猫と食事と西荻窪、ときどき旅する車椅子

ライター・みわよしこの日常つれづれ話



2013年12月

2013年を振り返って+2014年の抱負

●2013年を振り返って

・著述業

-3冊の書籍を出版することができました。
読者の皆様、編集者の皆様、共著者の皆様、協力者の皆様、関わっていただいたすべての皆様に感謝申し上げます。


-連載「生活保護のリアル・政策ウォッチ編」、連載継続中。
さらに連載「変わりゆく大学のいま~激流の中で」をスタートさせることができました。

-単発記事多数を執筆し、世に問うことができました。

-2月、ボストン・NYCへ。AAAS(米国科学振興協会)年会参加+取材。
8月、ブエノスアイレスへ。世界精神保健連盟大会参加。
国内取材多数。
飛び回るというか、まことに落ち着きのないというか……の一年でした。

-5月、6月、9月、10月と、講演の機会を頂戴することができました。7月にはTV出演の機会も頂戴しました。

-社会保障分野のお仕事が、圧倒的に多かったです。生活保護に加え、困窮者支援・障害者福祉・難病など、幅が自然に広がっていった一年でもありました。

-科学・技術に関しては、書籍2冊を出版できたものの、充分にやれなかったという悔いが残っています。今年は日本数学会「ジャーナリスト・イン・レジデンス」にも参加できませんでした。

-「守り」の部分が手薄な一年でもありました。職業能力向上、文献調査、記事リスト作成、自分の事務所の経営、Webサイト整備など、どれ一つとっても「充分にできた」とは言えません。

・研究

-社会学(社会保障史の文献研究+数値シミュレーションの複合)の研究に取り組みたく、大学院博士課程を受験。合格。2014年4月より進学予定。

・自分

-まずまずの健康、よき友人たち、有り難いことに多忙を極める仕事に恵まれ、出来すぎの一年だったと思います。

-しかしながら深刻な運動不足(2013年1年間に水泳2回のみ)、肥満(85kg)、すぐ乱れる生活リズムと食生活、虫歯だらけの歯……など問題も数多く。50代前半には全部解消しておきたいところ。

・家族

-12月31日現在、猫の摩耶(女子・16歳7ヶ月)・瑠(男子・5歳7ヶ月)と一緒に暮らしています。

-3月2日、猫の悠(男子・享年14年9ヶ月)を見送りました。
3年3ヶ月にわたる慢性腎不全・甲状腺機能亢進症、2013年1月に発覚した末期がんとの闘病を最後の最後まで頑張り通してくれた悠。ありがとう。

-4月14日、猫の瑠(男子・5歳)が家族に加わりました。
悠が他界したあと、残された猫の摩耶(女子・16歳)と私は「母一人猫一人」状態になってしまいました。
摩耶が一人娘であることに慣れてくれればよかったのですが、日に日に激しく寂しがるようになりました。
そこで、猫の家族がもう一名必要なのではと思い、シェルターから瑠を迎えました。
瑠はあっという間に我が家に馴染み、摩耶と仲良くなりましたが、私にはまだ、あまり触らせてくれません。

-11月、杉並区獣医師会より、摩耶に高齢動物表彰をいただきました。

-慢性腎不全と糖尿病を抱えた摩耶、病気のコントロールには未だに苦労していますが、まずは、無事に年末を迎えられたことを喜びます。

●2014年の抱負 

・著述業

-書籍を少なくとも2冊出版する(1冊(障害者福祉)は既に決定しています。もう1冊!)。

-ここ2年ほど、仕事のうち社会保障の占めるウエイトが著しく高くなっているため、科学・技術の仕事を2013年比で150%程度は充実させる。具体的には書籍1冊、記事少なくとも年間10本。

-日々の職業能力訓練、読書、公式Webサイト作成、記事リスト作成など「守り」の部分を充実させる。

-個人事業所「電脳猫屋敷」(1997年設立)をたたみ、「電脳猫屋敷株式会社」(2010年設立)に業務を移行させる。

・研究

-2014年1月、自宅に計算サーバ環境を構築する。

-2014年3月までに、基本的な文献調査は終えておく。

-2014年7月ごろまでに、大学院での研究を「離陸」させた状態にする。

・自分

-リアルの交友関係を、今まで以上に大切にする。割り当てる時間とリソースを増やす。

-「どうしてもネットを使わないと出来ない用事のため」「何かのついでの検索のため」以外でネットに接続する時間を、平均1日1時間以下にする。「だらだらとネットサーフィン」といったことは、基本的に行わない方針とする。

-月に2回は水泳に行く。

-外食を減らし、自炊率を高める。

-減量する(目標:2014年末に70kg以下)

-趣味の電子工作に向き合う時間と環境を確保する。

-作曲のレッスンに定期的に通うことを再開する。

・家族 

-摩耶の17歳の誕生日(5月)・越夏(9月)・糖尿病闘病開始2周年記念(10月)といった節目を、今年も全部祝えますように! 瑠も、元気でいられますように。

アフィリエイトを始めてみた - 50歳の誕生日に

2013年11月、このブログを開設しました。
それを契機として、アフィリエイトを始めました。
正確に言うと、アフィリエイトを始めるために、このブログを新規開設しました。



私には、2004年に開設したブログ
「これからの生技の話をしよう - いまを生きるための人間学と猫学」
があり、現在も更新を続けています。
それほど多くのアクセスはありませんが、220万アクセスを超えています。
もともと日常雑記として「はてなダイアリー」で開始したこのブログは、現在、ほぼ猫の闘病記録専用となっています。
長年お世話になっている「はてなダイアリー」は、簡便に日々の記録を残すのには非常に適している一方、制約が多く、出来ることは多くありません。
特にアフィリエイトに関しては、お世辞にも「充実している」「使いやすい」とは言いがたいです。
「別のブログシステムで気分を一新したい」という思いもありました。
そこで、livedoor blog を利用して新規にブログを開設することにしました。

