猫と食事と西荻窪、ときどき旅する車椅子

ライター・みわよしこの日常つれづれ話



旅行

[旅する車椅子]旅行の荷物整理、リーサルウェポン現る?

旅行の荷物整理、特に衣類やアクセサリーなど不定形なものの整理は、どなたも悩みどころと思われます。
「レジ袋最強」という声も多数ありますが、ドミトリーなどの相部屋利用の多い私は、どうもガサガサ音の出るものは避けたい。
というわけで、長らく悩んでいましたが、どうも最終回答になりそうなものが見つかりました。
「100均」の洗濯ネットです。
別に100均でなくてもいいんですけど、100均は小さいサイズの洗濯ネットが充実してるんですよね。

中身がある程度見えるし!


まるでスカーフやアクセサリーのために作られたかのような間仕切りつきのもあるし!  
本来の用途は、レースの下着のようなデリケートな衣類を洗うことのようですが。




市販されてるパッキンググッズもいろいろ使ってみたんですが、どうも「100均の洗濯ネット」以上に使い勝手良いものは見当たりません。
しばし、洗濯ネットでのパッキングにハマってみることにします。



[旅する車椅子]2013年夏に欲しかったブエノスアイレス情報

2013年夏、私はWFMH日本支部から助成金をいただき、ブエノスアイレスで開催されたWFMHの世界大会に参加してきました。
助成金の総額は、健常者なら問題なく利用できる安めの個人ツアーと同額でした。
当時の我が家は、キャンセルしたら全額が戻ってこないツアーは利用できない事情がありました。というわけで、フライトと宿泊は別途確保。
フライトは、私の知る限りは最も車椅子への対応が安心できるANAさん+提携航空会社 にお願いすることにしました。提携先のフライトでは、ANAさんから必要な対応を申し送っていただき、なんのトラブルもありませでした。
問題は宿泊でした。ブエノスアイレスのホテルやドミトリーのバリアフリー情報が、そもそも非常に少ないのです。
「バリアフリーです」と明記してある一部高級ホテルは存在するのですが、価格面で論外。
といって、「ごめんなさい、車椅子では無理です」と明記してあるホテルが存在するというわけでもありません。
困りました。 

  • 困ってしまってH.I.Sさんに相談、そして解決
とりあえず H.I.Sさんのサイトで、「写真に映っている範囲ではなんとかなりそう」と思ったホテルを予約し、備考欄に「車椅子利用です」と書いておいたところ、翌日、お電話があり、「このホテルは車椅子対応ではないということです」。入り口に4段ほどのステップがあるとのこと。そりゃ確かに無理です。
そのホテルはキャンセルしていただくしかなかったです。行っても泊まれないのでは、ね。
「何日かお時間いただきますが、現地スタッフに調べてもらうことはできます」
ということなので、当方の必要とする情報(バリアの内容と程度(たとえばステップが1段あるとして、高さは何cmなのか)とともに、お願いしました。「現地スタッフ」といっても常駐しているわけではなく、「アテンドを必要とする日本人が行く」などの必要に応じて契約する方のようでした。
数日後、ホテル情報を知らせる電話とともに、「電話で今予約を受け付けることもできますが、ネットで予約していただいたら、もっと安くできますよ」とのことでした。
私は、いただいた候補の中からホテルを選び、安全に快適に、充実したブエノスアイレス滞在を楽しみました。
H.I.S.さん、あのときは、どうも。今も感謝しています。
 

  • 自転車のタイヤ情報は得られず、代わりにお説教と中傷が
 
一方でこのとき、私はブエノスアイレスの自転車のタイヤに関する情報がわからず困っていました。自分の車椅子のチューブのバルブは米式です。ポンプは持ち歩いているものの、チューブの空気が抜けた時に自力で入れられない私にとっては大問題です。
現地ブエノスアイレスで使われているバルブの主流は何式なのでしょうか? 路面の状況はどうなのでしょうか? ノーパンクタイヤにしておく必要があるのでしょうか? まったく、情報が得られませんでした。
私が知りたかったのは、「ブエノスアイレスの街中の普通の自転車屋さんは、米式バルブに対応可能ですか?」だけです。ごくごく簡単な話です。
ツイッターで尋ねてみたところ、「車椅子なら、障害者を対象にしている旅行代理店にお金を払って依頼すべきだ」というお説教。「そこまでの経済力はない」と答えると、「なら行くな!」とのお返事。車椅子と言わず、自転車と言っておけばよかったのでしょうか? 「現地の障害者団体に問い合わせる」という知恵は、その時は沸きませんでした。
結局、自転車レースの熱烈なファンである友人の医師が「バルブのアダプタを持っていけばよいのでは?」とアドバイスしてくれました。
 
