ、だったら今月のスケジュールを一日ずつ言ってみて下さいよ。スケジュールがびっしり埋まってるんならすぐに言えるでしょ!」


み「嫌ですよ。」


イ「どうしてですか!言えるでしょ!」


み「だって面倒だし。」


イ「面倒とかじゃないんですよ。こっちは仕事でやってるんです!」


 お前の仕事なんか知らんがな。だいたいこっちも仕事中だっつーの。僕も仕事が行き詰っていたせいもあってだんだんイライラしてきました。


み「あー、もー、知りませんよ、そんなことは!とりあえずお断りしますと言ってるんです!ガチャ(電話切る)。」


 あまりにイライラしてきたんで、電話を切ってしまいました。ふぅ……と思っているとプルルルル…という電話の音。嫌な予感。


社内放送「みうなさん、みうなさん。外線1番をお取りください。」



 イライライラ…。


続く。 人気blogランキングへ