ＧｏＧｏＤｅＮＡベイスターズ！キラキラ同好会横浜の星は今燃えているか : 多村仁志

多村仁志

May 12, 201712:35

カテゴリ: 横浜ＤｅＮＡベイスターズ; vs Dragons

ROCK AND ROLL HERO

vs 中日ドラゴンズ(9回戦　横浜DeNA4勝3敗2分け)　ナゴヤドーム　18:00開始

De 100 000 300|4
中 000 300 000|3

勝:ウィーランド(6試合　3勝)
Ｓ:パットン(17試合　2勝1敗6セーブ)
敗:岡田(9試合　2敗)

本:ロペス7号①(バルデス)、倉本1号②(岡田)

二塁打:梶谷、宮崎、ロペス　犠打:乙坂　犠飛:高橋　盗塁:荒木(3)　捕逸:杉山　死球:ビジエド(三上)、嶺井(三ツ間)

継投:
De/ウィーランド(6回)-山崎康(1回)-砂田(1/3)-三上(2/3)-パットン(1回)
中/バルデス(6回)-岡田(1回)-三ツ間(1/3)-岩瀬(2/3)-田島(1回)

2時間55分　観衆:21,989人

♭

　ふわりと上がった白球は、右翼席のフェンスをぎりぎりで越えた。
　1ー3の7回無死一塁。倉本が左腕岡田の初球、内角直球に反応し、腕をコンパクトに畳んで振り抜いた。今季34試合目での初本塁打は、価値ある同点2ラン。「思い切り引っ張ろうと思った。最高の結果」と本塁で両拳を握った。
　6回まで得点はロペスのソロのみ。前回対戦で8回零封されたバルデスの前に走者を進めながら決め手を欠いていた。7回からリリーフした岡田に浴びせた一撃が、筒香の決勝打も呼び込んだ。
　2年目の昨季は141試合に出場し、チーム最多の157安打をマーク。今季は長打力を求めて打撃フォームの改造に着手したが、開幕から打撃不振が続いた。
　職人肌でバットへのこだわりが強い。今季も納得できる“相棒”を求めて、同僚のバットを拝借しながら打席に立つことも多いが、そんな自分に疑問も抱いていた。今月上旬、横浜高の大先輩でベイスターズOBの多村仁志氏から「いいんだよ。感覚がしっくり合えば」と背中を押してもらい、気が楽になったという。この夜のアーチも嶺井のバットで描いた。
　「我慢しながら起用してくれるラミレス監督の心も分かっている。何とか、少しでも期待に応えたい」。勝率5割に復帰。9番打者がチームを勢いに乗せ、横浜で首位阪神戦に挑む。

(ここまで「フルマーク」運動部・小林剛)

　決勝打を含む3安打を放った筒香が、打率を今季初めて3割に乗せた。
　3ー3の7回2死三塁でWBC日本代表でともにプレーした岡田のスライダーにバットを折られながらも右前に落とした。勝利を決める一撃にキャプテンは「いつもどん欲に練習しているウィーランドの姿を見ていたので、どうしても勝ちを付けたかった」と喜び、ラミレス監督も「4番のやるべき仕事。必要な時に打ってくれたね」と褒めたたえた。
　これで5月は打率4割に迫り、完全復活を果たした主砲。現在3割3厘の打率には「自分の打率どうこうよりもチームが勝てればいい」と気にしていなかった。

　ロペスが梶谷に並ぶチームトップの7号ソロ。初回2死無走者から高めの直球を左翼席に運んだ。4月の対戦では8回無得点に封じられたバルデスの失投を捉え、「先制点が欲しかったのでホームランを打てて良かった」と喜んだ。
　同点に追い付いた後の7回2死から二塁打で出塁し、筒香の右前打で決勝のホームイン。「きょうは(同点弾の)倉本のおかげだよ。このまま良い状態を保ちたい」とバスに乗り込んだ。

　ウィーランドは6回3失点で降板した直後の7回に味方が逆転。チームトップの3勝目が転がり込み、「負け投手になると思っていたけど、10分で勝ち投手になったね」と表情を緩めた。
　3回までは完全投球も、全5安打を集中された4回だけが悔やまれた。ビジエドに2点適時打を食らうなど3失点。それでも5、6回には立ち直り、「ビジエドにはうまく打たれたが、プラン通り早いカウントで打たせることができた」と納得顔だった。

　4月20、21日以来の連投も苦にせず、12試合連続無失点中の山崎康「連投は久々だったが、ブルペンからどの球種ならストライクを通せるかを考えながらやれている7回(に登板するのは)いい勉強になっています」

　ラミレス監督「(同点弾の)倉本は早いカウントからアグレッシブに振った。チームのバランスを見て、9番で起用している。(次カードの)阪神戦も勢いを持ち込んで勝ちたい」

　横浜DeNAベイスターズの南場智子オーナーは11日、都内で開いた球団親会社ディー・エヌ・エー(東京都渋谷区)の決算説明会で横浜スタジアムの改修計画について言及し、「横浜市と正式には何も進んでいない」とした上で、「もっと活動を活発化していきたい」と改めて実現に意欲を示した。

　横浜DeNAは今年3月、2020年の東京五輪で野球とソフトボールの主会場となる同スタジアムに約6千席増築する改修計画を、球場を所有する同市に提出。実現には市側が建ぺい率などの緩和を定めた条例改正を行わなければならないため、市が改正案を16日開会の市会定例会に提出することになった。
　ディー・エヌ・エー会長を兼ねる南場オーナーは「(市条例改正案の提出について)報道は承知しているが、正式に話が進んでいないのでコメントは差し控えたい」と前置きした上で「市民やファン皆さんへの感謝の思いをもっともっと形で表したい。われわれ(親会社)としても、事業活動の地平を広げていく非常に意義深いものだ」と強調した。
　ディー・エヌ・エーは昨年、医療関連情報サイトで大量の無断転用問題が発覚。同社の守安功社長は「現在の最重要課題は信頼回復。再出発には、社会に歓迎され貢献する企業であることが大前提」と説明し、南場オーナーは「スポーツや横浜という分野を含め、世の中を明るくする事業を展開していきたい」などと述べた。
(この項・佐藤将人)
〈神奈川新聞 5月12日付より〉

〈♪performed by Keisuke Kuwata〉

タグ：: #横浜DeNAベイスターズ; #倉本寿彦; #筒香嘉智; #ホセ・ロペス; #ジョー・ウィーランド; #山崎康晃; #多村仁志; #南場智子

November 24, 201508:45

カテゴリ: 横浜ＤｅＮＡベイスターズ; ハマスタライトスタンド

働けロック・バンド　(Workin' for ベイスボール)　②

♭“横浜”を大事にする。
　その方針は実にありがたく、それは前体制での反省も踏まえた上で、DeNAが本気でこのチームで長く歴史を作って行こうという覚悟のようにも思える。
　だが、そう考えたときにどうしても腑に落ちないことがある。昨年の金城龍彦、今年の多村仁志と、チームでも功労者とされていた生え抜きとそれに準ずるベテランが2年連続でチームを去ってしまったこと。
　巨人から移籍してきた高橋尚成は盛大な引退試合で送られた。他球団に目をやれば、ホークスを退団した松中は、最後の本拠地ゲームでファンにお別れの顔見せ出場があった。しかし多村に限ってはそれもなく、何のアナウンスもないままただ退団者の欄に名前を連ねていただけである。そのことが物凄い潜在的な恐怖となって、未だに消化できずにいる。一体、何があったのか。球団の本音を聞いてみたい。