なお現地は、表通りといえども歩道はボコボコ、深さ数十センチメートルの陥没があちこちにあり、夜間に青少年が落書きをしたりガラス瓶を割ったりするものだから、ガラスの破片があちこちに。なにしろ若年失業率が20%超。そうもなりますわな。
滞在中は一度も、タイヤのトラブルはなかったのですが、NYCでフライトを乗り換えようとしたらガラスの破片が突き刺さっており、抜いたらしっかりパンク。まあNYCなら「セントラルパークの貸し自転車屋さんのあたりまで行けば、なんとかなる」です。幸い、それだけの時間はありました。
セントラルパーク近くの自転車屋さんに、車椅子用の特殊チューブはありませんでしたが(そりゃそうだ)、代用できるチューブの在庫はありました。かくして私は、JR西荻窪駅から住まいまでの行程を、パンクしてない車輪で安全に帰ってくることができました。でもこれ以後は、予備チューブを持ち歩くようにしています。


  • まだ障害者になっていない健常者の方へ

障害者が必要としているのは、「障害者だからといって特別扱い」であったり、あるいは「障害者に対する完全な対応」といったものではありません。
たとえば障害者が旅行したりお店などを利用するにあたって、「完全バリアフリー」を求めているとは限りません。「今どき、新規に建造される大規模建造物にわざわざバリアが」は大変困りますが、古い街や古い建物も数多くある日本で、物理的な「どこもかしこも完全バリアフリー」を実現するのは、少なくとも向こう数十年レベルでは非現実的すぎます。それを最もよく知っているのは、街や交通のバリアフリー化を求めてきた障害者運動家自身ではないかと思われます。
私自身についていえば、「完全バリアフリーではないようだけど、バリアの内容と程度は?」が事前に判明すれば、それで済む話であることが実に多いのです。

「障害者を排除したいわけではないけれど、何をどうすれば排除にならず、なおかつ自分が責任を問われたりしないのか?」
といったことで誠実に悩まれている方々は、ぜひ障害者本人に、
「どういう情報があれば、あなたが判断できるのですか?」
と聞いてみてください。  
「明確に」か「こっそりと」かは別として、障害者を差別して排除したい方には、私は「変わってほしい」「何かしてほしい」とは思いません。ただ、「あなたはまだ、障害者になっていないだけだ」とだけ申し上げておきます。

大人の数学やりなおし:年末年始、旅行者はどのように増えたのか?

アベノミクス下で、景気は上向いたと言われています。
一方で、格差は拡大したとも言われています。
私の身辺には、両方に関連するストーリーがあります。

電機業界の多重下請け構造の比較的末端近くで
自営業を営むY氏は、
安倍政権成立後、「動きが出始めた」と喜んでいました。
そして、数多くの新規案件を受注し、
今は「忙しい」と嬉しい悲鳴をあげています。
アベノミクス以前の数年間は動きが極めて鈍く、
Y氏は廃業も視野に入れざるを得ない状況にありました。 
(そして、生活保護削減に賛成するY氏と私は
 大変な喧嘩をし、絶交しました)


一方で、生活保護基準は引き下げられました。
私の数多くの友人・知人たちの生活が苦しくなりました。
その人々は、直接の生活保護当事者であったり、
いわゆる「ワーキングプア」であったりします。



本当に「景気の悪い」時期には、
年末年始やお盆といえども、都心の人影はそれほど減りません。
しかし、2014年の年明け前後、
少なくとも西荻窪駅周辺の人口は、
2013年の年明けに比べれば少なかったと感じられました。 

報道でも、この年末年始には約3000万人が旅行したと報じられています。「見通し」ですが。
JTBがこのほど発表した年末年始(2013年12月23日―14年1月3日)の旅行動向によると、国内旅行人数は前年同期比2・0%増の2983万1千人、海外旅行人数は同2・1%増の69万5千人とともに過去最高を記録した。11年ぶりに最大9連休となる日並びの良さと、冬の賞与増が旅行意欲を後押しする見通しだ。また、世界遺産登録された富士山周辺地域への来訪者の増加が見込まれる。同動向はJTBグループの販売状況、航空会社の予約状況、業界動向、1200人へのアンケート調査などから推計した。
 (旬刊旅行新聞 「国内、海外とも過去最高、(JTB年末年始旅行動向)」 による)

この年末年始には、主に
「賞与」と関係のある会社員とその家族が旅行したということなのでしょうか?
むむむむむ?



