猫と食事と西荻窪、ときどき旅する車椅子

ライター・みわよしこの日常つれづれ話



学校

「考える人間」に育つには? (2)学校教員たちへ

の続編です。

私は、
日本の学校教育を「子どもに与えたい教育」とは
考えていません。
しかしながら、
日本で生まれ、日本で育ち、日本の学校に通い、
今すぐに日本を飛び出せる当てがあるわけでもなんでもない我が子に対しては、
現状と折り合いつつ自分の将来を考えられるように
ヒントを与え、環境を整備することを続けざるを得ないと思います。
それが前編でした。

では、学校や教員に対しては?
私、一応、教員免許(高校理科専修・中学理科一級)を持ってて、
まだ無効にはなってません。
また、専門学校非常勤などの教員経験もあります。
その立場から、学校・教員サイドに質したいことは、やはりあるのです。

・目の前の従順そうな生徒が、
 「無味乾燥な知識を無意味に暗記させられる」と考えている可能性について、
 どのくらい考えていますか? 
 
・たとえば、あなたが理学部物理学科出身であるとして、
 「物理、なにそれ、嫌い」と言っている低学力の生徒に
 どう接したいですか? 
 「教えることを(実質的に)断念する」以外に
 行動の選択肢を持っていますか? 
 その生徒たちは、その後の一生で二度と、
 物理に触れないかもしれないんですよ。
 人生最後かもしれないんですよ。
 その可能性を考えていますか? 
 (そこらへんに想像が及ばず、対策しない教員が多かったから
  物理の選択率が下がって、
  物理科の教員採用が激減したんでしょうが!)


・団体行動は、それ自体は出来ないより出来たほうがいいんです。
 巧くできるに越したことはないんです。
 では、
 「団体行動する」「集団の和を乱さない」「秩序正しく行動する」と、
 「生命を守る」「健康を守る」「安全を守る」の優先順位の関係はどうですか? 
 相容れない場合、摺り合わせられますか? 
 摺り合わせ方法や方針は? 判断基準は?
 (参考:石巻市・大川小学校事件)


しかしながら、学校に問題がたくさんあるとはいえ、
日本で学校に通い、問題意識を持てる子どもの立場は、
やはり社会全体から見て
「恵まれている」
と言わざるを得ません。
自分の立場をどう考えるか。
続編は、ふたたび、子どもへのメッセージです。 

「考える人間」に育つには? (1)我が子へ:「日本の学校教育」というものに対して

「日本の学校は、考えない人間を5つの方法で生み出している」 

が、身近でちょっと話題になっています。
まず、話題になっている部分を引用します。

教育の現場では、どうやって子供たちを考えさせないようにしているのだろうか。それには、次の5つによって、成し遂げられている。
(1)暗記を押し付けて「考えさせない」
(2)苦手を押し付けて「考えさせない」
(3)制服を押し付けて「考えさせない」
(4)規則を押し付けて「考えさせない」
(5)団体行動を押し付けて「考えさせない」
暗記をひたすらやらせると、考えるヒマがない。だから、学校は考える余裕がなくなるほど、暗記させる。
暗記教育が悪いわけではないが、暗記重視によって考えるという部分が消失してしまうようにしているのは問題だ。
得意を伸ばさず、苦手を克服するように仕向けるのも、考えさせるのを嫌にするための手法だ。
誰もが苦手なものを考えるのは苦痛だが、その苦痛を押しつけることによって、考えることそのものを苦痛にしてしまう。その結果、誰も考えなくなってしまう。
制服を押しつけるのも、個性を殺して「考えさせない」ための有益な手法である。
細かい規則を守らせるのも、団体行動を強制するのも、すべて「考えさせない」で「従わせる」ためのものなのである。学校が馬鹿げているほど細かい規則を守らせるのはなぜか。

究極的には「何も考えず、黙って従う」人間を作り出すためだ。日本の学校は、考えない人間を5つの方法で生み出していると言っても過言ではない。 

ほんとかなー?
学校教育を供給する立場の人々の一部に、
そういう意図「も」ないとは言わないけど。


私は人間の子どもを持ったことはありませんが、
「我が子」ということにしている猫が、延べ4匹おります。
現在存命中の猫は、16歳女子と5歳男子。
もし、16歳女子の摩耶が人間の高校1年生で、そういうことを言い出したら?
私は以下のように言って聞かせたいと思います。