　「断片的な情報で誤解を与えたままではよくないので、しっかりと説明させていただきます。まず、球団の基本的な考えとして功労者にはファンとの別れの場を提供するのは当たり前のことだと考えています。それこそ“野球界の功労者”としての高橋尚成選手の、当球団での実績と引退セレモニーの関係からよく考えて頂ければ分かると思います。これまでも引退する新沼選手や小池選手。そして退団する森本稀哲選手やラミレス選手などにもファンとのお別れの場は用意してきました。
　今年の多村選手は、一度ソフトバンクホークスに移籍したとはいえ、長くベイスターズに所属していた選手です。ただ、選手として正しく評価するのがこの世界のあるべき姿ですし、年齢も考えると、過去の成績で今年の評価をするわけではないので、数字やパフォーマンスの面で、来季の戦力としては難しいと判断せざるをえませんでした。しかし、本人は現役続行が希望でした。ベテランは自分の道は自分の意向で決めるべきですし、それを尊重すべきです。
　そうなると、できることとして、これまで同様、『例えば、最終戦の最後のハマスタで“ファンとのお別れの場”を用意したいと考えています』と、球団側から打診させてもらいました。ですが、多村選手からは『まだお別れはしない』という返答を球団はもらった。多村選手自身で、違うチームのユニフォームを着て、別の形で戻ってきてお別れする……ということを選んだということなのであれば、あれこれ詮索せず、それを尊重するのもベテランへの一つの配慮の形。
　奇しくも巨人から移籍した高橋尚成投手の引退セレモニーを行ったことで、何故多村選手のセレモニーをやらないのか……というお声になることも理解しますが、球団としてはファンのためにも、2015年シーズンの最後のハマスタで、ベイスターズのユニフォームでお別れをして欲しかったというのが本音であり、それを決めるのはあくまで選手本人だったということです」

　そういう話であるのならば、多村には、何が何でもどこかの球団のユニフォームを着て、ハマスタに凱旋してもらわなければならない。
　先んじて今年、巨人に移籍した金城龍彦は4月15日のハマスタで決勝スリーランを打ったが、彼もまた長年チームを支えてきた功労者。昨年“ボタンの掛け違い”からFAを行使して巨人に移籍したが、今年引退してそのまま巨人の3軍コーチへの就任が発表された。
　前親会社時代、このチーム最大の失策だったのが、生え抜きの功労者をベイスターズで引退させることができなかったこと。親会社がDeNAに変わったことで、この悪しき習慣は改善されると期待していたのが、この流れは本当に断ち切れたのだろうか。

　「これまでの歴史を振り返っても、全部が全部そうであるべきだったとは言いませんが、残ってもらうべき生え抜きを残し、不必要にFAで出て行かれず、監督コーチ人材として素養のある生え抜き人材を育ててこられなかったことが、この球団の弱かったところだと認識しています。
　伝統ある球団とは、ドラフトで獲得した生粋の生え抜き選手が、現役生活をまっとうして引退し、やがて指導者になったり、あるいはチームを作る編成側にまわる。そういった、人と球団が共に歩んで成長するカタチが、この先十年以上にわたってこの球団の中で定着しない限り、伝統や文化を持った、ベイスターズの野球が確立しないでしょうし、ファンからも安心感のあるチームと球団にはなれないと考えています。
　生え抜きの選手の中から、指導者や更にその先の素養を持った選手がこのチームの未来を担っていってもらいたい。今はチームが成長し始めてまだたったの4年が終わったところです。チームとして強化を進めるのと同時に、組織としてこれからのチームづくりを担えるための人材を育てることは、まだまだ始まったばかりです」

　それは言い換えれば、ドラフトで指名する選手にも、引退して指導者やフロントに入る選手にも、単純な選手としての能力だけではなく、後々に球団を作っていくための人格や素養も求めているということになるのだろうか。

　「そんなことまで考えて指名はしません。『この選手は球団の未来も担っていける人材だ』と思える人材は限られますし、長い選手生活でそういった素養が育ってくる選手だっていると思います。コーチ人材を選ぶことは本当に難しいと思います。選手から見て、『あの人は選手のときもちゃんとしていたから』と選手時代の姿勢の部分で認められない限り、まずコーチの候補にはなりません。
　さらにそういった素養があったとしても、現役選手としての強い思いで、チームを自ら出て行ってしまうこともあります。例えば金城選手の場合、球団としては練習に対する姿勢から、さらには実績からも、未来のDeNAベイスターズを担う候補として、“当球団でコーチをしてもらいたい生え抜き選手”でした。それでコーチ就任をお願いさせてもらいました。
　シーズン後半にこういったことを選手に伝えることにならざるをえないのですが、コーチ就任の裏にある引退ということまでを十分に考えてもらうためのタイミングとしては、選手にとっては遅かったのか……。私たちとしては“コーチとしてこれからも力を貸してほしい”と伝えたつもりが、金城選手の中では“戦力として考えていない”という理解がまさってしまったようでした。残念でしたが、選手としてまだまだ出来ると考えている以上、埋まらない溝があったのでしょう」

　人材を育てるという名目の下、これまでは小池正晃、新沼慎二、嶋村一輝など現役を引退してすぐの生え抜き選手がコーチとして組閣に名を連ねてきた。しかし、球団主導で人を育てるということは、中畑監督が辞任に至ったと噂される某DB氏（歌舞伎町）の入閣拒否のように、監督個人が望む組閣要望とは乖離(拙注:かいり=そむき離れること)する危険性も孕(はら)んでいる。
　人を育てながら勝つ。どこの組織もが直面するこの二兎追い問題、このコーチ人事にどんな人物が配されるのか注目していたが、発表された新入閣人事で目を引くのが、一、二軍の投手巡回コーチに元巨人・日本ハムなどで実績も十分の浅野啓司氏。日本記録のシーズン68暴投を記録し、「三本の矢でも折れるモノは折れる」を実証してしまったバッテリーに光山英和氏。打撃には小川博文氏と他球団でコーチをしていた森政権時代のOBが並び、投手には現投手陣もよく知り、信頼も厚い木塚敦志が復帰と、ある程度経験値を汲んだ組閣という印象がある。

　「DeNAベイスターズは指導者の人材育成においてはまだまだ黎明期です。自前でコーチを育てることも大事ですが、一方で最大の目的は勝つこと。『まだ人材育成中だから』といった言い訳もできないので両立、並走させていかなくてはなりません。来年、しっかりと勝負するためにも、監督一人で勝負するのではなく、高田GMの組閣プランによって、経験のあるコーチをそろえました。組織全体で監督をサポートしながら優勝を目指して勝負していきます」