一方で、私の感覚は、それともまた異なる事実を拾い出します。
経済的に恵まれているとは言えないけれども、
必要であれば取材や調査などの旅行に行く人々が、
私の周辺には、自分自身を含めて数多く存在します。
その人々が異口同音に語るのは、
「安宿が取りづらくなった」
ということです。
日本国内では、朝食を含めて一泊5000円以下の安宿は、
1~2年前に比べると取りづらくなっている実感、
私にも確かにあります。
取材旅行ばかりで、むしろ休前日の宿泊がほとんどない私の場合、
「取れない」ということは少ないのですけれども。
もしかすると
「ちょっとだけ可処分所得が増えた」
という人たちの、安宿を利用しての旅行が増えているのかもしれません。



ここで、前掲記事をもう一度見なおしてみましょう。
費用に関しては、このような記述があります。
国内旅行の平均費用は同3・9%増の3万2千円を予想する。
ん? ずいぶん慎ましい感じが。
 海外旅行の平均費用は同4・8%増の21万7千円としている。

オフシーズンでも、
「ヨーロッパ往復+下の上~中の下程度のホテルに5泊」
といった旅行には、
通信費・食費などの雑費を含めれば、20万円程度の費用は必要でしょう。

年末年始の料金設定が通常期より高額となっていることを考えると、
これは「ケチケチ旅行」と言っても良さそうです。
安宿・LCC・割引料金などを駆使することが得意な旅行者だったら、
たとえば
「2泊3日の九州旅行(東京発)を3万円で」
「7泊8日のヨーロッパ旅行(成田発)を20万円で」
は、年末年始といえども不可能ではないでしょう。
「お金持ちじゃないけど、ちょっとだけ可処分所得が増えた」
という人たちの旅行が増えたのだという説には、
一通りの「もっともらしさ」はありそうです。
でも、平均値だけでは全体のトレンドは分かりません。

「年末年始の東京都区部の人影」 と
景気動向・格差化の状況を結びつけて考えるには、
さらに数多くのデータが必要です。
たとえば、約3000万人の旅行者たちは、一回の旅行に何人で何円使うのでしょうか? 
人数や費用の分布はどのようになっているのでしょうか? 
平均値ではなく最頻値はどうなのでしょうか?

とりあえず、報道されている少ないデータと
自分自身の感覚の違いに敏感になるだけで、
問題意識は、少しだけ研ぎ澄ませることができます。

最後に拙著のコマーシャルです。
大げさでなく、小学校算数が分かれば読めます。
きっと、こんなふうにデータから論理的に考えてみることのお役ににも立つと思います。
 
 

旅行の荷物、必要かつ最低限とは (2)調理用具

私は、旅先の市場やマーケットで現地の食べ物を購入して料理するのが大好きです。
そもそも滞在コスト削減のために、キッチンつきのドミトリーなどを選ぶことが多いのでもあります。
料理が趣味であったり、コスト削減のために自炊を余儀なくされているのでなくても、
ちょっとした調理器具は持っておいたほうが便利です。
何がどれだけあれば充分でしょうか?

というわけで、今回は旅行時の調理器具についてまとめてみます。
過去記事
・旅行の荷物、必要かつ最低限とは (0)総論 荷物の分類

・旅行の荷物、必要かつ最低限とは (1)必需品、日常生活用品
もご参照ください。

2. 調理用具
2-1 調味料・小物

・最低限持っておくべき調味料

食塩(できれば分包)、砂糖(分包)、粉末無水クエン酸(できれば分包)

調味料として使えるのはもちろんのこと、食塩と砂糖とクエン酸があれば、脱水しそうな時に経口補水液を作って飲むことができます。また、疲労時のエネルギー補給にも役立ちます。
食塩の分包製品は食品業界向けに存在しますが、一般的には入手困難です。下の写真のような小型のファスナーつきポリ袋に自分で分包(大さじ一杯・小さじ一杯など使いやすい量で)します。50 g 程度あれば充分かと思われます。
もちろん、日本専売公社の食塩でなくてはならない理由はありません。どうぞ、藻塩でも粗塩でも岩塩でもなんでも、お好みの塩を。
食塩が販売されていない国や地域はありません。食塩がないと人間死にますから。でも、100 g 以下の少量をリーズナブルに入手することが可能とは限りません。
それに、体調が悪いと感じている時に「買い物に出かけて食塩を調達する」と「さっさと経口補水液を作って飲んで寝る」のどちらの行動を取りたいですか? 
というわけで、使いやすいポーションで持っていくことを強くお勧めします。



