私は「食」に関わることに、大きな関心と時間を注ぎ込んできました。
美味しいものを食べることも料理も大好きです。
特に注目してきたのは、料理家の辰巳芳子さんです。
60歳前後に世に出られた辰巳さん自身の歩み、お料理の進化ともども、関心を向けていました。
辰巳浜子さん・芳子さん母娘のご著書からは、
「女性のキャリア形成」
「ワーク・ライフ・バランスの考え方」
など、さまざまな面で多くを学ぶことができます。

2012年、辰巳さんのドキュメンタリー映画「天のしずく」が作られたと知り、観たい観たいと思っておりました。

・「天のしずく」公式サイト
http://tennoshizuku.com/

・予告編


やっと数日前(11月21日)、東京都写真美術館で見ることができました。未見の方、ぜひご一見を。2013年11月29日まで。
http://syabi.com/contents/exhibition/movie-2128.html

辰巳さんご自身も、登場される方々も、居ずまい・お声・言葉の数々が力強く感動的です。
とりわけ私が強く感動したのは、宮﨑かづゑさんという女性がスープを作るシーンでした。
宮崎さんは少女期に発症したハンセン病(現在は完治)のため、左右どちらの手にも指がほとんど残っていません。しかし宮崎さんは、指のほとんどない手で、長年のお友達のためにスープを作りつづけました。
生命を支える食、その食を作って愛する者に与えたいと望む人間、その望みを実現しようとする人間の手。
私は、美しさに心を打たれました。指のない両手が木べらを握っているようす、その両手の動き。何もかもが美しいのです。茶道の達人の所作、世界トップレベルのバレエダンサーの動きにも通じる美しさがあり、それ以上なのです。
一言で言えば、「神聖」です。
指があるかないかなど、どうでもよいことです。

「生命は大切」と言うことは誰にでもできます。
でも、本当に生命を大切にすることは、容易なことではありません。
どうすれば大切に出来るのか。
日常の食から、大切にしはじめてみることならば、誰にでも出来そうです。
「天のしずく」は間違いなく、そのための手がかり、最初の一歩への勇気を与えてくれる作品です。


以下、アファリエイトです。

・「天のしずく」DVD・ブルーレイ


・辰巳芳子さんのスープについて、考え方や背景も知りたい方は、ぜひこの一冊を。私の愛読書の一つ。



・私が東京で一人暮らしを始めて間もない時期に購入した辰巳芳子さんのご著書。
保存食を身につけたいと思う方、必携。
残念ながら現在は絶版。