●アフィリエイトを始めたきっかけ

2013年11月中旬、私の生活基盤を揺るがす可能性のある危機が発生しました。
現在、その「危機」の詳細について述べることはできませんが、今後数年~十数年の期間にわたって継続し、年々、強度を増していく可能性があります。
2013年9月、私は大学院博士課程を受験し、合格しました。
長年続けてきた計算機シミュレーションと生活保護制度史を統合する研究をやりたい、という思いからの受験でした。
「50代前半で博士号を取得し、学術的バックグラウンドのもとに、ノンフィクションを中心とするライターとして仕事を発展させていきたい」
という希望もありました。
そういう私のヴィジョンは、将来の生存・生活ごと、危機に瀕してしまっています。
諦めたくはありませんけれども。

その「危機」がなかったとしても、私には経済基盤を強化する必要がありました。
現在は、障害基礎年金(月額約8万円)と著述業での収入で、生存・生活を維持し、仕事への必要不可欠な投資を行うことが可能な状況にあります。
それは、私が障害を持っているものの肉体的には頑健で、ハードワークに耐えられるからです。
でも、いつまでも、こんなハードワークを前提とした生活は続けられないでしょう。

さらに障害基礎年金も、いつまで当てに出来るか分かりません。
このごろ厚労省を中心に、
「障害者福祉は65歳でカット(障害者には、その後速やかに死んでもらう)」
という方向での検討がなされています。
老齢年金が障害基礎年金の代わりになるわけでもありません。障害基礎年金を受給していた障害者は、老齢年金で不利になる制度設計となっていますから。
私はそれでも、
「生きたい、殺されたくない」
「生きている間は、必要な介助は得たい」
「生きている間は、可能な限り、健康を維持・増進したい」
「生きている間は、可能な限り、職業生活を発展させ充実させていきたい」
という望みを捨てたくありません。
であれば、それを可能にする制度づくりへの働きかけを行う一方で、自分自身の経済的基盤を強化することは必要不可欠ではないでしょうか。
日本で公的障害者福祉に期待できるものは、おそらく将来にわたって
「生存と生活の最低限の基盤の保障」
以上のものではないと思われます。
そして現在は、最低限の基盤の保障さえ危ぶまれる方向を、政府・自民党などの与党が目指しています。

著述活動の無理の少ない延長線上にあるブログに、アフィリエイトを組み合わせるのはどうだろう?
アフィリエイトだけで生計を立てようとも、立てられるとも思わない。
でも、長期的な経済的基盤を強化していくために、大きな無理や大きなリスクを背負わずに出来ることは、可能な範囲で出来るだけやってみよう。
……私は、そう考えたのです。
生きたいから。
殺されたくも潰されたくもないから。
誰かに、「あなたは、ただ息をして生物学的に生きているだけで満足しなさい」と言われたくないから。
今後の人生で、誰かに「本人の希望もQOLも発展も、どうでもいい」と勝手に決めつけられてしまうことは、二度とあってほしくないから。
「有害」「脅威」「気持ち悪い」と感じる人間関係から、自分を守りたいから。
理不尽を押し付けられたくないから。
理不尽に屈したくないから。
せめて50歳からの人生は、死ぬまで、心から「自分の人生を生きている」と言える状態で生き続けたいから。
そのために役立つ可能性があることは、なんでも、やってみるしかありません。

●過去の私のアフィリエイト観

私はアフィリエイトについて、
「広告を掲載したら紹介料が入るシステム」
以上のことを知りませんでした。
「アフィリエイトの設置されているブログを開始すると、『お金にガツガツしている人』というイメージを与えるのではないか? それは著述業に対してマイナスにならないか?」
という、今にして思えば「偏見」としか言いようのない危惧もありました。
また、
「職業ライターは、依頼を受けないかぎり、あるいは依頼の見込みがない限り原稿を書いてはならない」
「職業ライターは、依頼者や読者から直接的に報酬を得るべきである」
「職業ライターは、無料で誰でも読める原稿を、対価の約束なしに、あるいは対価の見込みが薄い状態で書いてはならない」
という、我ながら「いつの時代の話ですか?」と突っ込みたくなる感覚もありました。
私は2004年、今ほどブログが一般的ではなかった時期にブログを開始しましたが、上記のような古めかしい理由で私を批判する同世代の(場合によっては年少の)同業者は少なくありませんでした。
「それはおかしい」と思いましたが、反論できませんでした。
今は、「相手にしなきゃよかった」と心から後悔しています。
そんな人たちを相手にせず、「チリも積もれば山となる」で現在は220万アクセスを超えているブログから収益を得る方法を、真面目に考えていればよかったんです。

●アフィリエイトを始めてみて

まず、アフィリエイトのシステムはさまざまであることを知りました。
逆に言うと、そんなことも知らなかったわけです。
たとえば、Google Adsense では基本的にアクセス数に比例する形で報酬が支払われます。
Amazonアソシエイトや楽天アフィリエイトでは、販売実績に対して支払われます。
異なるタイプのアフィリエイトには、異なる戦略が必要そうです。
目指すところは「組み合わせ最適化」でしょうか。

1995年ごろから社内向けオンラインマニュアルをHTMLで作成していた私は、静的HTML/CSSについて一通りの知識と経験を持っていました。
このため、ブログへのアフィリエイトバナー・画像の設置について、困ることはありませんでした。

11月に開始し、有り難いことに大変多忙な本業のかたわら、時間のあるときに「ぼちぼち」と進めるしかありませんでしたが、それでも12月末ごろには、日常の作業には一通り習熟しました。
デザインや視認性・アフォーダンスの面では、まだまだ問題がありすぎます。
でも少しずつ「先日よりはマシ」を目指していくしかないでしょう。
毎日の生活の中に、無理のないルーチンとして組み込んでいくことが、現在の課題です。

●アフィリエイトに取り組んでみて

気付いたことをメモしておきます。

・アフィリエイトプログラムへの参加は、著述業に対して大変有益です。「潜在的読者層を見出す」につながります。

・「今」をとらえる感覚をブラッシュアップするために、アフィリエイトプログラムへの参加は、非常に有効です。

・出版に関わる人々にとっては、間違いなく、
参加するリスクやデメリット << 参加しないことによる有形無形の損失

……なにをいまさら、という感もありますが。

アフィリエイトプログラムに参加すると、常時、潜在的読者層を意識することになります。
人によっては、「ブログを読む」「SNSに参加する」「日常的にネット世論をチェックする」などの受動的な方法でも、充分に潜在的読者層を意識することができるでしょう。
でも、私にはそれでは不十分だったようです。