砂糖はスティックシュガーを持っていきます。先進国の都市部に出かけるのであれば、3~5 g のスティックシュガーが10本ほどあれば充分でしょう。目安としては、経口補水液1リットル分。
砂糖は、コーヒーショップでもハンバーガーショップでも、簡単に無料で調達できます。大量に持っていく必要はないでしょう。何回も経口補水液を作って飲まなくてはならない事態に陥りそうだったら、こじれる前に病院に行くべきです。

粉末無水クエン酸は、どこの薬局でも安価に売られていますし、分包タイプのものもあります。10 g 程度あれば充分でしょう。レモンやライムが入手できるのならば、出番はないわけですから。
一応、食品添加物グレードのものをお勧めしておきます。私自身はこだわってませんけど。


参考:一般的な経口補水液のレシピ
砂糖40g(上白糖で大さじ4.5杯)、塩3g(小さじ0.5杯)を水(できれば湯冷まし)1リットルに溶かす。柑橘類の果汁やクエン酸で酸味をつけてもよい。保存性はないので、作ったらさっさと飲むこと。

・あれば役に立つ調味料

・タマノイ酢「すしのこ」

旅行先の自炊では、生野菜を継続的に摂取できる環境づくりに苦労する場面が多いです。
生で食べられる野菜を適宜刻み、「すしのこ」をまぶしてポリ袋に入れて封をしておけば、気温にもよりますが、数日の保存に耐える簡易ピクルスができます。
ちょっと甘すぎるところが難なのですけど、こと旅行先では食味より防腐効果を優先してもよいかと。


・ジンジャー粉末

「おや、風邪気味かな?」と思った時、温かい飲み物やスープにジンジャー粉末を入れて飲み、身体を冷やさないように寝て予防。



・小道具類

・ポリ袋

日本では、どこのスーパーでも薄手の透明ポリ袋を無料で調達できますが、海外ではそんなことはありえないと考えておいたほうがよいでしょう。
もちろんスーパー等で購入することは可能なのですが、最小単位が100枚であったりします。
かさばるものではないので、10枚ほど持っていきましょう。
お湯さえ沸かせれば、料理はできます。
「ポリ袋に調味した食材を入れて袋ごと煮る」という方法をフル活用すれば、「一つの鍋で同時に数日分のおかずを作る」といったことも可能です。

・ファスナーつきポリ袋

「ジップロック」のようなポリ袋が大小合わせて10枚ほどあると重宝します。
できれば、底にマチがあって自立するタイプを。


・ペーパータオル・アルミホイル

ペーパータオルやアルミホイルを現地で必要な量だけ調達するのは、容易でありません。しかも、代替できるものはありません。
ふだん使っているものを、使いやすいサイズにカットして10~20枚程度持っていきます。特にペーパータオルは濡れたら用をなさないので、ファスナー付きポリ袋に入れておくなどします。

・大型の「だしパック」

日本以外の国で販売されているのを見たことがありません。
「お茶や水出しコーヒーを大量に作って、ポットに入れて持って行きたい」
「通常はザルを使って行うような湯通し・湯がきをしたい」
「お湯やスープの中で、小さな食材を飛び散らせずに加熱したい」
など、様々な場面で威力を発揮してくれます。
大は小を兼ねるので、大型のものを10枚程度持っていきます。

2-2 食器

・割り箸

箸で食事する文化のない地域では、当然ながら調達が極めて困難です。
日本人としては、ちょっとした調理でも箸がなくては不便を感じる場面も多いでしょう。
3膳ほど持っていきましょう。
スプーン・フォークその他現地の食器は、現地や機内で使い捨てのものを容易に調達できるので、この「必要かつ最低限」のリストには含めていません。


・飲料用ポット

さまざまなペットボトル入り飲料を安価にコンビニで調達でき、どこの上水道の水も安全に飲めてそこそこ美味なのは、日本の特殊事情というべきです。
旅行先では、飲める水または飲料を持ち歩く習慣をつけておいたほうが安全です。
みわよしこ、日常の愛用品。

