猫と食事と西荻窪、ときどき旅する車椅子

ライター・みわよしこの日常つれづれ話



障害者差別

2014年3月26日夕方・西荻窪駅「みどりの窓口」での出来事

・16:00ごろ 
JR西荻窪駅、みどりの改札へ。
8人ほどが列を作っていた。まあ時期が時期なのでしかたない。

・たぶん16:30ごろ
私の番までもう一人になる。
私の前にカウンターで中学進学するという息子(駅員との会話が聞こえた。ちなみに同じ区間、小学校も定期を使って通学していたとのこと)の定期券を買っていた40歳前後の女性が、私の方を見て「じゃま」と言った。
私には、自分に向けられたものにしか聞こえなかった。
私は何回か、女性に聞こえるように
「じゃま、って私がですか」
「キップ買ってもいけないんですか」
などとつぶやいたが、女性はこちらを向かなかった。聞こえていたとは思うのだが。
私は女性の顔をスマホで動画撮影した。10秒程度のこと。
それから「いのちの電話」や電話に出ることが可能そうな友人などに電話したが、つながらなかったり出なかったり。
この時点で期待していた成り行きは、女性の後ろで、相手が「いのちの電話」といえども起こっていること(「ジャマ」と言われた)を話すことで、女性が私を無視できない状況を作ること。可能であれば、その電話で「相手の動画撮ってあるんですけど、どうしましょうか? ええ、肖像権は侵害していますが、こちらの基本的人権と相殺出来る範囲ですよね?」というような会話をすること。動画そのものをネットに「晒す」気はなかった。問題行為そのものを撮ったというわけではなく、ただ単に横顔が映っているだけだし。
そのためにも、誰かと電話で話したかった。 私はFBアプリを開け、
「誰か私の電話番号知ってる方、至急、電話ください。」
という書き込みをしようとした(動画を添付するつもりはなかったし、していなかった)。
すると私の後ろから「やめたらどうですか」という男の声がした。
身長180cmくらい、20歳くらいと思われる、黒っぽいダウンコートの男だった。
男は、私の前で「ジャマ」といった女性に
「さっきこの人があなたを撮ってましたよ」
と言った。
私は
「この人が私にジャマと言ったからです」
と答えた。
女性は
「息子が脚を投げ出しているから『ジャマ』と言ったんです、気を悪くさせたんなら謝ります、動画はすぐ目の前で消してください、個人情報ですから」
と言った。女性の息子は、母親に
「あなたに言ったのよ、ねえ」
と言われても無反応だった。
私は
「本当に息子さんに言ったのかどうかは私には判断できませんが、消すのはいいですよ、胸糞悪い」
と動画を消した。
すると背後の男性が、その女性に
「写真も確認したほうがいいですよ、何枚も撮ってましたから」
と言った。それは事実無根で撮ってない。
私は
「写真は撮ってません。なんなら中全部確認しますか? それこそ個人情報ですけど」
と言った。
女性は
「そこまでしなくていいです」
と答えた。
私はそれから30分間くらい、その場で泣き続けた。
障害者は危ない目や嫌がらせに遭う可能性が高い。
自衛のために動画を撮りっぱなしにして電車に乗るという対処は、わりと一般的に行われている。
それがいけないというのか。
やられたときに、やられっぱなしでいろというのか。
男性は、「悔しい」「泣き寝入りしろというのか」と泣き続ける私に、まったくの無反応だった。私の顔をじっとみていたり、無視していたり。
駅員さんとの会話で、男性が理科大(神楽坂)の学生で、西荻窪-飯田橋間の定期を買うこと、これから合宿なので定期は合宿後から有効にして欲しいということがわかった。
私は、横に男性がいるときに、
「理科大はそんなに偉いのか、私だって出身なのに」
と泣いた。男性は私を無視したままだった。
そのうちに気持ちが落ち着いてきた。
FBに
「誰か私の電話番号知ってる方、至急、電話ください。」 
と書き込めた。 
何人かの友人が電話をくれた。
合計40分ほど話しているうちに、概ね落ち着いた。
そのうちに私の特急券が出来た(車椅子使用者への発券は混んでると1時間以上かかる)。

18:00過ぎ
西荻窪駅みどりの窓口を出て、友人夫妻たちが経営しているお店に行って、また一泣きした。その若い男に虫けらか何かのように扱われたことが、悔しくて悔しくて。友人たちからは
「『ジャマ』と言われた時に、大きな声で『それは私に向けてますか』と言ってよかったんだよ」
「理不尽! と怒鳴ってもいいんだよ、理不尽なんだから」
とアドバイスされた。 

今後
障害者団体等とも相談のうえ、 JR・東京理科大に何らかの申し入れを検討したい。
特に、男性が在学しているらしい東京理科大に対して。
この男性は、「善意から盗撮を注意した」と言い切れないことを行っている(「写真も撮っていた」と主張するなど)。障害者に対する、善意を装った巧妙なイジメである可能性が高いと考えている。
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大雨の午後、気持ちよく散歩