　しかし、返す返すも残念でならないのは今季。前半戦、5割ながら首位で折り返すという千載一遇のチャンスも、終わってみれば最下位。DeNAになって1年目の2012年はどん底の6位、2年目最下位争いを制し5位に浮上。3年目4位を争うも競り負けてまた5位と段階的に成長が目に見えていながらも、今年またふりだしに戻ってしまったかのような徒労感。

　一体何が原因で、チームに足りなかったものは何なのか。池田社長は「とにかく、単純なミスが多すぎた」と分析する。

　「秋季キャンプのスローガンにもなっていますが、今のDeNAベイスターズに足りないものは“凡事徹底”です。プレイ、指導、コミュニケーション、すべてにおける基本の徹底。さまざまなところで、チームにおいて凡事が徹底されていなかった。それが勝てなかった、最下位に転落した一番の原因だと思います。
　選手たちとも相談して、“自分たちのチームに何が足りないのか”ということを再認識して共通の意識を持ち、それをファンの皆様に表明するために、あえて最終戦のセレモニーでファンと共有するVTRを流しました。正直、プロ野球なのにあらためて『凡事徹底』……という複雑な思いもありましたが、ファンのみなさん含めてみんなの正直な気持ちと悔しさはその言葉に集約されますからね。
　過去の内実を聞いても、ベイスターズは昔から良くも悪くも自由奔放で、細かいことは言わず、大らかな空気があるチームだったようです。それは選手個人個人が成熟していれば優勝した'98年のように選手同士でゲームを作れて、チームとしての強さを生み出すこともあるのかもしれませんが、そこまでにはまだまだ至っていない。勝つための凡事を徹底できないレベルで、チーム全体が自由奔放では、成熟したチームとシーズンを通して戦う長丁場の結果は自明(拙注=説明しなくても自ずと明らかなこと)になってしまう。
　監督・コーチ陣をはじめ、全員の意識が基本の細かいことからすべてを徹底することに向いて、選手同士でもミスが発生したら、慰め合うよりも冷たい視線が飛ぶくらいの空気が生まれたチームにならなければ、いつまでも“ベイスボール”と揶揄される世界から抜け出せない。これまでは、そういう文化がこの球団にもチームにも育ってこなかった。心地よくないことを言うのは人間誰しも難しい。そこを直視してこなかった。これはプロの世界では、『勝てない』ということになるだろうと思います」

　6日から奄美大島ではじまった秋季キャンプでは、ラミレス監督の下、この“凡事徹底”を掲げたキャンプが行われている。もう一度基本に立ち返っての再スタート。監督自ら宿舎の部屋のドアを開け放ち選手を待つなど報道陣に話題を振りまきつつ、ファンからの「ゲッツやってください」という声を笑顔で抑えながら声援に応えつつ、このDeNAベイスターズというチームが本当に強くなるための根幹を築いていく。……ラミレス監督がやるべきことは実に多い。

　「ラミレス監督には凡事徹底の意図も監督面談の段階から何度も対話して、理解してもらっています。今までも、そしてこれからも、私だち経営側の人間が野球の世界でできることは、足りないものを言葉で明確にして、改善できるような仕組みや体制づくりをしていくこと。来年は絶対に勝ちたいです。この数年も勝ちたいといいながら負け続けて……本当に忸怩(じくじ)たる思いがあります。特に今年はこんなにお客さんに来てもらったのに、野球を直接やらない立場であるからこそ、本当に忸怩たる思いでやるせなかった」

　「もう本当に勝つしかない」と燃える百戦錬磨の池田社長の情念は、今度こそ届くのか。それともやっぱりベイスターズはベイスターズであり、CSを知らぬまま朽ちて行く深い業に囚われた乙女であるのか。
　やり手vs.やらない手、圧倒的な行動力で世間を動かしてきた天才集団と、未だ手懐(てなず)けることを拒むかのようなベイスターズという怪物との壮絶な戦い、その第二幕がはじまる。

〈文藝春秋社「sportsgraphic Number web」野次馬ライトスタンド 11月18日配信「DeNAの第二幕はどこへ向かうのか。球団社長に来季戦略を直撃！」より　～おわり～〉

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〈神奈川新聞10月3日付より〉
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〈スポニチAnnex10月18日配信より〉

　公になっている話かどうか分からないが、多村はこの夏、母校・横浜高の県予選の応援に訪れている。友人とのツーショットが地元・神奈川新聞に掲載された。プロ野球選手がシーズン中に、というのは極めて異例。しかし多村にファームのゲームで与えられる打席は2打席しかなく「若手育成が最優先」。そんな中でスケジュールを縫っての観戦は後輩たちを励ますというよりも、昔の自分たちから勇気を授かりたかったというのが本心のところだったに違いない。掲載されたのはプロ野球面ではなく高校野球面であったがそれがGMをはじめフロントにどう映ったかは、球団の扱いが物語るところだろう。
　「未だに消化出来ない潜在的な恐怖」は今後も「再発」するのだろうか。一度二度なら偶然で片付けることもやぶさかでない。ファンが心配するそこにも「チームとして黎明期(れいめいき=新しいことが起きようとする時期)」と池田社長は心を砕く。さらには「責任を取って辞任」したはずの指導者が即他球団のコーチに就任し、弱点を突かれるという事実上の「流出」、ハマスタの最終戦終了後のセレモニーでスクリーンに流れたミス、ミス、ミス…。何だか少年野球の世界みたいな、黎明期と言えば聞こえはいいが発展途上国どころか明らかに「後進国」の野球に「本当に忸怩たる思いでやるせなかった」。それでもどこかのIT企業の社長のようにベンチにズカズカ入って文句を言ったりしない。なにしろ打撃コーチに「どうですか」と尋ねただけで口論になる。その一件もまたチームの稚拙をあらわにした。
　「経営側が出来ることを明確にして体制づくりをする」。そのほんの手始めがハマスタを100億で買収するということ。決してはした金ではない。DeNAは本気なのだ。

〈♪dedicated to Southern All Stars〉

タグ：: #横浜DeNAベイスターズ; #池田純; #アレックス・ラミレス; #中畑清; #多村仁志; #金城龍彦; #高橋尚成; #横浜スタジアム; #村瀬秀信

November 03, 201508:00

カテゴリ: 横浜ＤｅＮＡベイスターズ; Breeze to NAGAURA

サムライ

♭DeNAが30日、アレックス・ラミレス新監督(41)が率いる来季のコーチングスタッフを発表。小川博文氏(48)が1軍打撃コーチに、木塚敦志氏(38)が同投手コーチにそれぞれ就任した。

　来季スタッフは次の通り。

＜1軍＞
監督　アレックス・ラミレス
ヘッドコーチ　進藤達哉
打撃コーチ　小川博文
打撃コーチ　坪井智哉
投手コーチ　篠原貴行
投手コーチ　木塚敦志
内野守備走塁コーチ　万永貴司
外野守備走塁コーチ　上田佳範
バッテリーコーチ　光山英和