2-3 調理器具

・ヒーター(投げ込み式)+手元スイッチ

注意:
特に金属容器で投げ込み式ヒーターを使う際には、容器に発熱部分が直接接触しないように、くれぐれもご注意を。
「割り箸に紐でくくりつけ、液体中に発熱部分が『浮いた』状態にしておく」
「容器の底に、水に沈むニンジン・ジャガイモなどの食材を敷き詰めておく」
などの対策を講じましょう。


「コイルヒーター」「トラベルヒーター」などの名称で販売されている小型の投げ込み式ヒーターは、軽量でかさばらないので、荷物を少しでも減らしたい私は愛用しています。
安全に使いこなすには注意が必要ですが、あれば「容器さえあればお湯が沸かせる」ということになり、重宝します。
たとえば、無菌の水が入手できなくても、沸かして湯冷ましにすることができます。


ただ、繰り返しますが、安全な使いこなしは容易でありません。
「通電・加熱中に安全にプラグを抜く」「適切なタイミングで加熱をストップする」といったこと一つ一つに、いちいち細心の注意が必要です。
この問題は、スイッチつきの延長コードと組み合わせることで、かなり改善されます。


安全面で懸念されるさまざまな問題への対策が取られている上に、マルチボルテージ対応の製品も存在します。
安くはありませんが、新規に購入を考える方にとっては、第一の選択肢かと思います。

・ハサミ・ナイフ・缶切りなどの刃物

「100均」で文具として売られているようなステンレスのハサミは、一個持っておくことを強くお勧めします。
ナイフは「あったほうがよい」、缶切りは「缶詰を開けることが確実ならば必要」といったところでしょう。
まあまあ切れるハサミが一つあれば、たいていはなんとかなります。
ハサミは機内持ち込みできないので、手荷物として預けることになりますが、
「預けた手荷物が検査に引っかかったときに、痛くもない腹を探られて面倒くさいことに」
というリスクが比較的少ない刃物でもあります。
私、車椅子のバッテリーとか保守工具とか、個別検査されてしまう可能性の高いものをたくさん持ち運んでますから、かなりの頻度で荷物の個別検査を受けるわけです。
どうしてもナイフが必要な方は、日本から持っていくことをお勧めします。現地調達は困難なことが少なくありません。犯罪に使うことも可能な調理用ナイフや包丁が、そこらへんのスーパーやコンビニで売られているとは限りません。また、お金さえ出せば誰でも買えるとも限りません。

番外編・鍋と食器

キッチンつきの宿泊施設の場合、通常はキッチンに鍋や食器があります。
そうでなくても、食器となりうる容器は、食材やお惣菜のパッケージとして容易に調達できます。
このため、鍋と食器(箸を除く)はリストアップしていないのですが、メモとして。

定番・シェラカップ。
一つあれば何かと重宝します。
「鍋を兼ねられる食器を一つだけ持っていく」
という場面で最善の選択かどうかは疑問ですが、直火のコンロも使える点はポイント高し。
せめて、600ml程度の容量は欲しいところ。辛うじてですがインスタントラーメンも作れます。

下のリンクのように、台形を逆さにした形状で上が大きく広がっているシェラカップは、投げ込み式ヒーターとの相性が最悪です。
不安定だし、浅すぎるし。
そういう危険な組み合わせでの使用は最初から避けましょう。
空き缶を拾ってきて使う方がマシです。


シェラカップよりは、ホーローやステンレスの大きめのマグカップを一つ持っていく方が便利です。
インスタントラーメンを作れる大きさが理想です。
無理ならせめて、カップ麺のカップのサイズを目安に。
目安としては、せめて 350 ml 以上。


私は、余裕があるときにはステンレスの蓋付きビーカー(1000 ml )を持っていくようにしています。
便利ですよ。注ぎ口も目盛りもあるし。
別売ですがフタもあります。ジャポニカ米を入手できれば、日本風のご飯も炊けます。
キッチンサイエンス実験のために購入しましたが、旅行時にも活躍してもらってます。

別売のフタです。

キャンプの定番「コッヘル」のような、四角い軽量の鍋を一つだけ持っていくのも、手かもしれません。
私は試したことありません。投げ込み式ヒーターを使うには浅すぎるので。


番外編・日本的調味料

私は持って行きません。「ピクルスの素」として持っていく「すしのこ」だけが例外です。
「海外で醤油や梅干しが恋しくなった」
という経験は、これまで一度もないです。

・醤油

都市部ならば、ほぼ全世界のスーパーで入手可能です。
どうしても一定のグレードの醤油がないと生きていけない方には、「かめびし醤油」の粉末醤油が便利そうです。
ふだん、かめびし醤油を愛用しているので、この粉末醤油も使ってみたいです。
これまでと違う発想で醤油を使うことができそうです。