今日の東京は昼前から雨。今はもう土砂降り。ときどき強い風も吹いてます。
お昼すぎ、傘をさして外に出たら、すぐ壊れちゃいました。
気温にもよりますが、雨に濡れること自体は平気です。なにしろ福岡出身。傘がさせない台風の日でも自転車通学して育ってますから。

こんな日に外に出てる人は、それほど多くありません。
道路にもスーパーにも、人があまりいません。
人があまりいないということは。
自分がジロジロ見られたり、スマホを向けられたり(勝手に撮影されること結構あります)、親切と称する余計なお世話をされたり、罵声を浴びせられたり(頻度は低く一ヶ月に2~3回程度(佐村河内氏の事件以前)ですが)しにくい、ってことなんですよ。なんと嬉しい状況でしょうか。
いや、不愉快なことが全くないわけじゃないんですけど、頻度が通常の1/3とか1/5とか、もっと少ないかな? という感じ。
あまり外出向きの天気ではなく、したがって人があまり街に出てきていないので、障害者に対して微妙な嫌がらせや陰湿な攻撃をする人も少ない、というだけのことと思われます。

私は、土砂降りの雨に濡れながら、楽しく、外歩きを楽しむことができました。
締め切り間近の仕事はあるんですけど、この、せっかく恵まれた外出の機会に、思い切り外の空気を吸っておきたいと思ったんです。 次は何日先のことかわかりませんから。
雨に濡れながら、外を快適に散歩しました。人があまり通りすがらない道路を、ジロジロ見られたり指差されて何か噂されたりするような目に遭わずに。
それから、大きめのスーパー3軒に入って、店内をゆっくり見て回りました。買い物は、2月に米国から帰国して以来、最小限の時間でそそくさと済ませる(あるいはネット通販で済ませる)用事になっていました。
今、何が、どういう値段で並んでいるのか、時にはゆっくり見たいんです。でもそれは、不快な目・恐ろしい目に遭ってまでやるべきことでもやりたいことでもありません。
今日は「まあ、不快や危険はあるけれど、許容範囲かな」と判断できる日でした。

それでもスーパーでは、足を止めてジロジロ見たがる人を追い払うのが大変ではありました。
こういう時、いつも私はそちらを向き、相手がジロジロ見るのをやめるまで、相手の目を見返しています。これは佐村河内氏の事件以前からです。スーパーでも、路上でも、電車の中でも。それは差別ですから。車椅子に乗っている人間という「異形の者」を見た時に視線がそちらに向くこと自体は生き物の本能であるとしても、何十秒もジロジロと無遠慮に見つめ続けるのは(障害者)差別でしょう。差別があってはならないことである以上、自分が差別に遭うことも、あってはならないことです。「自分が差別に遭っている」」という状況を、可能な限り、その場で解消することは、障害者である自分がやらなくてはならないことだと思っています。
ただ、相手に目をそらさせるまでの所要時間は、佐村河内氏の事件以後、以前の2~3倍になった感じがあります。以前は3秒もかからなかったのが、今は10秒でも足りないことがあります。ときには、断念してジロジロ見させておくままにせざるを得ないことも。1分も2分も気持ち悪いニラメッコを続けるほどヒマじゃありませんからね。
もしかしたら佐村河内氏の事件で、「障害者をジロジロ見るのは一応はいけない」「相手が障害者だからといって不愉快な思いをさせるのはいけない」という抑制もかかりにくくなったのでしょうか? たいへん疲れます。でも今日は、なにしろスーパーの中にいる人の総数が少ないぶんだけ、少しはラクできた気がします。

久しぶりに、仕事でも「どうしても」でもない用事で外に出て、外の空気を吸って過ごすことのできた4時間でした。
2月、米国から帰国して、初めてのことでした。

毎日、こんなだったらいいのになあ。
街に出ている健常者が少なくて、したがって無理解だったり差別的だったりする健常者も少ない、こんな日が続けばいいのになあ。
明日も大雨だったり、横なぐりの雨だったり、外に出づらい天気だったらいいのになあ。雪でもいいです。積雪5cm以下なら、車椅子でなんとかならないことはないですから。
明日も明後日もその次もその次も、
「春らしく晴れた気持ちのよい一日」
なんかにならなきゃいいのに。
そうしたら、私は毎日、今日と同じくらい、安心して外に出られるのに。
買い物にも行けるし、郵便局にも銀行にも役所にも行けるし、気軽に病院にも行けるのに。
「仕事だから!」と自分を奮い立たせなくても、外に出られるのに。
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著書です(2009年-)
「おしゃべりなコンピュータ
 音声合成技術の現在と未来」
(共著 2015.4 丸善出版)


「いちばんやさしいアルゴリズムの本」
 (執筆協力・永島孝 2013.9 技術評論社)


「生活保護リアル」
(2013.7 日本評論社)

「生活保護リアル(Kindle版)」
あります。

「ソフト・エッジ」
(中嶋震氏との共著 2013.3 丸善ライブラリー)


「組込みエンジニアのためのハードウェア入門」
(共著 2009.10 技術評論社)

Part5「測定器、使えてますか?」は、
東日本大震災後、
環境測定を始められる方々のために
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