フジテレビCS739チャンネルで放送中の、デジタル絵師の作業風景をテーマに沿って紹介する番組です。
1年前になりますが、私のところにも出演の依頼がありました。
けれど、お断りしました。
(というか、返事を返さなかったかも)
白紙からの書下ろしを1枚、1日でつきっきりの収録予定。
作業風景から面体まで公開される割に、「出演料込み」で雑誌に1枚イラストを描く程度の原稿料。(おそらくここが可変なんでしょうねw;)
特に自分の作業場は汚い事もありますし、小心な自分にはちょっと割りが合わない感じでした。
一応「顔は写さないように撮影可能」という事でしたけど、
出ていますよね、どう見ても^;
以前しろさんに聞いた事がありますけど、しろさんも顔は出ない撮影でお願いしたそうです。
本人は放映に対して特に気にしていらっしゃらなかったですけど、私的にはこれはちょっと抵抗があります。
それにしても、上の動画で久しぶりに「原画から線を抽出」という作業を見ました。
私の場合、ラフからデジタルの作業なので、線画を取り出す工程はかえって懐かしくて新鮮です。
シャーペンで絵を描くなんて、色紙くらいですから。
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ラフはPhotoshopの作業でこんな↑感じ。(Clickで大きくなります)
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ペン入れはCOMIC STUDIOでこんな↑感じです。(Clickで拡大)
縮小してあるので潰れていますけど、出力は2値(グレー無しの白黒のみという事です)なので、元の原画はドットが見える画像です。
選択範囲を取るのが楽々で便利です。
最近だとSAIで直描きっていう方も多いんだと思いますけど、特に線画を商品にしている人にはアナログ作業の方の方が多い印象はあります。
鉛筆のかすれがある方が、線自体の味が出せますから。
(蛇足ですが、彩色が下手な場合、ラフ絵の方が見栄えがいいのは「かすれ」によって情報量が稼げるからです。もちろん絵描きとしてはラフ絵よりも彩色が上手く見えるのが理想。逆に、ラフの方が見栄えよく見えるうちは、私は彩色が失敗していると考えて修正します)
自分の場合、イラストレーター以前に「原画」でこの仕事に入ったので、作業上どうしてもグラフィッカーさんの手間を考えてしまいます。
そうすると、線画修正の必要が無く、ゴミ取りも不要で、選択範囲の取りやすいデジタル原画がベストだと判断しています。
もちろん、これらは作家さんごとのスタイルで、回答じゃありません。
だから他の作家さんの作業を見られるという事は、別のスタイルを知れるという点で、とても興味深いです。
……出演はしませんけれど。