・梅干し

欧米の大都市圏の大手スーパーで普通に売られていたりします。
中国系移民の多い地域では、甘く味付けした干し梅も普通に売られています。
わざわざ日本から持っていく必要を感じません。

20代のときの私は、登山を愛好していました。
この時期は、疲労回復と塩分補給のために梅干しを必要としていました。
ふだん食べている自家製梅干しを割って種を抜き、乾燥させて持って行っていました。
どうしても「ウチの梅干しがないと生きていけない」という方のご参考までに。

・ワサビ・かつお節・納豆・海苔・漬物など

現地で無理なく入手できる薬味・旨味のもと・豆製品などなどを探すほうが楽しいですよ。
魚を日常的に食べる地域には必ず、魚に適したハーブが存在します。
ビーフジャーキーを削って「おかか」風にしてみるのも面白い。
豆料理・豆製品は、世界のほとんどの地域で各国各様の発展を遂げています。
海苔はどこにでもはありませんが、中国系・韓国系移民が多い地域なら、海藻の入手もそれほど困難ではありません。
漬物は……あのね、塩と砂糖持ってるんなら、自分で漬けましょうよ。
というわけで、これらも日本から持って行く必要を感じないのです。

番外編:「飽き」対策


キッチンつきドミトリーに宿泊している場合、実は調味料にはあまり困らないのです。
塩・胡椒くらいは備え付けてあります。砂糖はないこともあります。料理に砂糖使う民族は「あたりまえ」でもないですから。
以前の滞在者の置いていった調味料が「ご自由にお使いください」ということで置いてあったりもします。
問題は、通常のホテルで無理やり自炊している場合です。
毎度毎度
「茹でた野菜と肉に塩つけて食べる」
では、まあ、そのうち飽きますやね。
行きのフライトや昼食・外食で、小袋に入った調味料が出てきたら、ただの胡椒・どこにでもありそうなケチャップやマスタードであっても有り難く持ち帰って有効活用するわけですが、それでも一週間・10日となると飽きますやね。
まだ試したことないんですけど、この塩セットは、「飽き」対策の強い味方になりそうです。


番外編:日本から持っていった方がよいと思われる台所用品ベスト5(まだ試してません)

第一位 手つきのザル・茶こし・味噌こし・穴あきおたまの類

「さっと茹でたい」「火が通ったところで急冷したい」という場面は多いです。
何にでも使いまわせる可能性を考えると、深めの茶こしまたは味噌こし、ということになりそうです。

第二位 菜箸

あれば、料理の効率が全然違うでしょう。

第三位 アク取りシート

肉を煮たり茹でたりしてる鍋の表面に乗せておくだけでアクが取れる有り難いシート。
日本以外の国で見かけたことがありません。

第四位 大根おろし器(スーパーで100円程度で売られているプラスチック製のもの)

チーズや野菜をおろすためのグレイター的な調理器具は欧米文化圏ではポピュラーなのですが、「すりおろす」に適した調理器具は見かけません。
大根おろし器を一つ持って行っておくと、胃腸の調子が悪い時に大根おろし(ラディッシュは概ねどこにでもある)が作れるだけではなく、
「沸かしたお湯にジャガイモやタマネギの擦り下ろしを投入してポタージュに」
といった展開が可能になると思われます。

第五位 すり鉢・すりこぎ(該当製品なし)

大きめのご飯茶碗くらいのサイズ、プラスチック製で軽量、安定する工夫があり、しかも大人の食器として使えるデザイン……という旅行仕様のすり鉢があればいいのに、と思っています。「ニンニクを潰してソースに」など、さまざまに使えそうです。




 

旅行の荷物、必要かつ最低限とは(1) 必需品、日常生活用品

旅行時の荷物に関する自分の個人メモ+tipsです。
荷物の分類については

旅行の荷物、必要かつ最低限とは(0) 総論

をご参照ください。
本エントリーは、必需品・日常生活用品についてのメモです。
必要性が比較的低いもの・私以外の方には必要でなさそうなものは、()で囲っています。

0.必需品

0-0 安全に関わるもの

私は、下記の品目を「安全に関わるもの」と考えています。

・パスポート
説明の必要はないでしょう。

・査証(必要なら)
これも、説明の必要はないでしょう。

・パスポートのコピー(3枚程度用意、荷物に分散させて入れておく)
・査証のコピー(3枚程度用意、荷物に分散させて入れておく)

