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ライター・みわよしこの日常つれづれ話



生活保護法

改正生活保護法・省令案修正されました

7月1日から施行される改正生活保護法について、施行の実際を規定する省令が公布されました。
当初公開されていた省令案は、国会答弁で繰り返された「運用は変えない」を骨抜きにする内容でした。
1000件以上のパブコメが寄せられた結果、「運用は変えない」を担保する内容の省令となりました。
ひとまずは喜んでよいことであろうと思います。

しかし、これで油断するわけにはいきません。
障害者・難病患者・貧困問題に関わる人々の間では、
「政府・厚労省は何をするか分からないから、注意深く監視して異議・反論の声をあげなくてはならない」
が常識と化しています。
まことに疲れ、かつ消耗する状況です。
そうしないと生きていけなくなる近未来が待っているというのに、声を上げたことをもって指弾されたりもします。
疲れ、消耗し、そのうえ非難される。まことに救いのない話です。
他ならぬ私も、
「自分の生存や生活の基盤を切り崩させないために使う時間とエネルギーを、職業生活を含む何らかの生産に充てられれば、どんなにいいだろう」
と思っています。
やらなければ職業生活どころではなくなるので、「やらない」という選択肢はないわけですけど。
 
もしかすると、政府は
「なあに、すぐに憲法を改正して生存権規定をなくしてしまうから、省令くらい与えてぬか喜びさせておこう」
とか考えているのかもしれません。
ささやかに喜びつつ、油断せずに、一歩一歩進んでいくしかないでしょうね。

詳細は、生活保護問題対策全国会議のブログをご参照ください。

「改正」生活保護法にかかる省令の公表にあたっての声明/パブコメ1166件を受けて、厚生労働省が「改正」生活保護法に関する省令案を異例の抜本修正! 

改正生活保護法省令案へのパブリック・コメント

生活保護法施行規則の一部を改正する省令(案)に関する御意見募集(パブリックコメント)について」に対し、さきほど、下記のパブリックコメントを送付しました。

当方、オンラインマガジン「ダイヤモンド・オンライン」にて連載「生活保護のリアル」を執筆しておりますライターの「みわよしこ」です。
今回は、主に申請手続きに関して、省令案への意見を申し上げます。

このたびの省令案からは、徹底した「生活保護はなるべく利用させず、利用を困難にしたい」というご意図が見えてくるように思われます。これは厚労省の皆様がさまざまな機会に繰り返しておられる「最後のセーフティネットという意識を持って」「必要な人には保護を」「申請権を侵害しないように」という方針とは矛盾しているように見受けられます。
最後のセーフティネットを必要としており、生活保護の申請を行いたいと考えている方々にとって、申請手続きが厳格化されれれば、申請のハードルは確実に高くなります。困窮した方々は往々にして、手持ち資金が非常に少なくなった段階で、生活保護の申請を決意なさいます。たとえば資金が2万円しかなくなった状態で申請に行かれた方にとって、「今日行ったら今日申請できて、14日後に保護開始」と「今日行っても書類を揃えるのに10日かかり、さらにその14日後に保護開始」の間には大きな違いがあります。申請手続きの厳格化は、生活保護の申請を余儀なくされるほど苦しい状況に置かれた方々を、さらに苦しめるものに他なりません。

また、申請手続きを厳格化することにより、福祉事務所等の窓口で相談に当たったり申請を受け付けたりする現業員の方々の業務量が増大することも予想されます。
先日、東京都下で私の友人が、DV被害の末、生活保護を申請しました。手持ち資金は5000円程度しかありませんでした。幸い、特に問題なく申請を行うことができ、10日後に保護開始となりました。また、家族からのDV被害という本人の事情を考慮し、扶養照会は行わないという対応もしていただけたとのことです。しかし申請手続きには6時間が必要であったと申しております。要求される数多くの書類に記入し、質問される数多くの項目に答えているだけで、それだけの時間がかかったということです。
これまで、申請権の侵害が疑われるようなことさえなければ、生活保護の申請に必要な時間は1時間以下だったと理解しております。申請手続きの厳格化は、福祉事務所にとっては過重な負担となり、ひいては被保護者の方々に対する丁寧なケースワークにも使うことのできる時間やエネルギーが減少することに他ならないのではないでしょうか。

私は、「これから申請される方々が申請を行えるように」「現在すでに被保護者となっている方々が、必要なケースワークを受けられるように」の二面から、今回の省令案のうち申請手続きの厳格化に関する部分の全面的撤回をご検討いただきたいと考えております。

厚労省の方々にさまざまなご意見や思いがあること、性善とも性悪とも言いきれない生活保護当事者の方々に対してどう接するべきかについての議論が重ねられていることなどは、理解しているつもりです。
どうか「実は厚労省は、生活困窮者を徹底して痛めつけるつもりであるらしい」という誤解をされる可能性のある行為は、厳に慎んでいただきたく存じます。
そのためにも、今回の省令案は、申請手続き以外の部分も含め、いったん白紙に戻しての再検討をお願いしたく存じます。
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著書です(2009年-)
「おしゃべりなコンピュータ
 音声合成技術の現在と未来」
(共著 2015.4 丸善出版)


「いちばんやさしいアルゴリズムの本」
 (執筆協力・永島孝 2013.9 技術評論社)


「生活保護リアル」
(2013.7 日本評論社)

「生活保護リアル(Kindle版)」
あります。

「ソフト・エッジ」
(中嶋震氏との共著 2013.3 丸善ライブラリー)


「組込みエンジニアのためのハードウェア入門」
(共著 2009.10 技術評論社)

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