「おかーさんも、日本の学校教育に問題が多いことは確かだと思う。
 『考えない人間』量産システムという側面も、確かにある。
 でもさ、そんなことで『考えない人間』になってしまう人は、
 どんな結構な環境があっても『考える人間』にはなれないと思うよ。

 暗記して頭に入れておくこと、日本的な『お勉強』のスキルと実績は、
 どこに行っても必要だよ。
 考えるためには、ある程度は覚える必要がある。
 覚えることは考え始めるきっかけでもある。
 『考える』『覚える』を別物のように考えることには、おかーさんは反対だな。 
 
 苦手科目とか嫌いな科目とかって、あるよね。
 おかーさんも、あったさ。
 中学1年で数学落ちこぼれ、中学3年で英語落ちこぼれ、
 大学では、物理落ちこぼれ。
 ……え? なんでそんなに、もともと丸い目を真ん丸にしてるの?
 物理学科に行って物理落ちこぼれるなんて? って?
 よくある話よ。
 高校生が考えてる大学での勉強と、大学の勉強は違うからね。
 (実話。解析力学以外は苦手だったんですよ。
  数学と英語は大学では非常に得意だったので、
  大学院入試は何とかなりましたけど)
 
 でもさ、苦手なことにも、ちょっと触れてみるくらいの機会はあったほうがいい。
 案外、食わず嫌いなだけかもしれないし。
 『この先生嫌い』が『この科目嫌い』になっているという残念な話かもしれないし。
 将来、やりたくなってやり直したら、
 今、下地が少しでもあるぶんだけ、スムーズに出来るかもしれないし。
 
 制服や規則、ナンセンスでイミフなものが多いよね。
 おかーさんの通った高校にも、
 『制服のスカート丈は床から33cmのこと』
 というイミフな校則があったさ。
 でもさ、それって『なぜ?』『背景は?』を考えはじめる重要なきっかけにもなるでしょ?
 なぜ『膝が隠れる丈』ではなくて『床から33cm』なのか。
 どういう成り行きで、そういう校則になったのか。
 ……あ、摩耶、今着てるその高校の制服、着替えてらっしゃい。
 ここは家なんだから。学校じゃないんだから。
 着替えてきたら、おやつにしましょ。いつもの煮干しでいい?
 (私の高校時代のおやつは、煮干しでした。猫と一緒に食べてました)
 
 団体行動、どうしても苦手って子もいるよね。
 おかーさんも超苦手だったよ。
 摩耶もネコ科だから苦手そうだよね。
 でもさ、団体だから出来ることってのもある。
 だから、団体との最低限の折り合いのつけかたは
 早く身につけておいたほうがいいよ。
 協調も同化も埋没もしなくていいよ。
 摩耶なりの折り合いがつけられればいいんだよ。

 折り合いをつけるのも無理そう?
 (ああ、娘が高1になるまで気づかなかった自分のバカバカ!)
 だいじょうぶ。団体に属さなくても死にゃしない。
 おかーさんを見たらわかるでしょ。
 ……え? 
 『ふーん、だからウチには、いつもお金がないんだ』
 って? あはははははは。

 うん、今のところ、日本では、
 大きな会社、大きな群れに混ぜてもらって
 そのままでいるのが一番稼ぎやすいわけ。

 だから、群れないで生きるんだったら、
 群れずに済むだけの何かを持たないとね。

 学校に行く代わりに、
 朝から晩まで熱中できそうなことは何かあるかい?
 
 おかーさん、大して稼いでないけど、応援するよ。
 あ、高校は通信制か高検でいいから卒業しといてね。

 良かったじゃないの。
 学校に行ったおかげで、
 団体行動に向かないってことが、はっきり分かったんだから。
 (……ああ、
  中学までで自殺に追い込まれるようなことがなくて、よかった!)」


でもね。
母親としては。
子どもが学校に通っていたら、
日本の学校に対して言いたいことがないわけはないですよ。

というわけで、続編に続きます。
 
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著書です(2009年-)
「おしゃべりなコンピュータ
 音声合成技術の現在と未来」
(共著 2015.4 丸善出版)


「いちばんやさしいアルゴリズムの本」
 (執筆協力・永島孝 2013.9 技術評論社)


「生活保護リアル」
(2013.7 日本評論社)

「生活保護リアル(Kindle版)」
あります。

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(中嶋震氏との共著 2013.3 丸善ライブラリー)


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(共著 2009.10 技術評論社)

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