「万一、原本を紛失、あるいは強奪されたら」以外にも、さまざまに役立ちます。パスポート原本の持ち歩き義務がない国では、パスポートはセーフティボックスに入れておき、コピーの方を持ち歩いたほうが気が楽です。

・その他の身分証明証

何か海外で通用するものがあれば。

・学生証(あれば。国際学生証がベター)

施設や長距離バスなどで、学割が利用できます。日本語のみの記載でもOKなことが結構あります。

・国際運転免許証(あれば)

残念ながら私は持ってません。

・旅行保険証書のコピー(3部程度。荷物に分散させて入れておく)

・ヘッドランプ
車椅子族にとっては夜間の移動に必須です。

・緊急時用品(笛、ブランケット、(非常用食糧))

笛、緊急用のポケットサイズのブランケットは荷物のどこかにしのばせておくべきです。
非常用食糧は、非常時でなくても、パーティー前の腹ごしらえ(パーティーでガツガツしない)、夜中に小腹がすいたとき対策などに重宝します。ただ、日本の製品が行き先国に持ち込めるとは限りません。

・メモ帳、筆記用具

取材の予定がなくても持っておきましょう。「発音が悪いのでタクシーの運転手に行き先を誤解された」といったトラブルを防止できます。

0-1 現金・カード

・財布

通貨ごと、または行き先国ごとに分けます。

・現金(現地の一般的なホテル2泊~3泊分程度が目安)

多すぎると危険です。

・トラベラーズチェック

使用可能な国なら、ぜひ1万円分くらいはトラベラーズチェックで。現金より安全です。

・行き先国で使える可能性の高いクレジットカード

VISAは概ねどこでもOKです。AMEXは使えない地域が意外に多いですが、米国では非常に有用です。

0-2 旅程表、連絡先など

・旅程表(フライト情報、宿泊先情報を含む)
・自分自身の連絡先
・現地の緊急連絡先(警察、救急など)

紙にプリントして3部用意しておき、どのバッグからも取り出せるようにしておきます。緊急時に、ネットでの検索から始めずに済みます。

・(車椅子の現地代理店連絡先)
・(滞在予定地のサイクルショップリスト)

この2つは車椅子族にとって必要な情報です。これも紙にプリントしておきます。緊急時、テンパった頭で検索する時間とエネルギーと不安を節約することができます。

0-3 薬品、薬品に類する必需品

・常用薬

説明の必要はないでしょう。

・胃腸薬(便秘対策、下痢対策)

便秘と下痢の両方に対策できるようにしておきましょう。時差・ストレスなどで腹具合がおかしくなると、飲水・摂食などに影響し、体力消耗につながります。

・解熱剤、抗生物質、傷テープ

宿泊施設に最低限の救急医薬品はあるはずですが、この程度は自分で持っておきましょう。抗生物質は、医師に予め事情を話して処方してもらうか、処方されたときに3日分くらいの蓄薬(ホントはいけないんですが)をしておきます。呼吸器が弱く、風邪がすぐ気管支炎に発展する私には必須です。

・(消毒液)

清潔な水を容易に入手できる地域では不要です。

・(浣腸)

時差対策に1個持って行きます。時差で「朝、排便」といったリズムが崩れる前に、しかるべき(現地)時刻に強制的に1回出してしまうという荒業は、時差ボケ軽減にかなり有効です。

0-4 現地に関する資料

「地球の歩き方」などのガイドブックは、必要なページだけ切り取って、あるいはコピーして持っていきます。
また、荷物に余裕があれば、現地史に関する書籍を一冊持っておくと、見聞するものの理解を深めるのに大いに役立ちます。お勧めは明石書店の「エリア・スタディーズ」シリーズです。



0-5 メインバッグ、予備バッグ

旅行荷物を詰めて持ち歩くメインバッグの他に、荷物が増えた場合・宿泊施設に荷物を置いておきたい場合などを想定して予備バッグを持っておきます。ファスナーで口を閉められるものにします。日本の観光地で安価に売られているファスナーつきの土産物用バッグが便利です。

0-6 その他必須の用品

・携帯電話またはスマートフォン+充電器
・メガネやコンタクトレンズに関する用品
・その他、個人的な必需品(杖など)