紙の書籍・紙の媒体の読者は、「紙の出版物にお金を払う」という習慣を持っており、それを実行することの可能な方々です。また、その媒体に日常的に関心を向けている方々でもあります。
でも、私が記事を書かせていただく紙媒体・紙書籍を未だ手に取っていない潜在的読者層の方々は、もしかすると「書店に行く」「ネット書店をチェックする」「紙媒体を手に取る」という習慣も持っていない可能性が高いのです。
その潜在的読者層の方々は、どういう関心を持っているのでしょうか? 
何があれば、自分の記事や書籍に関心を向けていただけるでしょうか?
「クリック・売上に結びつく可能性が少しでも高くなるように広告を設置する」という行為は、その潜在的読者層の方々を日常的に意識するきっかけとなります。
また、「今」をとらえるための感覚をブラッシュアップする機会ともなります。
自分の意識や感覚が「ズレて」いたら、クリックにも売上にも結びつかず、したがって収益にも結びつかないわけですから。

●そして、これから

私は、「改めて、広告の技法を学びなおしてみたい」と思っています。

「関心を引く」「訴求する」という目的のために発達し、洗練されてきた技法が、広告とその周辺には集大成されています。

私は広告に関して、完全な素人というわけでもありません。過去、半導体業界・組み込みシステム業界を中心に広告コピーを書いていた時期があります。
独学ですが、一通りのノウハウは身につけたとも思っています。
ただ、業種・広告対象の性格上、コピーの巧さや訴求性の高さ以上に商品知識の方がモノを言いました。
そうではない広告一般の世界を、私は知りません。
そしてそこには、著述業に携わる者として学ぶべきものが数多くあるはずです。

私の主な守備範囲は、ノンフィクション一般です。
最も重視されるのは、取材対象の選択であり、取材の内容です。
取材が充分にできていなければ、文章が上手かろうが訴求力が強かろうが無意味です。
場合によっては逆効果かもしれません。
ですが、それは訴求する技術を軽んじてよい理由にはなりません。
そして、「伝えるべきことを伝えたい人々に確実に伝える」ということに対して、広告の技術ほど有用なものはないと思われるのです。

広告の技術を学び、磨いていくためにも、無理なくぼちぼちと、このブログとアフィリエイトは続け、発展・洗練させて行こうと思います。
1年後、3年後、このエントリーを含む初期のエントリーを見て、「へったくそ!」と大笑いすることが目標です。

●現在までの実績

さて、気になる実績の方は、どうでしょうか?

2013年11月・12月の合計(12月28日まで)は、

・Google Adsense 
・Amazon
・楽天

を合わせて、284円でした。
利用している livedoor blog PRO の月会費(300円)にも満たない金額。
我ながら、惨憺たるものです。
でも、まずは
「 だから、これからが楽しみ」
と思える能天気な50歳であることを喜ぶことにします。
(本記事が公開された2013年12月30日、私は50歳の誕生日を迎えました)

よろしければ、本ブログと私の今後のため、アンケートにもご協力ください。
(2014年1月31日まで) 

メンズの「かわいい」ブーツが欲しいのに!

さきほど、Amazonで冬用ブーツを注文しました。
この冬は東京近辺でも大雪の可能性があると予想されていますし、厳寒・豪雪の地域に行く予定もあるからです。

足が甲高幅広の私、レディースの靴はたいてい足を入れることができません。
そこで最初から、
「メンズ ブーツ もこもこ 合皮」
で検索しました。
求めた条件は、優先順位の高い順で

・サイズは25~26cm(ふだんの靴のサイズは25cmです)
・ふだん着ている服に合わせやすいブラック
・合皮(本革だと手入れが大変)
・防寒性(もこもこ)
・お値段がリーズナブルなこと(できれば2000円以下、最大3000円以下)
・可能なかぎり「可愛い」こと(^^;)

でした。
で、まあ、希望に近い選択肢を見つけることはできたのですが。

リコメンドにレディースのブーツが出てくるので閉口しました。
顧客情報に「性別・女」と書かれているからレディースを薦めてくるのでしょう。
でも、足の入らない靴の情報があっても困るだけです。
私は、自分の足を入れることができて、雨雪に耐えられて、暖かくて、ふわもこで、叶うことなら出来るだけ可愛いブーツが欲しいんです。
こんなところで、ジェンダー問題に直面するとは思いませんでした。

探しているものは靴なんだから、誰にとっても優先順位が最も高いはずのことは

・自分の足が入る
・自分の足が痛まない
 
あたりでしょう。
メンズ・レディースを問わず

1. サイズ・足幅で絞り込む
2. タイプ(ブーツかサンダルか、ビジネスシューズなのか)で絞り込む 
3. 色で絞り込む

というシステムがあったら嬉しいのになあ、と思ったのでありました。

以下、アフィリエイトです。
クリックして注文していただくと、私に若干の手数料が入ります。

注文したブーツはこちらです。


一番「欲しい」と思ったのはこちらです。ブラックの小さめサイズが残っていなかったので断念。


似たようなニーズ(甲高幅広大足の女性)と嗜好(黒・合皮、なるべくカワイイふわもこブーツを、なるべくリーズナブルなお値段で)の持ち主のために、検索で見つかった選択肢をまとめておきます。
 

旅行の荷物、必要かつ最低限とは (2)調理用具

私は、旅先の市場やマーケットで現地の食べ物を購入して料理するのが大好きです。
そもそも滞在コスト削減のために、キッチンつきのドミトリーなどを選ぶことが多いのでもあります。
料理が趣味であったり、コスト削減のために自炊を余儀なくされているのでなくても、
ちょっとした調理器具は持っておいたほうが便利です。
何がどれだけあれば充分でしょうか?