＜2軍＞
監督　二宮至
総合兼外野守備走塁コーチ　青山道雄
チーフ打撃コーチ　高須洋介
打撃コーチ　小池正晃
巡回投手コーチ　浅野啓司
投手コーチ　島田直也
投手コーチ　有働克也
内野守備走塁コーチ　永池恭男
バッテリーコーチ　山下和彦
バッテリー兼育成担当コーチ　藤田和男

〈スポニチAneex 10月30日配信より〉

♭DeNA・山口俊投手(28)が新選手会長に就任することが31日、決まった。計3シーズン務めてきた現会長の下園辰哉外野手(30)から指名され、今月下旬の選手会納会で正式に誕生する。
　山口は生え抜きの10年目、12年には史上最年少で通算100セーブを達成した。先発転向2年目の今季は3勝にとどまったが、投手陣の柱として不可欠な存在。この日も横須賀・ベイスターズ球場で秋季練習に参加し「選手全員で話ができる機会を多くつくっていきたい。そういうイメージは持っています」と早くも責任感をにじませた。
　この日はラミレス監督以下、来季の新体制も発表。選手会長はDeNAとしては3代目となり、下園も「俊に安心して任せたい。人間的にもいいと思う」と期待をかける右腕。ますます活躍の場は広がりそうだ。
〈スポーツ報知 web 10月31日配信より〉

♭もう一花、咲かせる。今季限りでDeNAを退団した多村仁志外野手(38)が他球団での現役続行を目指し、戦力外通告を受けた翌日から週5日のトレーニングジムで体をいじめ抜いている。「先が見えない状況で不安がないと言えばうそになる。でも支えてくれる家族、ファンのためにもまだ辞められない」。
　今年は数多くの名選手が現役引退を決断した。山本昌、斎藤隆、谷繁、西口、谷、和田、小笠原、高橋尚、井端、高橋由…。同世代の金城も現役生活に別れを告げた。「金ちゃん(金城)はずっと一緒にやってたからね…。なんでこんなにたくさん辞めるんだろう、まだみんなできるだろうと思ったから驚いた」と複雑な表情を浮かべる。
　プロ21年目の今季は4試合出場のみで打率.143、0本塁打。5月3日に登録抹消後は、1軍で出場機会がなかった。イースタンでは若手育成のチーム事情で毎試合2打席限定だったが、打率.319、7本塁打。動体視力の衰えは感じず故障もない。それでも4カ月以上の2軍暮らしは、気持ちがいつ切れてもおかしくない状況だった。
　「この球団を離れる理由はない。ファンも熱いし、地元の横浜で現役生活を終えるつもりだった」と心の葛藤を吐露する。それが、他球団での現役続行。決断を後押ししたのは尊敬する先輩、恩師の言葉だった。

　9月下旬。テレビをつけると、06年の第1回WBCで共にプレーしたイチローの特集に目がくぎ付け。野球評論家の佐野慈紀氏が「もう少し(現役を)やりたかったなあ」とつぶやくと、イチローが「じゃあ、やればいいじゃないですか。何で自分で限界をつくるんですか」と聞き返した。その言葉が強烈に心に残り、自分の気持ちに正直になれた。「そうか、やれると思うんだったらやってもいいんだ」。
　イチローだけではない。DeNAの退団が決まりソフトバンク、侍ジャパンで指導を受けた王貞治ソフトバンク球団会長に電話。「悔いの残らないように頑張れよ」と励まされ、「今までたくさんの金言を頂いた。力がみなぎるよ」と決意が固まった。
　04年に日本人球団初の40本塁打を放つなど通算打率.281、195本塁打。「打席での威圧感が違う。敵になりたくない」とDeNAナインは口をそろえる。昨年まで同僚だった中村紀洋も「いろんな選手を見てきたけど、多村は天才。あの打撃技術は凄い」と一目置くほどだった。
　引き際が近いことは自覚している。でも今ではない。「次の球団が最後になると思う。チャンスがあればどこへでも行く覚悟です」。まだ、できる。
〈スポニチAnnex 11月2日配信より　横浜DeNA担当・平尾類〉

　沢田研二という歌手をご存じだろうか、などと聞くと中畑清の現役を知らない世代は「誰だ、そいつ」というだろうし、現役を知っている世代は「TOKIO」、「カサブランカダンディー」、「勝手にしやがれ」…。更には70年代、「ザ・タイガース」(野球のチームではない)のボーカルとして一世も幾瀬をも風靡(ふうび)した唯一無二のシンガーである。少し前にニュース沙汰になったが、ライブで新しい曲ばかり披露する彼に客席のコアなファンから「昔の曲もやって！」と声が上がった。するとジュリー(沢田の愛称である)は「聴きたくないヤツは帰れ！」とマイク越しに怒鳴ったらしい。
　かつてジュリーとスタレビが好きという女性と酒場で意気投合した。ライヴにもよく足を運ぶという。1度好きになったら嫌いになんかなれない、というファン心理はベイスターズと相通ずるものがある。彼女に言わせれば「いつまでもカッコイイのよ」。彼女がジュリーに罵倒されるタイプのファンかどうかは分からないが、ダンディーと言えばCMのキムタクと「ゲッツ！」になってしまった今となっては、やはり不世出のひとである。
　閑話休題。多村仁志である。スペランカーの悪名がついて回った横浜時代。スペランカーとは洞窟探検のゲームソフトの名前で、すぐにトラブルでデッドしてしまうところから付けられた。デッドボールで骨折、ふくらはぎ、ももの筋肉、果てはハマスタに行く途中で事故る…。見切られる形でホークスへトレード。さすがに世界の王の前ではその「悪癖」は潜めたかに見えたが、「スペ」の名はホークスファンにしっかり受け継がれていた。DeNAベイスターズとなっての復帰も「再発」したかのような持久力の無さにGMも指揮官も閉口。この手の選手を嫌うのは荒波、石川を見て然りである。ましてやプレーに態度が出るならなおさら。「黒ノリ」に同じとしてしまう。
　今のベイスターズが何を指針としているか。それは北海道に移った直後のファイターズだとどこかで読んだ。だとすればウイークポイントのある選手を獲るべきではなかった。カープが成功しているのはスカウトにそれを徹底させていたからだ。
　それでも私は多村仁志が好きだった。多村の密度の濃い打撃は後藤の比ではない。そのくせ、わざわざ足を運んだ草薙での試合で死球退場したりと、それはジュリーに恋い焦がれる彼女にもきっと理解してもらえたはずだ。どうしてこのチームは選手をこうも使い捨てるのだろう。それともポストは用意してあるのに本人が不完全燃焼のままでは辞められないからなのか。

〈♪song by Jully〉

タグ：: #横浜DeNAベイスターズ; #多村仁志; #山口俊; #アレックス・ラミレス

August 25, 201408:50

カテゴリ: 横浜ＤｅＮＡベイスターズ; vs Swallows

さよならイエスタディ

vs 東京ヤクルトスワローズ(横浜DeNA13勝6敗) 松山坊っちゃんスタジアム 18時04分開始

De 000 000 001|1
ヤ 010 010 00X|2

勝:小川(11試合6勝5敗)
Ｓ:バーネット(22試合2敗8セーブ)
敗:井納(20試合10勝7敗)