1. 日常生活用品


1-1 身の回り品

・爪切り
・耳かき
・毛抜き

特に耳かきは、日本で一般的なタイプが現地で入手可能なことは少ないです。使い慣れたタイプを持っていきましょう。

・裁縫キット

針一本、糸一種類でも、あったほうがいいです。

・安全ピン

活躍の機会は結構多いです。

・ダブルクリップ

こちらも、活躍の機会は結構多いです。

・メガネケース

特にドミトリーを利用する場合、メガネケースがないと、自分が寝ている間、メガネを身近な場所に安全に置いておくのに大変苦労します。常にメガネをかけている場合、ふだんメガネケースを持ち歩く必要はありませんが、旅先ではないと困ります。

・予備メガネ

メガネがないと活動できない視力の持ち主にとっては必須。「現在の一代前の、やや度の合ってないメガネ」でも、ないよりマシです。

・ルーペ

慣れない異国の通貨を見分けるのに、ないのとあるのとでは大違いです。

・体温計

電子式を一本持っていきましょう。体調不良のときに「体温」という情報があるかどうかは、適切な処置が取れるかどうかを左右します。

・ウエットティッシュ
・(ハンカチ)、(ティッシュ)

まあ、このあたりは説明の必要はないかと。

1-2 洗面用品

・歯ブラシ、歯間ブラシ、あかすり、ヘアブラシ、日焼け止め、リップクリーム、(ボディソープ)、(シャンプー)、(リンス)、(常用している化粧品)

ふだん使っているものをガッサリと持ってきて、そのままシャワールームで使えればよいわけです。旅行用にふだん使っているものと同じものを別途用意しておくと、「そのままバッグに詰める」で済みます。とはいっても、液体は持ち込みに制限のある国・航空会社が多いので、小さな容器に小分けしておくか、小さな容器に詰められた製品を購入します。

日常も旅行時も愛用している日焼け止めです。化粧水を別途持ち歩く必要がなく、クレンジング剤不要。



・温泉バッグ+大きめのS字フック

シャワールームに洗面用品を持ち込んで使うのに最も適したバッグは、私の経験では、いわゆる「温泉バッグ」です。ただし、市販の温泉バッグはパイプなどに掛けるためのフックがついていないので、大きめのS字フック(錆びないプラスチック製品)も入れておきます。

「温泉バッグ」の一例です。これと同じものを2年ほど使用しています。特に問題はありません。



1-3 小道具類

・(ハサミ)

100均で売られている文房具のステンレスハサミが1丁あると、さまざまな作業の効率が大きく向上します。

・ロープ

10メートル程度は持っておくとよいでしょう。私はシャレで、SM用の赤いロープを用意しています。



・(エイト環)

高所からの脱出を余儀なくされたときに、あれば脱出の容易さが全然違います。ただ、「いきなりぶっつけ本番」はかえってリスクが高いので、必須とまでは言えません。



・カラビナ

できれば登山仕様を4つ程度。

・ガムテープ

もうすぐ使い切れそうな薄くなったロールを潰して携行すれば、かさばりません。

1-4 電力事情への対応

・電源タップ

日本の電気製品を使用するのなら、日本仕様の3口程度のもので可。コードの延長、数少ない電源の有効利用などに便利。

・プラグのアダプタ

1つの国で復数のタイプが使用されている場合があります。その場合は、全タイプのアダプタを持っていく必要があります。どこにどのタイプが出現するか分かりません。

こういう単純なタイプは、一番トラブルが少ない気がします。


・変圧トランス

高価ですが、昇圧・降圧両用のものをお勧めします。変圧以外にもサージの吸収などに役立つので、よほど電力事情を信頼できる国以外では、パソコンなどのデリケートな電子機器を利用するのならば持っておいたほうがよいです。

私が持っているのはこちら。車椅子のバッテリ充電器(一応は海外でも使用可能な仕様)にはパワー不足で使えませんが、それ以外、特に問題はありません。
 
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著書です(2009年-)
「おしゃべりなコンピュータ
 音声合成技術の現在と未来」
(共著 2015.4 丸善出版)


「いちばんやさしいアルゴリズムの本」
 (執筆協力・永島孝 2013.9 技術評論社)


「生活保護リアル」
(2013.7 日本評論社)

「生活保護リアル(Kindle版)」
あります。

「ソフト・エッジ」
(中嶋震氏との共著 2013.3 丸善ライブラリー)


「組込みエンジニアのためのハードウェア入門」
(共著 2009.10 技術評論社)

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