というわけで、今回は旅行時の調理器具についてまとめてみます。
過去記事
・旅行の荷物、必要かつ最低限とは (0)総論 荷物の分類

・旅行の荷物、必要かつ最低限とは (1)必需品、日常生活用品
もご参照ください。

2. 調理用具
2-1 調味料・小物

・最低限持っておくべき調味料

食塩(できれば分包)、砂糖(分包)、粉末無水クエン酸(できれば分包)

調味料として使えるのはもちろんのこと、食塩と砂糖とクエン酸があれば、脱水しそうな時に経口補水液を作って飲むことができます。また、疲労時のエネルギー補給にも役立ちます。
食塩の分包製品は食品業界向けに存在しますが、一般的には入手困難です。下の写真のような小型のファスナーつきポリ袋に自分で分包(大さじ一杯・小さじ一杯など使いやすい量で)します。50 g 程度あれば充分かと思われます。
もちろん、日本専売公社の食塩でなくてはならない理由はありません。どうぞ、藻塩でも粗塩でも岩塩でもなんでも、お好みの塩を。
食塩が販売されていない国や地域はありません。食塩がないと人間死にますから。でも、100 g 以下の少量をリーズナブルに入手することが可能とは限りません。
それに、体調が悪いと感じている時に「買い物に出かけて食塩を調達する」と「さっさと経口補水液を作って飲んで寝る」のどちらの行動を取りたいですか? 
というわけで、使いやすいポーションで持っていくことを強くお勧めします。



砂糖はスティックシュガーを持っていきます。先進国の都市部に出かけるのであれば、3~5 g のスティックシュガーが10本ほどあれば充分でしょう。目安としては、経口補水液1リットル分。
砂糖は、コーヒーショップでもハンバーガーショップでも、簡単に無料で調達できます。大量に持っていく必要はないでしょう。何回も経口補水液を作って飲まなくてはならない事態に陥りそうだったら、こじれる前に病院に行くべきです。

粉末無水クエン酸は、どこの薬局でも安価に売られていますし、分包タイプのものもあります。10 g 程度あれば充分でしょう。レモンやライムが入手できるのならば、出番はないわけですから。
一応、食品添加物グレードのものをお勧めしておきます。私自身はこだわってませんけど。


参考:一般的な経口補水液のレシピ
砂糖40g(上白糖で大さじ4.5杯)、塩3g(小さじ0.5杯)を水(できれば湯冷まし)1リットルに溶かす。柑橘類の果汁やクエン酸で酸味をつけてもよい。保存性はないので、作ったらさっさと飲むこと。

・あれば役に立つ調味料

・タマノイ酢「すしのこ」

旅行先の自炊では、生野菜を継続的に摂取できる環境づくりに苦労する場面が多いです。
生で食べられる野菜を適宜刻み、「すしのこ」をまぶしてポリ袋に入れて封をしておけば、気温にもよりますが、数日の保存に耐える簡易ピクルスができます。
ちょっと甘すぎるところが難なのですけど、こと旅行先では食味より防腐効果を優先してもよいかと。


・ジンジャー粉末

「おや、風邪気味かな?」と思った時、温かい飲み物やスープにジンジャー粉末を入れて飲み、身体を冷やさないように寝て予防。



・小道具類

・ポリ袋

日本では、どこのスーパーでも薄手の透明ポリ袋を無料で調達できますが、海外ではそんなことはありえないと考えておいたほうがよいでしょう。
もちろんスーパー等で購入することは可能なのですが、最小単位が100枚であったりします。
かさばるものではないので、10枚ほど持っていきましょう。
お湯さえ沸かせれば、料理はできます。
「ポリ袋に調味した食材を入れて袋ごと煮る」という方法をフル活用すれば、「一つの鍋で同時に数日分のおかずを作る」といったことも可能です。

・ファスナーつきポリ袋

「ジップロック」のようなポリ袋が大小合わせて10枚ほどあると重宝します。
できれば、底にマチがあって自立するタイプを。


・ペーパータオル・アルミホイル

ペーパータオルやアルミホイルを現地で必要な量だけ調達するのは、容易でありません。しかも、代替できるものはありません。
ふだん使っているものを、使いやすいサイズにカットして10~20枚程度持っていきます。特にペーパータオルは濡れたら用をなさないので、ファスナー付きポリ袋に入れておくなどします。

・大型の「だしパック」

日本以外の国で販売されているのを見たことがありません。
「お茶や水出しコーヒーを大量に作って、ポットに入れて持って行きたい」
「通常はザルを使って行うような湯通し・湯がきをしたい」
「お湯やスープの中で、小さな食材を飛び散らせずに加熱したい」
など、様々な場面で威力を発揮してくれます。
大は小を兼ねるので、大型のものを10枚程度持っていきます。

2-2 食器

・割り箸

箸で食事する文化のない地域では、当然ながら調達が極めて困難です。
日本人としては、ちょっとした調理でも箸がなくては不便を感じる場面も多いでしょう。
3膳ほど持っていきましょう。
スプーン・フォークその他現地の食器は、現地や機内で使い捨てのものを容易に調達できるので、この「必要かつ最低限」のリストには含めていません。


・飲料用ポット

さまざまなペットボトル入り飲料を安価にコンビニで調達でき、どこの上水道の水も安全に飲めてそこそこ美味なのは、日本の特殊事情というべきです。
旅行先では、飲める水または飲料を持ち歩く習慣をつけておいたほうが安全です。
みわよしこ、日常の愛用品。

2-3 調理器具

・ヒーター(投げ込み式)+手元スイッチ

注意:
特に金属容器で投げ込み式ヒーターを使う際には、容器に発熱部分が直接接触しないように、くれぐれもご注意を。
「割り箸に紐でくくりつけ、液体中に発熱部分が『浮いた』状態にしておく」
「容器の底に、水に沈むニンジン・ジャガイモなどの食材を敷き詰めておく」
などの対策を講じましょう。


「コイルヒーター」「トラベルヒーター」などの名称で販売されている小型の投げ込み式ヒーターは、軽量でかさばらないので、荷物を少しでも減らしたい私は愛用しています。
安全に使いこなすには注意が必要ですが、あれば「容器さえあればお湯が沸かせる」ということになり、重宝します。
たとえば、無菌の水が入手できなくても、沸かして湯冷ましにすることができます。


ただ、繰り返しますが、安全な使いこなしは容易でありません。
「通電・加熱中に安全にプラグを抜く」「適切なタイミングで加熱をストップする」といったこと一つ一つに、いちいち細心の注意が必要です。
この問題は、スイッチつきの延長コードと組み合わせることで、かなり改善されます。