本:雄平18号①(井納)、武内4号①(井納)、バルディリス14号①(バーネット)

継投:
De/井納(7回)-長田(1/3)-林(2/3)
ヤ/小川(8回)-バーネット(1回)

二塁打:高城　犠打:田中浩　盗塁:梶谷(31)

2時間59分　10,635人

♭

　2点を追う8回1死一、二塁。好機で梶谷は空振り三振、ブランコは直球に押され力ない遊飛。これで勝負あった。
　8安打でわずか1点。つながりを欠いた打線は、前日のモスコーソに続いて先発井納の好投をフイにした。
　暗雲が立ち込めたのは2回だった。前日にソロを放った多村が2回の第1打席、脚に違和感を覚えてその裏の守備から交代。以前から両脚に痛みを抱えており、中畑監督は「体の状態はわかっている。しっかり治してから(1軍に)戻るように伝えた」。8月は前日まで26打数11安打7打点、3本塁打で打率4割2分3厘。筒香とグリエルが不在の打線を支えてきた背番号8の離脱は手痛い。
　引きずられるかのように梶谷は3打数、ブランコは4打数でともに無安打。この3試合で2人合わせて21打数1安打と振るわず、指揮官は「今までにないくらい内容が悪すぎる。2枚いっぺんにブレーキしては勢いに乗れない」と肩を落とした。
　最下位を相手に、まさかの2連敗でムードは真っ暗。26日の中日戦からは多村に代わり、グリエルが昇格する。「空気を変える存在に期待しなきゃいけない時期がきた」と中畑監督は言う。故障明けのキューバの至宝に、期待をかけるしかないのが実情だ。

(ここまで「フルマーク」運動部・清水嘉寛)

　井納は7回5安打2失点と試合をつくったものの、打線の援護に恵まれず7敗目。連打は許さなかったが2回に雄平、5回に武内に浴びたソロが致命傷となり「あの2本は防げた」と唇をかんだ。
　ただ「それ以外は良かった」との言葉通り、大黒柱の意地は見せた。最速151㌔の直球を主体に6回は三者凡退、7回無死一塁は併殺で切り抜けた。ハーラートップタイの11勝目は逃したが「次はもっと大事な試合になるはず。この投球を続けたい」と前を向いた。

　「(10日に6回途中KOした)小川にはリベンジしたいという強い気持ちを感じた。(こちらに)向かう姿勢がなく、全部受けに回ってしまった。ただ、勝負はここから」
(「キヨシ絶口調!!」より)
〈神奈川新聞8月25日付より〉

　地方遠征で下位相手に連敗取りこぼし──。一見“終戦間近”のように映る。拙稿で毎年のようにタイトルになる「諦めの夏」のメロディ。2回の多村の交代も記事によっては、二塁ゴロに走らず「やる気のないように見えた」とも書かれている。前日ミスの山崎にも出番はなかった。感情的な指揮官が、懲罰を下している場合ではない。「体の状態はわかっている」というこの記事に、迷いの霧が晴れていく。多少遅くはあるが、幸い、上はもつれている。勝負は9月、それまでに間に合えばという指揮官の「強がり」もまんざらではなさそうだ。井納の調子が戻ってきた。ブランコの前後にグリエル、筒香が並べば主砲へのマークも緩むことだろう。虫垂炎で入院してしまったが、ドラフト1位・柿田の先発予定もあったという。ここから「今までとは違う」ところを見せてほしい。

〈♪music by TUBE〉

タグ：: #横浜DeNAベイスターズ; #井納翔一; #トニ・ブランコ; #梶谷隆幸; #多村仁志; #ユリエスキ・グリエル; #中畑清

August 24, 201413:10

カテゴリ: 横浜ＤｅＮＡベイスターズ; vs Swallows

HIGH FIVE

vs 東京ヤクルトスワローズ(横浜DeNA13勝5敗) 松山坊っちゃんスタジアム 18時06分開始

De 020 000 000|2
ヤ 001 000 30X|4

勝:山本哲(36試合3勝3敗2セーブ)
Ｓ:バーネット(21試合2敗7セーブ)
敗:ソト(22試合1敗1セーブ)

本:多村4号①(石山)

継投:
De/モスコーソ(6回)-ソト(1/3)-国吉(2/3)-長田(1回)
ヤ/石山(5回)-松岡(1回)-中澤(2/3)-山本哲(1/3)-秋吉(1回)-バーネット(1回)

二塁打:黒羽根　犠打:山崎　失策:山崎

3時間56分　15,680人

♭

　球団外国人として歴代最多の9勝目と5連勝が懸かった先発モスコーソは6回4安打1失点。きっちりゲームをつくり、2番手ソトへ継投。さあ記録達成へ。1点リードの7回1死一塁、二塁ベース寄りのボテボテのゴロに遊撃山崎は、トスに備えて腰を落としてグラブを差し出した。
　誰もが併殺打のシーンをよぎらせたであろう、その瞬間だ。無情にもグラブから白球はこぼれてオールセーフ。1死一、二塁。狂った歯車が戻ることはなかった。3番手国吉が連打を浴びて同点にされると、川端の2点適時打で勝ち越された。今季10個目の失策に山崎は「きょうの負けはすべて自分の責任。モスコーソにも申し訳ない」と肩を落とした。
　最後はやはり、守備が勝敗を分けるのが野球なのか。今季105試合目にして、12球団ワーストの89失策を記録。「墓穴を掘ったね。守りのミスで負けた」と中畑監督は悔やむ。
　一方のモスコーソを見習ってほしい。この日の2四球を含めた計37個の四死球のうち、生還を許したのは2人だけ。「自滅しない」(黒羽根)投球で勝ち星を重ねてきたが、フイになった。
　これで4月1日以来の4位浮上は手のひらからこぼれ落ち、3位広島とのゲーム差は7に。「先のことを考えても仕方がない。目の前の一戦一戦を全力で」と中畑監督。松山に吹く晩夏の風はもう肌寒く、秋の到来を感じさせた。

(ここまで「フルマーク」運動部・清水嘉寛)

　横浜DeNAは多村の4号ソロで先制。2回、141㌔の内角の直球にバットをしならせると、打球は左翼席中段へ。「失投なのか、甘く来たストレートをしっかり捉えることができた」と好感触の1発を振り返った。
　これで8月は月間で26打数11安打7打点、3本塁打。打率も4割2分3厘と好調さを維持する背番号8は「まだまだ追加点を重ねていきたい」と頼もしかった。

　「2‐0でリードして安堵感のようなものが出ていた。ミスから自分たちで勝ち試合を放棄した。打線もチャンスをものにできず、負の流れだった」
(「キヨシ絶口調!!」より)
〈神奈川新聞8月24日付より〉

　グリエルの入団という“よん所ない”事情ではあるが、絶対的な二遊間に手を入れてしまった“ツケ”が回ったのではないか。ショートの負担が増えてのミスでなければいいが。だとすれば、“名手”はどこを見つめて守っていたのだろう。

