【名称】泥牛蒡(でろごんぼ)

【出没地域】宮城県川崎町の中之内のお城山

【伝承地域】同地

【要約】

中之内のお城山に住んでいた狐の大将。全身が真っ黒い大きな狐であり、獲物を獲りに出掛けた際に尾を鉄砲で撃たれ、逃げるためにもげそうな尾を自分で木の又に挟んで思いっきり走り尾を切って以来、尾が無かった。

【原文】

三狐(みきつね)ばなし

昔、川崎に三匹の狐がいたんだと。一匹は真白い狐で名前は「薬罐太郎(やかんたろう)」、次は「泥牛蒡(でろごんぼ)」、三匹目のは「観音(かんのん)」狐。

薬罐太郎はお城山に住んでいて、代々身体全部が真白で尾っぽが三つにわかれていたのだと。泥牛蒡は中之内のお城山に住んでいて身体が真黒、観音狐は身体が三色になっていてとっても締麗なおしゃれっこ狐。

その三匹はね、殿様狐で狐仲間の大将、三匹共領地を持っていて、時々領地争いで傷がたえなかったと。そこで或る時、三匹が相談をして川崎の中ではお互い助け合おうじゃないかと話しがまとまったんだと。そうなったんで沢山獲物を取るには外に出掛けなくってならなくなり、円田の方は泥牛蒡、村田の方は観音、本砂金の方は薬罐太郎と決めたんだとよ。

或る夜、泥牛蒡狐は遠刈田や円田方面に出掛けたんだと。そしたら身体の大きな泥牛蒡がズドーンと鉄砲で打たれたんだと。もげないでダランと下がったおっぽを引きずって雑木林に逃げて痛いのを我慢し、木と木のまったにブラブラ尾っぽを狭んで思いっ切り走ったんだと。尾っぽはプッンと切れてしまってそれからは尾っぽがヅンボになっちまったんだとよ。

【コメント】

「泥牛蒡」の名前の由来は不明です。なんとなく「泥だらけの牛蒡みたいに真っ黒い狐だから」なのかなと思っています。(あくまで推測)

【参考文献】

『宮城の昔話シリーズ 第一集 ほうすの玉』p45

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妖怪画提供:大蛇堂 様


追記

・要約を編集、原文を記載しました。(2020/1/29)