安全面で懸念されるさまざまな問題への対策が取られている上に、マルチボルテージ対応の製品も存在します。
安くはありませんが、新規に購入を考える方にとっては、第一の選択肢かと思います。

・ハサミ・ナイフ・缶切りなどの刃物

「100均」で文具として売られているようなステンレスのハサミは、一個持っておくことを強くお勧めします。
ナイフは「あったほうがよい」、缶切りは「缶詰を開けることが確実ならば必要」といったところでしょう。
まあまあ切れるハサミが一つあれば、たいていはなんとかなります。
ハサミは機内持ち込みできないので、手荷物として預けることになりますが、
「預けた手荷物が検査に引っかかったときに、痛くもない腹を探られて面倒くさいことに」
というリスクが比較的少ない刃物でもあります。
私、車椅子のバッテリーとか保守工具とか、個別検査されてしまう可能性の高いものをたくさん持ち運んでますから、かなりの頻度で荷物の個別検査を受けるわけです。
どうしてもナイフが必要な方は、日本から持っていくことをお勧めします。現地調達は困難なことが少なくありません。犯罪に使うことも可能な調理用ナイフや包丁が、そこらへんのスーパーやコンビニで売られているとは限りません。また、お金さえ出せば誰でも買えるとも限りません。

番外編・鍋と食器

キッチンつきの宿泊施設の場合、通常はキッチンに鍋や食器があります。
そうでなくても、食器となりうる容器は、食材やお惣菜のパッケージとして容易に調達できます。
このため、鍋と食器(箸を除く)はリストアップしていないのですが、メモとして。

定番・シェラカップ。
一つあれば何かと重宝します。
「鍋を兼ねられる食器を一つだけ持っていく」
という場面で最善の選択かどうかは疑問ですが、直火のコンロも使える点はポイント高し。
せめて、600ml程度の容量は欲しいところ。辛うじてですがインスタントラーメンも作れます。

下のリンクのように、台形を逆さにした形状で上が大きく広がっているシェラカップは、投げ込み式ヒーターとの相性が最悪です。
不安定だし、浅すぎるし。
そういう危険な組み合わせでの使用は最初から避けましょう。
空き缶を拾ってきて使う方がマシです。


シェラカップよりは、ホーローやステンレスの大きめのマグカップを一つ持っていく方が便利です。
インスタントラーメンを作れる大きさが理想です。
無理ならせめて、カップ麺のカップのサイズを目安に。
目安としては、せめて 350 ml 以上。


私は、余裕があるときにはステンレスの蓋付きビーカー(1000 ml )を持っていくようにしています。
便利ですよ。注ぎ口も目盛りもあるし。
別売ですがフタもあります。ジャポニカ米を入手できれば、日本風のご飯も炊けます。
キッチンサイエンス実験のために購入しましたが、旅行時にも活躍してもらってます。

別売のフタです。

キャンプの定番「コッヘル」のような、四角い軽量の鍋を一つだけ持っていくのも、手かもしれません。
私は試したことありません。投げ込み式ヒーターを使うには浅すぎるので。


番外編・日本的調味料

私は持って行きません。「ピクルスの素」として持っていく「すしのこ」だけが例外です。
「海外で醤油や梅干しが恋しくなった」
という経験は、これまで一度もないです。

・醤油

都市部ならば、ほぼ全世界のスーパーで入手可能です。
どうしても一定のグレードの醤油がないと生きていけない方には、「かめびし醤油」の粉末醤油が便利そうです。
ふだん、かめびし醤油を愛用しているので、この粉末醤油も使ってみたいです。
これまでと違う発想で醤油を使うことができそうです。


・梅干し

欧米の大都市圏の大手スーパーで普通に売られていたりします。
中国系移民の多い地域では、甘く味付けした干し梅も普通に売られています。
わざわざ日本から持っていく必要を感じません。

20代のときの私は、登山を愛好していました。
この時期は、疲労回復と塩分補給のために梅干しを必要としていました。
ふだん食べている自家製梅干しを割って種を抜き、乾燥させて持って行っていました。
どうしても「ウチの梅干しがないと生きていけない」という方のご参考までに。

・ワサビ・かつお節・納豆・海苔・漬物など

現地で無理なく入手できる薬味・旨味のもと・豆製品などなどを探すほうが楽しいですよ。
魚を日常的に食べる地域には必ず、魚に適したハーブが存在します。
ビーフジャーキーを削って「おかか」風にしてみるのも面白い。
豆料理・豆製品は、世界のほとんどの地域で各国各様の発展を遂げています。
海苔はどこにでもはありませんが、中国系・韓国系移民が多い地域なら、海藻の入手もそれほど困難ではありません。
漬物は……あのね、塩と砂糖持ってるんなら、自分で漬けましょうよ。
というわけで、これらも日本から持って行く必要を感じないのです。

番外編:「飽き」対策


キッチンつきドミトリーに宿泊している場合、実は調味料にはあまり困らないのです。
塩・胡椒くらいは備え付けてあります。砂糖はないこともあります。料理に砂糖使う民族は「あたりまえ」でもないですから。
以前の滞在者の置いていった調味料が「ご自由にお使いください」ということで置いてあったりもします。
問題は、通常のホテルで無理やり自炊している場合です。
毎度毎度
「茹でた野菜と肉に塩つけて食べる」
では、まあ、そのうち飽きますやね。
行きのフライトや昼食・外食で、小袋に入った調味料が出てきたら、ただの胡椒・どこにでもありそうなケチャップやマスタードであっても有り難く持ち帰って有効活用するわけですが、それでも一週間・10日となると飽きますやね。
まだ試したことないんですけど、この塩セットは、「飽き」対策の強い味方になりそうです。


番外編:日本から持っていった方がよいと思われる台所用品ベスト5(まだ試してません)

第一位 手つきのザル・茶こし・味噌こし・穴あきおたまの類

「さっと茹でたい」「火が通ったところで急冷したい」という場面は多いです。
何にでも使いまわせる可能性を考えると、深めの茶こしまたは味噌こし、ということになりそうです。