〈♪music by Rina Katahira〉

タグ：: #横浜DeNAベイスターズ; #山崎憲晴; #ギジェルモ・モスコーソ; #黒羽根利規; #多村仁志; #中畑清

August 13, 201408:30

カテゴリ: 横浜ＤｅＮＡベイスターズ; vs Dragons

I was born to love you

vs 中日ドラゴンズ(横浜DeNA4勝9敗1分け) 岐阜県長良川球場 18時00分開始

De 002 130 000|6
中 000 100 120|4

勝:久保(20試合10勝5敗)
Ｓ:三上(46試合1敗15セーブ)
敗:朝倉(19試合4勝5敗1セーブ)

本:石川7号①(朝倉)、高橋周4号①(久保)

継投:
De/久保(7回)-ソト(0/3)-国吉(1回)-三上(1回)
中/朝倉(4回0/3)-田島(3回)-岡田(1回)-又吉(1回)

三塁打:梶谷　二塁打:ルナ2、朝倉、多村、森野、バルディリス、大島　犠打:山崎、久保　犠飛:黒羽根　失策:筒香　死球:バルディリス(朝倉)

3時間51分　18,466人

♭

　久保がベテランらしい巧みな投球術を見せた。7回2失点で、自身4年ぶりの2桁勝利となるリーグトップタイの10勝目。ついに中日にゲーム差1にまで迫った。
　10安打を浴びながらもやすやすと本塁は踏ませない。ベテランらしく両サイドへ丁寧に投げ込んだ。7回、高橋周のソロで6‐2にされて、なお1死三塁。荒木、エルナンデスにいずれも低めの直球を打たせて内野ゴロで料理した。「走者を進塁させなければ得点にならないという僕らしい投球だった」と胸を張った。
　阪神からフリーエージェント(FA)宣言し、横浜入団を決めたのは中畑監督からの「うちで最初の2桁投手になってくれ」という口説き文句。ただ、右腕は期待に応えても浮かれていない。「いくつ勝ったというのは野手のおかげで、投手の成績じゃない。目標としているのはどれだけ長いイニングを投げるかということ」。その言葉が頼もしい。
　井納と並び、2人の2桁投手が生まれるのは2007年の寺原(12勝)と三浦(11勝)以来。モスコーソ(7勝)らも続き、昨季とは比べものにならないほど先発の駒がそろっている。
　3位広島とも3ゲーム差。「まだまだ。油断していると、足元をすくわれる。一戦必勝、やることは変わらない」。中畑監督は気を引き締め、決戦の夏を見据えた。

(ここまで「フルマーク」運動部・深沢剛)

　石川が4回に貴重な追加点となるチーム3点目のソロをマーク。これで8試合連続安打と好調を保ち続けている。
　2死無走者でストライクを取りにきた朝倉の初球を見逃さずに強振。打球は右翼最前列に飛び込んだ。「いつもは初球は見逃してるけど、結果がよくてよかった」と納得の表情を浮かべた。
　今シーズンの本塁打は7本目。昨季の5本をすでに上回っている。「前日に三浦さんにステーキを食べさせてもらったのでパワーがついて打球がスタンドまで届いた」と上機嫌だった。

　3回に2点目の適時二塁打・多村「ゴウが一生懸命走って併殺崩れにしてくれたので、何とかつなごうと思って打った結果」

　5回に中前タイムリー・ブランコ「昨夜、三浦さんにステーキをごちそうになったのでミウラビーフパワーだね」

　地元・岐阜で15セーブ目の三上「高校の関係者や家族も応援に来ている中で、いつも通りマウンドで抑えようと思った。この球場でこれだけ多くの観客の前で投げたのは初めて」

　「立ち上がりは外野が好守備で久保のリズムをつくってくれた。(8回無死満塁から登板の)国吉が踏ん張ってくれた。小笠原との対決は見応えのある勝負だった」
(「キヨシ絶口調!!」より)
〈神奈川新聞8月13日付より〉

　ゲーム差で1。しかしきょう13日に勝っても勝率で並ばない。4勝9敗。中日だけでなく、上位チームにはまだまだ返してもらわないといけないのは指揮官と同じ思いだ。デニー、波留、佐伯、そして谷繁。横浜を知る中日の心臓部がベイスターズに与える影響は大きい。数字のマジックで気持ちに隙を見せている場合ではない。週末は阪神戦。一戦必勝。正念場は続く。

〈♪music by Queen〉

タグ：: #横浜DeNAベイスターズ; #久保康友; #国吉佑樹; #三上朋也; #石川雄洋; #多村仁志; #トニ・ブランコ; #中畑清

August 11, 201408:45

カテゴリ: 横浜ＤｅＮＡベイスターズ; vs Swallows

MOON PRIDE

vs 東京ヤクルトスワローズ(横浜DeNA13勝4敗) 横浜スタジアム 19時21分開始

ヤ 100 010 010|3
De 100 212 00X|6

勝:高崎(9試合1勝)
Ｓ:三上(45試合1敗14セーブ)
敗:小川(9試合5勝4敗)

本:ブランコ9号①(小川)、多村3号②(小川)、バレンティン24号①(ソト)

継投:
ヤ/小川(5回1/3)-久古(2/3)-徳山(1回)-中澤(1回)
De/高崎(6回)-国吉(1回)-ソト(1回)-三上(1回)

二塁打:川端、石川、山田、バレンティン　盗塁:石川(6)　死球:梶谷(久古)

3時間10分　29,552人

♭

　強烈な追い風に、打球を乗せた。2点リードの6回1死一塁。代打で登場したDeNA・多村はバックスクリーンへ試合を決定づけるダメ押しの3号2ランを放った。
　「気候は当然頭に入れていた。ライナー性の打球は伸びる」。台風11号の影響で試合開始が1時間21分も遅れ、風速8㍍以上の悪天候。多村は5回、ベンチからバレンティンの中堅への飛球が伸び、フェンスを直撃したのを見て狙った。内角低めのシュートをすくい上げるように振り抜いた。
　プロ20年目の37歳にとって、常に支えてくれる妻に贈る一発でもあった。「きょうは奥さんの誕生日で、俺が家を出てからプリザーブドフラワーを自宅に届くように手配した。本塁打も打ててよかった」と笑った。
　ヤクルト戦は13勝4敗とし、早くも勝ち越しを決めた。今月はリーグトップの5勝2敗で、最大13あった借金も5まで減らした。「最低5割を目標にしてきた。まだ借金5かという感じ。苦手なチームをどう克服していくかが大事になる」と中畑監督。好調を一過性の勢いで終わらせるつもりはない。
(ここまで横浜DeNA担当・平尾類)

　高崎が6回2失点で今季初勝利を挙げた。試合開始が1時間21分も遅れる中、3度のブルペン入り。計80球も投げて結果を出し「難しい部分があったけど、気持ちを切らさずに投げられた」と振り返った。12年に開幕投手を務めた8年目右腕だが、今季は開幕ローテーション入りできなかった。2度目の先発機会。春先に習得したシュートを効果的に使い、直球も140㌔後半と球威が増して、中畑監督は「いい時の高崎だった。(強力打線の)ヤクルト相手にも安心して見られた」と称えた。
〈スポーツニッポン8月11日付より〉