第二位 菜箸

あれば、料理の効率が全然違うでしょう。

第三位 アク取りシート

肉を煮たり茹でたりしてる鍋の表面に乗せておくだけでアクが取れる有り難いシート。
日本以外の国で見かけたことがありません。

第四位 大根おろし器(スーパーで100円程度で売られているプラスチック製のもの)

チーズや野菜をおろすためのグレイター的な調理器具は欧米文化圏ではポピュラーなのですが、「すりおろす」に適した調理器具は見かけません。
大根おろし器を一つ持って行っておくと、胃腸の調子が悪い時に大根おろし(ラディッシュは概ねどこにでもある)が作れるだけではなく、
「沸かしたお湯にジャガイモやタマネギの擦り下ろしを投入してポタージュに」
といった展開が可能になると思われます。

第五位 すり鉢・すりこぎ(該当製品なし)

大きめのご飯茶碗くらいのサイズ、プラスチック製で軽量、安定する工夫があり、しかも大人の食器として使えるデザイン……という旅行仕様のすり鉢があればいいのに、と思っています。「ニンニクを潰してソースに」など、さまざまに使えそうです。




 

障害者割引は「トク」なのか?

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私は身体障害者手帳(肢体不自由・二級)を所持しているので、公共交通機関で障害者割引(一種)を受けることができます。
先日、宿泊した民宿の玄関に車椅子を停めておいたところ、やってきたご近所の方が
「障害者だからって障害者手帳を錦の御旗みたいに出して、どこでも割引を受けて行きたい放題」
というふうにおっしゃっていました。私のことを言ったわけではなかったのかもしれませんが、私に言われているのと同じようなものです。そういうことは日常的に直接言われたり、間接的にいやみったらしく言われたりしてますからね。
私はそこに偶然通りすがったふりをして、ニッコリ笑って
「こんにちは、おじゃましてます」
とご挨拶しました。その方は、息を呑んで
「あ、あ、こんにちは」
というふうに言われました。
しかし、私が別室に去った後も、その方は障害者割引に対する憤懣をぶちまけておられました。 
そんなに障害者はトクをしているように見えるんですかね?
正直なところ、トクというほどのトクはしていない上に憤懣をぶちまけられて、損をしているような気がするんですけど。
というわけで、今回は交通運賃の障害者割引について書くことにします。

1. 障害者に対する運賃割引の適用条件・割引率は、各社まちまち

交通各社のホームページに記載があります。
ふだんの行動パターンによっては、障害者割引の恩恵はほとんど受けられない場合もあります。
必ずしも、「障害者手帳を見せれば何かいいことがある」というわけではないのです。

2. 障害者割引が適用されるのは運賃のみ(鉄道の場合)

JRの障害者割引は、1種の場合50%です。
しばしば
「健常者の半額で旅行できる、いいなあ」
と誤解されるのですが、障害者割引は特急料金や寝台料金等には適用されないのです。 
いくらか安くなるのは事実ですが、半額にはなりません。

3. 単独行動する障害者に対しては、障害者割引の適用条件は厳しい(鉄道の場合) 

一番厳しい(たぶん)JRの場合、一種となる障害者に対しては、確かに運賃は50%です。
しかし適用条件があります。
単独乗車の場合、100km以上の乗車が必要です。
介助者が同行している場合には、隣の駅までの130円(2013年12月現在)区間であっても半額になりますが、単独行動するナマイキな障害者には厳しいのです。なんでかなあ?
しかも、割引対象となる介助者は1人までなのです。呼吸器使用などで、常時2人以上の介助者が同行している場合にも、2人目・3人目……の介助者は運賃割引の対象となりません。
何を意図して、どういう考え方にもとづいての障害者割引なのか、なんとも理解に苦しみます。

ただ、この適用条件も会社による温度差があります。
つくばエキスプレスの場合は、単独乗車で隣の駅までの利用であっても障害者割引が適用され、運賃は半額になります(おかげさまで、筑波大時代は大変助かりました)。

4. バス・地下鉄の障害者割引は各社まちまち

東京近郊の場合、都バス・都営地下鉄・都電などの都営交通は、無料乗車券の交付を受ければ無料になります。でも杉並区在住の私、都営交通をあまり利用する機会がないんですよね。都バス走ってないし。
というわけで、無料乗車券の交付は受けていません。普通に料金払って乗ってますよ。
東京に旅行に来た障害者も、たぶん同条件のはずです。
「そもそもバスや地下鉄に乗り倒すことが目的」
「就活などで長期滞在する予定がある」
というのでない限り、わざわざ無料乗車券の交付を受けるようなことはないだろうと思います。
関東バス・西武バスは半額です。東京メトロには、単独乗車の場合の障害者割引はありません。

4. 航空機国内線の障害者割引は、そんなに安くない

ANA・JAL・SKYの障害者割引運賃は、通常運賃の60%です。一種の場合、介助者一人までは同額になります。介助者と二人で、通常運賃の120%。これが「障害者特権」に見える方は多いようです。
でも、あくまでも、通常運賃に対する割引です。この「60%」という比率は、概ね 株主優待割引+株主優待券の実勢価格 と同程度です。
各航空会社の用意している早期予約割引運賃・包括旅行割引運賃などの方が、ずっと安いのです。
そして、その割引運賃に対して、さらに「障害者だから、さらにお安く」ということはありません。
株主優待割引と同程度、それ以上に安くなるわけではない「優遇」は、羨ましがられるようなものなんでしょうか?

5.  航空機国際線には障害者割引はない

意外に知られてないんですが、国際線には障害者割引はありません。
障害者に対する「優遇」は
「(手荷物として預ける)車椅子の重量は、手荷物の重量のカウントに含められない」
程度です。
乗降機をスムーズにするため、乗機は一番最初にしてもらえることが多いんですが、降機は一番最後。これも優遇とはいえませんね。
一度だけ、ANAのカウンター職員判断で、プレミアムエコノミーにアップグレードしてもらったことがあります。修学旅行の高校生多数が一緒のフライトだったので、「優遇」というよりはトラブル・事故回避のためだったのではないかと思われます。乗りごこちは覚えてません。ひたすら爆睡してました。エコノミーでも爆睡できる私ですから。ただ、降機後になんともいえない疲労感を覚えました。身長158cmの私に、プレミアムエコノミーのシートは大きすぎるんです。

6. 海外の鉄道・バスの障害者割引は、あったりなかったり

私、あまり詳しくはないんですが、

・障害者は無料(ブエノスアイレス市バス)
・障害者割引運賃の設定がある(ニューヨーク市バス)
・そもそも障害者割引がない(米国で経験した鉄道・地下鉄)
 
など、さまざまなパターンがあるようです。
障害者割引がない場合も、背景にあるものは必ずしも「障害者を甘やかさない」といった日本人ウケする話ではなく、
「障害者の交通に関する予算は、障害者割引ではなく、障害があってもなくても問題なく利用できるインフラづくりに突っ込んだほうが有効」
といった判断であったりします。さらに、地元の障害者に対しては、無料パスが発行されている場合もあるようです。 

7. 障害者割引の利用は、結構面倒くさい

日本の場合は、障害者手帳の提示が条件です。
当たり前といえば当たり前ではあるんですが。
障害者手帳は、日本の障害者本人にとっては、パスポートに準じる重要な証明書なんです。
おいそれと出したくありませんし、紛失・盗難の可能性も減らしたい。
というわけで、だいたいはカバンの奥にしまい込まれています。人によっては、ふだんは携行していなかったりすることもあります。「指先が使えない」などの理由により、自力で出し入れ出来ないというケースもありますからね。すると、単独行動をしている限りは、障害者割引を受けられないわけです。通りすがりの人に出し入れしてもらうわけにもいかないし。
また精神障害者・知的障害者の場合、
「障害の種類を(手帳の種類によって)知られたくない」
「◯◯障害者であることを周囲の人に知られたくない」
というニーズもあります。ところが、
「バスの運転手に手帳を提示したところ、氏名のページをマジマジと見られた上に読み上げられた」
といったトラブルが結構あるんです。
私自身も、バスの運転手・地方のJRの駅員に
「障害者手帳の全ページをじっくり見られた」
という経験を持っています。必要ないでしょうが!
というわけで、写真つき・割引種別(一種または二種)記載の「障害者乗車証」といったものを、障害者手帳と別に発行してもらえると、大変ありがたいと日々思っています。

もう一つ。
JRの長距離路線で障害者割引を利用するときは

・本人が
・障害者手帳を持って
・「みどりの窓口」に行き
・申込時に全区間の旅程を確定する

が、一応は必須となっています(JR西荻窪駅は、何度も抗議したせいか、だいぶ弾力的になりましたが)。
出張前のドタバタしているときに、窓口で1時間も2時間も待たなくてはいけないこと、大変なストレスです。
でも、誰かに買いに行ってもらうこともできないし、ネットで申し込むこともできません。
「割引を諦めて時間を得るか、時間を支払って割引を取るか」
の二択となります。

8. 障害者手帳があっても、障害者の公共交通機関利用は結構面倒くさい

車椅子利用の場合は、このようになります。

・路線バス 
まず、停留所で停まっていただく必要があります。車椅子を見たとたんに、見て見ぬふりをして走り去られること、かなりの頻度であります。
車椅子スペースに乗客が座っていたら、その乗客に移動または立ってもらって、スペースを確保していただきます。ここでトラブルになったり乗れなかったりすることがあったりします。車椅子のために席を譲ることを絶対に拒む方が、少なからずおられるからです。高齢者であったり妊婦であったり。
さらに、スロープ(たいていは後ろドアにある)を出していただきます。
はっきり言って見世物になりながら、スロープを使って乗車します。
さらに路線(箱根登山バスとか)によっては、所定の手段で車椅子をがっちり固定します。
降りるときも、同様の手間が発生します。
バスにはなるべく乗りたくないので、私は3km程度だったらバスに乗らず、道路を走行します。

・高速バス
海外も含めて、スロープがあって車椅子ごと乗れる車両を見たことがありません。
トランクに車椅子を積んでもらっての乗車となります。
日本だと、乗せてもらうまでに交渉が必要な場合も少なくありません。
(米国の場合、障害を理由に乗車を拒むことはできないので、介助が必要なら介助が手配されます)。
また、車椅子を積めるサイズの車両が
「走っていることは走っているんだけど、一日一便」
ということも、ままあります。
こういう情報、聞けば教えてもらえるんですが、
「海外からも多くの観光客が訪れている観光地だから大丈夫だろ」
と甘く見ていると、痛い目に遭います。

・鉄道
まず、有人窓口で「乗せてほしい」と意思表示します。
原則、最終的な降車駅までの介助の手配がついてはじめて乗車可能になります。
駅員さんにスロープ板を出していただいて乗降車します。 
地方路線では、数日前に申し込んでおかないと乗れない場合もあります。
また、階段しかない駅で使用される車椅子昇降機は、スリルとサスペンスありすぎる代物です。障害者が重傷を負った事故も発生しています。

・ 航空機
最低でも、出発時刻の40分以上前にチェックインする必要があります。
日本の航空会社は「40分前」としていますが、実際には40分ではギリギリ。何かトラブルがあると間に合いません。それで次の便になることも。次の便があればいいんですが、ないと大変なことになります。
よほどのことがない限り確実に乗れるチェックインタイムは、

国内線 出発の1時間前
国際線 出発の2時間前

となります。
私は
「国内線なら出発1.5時間前、日本発の国際線なら出発3時間前、海外発の国際線なら出発4時間前」
を、空港に到着する時刻の目安としています。時間が余るぶんにはいいんですが、その余った時間の有効活用が課題となります。というわけで、「プライオリティパス」などを駆使してのラウンジ利用が必須となります。電源を確保して、PCを充電しておかないと、機内でヒマを持て余すことになりますから。
話がそれました。航空機に乗る話の続きです。
車椅子を手荷物として預け(ついでに手荷物を預け)、空港で用意されている車椅子に乗り換えます。
セキュリティチェックは、警備スタッフの手によって行われます。米国などでは、ケツの下にヤクを隠し持っていないかどうかのチェックも行われます。
しかも移動は、慣れない(航空会社の)車椅子。
これだけ悪条件が揃えば、時間もかかります。
というわけで、健常者から見たらありえないほど早くチェックインしておかなくては危ないわけです。
ついでに言えば。
フライトの前後に余分な時間がかかるということは、しばしば、一泊・二泊が多く必要になるということです。
運賃に割引がなく、宿泊が多くなるとなれば、宿泊料を圧縮するしかありません。
というわけで、ユースホステルが第一の選択肢。食事はなるべく自炊。そういうスタイルにならざるを得ないのです。