〈♪music by ももいろクローバーZ〉

タグ：: #横浜DeNAベイスターズ; #多村仁志; #高崎健太郎; #中畑清

August 07, 201408:50

カテゴリ: 横浜ＤｅＮＡベイスターズ; vs Giants

ラブソングはとまらないよ

vs 読売ジャイアンツ(横浜DeNA6勝6敗) 横浜スタジアム 18時00分開始

巨 000 100 001|2
De 030 003 00X|6

勝:山口(24試合4勝3敗)
敗:杉内(19試合7勝4敗)

本:多村2号②(杉内)

継投:
巨/杉内(5回1/3)-田原誠(2/3)-西村(2回)
De/山口(6回)-三上(1回)-ソト(1回)-国吉(1回)

二塁打:桑原、バルディリス、山崎、橋本　犠打:山崎、山口　失策:桑原、黒羽根　捕逸:黒羽根、阿部

3時間14分　28,186人

♭

　サヨナラの興奮から一夜、21歳のバットの熱はまだ冷めていなかった。「1番・二塁」に抜てきされた桑原が2安打1打点。「いいところで仕事するね。あいつがいると空気を変えてくれる」。その活躍に中畑監督も目を細めた。
　1回にいきなり左翼フェンス直撃の二塁打。この一打が、杉内に前回対戦(7月30日)で11三振を奪われ、8回1得点に抑えられていた先輩たちに火をつけた。
　「先頭でクワが出て、今日もいけるんじゃないかという雰囲気をつくってくれた」。2回に先制2ランを放った多村が言う。2回2死二塁では外角の変化球を狙い、三遊間を抜ける3点目のタイムリー。「強引にならずコンパクトに打つことを心掛けた。うまく食らいついて打てた」と本人も納得する。
　7月4日の阪神戦で、メッセンジャーに3打席で計29球も粘って投げさせた執念が指揮官のハートをつかんだ。冷静にボールを見極め、積極的にバットを振って食らいつく。「自分は自分のできることしかできない」。ファームで自分の長所を伸ばしてきた。
　巨人相手に6勝6敗。昨季の5勝(18敗)をすでに上回った。「勝ち越しのチャンスもあるなんて信じられないね」と中畑監督。3年目の背番号37が努力の跡を示しているように、3年目の中畑ベイスターズも少しずつだが成長を見せている。

(ここまで「フルマーク」運動部・深沢剛)

　6試合ぶりに先発出場した多村が、対杉内で起用した首脳陣の期待に応えた。6月21日の西武戦以来となる本塁打を含む3安打2打点で、打線をけん引した。
　2回1死一塁で、杉内の内寄りの変化球を左翼スタンドへ。「風も強かったので強く振らなくても入るかなと思ったけど、長らくホームランの感触を忘れていました」とほっとした表情。6回にも右前打を放ち、試合をほぼ決定づける3得点に結び付けた。

　2カ月近く勝ち星がなかった山口が待望の4勝目。巨人を相手に6回4安打1失点と復調を印象づけた。6月15日以来の勝利を手にし、久しぶりのお立ち台に上がった背番号11は「自分の勝ちというより、チームに貢献できてよかった」と笑みを浮かべた。
　1回を三者凡退に抑えて上々の立ち上がりを見せると、最速150㌔のストレートを軸にテンポよく、ストライク先行のピッチング。4回は桑原の失策と黒羽根の捕逸が絡んで1点を失ったが、5回2死満塁のピンチも藤村を遊ゴロに仕留めて切り抜けた。
　山口は「要所を抑えられたのはよかったし、自分に有利なカウントで投球できるように心掛けた」と満足げに振り返っていた。

　5日の巨人戦(ハードオフ新潟)で左手を負傷して降板した大原が6日、出場選手登録を抹消された。大原は延長11回に高橋由の打球をつかもうとした際に左手中指を打撲していた。川村投手コーチは「症状は軽い。ただ疲労もあるし、リフレッシュも兼ねて外した。最短の10日間で戻ってきてくれれば」と説明した。
　大原は今季40試合で2勝1敗、防御率4.03。

　「2回の集中打で、うまくプレッシャーを与えられた。(巨人戦が五分となり)びっくりだね。でも明日がある。奇跡を起こしていきましょう」
(「キヨシ絶口調!!」より)
〈神奈川新聞8月7日付より〉

〈♪music by IKIMONOGAKARI〉

タグ：: #横浜DeNAベイスターズ; #桑原将志; #多村仁志; #山口俊; #大原慎司; #川村丈夫; #中畑清

July 06, 201410:40

カテゴリ

リルラリルハ

vs 阪神タイガース(横浜DeNA3勝8敗) 横浜スタジアム 18時00分開始

神 000 000 210|3
De 000 000 000|0

勝:岩崎(11試合3勝3敗)
Ｓ:呉昇桓(31試合1勝2敗18セーブ)
敗:モスコーソ(12試合4勝6敗)

本:ゴメス14号②(モスコーソ)、今成3号①(長田)

継投:
神/岩崎(7回)-福原(1回)-呉昇桓(1回)
De/モスコーソ(7回)-長田(1回)-藤江(1回)

三塁打:多村　二塁打:グリエル、金城　死球:バルディリス(岩崎)

3時間21分　26,641人

♭

　「野球は点が取れなきゃ勝てないゲームだからな…」。中畑監督が当たり前のことを言わなければならない気持ちも理解できる。岩崎‐梅野、阪神の新人バッテリーに7回無得点に抑えられ、結果零封負け。最下位でペナントレースを折り返した。
　過去2試合、12イニングでわずか2得点しかできていない左腕が相手。だからこそ対策は十分かと思いきや、対応力のなさが目立った。
　140㌔前後のボールにも伸びがあったのか。リーグ最下位に沈む打率2割4分6厘の横浜打線はストレートにことごとく差し込まれた。グリエルが1人気を吐くも、後が続かない。指揮官は「大振りをして相手の術中にはまってしまった」と憤る。
　小技もできない。多村の三塁打などでつかんだ4回1死一、三塁。しかし、黒羽根が初球スクイズを試みるもファウルとし、若い相手バッテリーを助けてしまう。結局は投手への力ないゴロに終わり、多村がタッチアウトとなって絶好期はつぶれてしまった。
　30勝42敗でのターン昨季と全く同じ。それでも巨人から7点差をひっくり返したような1年前の爆発力は全くない。
　「打線の整備をしないと。メンバーを入れ替えて仕切り直す」。中畑監督はそう言うが、主砲を欠く打線がガラリと変わる特効薬はなく、地道に汗を流すほかないだろう。

(ここまで「フルマーク」運動部・深沢剛)

　モスコーソは1発に泣いた。0‐0の7回1死一塁。ゴメスに投じたスライダーが高く浮いてしまう。捉えられた打球はバックスクリーン左に飛び込み、痛恨の2ランとなった。
　140㌔後半の直球で押し、阪神打線をねじ伏せてきた。三者連続の空振り三振で1回を完璧に抑えると、6回まで二塁を踏ませない力投。それだけに悔やまれるボールだった。
　援護にも恵まれなかった右腕は「1球の失投で失点してしまったのが悔しい」と肩を落としたが、「落ち込んではいられない。これも試合の一部」と必死に気持ちを切り替えていた。