8. 障害者割引を受けなくても、駅スタッフ等の介助を受けなくても、障害者の交通機関利用は面倒くさい

比較的近年に営業を開始した「ゆりかもめ」「つくばエキスプレス」「富山ライトレール」、当初からバリアフリー化を強く意識していたと思われる福岡市営地下鉄など、車椅子での自力乗降車が無理なく可能な(「つくばエキスプレス」は若干コツが必要ですが)路線は結構あります。東京メトロ丸ノ内線も、車両によっては車椅子での自力乗降車が大きな無理なく可能です。
ところが、インフラは車椅子族の自力乗降車が可能なように、車椅子族が健常者と同じように移動の自由を享受できるように作られているにもかかわらず、駅係員が粘着的に介助や監視を行う路線があります。
……私は新橋駅や国際展示場駅で「ゆりかもめ」を利用するたびに、駅係員に介助されないために、バトルを繰り広げています。駅係員に見つからないようにしないと面倒なので、障害者割引も利用せず、ICカードで健常者同様に自動改札を通ります。なのに、毎回、不要な介助を押し付けられようとし、拒んだら監視されるのです。特に新橋駅は始発駅ですから、車椅子族の乗り降りが運行の妨げになる可能性は非常に少ないのですが、毎回毎回、新橋駅でバトルになります。理解に苦しみます。こちらは
「乗降車に介助も見守りも必要ないです、障害者だからといって何かをお願いしているわけではありません、だから健常者の乗客と異なる扱いをしないでください」
というだけなのです。ちなみに「ゆりかもめ」は数年前まで、多目的トイレが施錠されており、駅係員にお願いして開けてもらわなくては利用できない路線でもありました。

9. 障害者タクシーチケットは「おいしい」か?

私は、杉並区から一ヶ月あたり8000円程度のタクシーチケットを交付されていますが、あまり使っていません。
利用条件が、私の生活にあまりマッチしていないからです。
杉並区のタクシーチケットは、東京23区+武蔵野市+三鷹市 から乗車する場合にのみ使えます。公共交通機関では行きづらいところに行くとき、行きには使えるけど帰りは使えないということです。どちらかというと、帰り(何かの都合で遅くなって終電をのがしたとか)に使いたいのですが、そういうケースは想定されていないということです。また、公共交通機関が発達していない地方でも使いたいのですが、そういうケースも想定されていないのです。
なぜこういう制約があるんでしょうか。全国共通でいいじゃないですか。理解に苦しみます。
「不正利用の可能性があるから」
とかいうんでしょうか? 地域を限定しても不正利用されるときにはされますよ。
「居住地の近くで使うべきだから」
とかいうんでしょうか? だったら、子どもたちの家をたらい回しされている高齢者の場合はどうなるんでしょうか?
話がそれました。
私がタクシーチケットを利用するのは、

・遠隔地から東京(羽田空港とか東京駅とか)に深夜に帰ってきて、その日のうちに杉並区の自宅にたどりつきたい時
・何らかの事情(台風・大雪など)があり、徒歩30分~1時間程度の移動を日中に行う時。この場合は介護タクシーを利用(一般のタクシーはつかまらないため)。30分で5000円ほど。日中でなければ移動そのものを断念する。介護タクシーの営業時間はだいたい9:00-17:00。

のどちらかに限定されます。
そして、うっかりと「世間」代表のつもりでいる知人にそれを話してしまい、
「そんなことのために羽田空港から杉並区まで公費でタクシーに乗るなんて! 税金の無駄遣い! 障害者許せん!」
「そんな日に出歩くからいけない! その日に厚労省の生活保護関連の会議がある? 生活保護問題について書くからいけない!」
といった攻撃を受けたり、受けないまでも不快な表情を示されたり、それが遠因となって結局は絶交することになったりするのです。
では、タクシーチケットを使わなければいいんでしょうか? 使わなければ「不要なんですね?」と減らされますよ。杉並区では既に、新規交付を少しでも遅らせる方向で運用されています。だからここは、どんな非難にもめげず、使い切る努力をすべきところなんですが……この使いづらさ、なんとかならないものでしょうか? そして、使ったら使ったで非難されるわけです。

10. 障害者手帳制度って、先進国としてどうなんでしょうか?

日本独特の障害者手帳制度と、障害者手帳と紐付けられた障害者割引は、国際交流の妨げにもなっています。
海外からくる障害者が日本の障害者手帳を持っているわけはなく、したがって障害者割引の対象にもならないからです。
駅の券売機で障害者マークを見た外国の障害者に「あなたは使えないんだ」と説明するときの情けなさといったらありません。私は海外の交通機関で、その国の国籍も、その国の障害者に対する証明書も持っていないのに、利用に関して困らされた経験が一度もありませんから。
同じことを、日本に来る外国の方にも経験していただきたいのに、日本の制度は、それを支える日本のマジョリティは、そんなことを許す気がないようです。

以上10点。いかがでしたでしょうか?
思った通りでしたか? 意外でしたか?

交通運賃の障害者割引は、障害者が障害によって背負わされる膨大なハンディキャップを、気持ちばかり埋めている程度のものでしかありません。
「でも障害者には障害年金が」
と言う方もおられそうです。
それも含めて、多大なハンディキャップがある状態を、ハンディキャップがない状態に少しでも近づけることの何がいけないのでしょうか?
ハンディキャップがなくなったところで、健常者より優遇されるわけではありません。やっと、同じスタートラインに立てたり、少し遅れたスタートラインに立てたり、若干のハンディキャップとともにスタートできたりするだけのことです。
障害者がトクをしてるんなら、障害者の平均年収は健常者より上になっているはずです。
しかし現状、障害年金・作業所での収入・生活保護があっても、健常者の「ワーキング・プア」にも満たない収入しか得られない障害者が大多数です。

これでも、障害者手帳は「錦の御旗」なのでしょうか? 
障害者割引は「トク」なんでしょうか? 
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