　「2失点は投手の責任じゃないよな。(モスコーソは)ゲームをつくっているし、打線が3点までは取らないと。(9回1死満塁の)盛り上がりをもっと前につくっておかなければいけなかった」
(「キヨシ絶口調!!」より)

　tvk(テレビ神奈川)制作の音楽情報番組「saku saku(サクサク)」でMCを務めるトミタ栞さん(20)が5日の阪神戦(横浜)で始球式を務めた。
　トミタさんは横浜を拠点に活動し、2013年にデビュー。6日の阪神戦まで行われる球団イベントのテーマソングに、新曲「みなとみらい」が選ばれたことから登板となった。試合前には球場でミニライブも行った。
　始球式では152㌢の小柄な体ながら大きく振りかぶって投げ、ボールは捕手のミットに見事に収まった。「練習はワンバウンドだったので不安だったけど、本番では捕手までの距離が少し近くに感じて不思議と落ち着けた。とても貴重な経験をさせてもらいました。絶好調」とコメントした。
〈神奈川新聞7月6日付より〉

〈♪music by Kaera Kimura〉

タグ：: #横浜DeNAベイスターズ; #ギジェルモ・モスコーソ; #ユリエスキ・グリエル; #多村仁志; #黒羽根利規; #中畑清; #トミタ栞

June 22, 201411:10

カテゴリ: 横浜ＤｅＮＡベイスターズ; vs Lions

Yes We Are

vs 埼玉西武ライオンズ(横浜DeNA2勝1敗) 横浜スタジアム 14時06分開始

西 200 000 031 1 |7
De 000 104 010 2X|8

勝:林(19試合1勝)
敗:ウィリアムス(24試合1勝2敗)

本:メヒア6号②(モスコーソ)、グリエル2号①(岸)、後藤3号①(岸)、多村1号②(岸)、木村3号③(ソーサ)、脇谷1号①(加賀)

継投:
西/岸(5回1/3)-藤原(1/3)-武隈(1/3)-ボウデン(1回)-増田(1回)-高橋(1回)-ウィリアムス(2/3)
De/モスコーソ(6回2/3)-大原(1/3)-ソーサ(2/3)-長田(1/3)-三上(1回)-加賀(2/3)-林(1/3)

三塁打:嶺井　二塁打:山崎、バルディリス、黒羽根、金子侑、白崎　犠打:多村　失策:バルディリス　死球:渡辺直(モスコーソ)

4時間7分　28,679人

♭

　1点を追う延長10回2死一、二塁。打席に向かう嶺井に小池打撃コーチがささやいた。「直球1本を狙え」。金城が敬遠で歩かされるのを見届けた。いまだ安打のない23歳のルーキーは腹をくくり、プロ2打席目に向かった。悔しさが気持ちを奮い立たせていた。
　9回からマスクをかぶり、手痛い失点を許した。「自分のせい。何とか次につなげていかないと」。チェンジアップを2球続けて見送り、3球目。148㌔のストレートを振り抜くと、打球は右翼フェンスを直撃。金城をサヨナラのホームに迎え入れた。
　12球団どん尻の到達ではあるが、これが交流戦通算100勝目(155敗)。1994年以来となる劇的な新人のサヨナラ打で節目の白星を呼んだヒーローは「緊張もした。でも応援がすごい。これが1軍なんだな」と照れ笑いを浮かべた。
　亜大では昨秋の神宮大会で自らアーチを放って優勝したが、「打撃に自信がない」のが本音だ。ただ、プロの球威に驚いてばかりはいられなかった。速球に振り負けまいと、2軍で日が暮れるまでバットを振った。一振りに努力を実らせた。
　それでも喜びは控えめだ。「おまえのおかげで勝てたと言われても、やっぱり自分は捕手。失点が悔しい。自分の置かれた立場を考えないと」。両親に贈るという記念のボールを、嶺井はもっと増やしていく。

(ここまで「フルマーク」運動部・深沢剛)

　5月に無安打無得点試合を達成した西武のエース岸に対し、打線が爆発。3本塁打を放ち、6回途中にマウンドから引きずり降ろした。
　0‐2の4回、先頭のグリエルが初球のカーブを狙って左翼席に2号ソロ。「横浜スタジアムでは初めてのホームランなのでうれしいし、満足している」と振り返る一発で反撃を開始すると、6回には4番に座った後藤が同点ソロ、さらに多村が逆転2ランを中堅左に放り込んだ。
　「次につなげる大事な1点になって良かった」と後藤は満足げ。89打席目で今季第1号がようやく飛び出した多村は「後輩(後藤)が打ったので何とかしたかった。本当に久しぶりの感触」と笑みを浮かべた。

　3週間ぶりに登板したモスコーソは7回途中まで投げ、4安打2失点とまずまずだった。
　1回に変化球の制球に苦しみ、栗山に四球を与えた後、メヒアに先制の2ランを被弾。だが2回以降は力ある直球を軸に得点を許さなかった。ソーサの乱調で5月10日以来となる勝ち星は消えたが、「いい投球ができたし、結果にも満足している」と振り返った。

　10回に打者1人を打ち取り、移籍後初、4年ぶりの白星・林「ごっつぁんですね。戦力外も経験したし、正直ほっとしている。また頑張ろうと思えるいい薬になる」

　「最後まで両チームとも、みんな諦めなかった。最高の野球だね。もう泣きたいくらいだよ。(ソーサについて)今後は若いイニングで使う」
(「キヨシ絶口調!!」より)
〈神奈川新聞6月22日付より〉

　「ルーズヴェルトゲーム！」。開口一番、勝利監督インタビューのアナウンサーはそう叫んだ。野球を愛した米32代フランクリン・ルーズヴェルト大統領が「野球で一番面白いゲームスコアは8対7だ」と話したことに由来する、今宵大団円を迎えるドラマのタイトルである。
　ルーズヴェルト大統領に贔屓のチームがあったかは知らぬが、この日のそれは閣下の語るそれとはかけ離れた「珍事」でしかない。それは指揮官自らが一番よく知り得ているはずである。3点差程度でまだ懲りずにソーサをマウンドに送り込む。1点あれば勝てると敵の打順も考えずに多村に送りバントをさせる。左を克服できていない加賀を左に充て被弾する…。采配の甘さはファンの胃袋をわしづかみにするように痛め付ける。ドラマのプロモーションに付き合わされる我々の身を、中畑清は案じたりしない。本来ならば5‐2で終わっていなければいけないゲーム。嶺井のプロ初安打がサヨナラ安打となったのが唯一の救いだった愚戦である。
　幸運があるうちに次に備えなくてはいけない。選手が頑張っているうちに次の手を考えておかなければ、この1勝は本当に「愚戦」になりかねない。

〈♪music by SMAP〉

タグ：: #横浜DeNAベイスターズ; #ギジェルモ・モスコーソ; #林昌範; #ユリエスキ・グリエル; #多村仁志; #金城龍彦; #ホルヘ・ソーサ; #嶺井博希; #中畑清

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